itero

連載:ITエロ進化論「入力操作を巡る葛藤(3)~事実上の標準入力機器となったマウス~」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

by [2014年3月26日]

▼連載目次▼
煩雑だったキーボード
意外と使いづらかったジョイパッド
事実上の標準入力機器となったマウス
思わぬ操作性を発揮したトラックボール
可能性の封じられたタッチパッド
▲目次▲

事実上の標準入力機器となったマウス

アダルトゲームの入力機器として標準の地位を確立し、さらにこのジャンルの隆盛に大きく寄与したのはマウスでした。

NEC PC-H98-U01
NECのPC-9800シリーズ用純正2ボタンバスマウス。この機種およびその同等品でPC-9800シリーズ向けアダルトゲームに熱中した人も少なくないことだろう。

これには、1980年代後半以降1990年代まで日本のアダルトゲーム市場で事実上の標準プラットホームとなっていた日本電気(NEC)のパソコン、PC-9800シリーズで初期のヒット作となったPC-9801VM2の頃からバスマウスと呼ばれるタイプのマウスの接続に必要なインターフェイスが標準搭載されていて、さらにこれに対応するバスマウスがサードパーティー各社からも多数発売されていて入手が容易だったことが影響しています。

そのため、音楽が特に重視されるようになった後年とは異なりサウンド機能が無くとも特に困らなかったこの当時の98エロゲーならば、低価格で販売されているものを適当に選んで購入・接続すればそれだけでキーボードのみとは比較にならないほど快適な操作性が得られたマウスへの対応は、選択の余地のない当然の措置だったのです。

無論、先にも触れたように単位時間あたりのカーソル移動量を自由に変化させられるというポインティングデバイスとしてのマウスの持つ、他では得がたい特性も重要であったのですが、低価格でマウス本体の入手が容易な状況にあったことがPC-9800シリーズ向けのDOS対応エロゲー各種でのマウス対応を促したことは疑う余地もありません。

もっとも、こうした背景事情がなくとも、エロゲー向けにはマウスが普及・一般化するのは自明のことだったという見方もあります。

なんと言っても、両手でパッドを握らねば操作が難しいジョイパッドとは異なり、片手操作でゲームをプレイできるというマウスの特性は、ことアダルトなゲームをプレイする上では他で得がたい優れた性質であるためです。

(次回、「思わぬ操作性を発揮したトラックボール」へ続きます)

コメントは受け付けていません。

PageTopへ