NEC D3142ST-506の改良型であるST-412互換のインターフェイスを備える、容量40MBのハードディスク。左手前に見える34ピン(制御線)と20ピン(データバス)の2組のカードエッジコネクタを用いてドライブの制御とデータの送受信を行う。

連載:IT因縁話「ディスクインターフェイスの天下統一(1)~黎明期のハードディスクインターフェイス~」

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by [2014年4月11日]

パソコンであれ、スマートフォンであれ、タブレットであれ、現在のコンピューターでは基本的に記録媒体であるディスク(ストレージ)にファイルという形でデータを保存する仕組みとなっています。

それはつまり、ディスクとコンピュータ本体の間に何らかのインターフェイスが介在している、ということを意味します。

今回はそんなディスクインターフェイスの変遷について考えてみたいと思います。

▼連載「ディスクインターフェイスの天下統一」目次▼
黎明のハードディスクインターフェイス
SASIからSCSIへ
IDE/ATAそしてATAPI
SASとSATA
直接接続への回帰
▲連載目次▲

黎明期のハードディスクインターフェイス

黎明期のパソコンでは、パソコン本体のCPUがインターフェイスカードとハードディスクにそれぞれ搭載されたコントローラを介して各種動作を手取り足取り制御するような構成になっているのが一般的でした。

そんな時代のハードディスクインターフェイスを代表する規格の一つが、ST-506です。

実はST-506という名は元々Seagateが1980年に発表した容量5メガバイトのハードディスクドライブの型番で、インターフェイス(およびその規格)の名称ではありません。

NEC D3142
ST-506の改良型であるST-412互換のインターフェイスを備える容量40メガバイトのハードディスク。左手前に見える34ピンと20ピンの2組のコネクタを用いて接続する。

しかし、このST-506に搭載されたインターフェイスが他のメーカー製のハードディスクでも模倣搭載された結果、Seagateでのこのタイプのドライブの代表型番であるST-506の名がインターフェイス規格をも指し示すようになりました。

パソコン黎明期には、成功した1社のある製品が他社によってデッドコピーされたり改良模倣されたりして、なし崩し的に「事実上の業界標準規格(デファクト・スタンダード)」と化してしまうことは珍しくなかったのですが、このST-506はその典型例でした。

ST-506のインターフェイスカードは元々低性能な8ビットパソコン用でしたが、ST-506の通信規格そのものはディスクそのものの記録方式の変更や転送方法の工夫などによりIBMの16ビットパソコンであるPCや、そのマイナーチェンジモデルであるPC/XTでも特に大きな問題なく利用されました。

しかし、CPUが大幅に高速化したPC/ATの時代になるとST-506は性能不足が目立ち、接続方式を変えず基準クロック周波数を引き上げて理論上最大で4倍速転送を可能にしたESDI(Enhanced Small Disk Interface)が開発され、これはPC/ATの後継となったPersonal System/2(PS/2)の時代まで使用されました。

(次回、『SASIからSCSIへ』へ続きます)

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