CanopusPower Window 928 II LB1990年代前半に販売されていたPC-9821シリーズ用グラフィックボード。左側にずらりと16個並んだデュアルポート構造のDRAMにより、2MBのVRAMを確保する。デュアルポートDRAMはデータの書き込みと読み出しを平行して行えたため、低速な通常のDRAMでは間に合わないアクセスでも問題なく、より高速な描画が可能となるというメリットがあった。もっともその一方で信号ピンが多く構造複雑なため1チップあたりの容量が通常の汎用DRAMよりも少なく高コストというデメリットがあった。

連載:ITエロ進化論「アナログRGBで肌色を!(2)~アナログRGBの罠~」

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by [2014年3月11日]

前回から引き続き、連載「アナログRGBで肌色を!」をお送りします。

▼連載「アナログRGBで肌色を!」目次▼
1.そもそも色の数を増やさねばならなかった
2.アナログRGBの罠(今回の記事)
3.必ずしもエロに最適ではなかった高画質グラフィックカード
4.突出した性能は出なくとも エロ最強だったATIのRageシリーズ
5.3D最強もエロ最強ではなかった
▲目次▲

アナログRGBの罠

アナログRGB出力の導入により、コンピューター画面では多色表示が可能となったわけですが、実はここに大きな罠がありました。

IBM RGB640
Intergraph RealiZm II ZX25(Open GL対応のワークステーション向けグラフィックカード)に搭載されていた、IBM製のいわゆる「Blue DAC」の最上位機種。このようにRAMDACでも高発熱の機種では画質安定のためにヒートシンクを取り付ける例があった。なお、右上奥の3つ並んだ白い箱状部品の上部に調整ねじが並び、赤茶色の樹脂で固定されているが、これはメーカー出荷時にフィルター回路の定数変更によりアナログRGB出力の画質・色調調整を行うためのものである。アナログRGBが主流の時代にはこうした画質調整の追い込みやちょっとした設計ノウハウが大きくものを言った。

VRAMから読み出されたデジタルな画像データをアナログRGB信号に変換するには、一般にRAMDAC(Random Access Memory Digital to Analog Converter)と呼ばれる電圧出力D/Aコンバータの一種が用いられるのですが、このチップの性能次第で目で見てわかるほどに画質差が生じ、さらにその動作クロック周波数によって表示できる画面解像度の上限が大きく変化したのです。

しかも、同じRAMDAC搭載でもその信号出力をフィルタリングする回路の設計、あるいは搭載部品の善し悪しなどグラフィックカードメーカーの設計ノウハウに属する部分で露骨なほど発色やフォーカスに(それも高解像度多色表示になればなるほど)差が出たため、この時期には「どのメーカー製の何というグラフィックコントローラを搭載しているか」と同様に「どこのグラフィックカードメーカー(の製品)か」ということがかなり重要な問題となりました。

(次回、『必ずしもエロに最適ではなかった高画質グラフィックカード』(3/12配信予定)に続く)

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