「艦隊これくしょん  -艦これ-」トップ画面

Androidスマホで「艦これ」を遊ぶ方法

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by [2014年2月26日]

「艦隊これくしょん ~艦これ~」トップ画面

サービス開始から約10ヶ月で登録ユーザー数が170万人を突破するなど、空恐ろしい勢いで人気急上昇中のブラウザゲーム「艦隊これくしょん ~艦これ~」。

主に帝国海軍の艦艇を擬人化した「艦娘(かんむす)」と呼ばれるキャラクターを集め、強化し、装備を組み替えて戦う、典型的なカードゲームのルールに従うこのゲームがなぜここまで人気を集めるに至ったのか、についてはここでは触れません。

ただ、この種のゲームとしては珍しいほど課金に対して消極的(※もちろん俗に「米帝プレイ」と呼ばれる、第二次世界大戦中のアメリカ軍よろしく資金力にものを言わせた課金アイテム買いあさり→物量作戦展開も不可能ではありませんが、それが必ずしも良い結果につながるとは限らないような仕組みになっています)で、実によく考えられた戦術ルーチン(※理不尽な通称「栗田ターン」を各提督に強いる「羅針盤娘」だけは頼むから勘弁してくれ、という悲痛な声もありますが)を組み込まれたこのゲームが、いわゆる18禁かつ実質パソコン上でのプレイに限定されるという非常に限られた、言ってみれば非常にマニアックな市場向けに開発され、当初最大登録ユーザー数を十万人程度と想定していたにもかかわらず、これほどの成功を収めたことが今後のブラウザゲームの方向性を考える上で非常に示唆的な結果となったのは間違いありません。

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基本的にスマホでは遊べない「艦これ」

パソコン以外で(ブラウザをPCモードにせずに)「艦これ」をプレイしようとした場合、このような非情のメッセージが表示される。

そんな「艦これ」ですが、上にも記したように実質パソコン専用(※Windows 7/8/8.1/RT 8/RT 8.1タブレットはOK)で、現行のiOS・Android搭載スマートフォン・タブレットでは遊べません。

これはこのゲームがiOSおよびAndroid(つまり実質的にモバイル機器全般)での公式サポートがOS開発元とAdobeの双方から打ち切られたAdobe Flashを用いてプログラムが書かれていて、これをサポートしないiOSや現行のAndroidでは、標準状態では動作しようがないためです。

しかしできればベッドで寝転がって、あるいは外出先で「艦これ」を遊びたい、艦娘を愛でたい、という各鎮守府(※サーバ)に所属する提督(※このゲームではプレーヤーのことをこう呼びます)たちの願望や欲望は非常に強く、最近では「艦これのプレイに最適」と称して売り出された格安Windowsタブレットが秋葉原で飛ぶように売れた、という話が報じられていたりします。

また、「Adobe Flashが動作しないのが艦これの対応しない主因ならば、Flashが動作するようにすれば良い」という考え方の下で様々な試行錯誤を繰り返す提督も後を絶ちません。

そんな折、今月(2014年2月)初頭にリリースされた最新のAndroid版Firefoxで「艦これ」が動作する、というニュースが出回りました。FirefoxのAndroid版ではOSのサポートとは独立してFlash Player相当の機能が内蔵されているため、「艦これ」が動作するというのです。

そこで今回は、このAndroid版Firefoxを中心にAdobe Flashを用いて書かれたWebコンテンツがAndroid搭載のスマートフォンやタブレットでどの程度動作するのかについて考えてみたいと思います。

三つの選択肢

現在のAndroid搭載のスマートフォン・タブレットでAdobe Flashを用いて書かれたコンテンツをプレイするには以下の三つの方法が考えられます。

・現在では非サポートとなってしまった旧版のAdobe Flash Playerを無理矢理インストールする
・Windowsパソコン上で当該コンテンツを動作させ、リモートデスクトップ経由で表示・操作する
・Flashをサポートする(Flash Player相当の機能を内蔵する)ブラウザを利用する

Microsoft Remort Desktop
Windowsパソコンで遠隔ログインするのに用いられるリモートデスクトップのAndroid版。Windowsの操作は一通り行える。

