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連載:ITエロ進化論「コピープロテクトの攻防(5)~著作権法改正~」

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by [2014年4月04日]

▼連載:ITエロ進化論「コピープロテクトの攻防」目次▼

  • アダルトビデオとマクロビジョン
  • 思いつく限りの手段が講じられたフロッピーディスクのプロテクト
  • CD-R対策と誤爆との戦い
  • オンライン認証の時代
  • 著作権法改正
  • ▲目次▲

    法改正

    こうした違法コピーとプロテクトの戦いにおいて、一つの転機となったのが、平成24年と平成25年の著作権法改正です。

    平成24年の著作権法改正の趣旨などを紹介する文化庁のページ
    改正著作権法の概要や新旧対照表などが掲載されている。

    平成24年の改正でまず「暗号方式による技術的保護手段」の回避、つまりDVDで用いられているCSSやBDで用いられているAACSといった映像・音声の暗号化技術の解除(およびそのためのツールの譲渡など)が禁止され、さらに平成25年の改正で複製させない技術的保護手段を回避させて複製を行った場合、たとえ私的複製であっても著作権(複製権)侵害となる、と規定されたのです。

    「複製させない技術的保護手段」すなわちコピープロテクトですから、ここでプロテクト解除に関わる技術全般の利用が違法と規定されたことになります。

    これにより、少なくとも日本国内では合法的にプロテクトを破ることはできなくなりました。

    しかし、これで海賊版や違法コピーが完全に駆逐されるかと言えばそれは疑問(※そもそも「ビニ本」の海賊版からして明らかに当時の著作権法に違反した代物でしたが、今もって完全に一掃できていません)で、ツール類を非合法化することでかえって状況を悪化させたのではないか、という疑念も残るのですが、ともあれこれによりカジュアルな違法コピーが減るのはほぼ確実と見て良いでしょう。

    もっとも、違法コピーを排除したらそれでコンテンツの売り上げが増えるとは限らず、実際に売り上げ全体に対するDRMのかかっている有料音楽配信の比率が高まってきている音楽ソフトが2007年頃から年々総売上を減らしている現状を考えると、違法コピーの禁止がすなわちコンテンツホルダーの利益になるとは必ずしも言えない(※それどころかネット配信で違法コピーを恐れてDRMなどで過度のプロテクトを施すのは決してコンテンツホルダーにとっての利益につながらない、と結論する研究さえあります)状況です。

    今後、日本のアダルトコンテンツ産業がどのような盛衰をたどることになるのかは判りませんが、これらの著作権法改正が一つの転機となることだけは確実です。

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