「MNP携帯乞食、やってみた!【MNP弾編】」のトップページ

普通の人が馬鹿を見る! 主要携帯キャリアによるMNP競争の問題点

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by [2014年3月25日]

 

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他人のキャッシュバック代が、利用料金に上乗せ?

 激化する主要携帯キャリア間のMNP競争に対し、各方面から疑問の声があがっている。 

 ビジネスラボ代表取締役の大西宏氏は、BLOGOSに「総務省は過熱する不毛なMNP戦争を止めさせられない?」と題した記事を投稿。大西氏はこの記事のなかで、「MNPでの顧客争奪に偏った、結局はゼロサムの不毛な戦争に見えてしまいます」と指摘したうえで、つぎのように述べている。

「顧客を奪う」のはコストがかかります。各社とも「顧客防衛」も必要なわけで、日経の記事によれば、「携帯大手3社が値引きに1兆円規模の巨費を投じているのは確かだ」そうです。

 大西氏の指摘する通り、キャリアは顧客のMNP乗り換えに大金を投じており、最大7万円ものキャッシュバックも用意している。しかし、このような大金をキャリアはどのように担保しているのだろうか?ケータイ評論家で青森公立大学准教授の木暮祐一氏は、週プレNEWS上でこう発言している。

「ケータイ利用者は、その原資を誰が払っているのかを考えてほしいですね。結局は通信料金に転嫁されて、まっとうな金額で購入したユーザーが損をしている状況です。」

MNP乞食が横行

 キャリアの過度なキャッシュバックを利用して利ざやを稼ぐ人々も少なくない。事実、インターネット上にはキャッシュバックの活用術が数多く紹介されている。ITメディアニュースは、「普通に使っている既存ユーザーが馬鹿を見ている」との声も紹介していた。

 キャッシュバック活用術を紹介するサイトの1つ「MNP携帯乞食、やってみた!【MNP弾編】」では、「携帯ショップが行っている多額のキャッシュバックを目当てにMNPを繰り返し利ザヤを稼ぐユーザー」を「携帯乞食」と定義した上で、次のように述べている。

これは違法行為ではなくまったくの合法です。問題点があるとすれば、それを行っているユーザーではなく、このようなビジネスをしている各キャリアです。

総務省も動き出した

 激化するMNP競争や、高騰するスマホ料金といった問題に関して、総務省ではすでに議論がはじまっている。

 時事ドットコムによると、総務相の諮問機関である情報通信審議会の特別部会が2月26日におこなわれ、明治大・新美育文教授が次のように指摘した。

「通信事業者は利用者の囲い込みに血道を上げ、サービス向上の競争をしていない。乗り換えで割引を受け、長期顧客ほどサービスが悪いのは異常な商慣習だ」

行き過ぎた規制緩和

 消費者庁のホームページによると、電話料金はもともと郵政大臣(現・総務大臣)による認可制だった。つまり、国が電話料金の適正価格を決め、キャリアはそれに従う。キャリアは、電話料金を自由に設定することはできなかった。

 だが、平成8年に橋本政権による規制緩和の一環として、携帯電話・PHSなどの電話料金が事前届出制となった。さらに、平成16年には小泉政権下で携帯電話・PHSなどの料金に関する事前規制が廃止された。自前規制の廃止とは、キャリアは事前に管轄省庁の認可を必要とせず、自由に料金設定ができることを意味する。

 これによりキャリアは、トラブルが生じた場合は事後的に罰せられる事後規制の形式をとっているものの、電話料金を自由に設定して、顧客に請求できるようになった。キャリアがキャッシュバック代金を通信料金に転嫁できるのも、一連の規制緩和の賜物なのだ。

適切な規制求められる

 携帯キャリアはいまや3大キャリアによる寡占状態。日本人の携帯普及率は106%で、業界全体のパイももはや膨らまない。既存の顧客の取り合いや競争になるのは、ある意味必然だ。

 最近ではiPhoneをはじめとして、各キャリアの取り扱う機種も変わり映えしない。他社との差別化のためにキャリアがつかえるのは、もはや金銭だけなのかもしれない。

 事後規制による価格設定のほうが、事前規制よりも自由な価格設定ができるため、価格競争を促しているとの声もある。だが、現実として「競争が通信基盤の高度化につながっていない(情報通信審議会委員)」のでは意味がない。

  キャリアが顧客に対して適正価格を提供しないのであれば、国が規制や指導に動くのも致し方ないだろう。ケータイ評論家で青森公立大学准教授の木暮祐一氏は、週プレNEWS上でこう発言している。

キャリアにとってもこれは体力の消耗戦でしかなく、『やめたいのはやまやまだけど、一社だけやめるわけには……』ということではないでしょうか。本心では、『総務省や消費者庁が介入して、やめさせること』を期待しているのかもしれません

  本当はキャリアも適切な規制を求めているのかもしれない。

【参考リンク】
総務省は過熱する不毛なMNP戦争を止めさせられない?
iPhone5s“叩き売り”のウラ事情 – IT・テクノロジー – ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]
MNP携帯乞食、やってみた!【MNP弾編】
日本通信、携帯キャリアのMNPキャッシュバックに「公開抗議」 1年間の最低利用期間設ける – ITmedia ニュース
時事ドットコム:通信政策、見直し議論開始=基盤整備や競争環境-総務省
4-3 通信料金の決まり方 | 電気通信料金 | 個別公共料金 | 公共料金の窓 | 消費者庁

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