最初の方法はAdobe純正のFlash Playerが利用できるという点でメリットがあります。しかし、既にサポートの打ち切られたアプリを無理にインストールして動作させるため、正常な挙動が得られない可能性があり、また現行最新のAndroid 4.4ではそもそもOSレベルでこの方法が使えなくされています。

2番目の方法は一種の迂回手段で、正常動作が行われているマシンの入出力を乗っ取ってスマートフォンやタブレットで動作させるというものです。この方法ではコンテンツそのものの動作は理屈上正常に行われることが期待できますが、当然ながら接続中はパソコンが起動していなければならず、また通信による応答の遅延を考慮せねばならないという問題があります。

3番目の方法はブラウザの固有機能に依存するため、OS側でのFlash対応の可否を無視できるという大きなメリットがあります。しかしそれゆえに当該コンテンツのプレイを行う際には対応ブラウザの利用が必須で、表示や動作の正しさはそのブラウザのFlash Player互換機能の完成度に依存することになります。

実際に試してみる

そこでこれら三種の方法について、実際に試してみることにしました。

今回の実験では、筆者が日常使用しているHTC J butterfly(CPU:Snapdragon S4 Pro 1.5GHz 4コア・RAM:2ギガバイト・GPU:Adreno 320・OS:Android 4.1.1)と自作パソコン(CPU:2.26GHz 4コア×2・RAM:24ギガバイト・GPU:RADEON HD7950・OS:Windows 7 Professional/8.1 Pro 64ビット版)を使用しています。

実験の詳細を書いても煩雑なだけなので結論のみを言うと、1番目の方法と2番目の方法は(程度の差こそあれ)共に実用になりませんでした。

というのも、1番目の方法の場合、音が正常に再生されず(途切れる、そもそも発音しない、など)、また動作が恐ろしく重くてFlash Player自体の応答が止まってしまうという致命的な問題が発生し、2番目の方法の場合、やはり音切れが頻発したほか、パソコン側の応答速度そのものは速いのに対し、スマホ側の描画速度が致命的に遅いという問題があるためです。さらに後者の場合、プレイ中必ずパソコンを起動していなくてはならない、というのも消費電力その他を考慮すると深刻な問題です。

1番目の方法での動作の「重さ」はCPUやGPUの性能を考慮すると致し方ない面もあるのですが、さすがにちょっとした操作をする度にFlash Playerそのものがフリーズ状態になってしまうのではとても遊べません。

サーバ側での回線輻輳や高負荷状態を疑って、パソコン上での操作に切り替えてみたのですが、そちらでは正常に応答されていたことから、これはサーバ側の問題が原因の「重さ」ではなく、Flash PlayerあるいはOSそのものの内部処理の問題と考えて良さそうです。

2番目の方法はそもそもWindowsのリモートデスクトップがパソコン上でもアニメーションを多用するゲームの遠隔操作など考慮しない仕様であったことからある程度は覚悟していたのですが、覚悟していた以上にひどい有様でした。何しろ、どこをどの順番で描画するのかが目で見て判るレベルで、対戦格闘ゲームのようにフレーム遅延を気にしなくとも構わないタイプのゲームでも流石にこれは厳しい感じです。

これは他のパソコンからリモートデスクトップ経由でログインした場合も発生していることから、どちらかというとスマホ側のプロセッサ性能と言うよりは通信のオーバーヘッドおよびボトルネックが問題と考えられます。

「艦隊これくしょん ~艦これ~」をWindowsパソコン上で動作させ、リモートデスクトップ経由でスマートフォン上に表示した例
画面解像度がパソコン側のログインされるアカウントで用いるプライマリディスプレイの設定解像度に依存するため、これがスマホ側と異なっていた場合、必要に応じて拡大縮小操作を要することになる。

ちなみにリモートデスクトップの場合、画面解像度がパソコン側のディスプレイ解像度に依存する仕組み(※スマホ側の画面解像度はそのスマホの物理的な画面解像度(HTC J butterflyの場合は1920×1080ピクセル)固定で、表示される画面解像度はターゲットとなるパソコンのプライマリディスプレイのログインアカウントでの設定解像度に依存します)であるため、高解像度のディスプレイ(4K2Kディスプレイなど)をプライマリディスプレイにしているユーザーの場合は接続の直前に画面解像度変更を要し、かなり煩雑な操作を強いられるという厄介な問題(※パソコンのプライマリディスプレイとスマートフォン・タブレットの解像度が同一ならば問題ありません)や、家庭内ならばともかく外出先からのアクセスが面倒、という問題もあります。

