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実は170円の有料アプリだった?パズドラがヒットした理由をガンホーの運営方法から探ってみた

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by [2013年10月02日]

――パズドラがヒットした理由は?
運ですね。これをやったから上手くいったんじゃないかという分析は、正直くだらない。僕たちが作っているゲームは妥協せず、すべて魂を込めて作っています。
(東洋経済オンラインから引用)

これは、パズドラが大ヒットした理由を問われ、ガンホーの森下社長が答えたものです。
確かに、新しいゲームがヒットした理由というのは、「運」や「タイミング」という要素が大きいように思います。パズドラがヒットした理由として、ゲーム性が良いなどが挙げられていますが、今後新しいゲームを作る上でパズドラのゲーム内容を分析した結果を盛り込んだとしても、その新しいゲームがパズドラのようにヒットするとは限らない。それは、誰にもわからないことだと思います。

そこで今回は、ゲームの内容ではなく、「運営方法」という切り口からパズドラヒットの理由を探ってみることにしました。パズドラリリース後4ヶ月間である2012年2月22日~2012年6月30日を切り出して、どのようにしてパズドラをランキング上位の軌道に乗せたのかを分析してみることにしました。

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ガンホーの運営

*本当は170円の有料アプリだったのを無料に
今や無料アプリとしてすっかり定着しているパズドラですが、意外なことにはリリース当初は、170円の有料アプリとして売り出す予定でした。有料アプリで売り出す代わりに、ゲーム内容を無課金でもクリアできるものにすることで、収益のバランスを図るつもりだったようです。
リリース記念として設けた2012年2月末まで無料配布を行う予定でしたが、ダウンロード数が好調であることから3月末まで無料期間を延長することになったのです。そしてその後も、毎月無料期間が1ヶ月ごとに延長が更新され、いつの間にか無料アプリとして配信されるようになりました。

有料アプリから無料アプリへの転換は、当時の運営としては収益の面で一か八かの大きな選択だったように思います。それが今では、無料であることが前提になってきている…時代の移り変わりを感じますね。

*パズルのやり方を動画で説明!
パズドラは、初めにパズルのルールに関する丁寧なチュートリアルがありましたが、さらに動画としてパズルの消し方を紹介したものをYouTubeに投稿しました。
それがこちらの動画「パズル&ドラゴンズ ムラコ消しスペシャル ☆初級編☆」で、現在(2013年9月27日)77万回を超える再生数となっています。この動画は、リリース2日後にパズドラ広報であるムラコさん(@pad_sexy)が撮影したもので、ルールがわからない人向けに作成されたパズルの消し方説明動画です。

このように、ユーザー目線に立ったコンテンツをゲーム外で作成することで、ルールがわからず離れてしまうユーザーを惹きつけたように思います。動画を使って説明するというのは、非常に画期的だったのではないでしょうか。

*月2回のアップデートスケジュール
リリース当初、以下のように月1~2回という驚異的な頻度でアップデートが行われていました。

2012.02.22 リリース日
2012.02.28 最初のアップデート
2012.03.07 2回目のアップデート
2012.03.22 ver1.3
2012.04.17 ver1.4
2012.04.24 ver1.41(不具合のみ修正)
2012.05.16 ver2.1
2012.06.12 ver2.2
2012.06.29 ver2.3

このように、毎回のアップデートでモンスターや機能を次々と追加し、ゲーム内容の充実させることで、ユーザーを飽きさせないゲームとして定着させたように思います。現在では、そこまで頻繁に大規模なアップデートは行われることはなくなりましたが、データ更新によってコラボイベントモンスターが頻繁に追加されていますね。

*ユーザーの意見を反映したダンジョンの実装
現在は、月曜日以外に行われている「曜日ダンジョン」ですが、初期は「土日ダンジョン」のみの予定でした。「土日ダンジョン」は、2012年2月25日に初めて実装され、ガンホー内では「ボーナスダンジョン」という位置づけだったようです。しかし、モンスターの進化素材が手に入りにくいというユーザーの声を受け、まず「木曜ダンジョン」(2012年3月1日実装)次に「金曜ダンジョン」(2012年3月2日実装)と徐々に進化素材各種が手に入る曜日ダンジョンを設けていったようです。ユーザーの声がゲーム内容に取り入れられるというのは、ユーザーにとって嬉しい事この上ないですよね。

