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増税の今こそ検討したい!SIMフリーのススメ

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by [2014年4月01日]

「3大キャリアの通信料は高い」と思っている人は少なくないはずだ。その証拠にMVNO※1が勢力を伸ばしてきている(下図)。MVNOとは、実回線を持つキャリア※2と回線利用契約を行なって、ユーザーに通信サービスを提供している事業者のこと。利用者からすれば、通信速度や通信可能容量を抑える代わりに、安価に通信環境を手に入れられるメリットがある。
※1 Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)
※2 NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなど。これらはMNO(Mobile Network Operator)と呼ばれる

「国内MVNO市場規模の推移・予測 – 株式会社 MM総研」より

 しかし、初心者が格安SIMを運用するには、端末面でもハードルが存在する。なぜなら、日本の主なキャリアが販売する端末には、他社のSIMカードが使えないようSIMロックが施されているからだ。いわゆるSIMロックはキャリアショップに持ち込めば解除してもらうことも可能だが、手数料は3,000円程度かかる。

国内におけるSIMフリーブームの火付け役『Nexus 5』

 2013年11月には、Googleから、SIMフリー端末である『Nexus 5』が発売され、追従するかのようにAppleもiPhone 5s、iPhone 5cのSIMフリー版を発売した。これらはSIMロックがかかっていないので、通信規格とSIMカードの形状が合えば、MVNO、キャリア問わず通信することができる。また、SIMフリー端末と格安通信が可能なSIMカードとのセット販売を行なうPandA(フリービット)など、セット販売で囲い込みを狙う業者も現れ始めた。
 SIMフリー端末と、格安SIMカードを組み合わせれば、モバイル通信にかける費用は、キャリアを使うよりも少なくすることができるはずだ。

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 ここからは、SIMフリーを使うことでどんなメリットがあるのかについて考えていこう。デメリットも人によってはメリットになるものもあるので、検討材料としてぜひご活用頂きたい。
 そもそもSIMフリーという単語は、MVNOのSIMカードのことを思い浮かべる人もいれば、SIMロックがかかっていないスマートフォンのことを思い浮かべる人もいるかもしれない。したがってここでは、SIMロックがかかっていないスマートフォンをSIMフリー端末MVNOが提供するSIMカードは、格安SIMカード(キャリアより通信料が安いという意味で)と表現する。

格安SIMカードでムダを徹底排除

 まずは、格安SIMカードを使うメリットを以下にまとめる。

  1. キャリアよりも通信コストが抑えられる
  2. 解約しても違約金がかからないものが多い
  3. 7GBの通信量制限のサブ回線として使える

キャリアよりも通信コストが抑えられる
 格安SIMを使うそもそもの理由がこれだろう。初期費用を除けば、月額500円以下で通信契約をすることができる。契約形態も多様になり通信速度が100kbpsとISDN回線並みの遅さである代わりに、低価格を実現しているものもあれば、1日当たりの通信量を制限することで、100Mbps以上の通信速度を提供しているMVNOもある。自分の通信回線の利用シーンに合わせて選択できるのも魅力だ。

解約しても違約金がかからないものが多い
 キャリアと契約していると、更新月以外に解約すれば、解約違約金が9500円(税抜)で取られてしまうが、MVNOの場合は、それがない場合が多い。もちろん、中には定められた期間使わないと、違約金が請求されてしまうこともある。まずは契約してみて、通信の品質が悪かったり、月あたりの通信量が超過してしまって追加料金を請求されるなどの事態が発生して、MVNOが気に入らなければすぐに解約してしまえばよいのだ。

7GBの通信量制限のサブ回線として使える
 通信コストを抑制するという趣旨からは反してしまうが、スマホの通信量7GBを超えた時の対策としてもMVNOは有効だ。今使っているスマホのSIMロック解除が前提となるが、キャリアの通信を使っていて、通信速度が制限される通信量7GBが近づいたら、MVNOのSIMカードに差し替える。キャリアでは、通信速度を維持するために、2GBあたり、2,625円を支払えばよいが、MVNOであれば、2,625円よりも安く2GB分の通信ができる契約もある。

 ではデメリットはどうだろうか。同じようにまとめてみよう。

  1. キャリアのメールアドレスが取得できない
  2. 音声通話やSMSができないSIMが多い
  3. 契約条件が複雑でわかりにくい

キャリアのメールアドレスが取得できない
 ガラケーを使っていたころから、友だちや仕事でキャリアドメイン「@docomo.ne.jp、@ezweb.ne.jpなど」を使っている人には痛手だ。gmailのアカウントを使えばよいのだが、Webサービスによっては、キャリアのドメインでないとスマホから利用していると認識しないものもある。したがって、キャリアのメールアドレスが取得できないことで、スマホライフに支障をきたす恐れがある。

音声通話やSMSができないSIMが多い
 月額料金が1,000円未満のSIMだと、データ通信専用になっているから、携帯電話番号を使った音声通話やSMSができない。SkypeやLINEを使えばよいのだが、取引先との電話などで、電話番号が必要なシーンはまだまだ多いはず。音声通話やSMSができる格安SIMもあるのだが、月額2,000円以上になるので、キャリアとの料金の差は小さくなってしまう。

契約条件が複雑でわかりにくい
 キャリアのパケット通信プランに比べて、MVNOの通信契約は複雑であることが多い。ただしこれは自分にあったプランを取捨選択できるという意味ではメリットと言えるかもしれない。契約しようとしている格安SIMが、どのくらいの通信速度が出るのか。1日あたりの通信量が何GBを超えると速度が制限されたり、追加料金が請求されるのかをよく確かめる必要がある。