FireFox最新版で「艦これ」を遊ぶ

さて、最後に残ったのが3番目の方法、つまりFlash Player相当の機能を(プラグインなどの形で)自前で持っていてサポートするブラウザの利用です。

Firefoxダウンロードページ

この条件を満たすブラウザは少数派で、現状で無料にて利用可能なブラウザとしてはFirefoxしか見当たりません(※有償のブラウザには幾つか対応するものがあるようです)。

「艦これ」そのもののプレイでさえ、いわゆる「揺るぎない魂の輝き」という奴で今も無課金プレイを貫いている筆者としては、無償かつFlash対応、という条件をつけるとFirefox以外の選択肢はそもそも無いも同然なのでありました。

結論を先に言うと、現行最新版のFirefox(Ver.27.0)でブラウジングモードを「PCサイトモード」に設定してあれば、「艦これ」は応答が遅いものの概ね正常に動作します。

具体的にはトップ画面からログインして「GAME START」ボタンを押した後、提督の執務室が表示されるまで20秒~30秒程度待たされる程度には応答が遅くなります。

もっとも、応答が遅いと言ってもChrome+Flash Playerやリモートデスクトップ経由でのパソコン操作と比較するとまだマシな部類で、何より筆者が確認した範囲では唯一、音や音楽が途切れないという大きなメリットがあります。

応答が遅いのはChrome+Flashの場合での状況やCPUおよびGPUのスペックを考慮すると、これは純粋にHTC J butterfly(に搭載されたSnapdragon S4 Pro)のプロセッサパワーが足りないのが原因(※それゆえ、Cortex-A9以前のARM純正プロセッサ搭載機やTegra 3以前のTegraプロセッサ搭載機ではより一層厳しい状態となるでしょう)で、Snapdragon800やTegra 4以降のより高速なプロセッサを搭載したスマートフォンやタブレットならば、より実用的な動作速度が得られる可能性が高いと推測できます。

問題が無いわけではない

ただし、速度以外で全く問題が無いわけではありません。

「艦これ」をAndroid版FireFox(Ver.27.0)でプレイした際に漢字表示の欠落する例
ご覧の通り、潜水艦(伊168・伊19・伊8)の半角数字の部分だけが表示されており、ここでは全角文字の表示に問題があることが判る。

現行最新版のFirefoxでは(最新ベータ版を含め)、なぜか提督の執務室が表示される画面で通常ならば左上に表示される提督名が表示されなかったり、あるいは演習で対戦相手のレベル表示が行われる画面で艦娘の名が正常表示されなかったり、と幾つか動作そのものの正常性に問題のある部分が確認できています。

「艦これ」艦隊司令部情報表示ページ
ご覧の通り、このページの場合は左上の提督名表示部分を除き、全ての全角文字表示が正常に行われている。このため、文字表示の手順の内、何らかの条件を満たす場合のみ文字化けあるいは文字欠落が生じていると考えられる。

この表示問題はごく限られた部分でのみ起きており、また半角数字は正常表示されていることから、UTF-8の漢字コード部分が特定の表示方法を採った場合に限って正常表示されていない可能性が高く、他の部分の漢字表記は正常に行われているため不気味と言えば不気味ですが、プレイそのものにはほぼ実害のないレベルの問題と言えます。

遅いが故のメリットもある

「艦これ」の交戦中に表示される攻撃側艦娘の装備・パラメータ表示
これはパソコンではほんの一瞬しか表示されないため、非常にキャプチャしづらい画面だが、現在の一般的なAndroidスマホ+最新版Firefox環境では描画や処理の速度の遅さが幸いして(?)このようなスクリーンショットが比較的容易に撮れる。

