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【CEATEC】NTTドコモ副社長によるキーノート「スマートライフのパートナーへ」

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by [2013年10月04日]

株式会社NTTドコモ 代表取締役副社長 岩﨑 文夫氏

 CEATECでNTTドコモ副社長の岩﨑氏による講演「スマートライフのパートナーへ~新たな価値創造への取り組み~」が行なわれました。

モバイルブロードバンド化が拡大し、スマートフォンが急激に普及したことで、映画やビデオといったデジタルコンテンツや、食品や日用品の購入といったeコマースを手軽に楽しめるようになった。
本講演では、お客様一人ひとりのスマートライフのパートナーとして、お客様の生活が安心、安全、便利で快適になるよう、ドコモの新たな価値創造に向けた取り組みについて紹介する。

 フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が急速に進む中、利用者のトラフィックは、モバイルアプリのポータルサイト「Google Play」「App Store」にも流れるようになりました。
 日本の携帯通信キャリア各社はこのまま“土管屋”への道を歩むのでしょうか? それともフィーチャーフォンで培ったキャリア独自のサービスを進化させ、スマートフォンユーザーの支持を引き続き集めることができるのでしょうか?

移動通信市場の現状

 こちらは、今年を中心に前後3~4年の世界におけるスマートフォンの出荷台数を表しています。今年は、従来型のフィーチャーフォンとスマートフォンが半数になるのではないかと予想されています。

 こちらは、スマートフォンの出荷台数を日本のマーケットにおいて表したものです。日本では2011年にスマートフォンの比率が半数を超えていたと報告されています。現在、1億2000万人近くが携帯電話を使っている我が国において、間もなく2人に1人がスマートフォンを使う時代になるのです。

 スマートフォンの魅力の1つは、大画面と高速回線で楽しむインターネットです。
 こちらは、通信事業者の通信料を全体として、それに占めるデータ通信売上比率を表したものです。
 日本では海外に比べて早くからデータ通信の売上比率が上がっていました。
 特にドコモでは、フィーチャーフォンの時に始めたiモードというサービスに対応した端末が、インターネットに直接つながる始めてのモバイル機器ということで非常に多くのお客さまにご好評を得ました。
 このことも、日本がデータ通信売上比率において世界をリードする理由の1つではないでしょうか。

 これまでにお話ししたことを、改めて世代別にまとめてみました。ドコモができて、約20年がたつわけですが、その歴史にも通じるところがあろうかと思います。

ステージ1:拡大期
 1995年後半から非常に大きな伸びを示し、2G(ドコモではmova)でサービスを始めました。年率で倍に伸びた年もありました。

ステージ2:成熟期
 2000年ごろからは成長が緩やかになり、2Gから3G(ドコモではFOMA)への移行が行なわれました。

ステージ3:スマホ時代
 スマートフォンの普及が進む現在は、LTE(ドコモではXi)という、より高速な通信ができる環境が整いつつあります。

 今度は収入ベースで見てみましょう。2000年以降伸び悩んでいることが分かります。
 ドコモの収入の多くは音声(青)とパケット(赤)によるものです。拡大期においては音声、成熟期においてはパケットが伸びてまいりました。そして、より便利に使って頂くために、パケットの料金を従量制から定額制にしました。これにより、お客様がパケットをたくさん使うことが必ずしもドコモの収入にならなくなったのです。
 音声も、メールや、VoIP(IP電話)の利用増を受けて減っており、全体的に低減傾向となっています。
 ただしこの傾向は、日本の通信事業者だけではなく、世界的なものと考えています。

 このような環境の変化の中、ドコモではお客様により便利に使って頂くために、新しい価値をお届けし、またその市場をドコモが作っていきます。
 「もしもし」「はいはい」のコミュニケーションから、情報アクセス、生活支援、行動支援と、時代に合わせてサービスをお届けしてまいりましたが、これからは“スマートライフ”というキーワードで、モバイル技術を応用して、新しいライフスタイルを提供するための取り組みを行なってまいります。

スマートフォンの進化


 こちらは、現在提供しているドコモの夏モデルです。先進・安心のXiスマートフォンとなっております。特に、バッテリーの大容量化と端末の省電力化に力を注いでおります。
 今回は、お客様が選びやすいよう“2トップ”というオススメ機種の提示をしながら、この夏商戦を戦ってまいりました。