*「詫び石」
パズドラは、リリース直後から不具合が多く発生していました。中でも、2012年4月12日に発生したゲームデータが保存されない不具合では、約18時間の緊急メンテナンスが行われたこともありました。
こうした不具合に対し、運営がユーザーに行った対応が「魔法石を配布する」というものです。これは、ユーザー内では「詫び石」、ガンホー社内では「お詫び石」と呼ばれているそうですが、運営がユーザーに対し、不具合による補填として攻略必需品である魔法石を配布することを指します。これまでゲーム不具合、というとユーザーにとってプレイが出来ないというマイナスな要因でした。しかし、この「詫び石」の配布によって「プラス」の要因へと転換させました。
また、個人的には「詫び石」の数も大きな要因であるように思います。石の個数は感覚的でメンテナンスの期間によっても変えていたそうですが、前述した約18時間のメンテナンスでは10個と、かなりの大盤振舞い!一般的な不具合であっても、5個配布するなどユーザーにとっては最早お祭りと化しています。

*不正プレイヤーへの対応
2012年3月23日、公式HPでこのような警告が出されました。

パズドラでは、不正な操作による行為や、不具合を悪用して、ゲームを有利に進めようとする行為を禁止しております。
(中略)
こういった行為は禁止行為として、ゲームデータの削除などを含めた厳しい対応をおこなう場合があります。
公式HPから引用)

これは、ゲームデータを改ざんする「不正行為」を行うプレイヤーが急増したことを受け、ガンホーが公式に警告したものです。具体的には、2012年3月23日に発実装された無限回廊というダンジョンのゲームデータを改ざんすることで、スタミナを使わずに経験値やコインそしてモンスターを手に入れるという行為です。
こうした「不正プレイヤー」が続出していることを受け、2012年4月2日には「不正プレイヤー」に対するデータ初期化措置を速やかに発表しました。実際の措置は、不具合による緊急メンテナンスと当初実施日が重なり、13日後の2012年4月25日になりましたが、運営がこうした断固たる処置をとったことで、一般ユーザーは好印象を抱いたようです。
現在は、無限回廊ではなく「新・無限回廊」としてリニューアルされ、もちろんデータ改ざんが出来ないようになっています。

パズドラランキング推移

2012/02/22~2013/10/02までのiTunes無料アプリランキング推移(QuerySeeker)

こちらは、コンテンツ分析ツール『QuerySeeker』を利用して、2012/02/22~2013/10/02までのiTunes無料アプリランキング推移を表したグラフです。こうして見ると、2013年に入ってからはランキング上位で安定していますが、やはりリリース当初は山あり谷ありだったことが伺えます。特に、2012年2月~4月あたりではかなりアップダウンが激しくなっています。
ちなみに、リリースして2日後の2012年2月24日に、iPhoneアプリランキング1位となり、またその2ヶ月後の2012年4月24日に再びiPhoneアプリランキング1位となっています。

ユーザー目線を重視した神運営だった

今回分析してみて、ガンホーはユーザー目線を非常に重視した運営を行っていると感じました。ユーザーが困っていること嫌がっていることに対して、運営はすぐに反応しゲームに反映していました。不具合が起きた際に魔法石を配布する「詫び石」は、不具合によってゲームが出来ないという不快感を魔法石が配られる!という喜びに変えたところや、パズルのやり方を動画にして公開するという点が「ユーザー目線の運営」を特に表している例だと思いました。

ユーザーに適宜寄り添った運営方法というのは、今後の新しいゲームにも必要になってくるように思います。ゲーム内容ばかりに気を取られるのではなく、こうした運営方法から学ぶことはたくさんあるように思いました。

▼参考リンク
「パズドラ」大ヒットの真相
いま注目のスマゲ開発者を直撃! 大ヒットパズルRPG『パズル&ドラゴンズ』に迫る
【徹底インタビュー】「パズル&ドラゴンズ」はこうして作られた。
パズル&ドラゴンズ非公式wiki
公式HPガンホーからのお知らせ
【徹底インタビューその3】パズドラを運営していてびっくりしたこと
パズドラ(パズル&ドラゴンズ)でデータ改ざんによる不正行為をするプレイヤーが急増
QuerySeeker

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