さて、散々遅い遅いと言ってきましたが、このゲームの場合、表示が遅いことがメリットになるケースもあります。

そう、パソコンだと一瞬で消えてしまう戦闘中の艦娘のステータス表示、あるいは艦娘の中破・大破時の上下スクロールする全身表示画面のスクリーンショット撮影が、高確率で成功するのです。

パソコンでスクリーンショットを撮る場合、ワンテンポあるいはツーテンポ遅れた残念な画面しか撮れないことが結構あるだけに、これはこれで大きなメリットです。

他のFlashコンテンツはどうなのか

バンダイナムコゲームズ NewSpaceOrder -link of life-
開発中止となったゲーム「NewSpaceOrder」の外伝として公開されたFlashノベルの公式サイト。比較的古いFlashで書かれ、しかも重いコンテンツであるため、Playerの互換性チェックの際には重宝する。

さて、「艦これ」は(表示に一部問題があるものの)一通りの動作を確認できたのですが、他のコンテンツ、特に古めのFlashで作成されたコンテンツの場合はどうでしょうか?

筆者の確認した範囲で言うと、過去にAdobeによるFlash Playerのバージョンアップで動作不能となり、その後細部修正で新バージョン対応となったバンダイナムコゲームズの「New Spase Order -link of life-」が、初期化に失敗することがあるもののコンテンツそのものが動作し始めた後は正常に表示されていることなどから、先に記した全角文字表示の問題を別にすると概ね正常に動作していると考えて良さそうです。

遊べることは遊べるが迷惑のかからないように

以上、スマートフォン上で「艦これ」をはじめとするFlashコンテンツをプレイする可能性を探ってきましたが、現状ではFirefox最新版の利用が最も問題が少ないと考えて良さそうです。

もっとも、応答速度そのものが遅い(これについてはプロセッサ性能に依存するため、Firefoxのバージョンアップでは解決がつきそうにありません)という問題はついて回るため、Snapdragon S4 Pro以下のプロセッサの搭載機種の場合、例えば外出先などでは時間帯に左右される艦隊遠征の指示程度にとどめるのが賢明と言えそうです。

なお最後になりますが、「艦これ」開発元の角川ゲームスと運営下のDMM.comはこのゲームをあくまでパソコン向けに提供しています。

本記事記載内容は執筆時点(2014年2月25日現在)での筆者の個人的実験結果であり、この記事を読んでFirefoxをインストールしたがスマートフォンでうまく動かない、などの問い合わせを決して両社に行わないようお願い申し上げます。

ちなみにDMM.comのオンラインゲーム利用規約では禁止事項として

(8)不正な方法(特殊なプログラムを介しての)でのアクセスを試みる行為
(13)その他当社が不適切と判断する行為

が挙げられ、更に迷惑行為として

(5)不適切に当社のサーバーその他システムに負担をかける行為

が挙げられています。

そのため、果たしてパソコンの代わりにスマートフォンの、それも一般に公開されている通常のブラウザ経由でアクセスする行為が「特殊なプログラムを介しての不正な方法」(※筆者はこれはいわゆるチート行為の禁止を示すものと理解しましたが、あるいは別の解釈も存在するのかも知れません)となるのか、「当社が不適切と判断する行為」となるのか、あるいは「不適切に当社のサーバーその他システムに負担をかける行為」(※これそのものはDoS攻撃などを想定した文言のように筆者には思われます。果たしてノートパソコン+スマートフォンのテザリング機能を利用してアクセスするのと、スマートフォンのブラウザで直にプレイするのと、どちらの方がシステムに負荷となるのかは技術的に興味深い問題ではあります)となるのか、明確な基準が示されていない(※そもそも対応環境も「推奨環境」が示されているのみで、少なくとも現時点ではスマートフォンやタブレットからの接続を禁止する文言はありません。また、「推奨環境」以外が全て駄目ならばWindows RT 8/8.1搭載パソコン/タブレットも全てアウトということになります)ため筆者には判断がつきません。

よって、スマートフォンからのアクセスが現状ではグレーゾーンの扱いとなることは、この記事を読んで挑戦される提督諸氏には特に留意して頂きたく思います。

筆者個人の感想としては、「この速度なら素直に諦めてパソコンでプレイした方がいいかなぁ」とは思いましたが・・・。

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