スマートウォッチ『Galaxy Gear』と連携できる『Galaxy Note 3』と、コンパクトデジカメに並ぶカメラ性能を備えた『Xperia Z1』

 そして、いよいよ来週10月10日に、2013-2014冬春モデルの発表会を開催します。
 このCEATECのドコモブースでも、その中のいくつかを先行展示しています。バッテリー能力のさらなる向上で3日間以上の使用を、通信速度も受信時最大150mbpsを実現する予定です。

ボタンを押したような感触がある“らくらくタッチパネル”を搭載した『らくらくスマートフォン2』と、Google Playにも対応した『らくらくスマートフォンプレミアム』

 スマートフォンがここまで普及してきたことで、さまざまな年代の方に幅広く使って頂くべく、らくらくホンのスマホタイプを提供しています。これらはフランスの通信キャリアOrangeにも提供しており、世界でも好評です。

 こちらは、初めてスマートフォンを使う方に向けた、スマートフォンに合ったいろいろなサービスを使って頂くためのパッケージです。

おすすめパック
 人気の高い100のコンテンツをギュッとまとめたスゴ得コンテンツに、iコンシェル、クラウドサービスの容量アップを組み合わせたもの。開始3ヶ月で140万契約。

あんしんパック
 スマホを安心して使いたい、
スマートフォンを落とした時、なくした時の補償サービス、安心ネットセキュリティ、遠隔サポートをまとめたもの。開始3ヶ月で240万契約。

 このような取り組みの結果、スマートフォンの利用者数は、この一年間で2000万を超え、対前年度比70%増と非常に大きな伸びを示しています。また、2000万のうち60%がすでにLTE(Xi)の能力を持った端末です。
 Xiの伸びについては、この一年間で4.3倍となっており、多くのお客様に高速な環境をご利用頂いています。

ネットワークの進化

 スマートフォンは、電話としてしっかり使えることは当然ですが、パケット通信で、インターネットやLINE、写真のアップロードなどをサクサク行なえる快適さも重要なファクターになります。
 さらに、エリアの広さは他社を上回るエリアを確保すること、スピードはスループットで国内最速を目指してがんばっているところです。

サイト数は物理的な場所、基地局数はサイトから電波を出している無線局がいくつあるかということ。周波数は複数使っているので、例えば1サイトから2つの電波が出ていれば、2基地局という数え方になる

 現在進めているのは、Xiの基地局を増やすこと、その中でも従来の2倍の75Mbps以上に対応した基地局を増やすことに力を入れています。
 Xiの基地局はこの一年で倍増となる5万局へ、75Mbps対応の基地局は4万局へ、この年度末までに拡大したいと考えています。この数字は、屋外においてほぼすべてのエリアで、最大75Mbps以上のエリアが構築できることを意味します。
 また、基地局拡大のためには、鉄塔やビルの屋上といった物理的な場所の確保が重要となります。局数の下にあるサイト数が物理的な場所を表しますが、こちらは今年度末までに4万サイトを目標としています。
 最終的には、3Gで11万局、7万サイトというドコモの資産の数までXiの基地局を広げたいのです。それだけの十分なポテンシャルを持っており、より成長する余地があると思っています。

 技術的な話になりますが、ドコモの特徴として、より多くのお客様が快適に使うために6セクタ局というものに対応しています。
 オムニとは単一という意味ですが、同心円上に電波を出すこの中に1,000人収容できるとします。3セクタにすると、360度を3つに分けて、それぞれの方向ごとに1,000人を収容することができるようになり、3倍の能力となります。これを6セクタにすればさらに2倍、トータルで6倍の能力となるのです。
 キャリアの強みというのは、単に基地局数の比較ではなく、基地局をどのように使うかで、差が生じてくるのではないでしょうか。ドコモは3セクタ以上の局をたくさん保有しています。こういった局は、設計、運用は高度なものになるが、長い間のノウハウ、技術を活かしているということです。

 移動通信においては、周波数をどれだけ有しているかということも重要です。ドコモは、ここにある4つの周波数をLTE用に、特に1.7GHzに力を入れて拡大しています。
 話題のドコモiPhoneについても、2GHz、1.7GHz、800MHzの3つの周波数が対応しております。

 ドコモは、現在“Strong.ネットワーク”を推進しています。
 音声通信もデータ通信も、都市も郊外も、平常時も災害時もということをキーワードに、つなぐ努力、つなぐ技術をもって、快適なモバイルネットワークを提供するために、がんばっています。


 移動通信の技術は10年単位で置き換わっていますが、現在のLTEの次にはLTE-Advancedという技術が控えています。こちらはすでに開発を完了、フィールドでも確認が済んでおりまして、高度化C-RANの構築により、1Gbps以上の無線環境を実現できる予定です。、
 さらに、その先には、10Gbps以上の速度の“5G”という無線技術を提案しているところです。2020年くらいには、現在の1,000倍のトラフィックが想定されており、超大容量、超高速通信に向けた研究開発をしています。

