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日本で電子書籍が流行らない理由

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by [2014年2月21日]

アメリカに比べ、日本ではそれほど電子書籍が普及していないとよくいわれる。そこで今回、電子書籍が日本で流行らない理由についてまとめてみた。

確かに優れている 文庫本のモバイル性

日本ではなかなか電子書籍が流行らない理由について、ITライターのまつもとあつし氏はダ・ヴィンチ電子ナビ上でこう指摘している。

1.日本とアメリカで本のパッケージ(文庫の存在や大きさや重さ)が異なる。
2.本が作られるプロセスが異なり、販売価格も異なっている。
3.Kindleが実現しているような利便性がまだ多くの国内電子書店では実現されていない
(ダ・ヴィンチ電子ナビ 「まつもとあつしのそれゆけ!電子書籍」より)

まつもと氏が発言しているように、日本における文庫や新書の存在は確かに大きいだろう。アメリカにおける文庫的な存在としてまず思いつくのがペーパーバックだが、手にとってみると確かに大きい。平均的な大きさは、文庫が10.5×14.8なのに対して、ペーパーバックが 11.1×18(共にセンチメートル)という。たしかに文庫のモバイル性は高い。また講談社学術文庫や岩波文庫など学術書が文庫で手に入るのも日本の強みだ。

大きさを比較してみると、文庫本のモバイル性が確かに際立つ。

日本には本屋が多い

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの太下義之氏は、ニュースサイトTHE PAGEのインタビューに対して、アメリカで電子書籍が普及し始めた理由は大きく3つあると答えている。

日本ではどんな田舎でも本屋があり、本の入手には困りません。しかし、アメリカでは田舎に本屋がありません。これがまず1つ。次に、アメリカの書籍は分厚くて大きいのですが、Kindleのリーダーは小型でコンパクトな点。3つ目は、電子書籍が非常に安い点です。Kindleでは当初、9.99ドルというリアルな本より圧倒的に安い値段設定をしていました。
(日本で電子書籍は普及しないのか? | THE PAGE(ザ・ページ)より)

大下氏が指摘しているのは、本屋の店舗数の違いだ。出版年鑑2006年版によると、アメリカ全土の書店数は2万2,321店。一方、同じ2006年の日本の店舗数は1万7,582 店。カレントアウェアネス・ポータルによると、アメリカの書店数は「国土が日本の24倍もあるアメリカ全土で考えると、書店数は、極めて少ない」という。
また、アメリカの書店は日本で一般的な総合書店が少なく、学術書や宗教書などに限定した専門店が多い。日本でも出版不況が叫ばれ、書店数が2013年には1万4,241店まで減ってしまった。しかしそれでも、都内なら至る所に本屋や古書店チェーンを見るけられる日本は、本屋大国なのだろう。

日本の電子書籍はそれほど安くない

Amazonでは、電子書籍版のほうが圧倒的に安い場合もある。

2人の識者が共通して指摘しているのが、書籍の「価格」についてだ。ジョージ・オーウェルの「1984」は、ペーパーバック版が12.33ドルなのに対して、Kindle版が0.49ドルだ。一方、Amazonでは夏目漱石の坊ちゃんは電子版が259円なのに対して、文庫が257円とむしろ文庫版のほうがやすかった。アメリカでは電子版の作品が圧倒的に安く、日本では文庫版のほうがむしろ安い場合もあるということか。

電子書籍リーダーを買うのが面倒

ユーザー側には電子書籍リーダーを購入してまで電子書籍を読みたいとは思わないとの声も多い。わざわざ電子書籍を読むためだけに、一定価格のデバイスを購入しようという意欲を持つ人はたしかに少ないのかもしれない。しかし、ネット上には次に様な声もあった。

先日、Kindle paperwhiteを購入した。あまりの便利さに涙が出るほど感動した。私はもともと「紙派」で、電子書籍に対して食わず嫌いを起こしていた。しかし分厚いハードカバーの本を気軽に持ち歩ける便利さは、一度経験するとやみつきだ。(お前ら電子書籍リーダーを使ってみろ、色々と捗るぞ。/青空文庫のオススメ10選 – デマこいてんじゃねえ!より)

たしかに単に「食わず嫌い」の人も多いだろう。専用のリーダーでなくても、スマートフォンやタブレットからでも読むことができるので、関心のある人はまずはそういったかたちで電子書籍に触れてみるとよいと思う。

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