良くも悪くも“自由”なSIMフリー端末

 ここでいうSIMフリー端末とは、キャリアでロックを解除してもらう端末ではなく、はじめからSIMロックがかけられていない端末のことである。SIMフリー端末のメリットは、SIMロックがかけられていないことに他ならない。実は、デメリットの方が多くなってしまう。以下にまとめる。

  1. 通信キャリアのサポートが受けられない
  2. 端末代金を分割で払うことができない

通信キャリアのサポートが受けられない
 キャリアでスマホを契約した場合は、もし、スマホで通信ができなくなってしまった場合に、端末をキャリアショップに持ち込めば、サポートを受けることができる。その結果、端末が悪いのか、通信契約に問題があるのかといった原因の切り分けができる。しかし、SIMフリー端末で、通信ができなくなった場合には、自分で原因の切り分けをしなければならず、通信キャリアの助けを借りることはできない。これは、キャリアでもMVNOでも同じだ。

端末代金を分割で払うことができない
 キャリアであれば、端末代金は、割賦金払いで12回または24回で支払うことができるが、SIMフリー端末は、代金をその場で支払う必要があるが、初期費用がかかってしまうのがデメリット。SIMフリー端末を販売するショップがクレジットカードの分割払いに対応していれば、初期費用を下げることができるが、その分、金利や手数料がかかってしまうことになる。

 SIMフリー端末を手に入れるためには、初心者にはハードルが高いかもしれない。しかし、通信コストを削減するためには、避けては通れない道でもあるのだ。

毎月の定額パケット料金を大幅圧縮

 それでは実際に格安SIMを契約し、SIMフリー端末を購入する場合に、どのような格安SIMや端末があるか、仕様を比較してみよう。
 まず表1に、格安SIMのプランをいくつかまとめた。メールや動画視聴を想定してみたが、どれも実用上は十分な内容となっている。
 いずれのプランも初期費用が3,000円かかり、通信速度は、最高速度150Mbpsが実現できるが、1日当たりの通信量が100MB~500MBを超える、または、月あたりの合計通信量を超えると通信速度が制限される。音声通話やSMSのオプションを+1,000円~程度で提供するサービスもある。
 音声通話を抜きに考えれば、最安だと月額467円で格安SIMが持てることになる。NTTドコモのパケホーダイフラットの月額料金が、5,200円だから、単純計算で、月額4,733円の通信コストが削減できる。
 さらに、キャリアの契約は2年縛りのことが多いので、2年間運用したと仮定した場合のデータ通信料金を比較してみると、パケホーダイフラットは124,800円となるのに対し、freebit mobileだと25,152円、この中で最も安いServersMan SIM LTEにいたっては11,208円で済むのだ。

表1 MVNOの格安SIMプラン。これ以外にも基本料金を高くして、使える通信量を多くしているプランなどがある

 続いてSIMフリー端末を見てみよう。表2にまとめた。
 12,190円という最安値で購入できるのは、freetelの端末だ。CPU性能は、1世代前のスマートフォンと同程度で、これはiPhone 4sと同じくらいの性能といえばわかりやすい。freetelは3.5インチと画面サイズも小さいので、高性能を求めるのであれば、この端末ではなくNexus 5をおすすめしたい。しかし、freetelであれば、デュアルSIMに対応しているので、SIMカードを2枚挿すことができる。キャリアの音声プランのみのSIMに、データ通信用の格安SIMを組み合わせる場合などは、freetelがおすすめだ、iPhone 5s、iPhone 5cのSIMフリー版も購入できるが、端末価格として6万円程度~のコストがかかってしまう。どうしてもiPhoneが使いたいのなら別だが…。
 また、Pandaも、スペックを低くした格安SIMフリー端末だが、freetelよりも価格が高いため、購入するメリットが無いように見える。しかし、freebitの場合は、MVNOサービスも実施しており、端末の購入と通信契約を同時に行なうことができる。

表2 国内で買える主なSIMフリー端末。選択肢は少ないものの、価格、スペックがうまい具合にバラけている

 ここまでで、月額の最安コストを考えてみると、端末の最安価格は、12,190円。2年間分割で支払ったと仮定すれば、12,190÷24=508円。SIMカードの最安価格は、初期費用3,000円を2年で按分して、月当たり125円+基本料金月額467円だから、508円+125円+467円=1,100円となる。したがって、通話をしないのであれば、キャリアでスマホを持つよりも月額で約5,000円の通信コスト削減につながるのだ。

自分が本当に必要なものは何か?

 SIMフリー端末と格安SIMカードの組み合わせで、確かに通信費用の削減が可能だ。しかし、初期費用を抑えるために、通信速度や通信量の制限や、場合によってはスペックの低い端末を選ぶなどの条件を呑まなければならない。そこで、スマホで通話をしない人や、通信量制限がかからないWi-Fi通信環境が自宅や会社に整備できている人、とにかく通信量を抑えてスマホを持ちたい人に、この運用方法をおすすめしたい。逆に、スマホでゲームや動画を楽しむ人や、外出が多くてLTE回線をよく使う人は、キャリアで契約するのが無難だ。通信速度が遅くてイライラすることも、通信できなくなった時のサポート体制に不満を持つこともないので安心だ。

▼参考リンク
b-mobile 基本料 0円 SIM
ServersMan SIM LTE:【dream.jp】 – DTI
ユーモバイル*d | U-mobile*d
BIC SIM(ビックシム)-ビックカメラ.com
freebit mobile: フリービットモバイル
国内MVNO市場規模の推移・予測 – 株式会社 MM総研

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