スマートライフのパートナーへ

 こちらは、フィーチャーフォンの時代からスマートフォンの時代までを違った視点で表したものです。通信事業者の収益の源泉、競争の領域がどこにシフトしてきたかをお見せします。
 ステージ1では端末とネットワークに音声通話、ステージ2では基盤のプラットフォーム(iモードでの決済、認証サービス等)が重要でした。これがステージ3のスマホ、マルチデバイスという時代では、より上位レイヤーへ移ってきています。Google等が、上位レイヤーから競争に入ってくるなど、この市場で激しい競争が起こっています。

 フィーチャーフォンからスマートフォンでは何がどう変わったのでしょうか?
 モバイル自体が持っているポテンシャルは非常に大きかったのですが、フィーチャーフォンの時代には、料金や画面サイズ、端末コスト、ネットワーク速度などさまざまな制約がありました。
 それが、スマートフォン、タブレットの時代になって、ネットワークはLTE、定額制で料金の問題も解消され、潜在市場が顕在化したと考えられます。特にデジタルコンテンツ、リアル系のショッピング、さまざまなサービスがブレイクするに至っています。

 これまで分かれていたリアルとネットの領域がモバイルによって融合、活性化しています。手元にスマートフォン、タブレットがあれば、移動中にネットショッピングができます。リアルな買い物でも、ネットで見比べをし、そのままお店で買うかもしれませんし、最終的にネットで買うかもしれません。

 デジタルコンテンツの市場規模は10兆円、リアルなモノ、サービスは270兆円と言われています。このコマースの領域のビジネスモデルをモバイルの進歩が変えつつあります。

 フィーチャーフォンの時代は、いかに従量制のパケットを使って頂くかということで、パケット通信料が収入の源泉でした。そこに、プラットフォームでの料金回収の代行手数料、プラットフォーム利用料が加わるかたちです。
 ところが、スマートフォンの定額制になると、収入の限界が見えてきます。キャリア自身が成長するには、自身がサービス提供者になろう、サービスプロバイダになろうという、直接的なサービス、リアルな商材の取り引きが必要になるのです。


 その取り組みの中心がdマーケットで、デジタルコンテンツやeコマースはもちろん、リアルの世界、食品、日用品などにも拡大中です。
 今後は、eコマース、生活サービスに力を入れるほか、ファッション系としてdファッションのオープンや、オムロンさんと一緒にドコモヘルスケア、さらには、学び、旅行の分野の提案もしていきます。
 取扱高も、昨年度は278億円、今年は第一短期だけで128億円となっています。

月額525円で、16,000タイトル、8万を超えるコンテンツが見放題のdビデオ。460万以上の契約。

月額450円のdアニメストア。予想以上の成長を見せている。今年の10月からはマルチデバイス対応を予定。


 これまではドコモの電話番号を持っている方がお客様でしたが、これからはそれ以外、例えばWi-Fiを使ってdビデオを見る方も顧客として再定義していきます。
 例えば、回線をお使いでない方の、認証、課金の基盤を作り、共通のIDで使って頂けるようにします。ドコモのIDに紐づけて、ネットワークフリー、キャリアフリーでサービスを提供していきます。

 ドコモの資産を使いながら、お客様に安心・安全をお届けしたいです、さらにはグループ企業(タワーレコード、電子ショッピングの大黒マーケティング、らでぃっしゅぼーや)と相互作用するように進めていきたいと考えています。
 このほか、ドコモグループの一員であるボンジョルノ、ネット・モバイルなどを通じて、ドコモのサービスを世界に発信し、新たな価値創造に取り組んでいきます。
 これらを通じて、また「スマートライフのパートナーへ」をキーワードに、お客様のスマートライフを実現してまいります。

 いかがでしたでしょうか? スマホがレイトマジョリティにまで普及しはじめた昨今。フィーチャーフォンのサービスに慣れ親しんだ層が大量にやってくるこのタイミングが、日本のキャリアがスマホにおいて成功する分かれ道になるのではないでしょうか。
 iPhoneの取り扱いを決断したドコモが独自サービスをどのように位置づけ、そして展開するのかに注目です。

ドコモが描く少し先の未来

http://youtu.be/HOc2uKK0Kn0

CEATECにも出展した『インテリジェントグラス』。「築地でお世話になった方の記憶が思い出せない」なんてときに、顔認証等を用いて記憶する仕組みを搭載。

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