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【ad:tech tokyo 2013】ソーシャルメディアで本当に“ヒト”が集まり、“売り上げ”を上げることが出来るのか?

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by [2013年9月24日]

 ここ数年、多くの企業がソーシャルメディアを使用したマーケティングに取り組んでいます。しかし、その手法は確立しているとはいえず、多くのマーケターが頭を悩ませているのも確かです。一体、どうすればソーシャルメディアの活用を、集客や売上の向上につなげることができるのでしょうか。2013年9月18、19日に開催された「ad:tech tokyo 2013」。二日目に行われた公式セッション「ソーシャルメディアで本当に”ヒト”が集まり、”売り上げ”が上げることが出来るのか?」では、ソーシャルマーケティングに精通したマーケター、およびソリューションプロバイダーが登壇し、先行事例や最新の動向を報告、討議しました。

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登壇者自己紹介

アライドアーキテクツ㈱ 代表取締役社長 中村壮秀氏

中村壮秀氏(以下、敬称略) 
 モデレーターを務める、アライブアーキテクツの中村と申します。2000年から2005年までゴルフダイジェスト・オンラインという会社ででeコマースの仕事をしておりました。そこでブログでの売上が上がり始めたときに、「これからはソーシャルの時代になる」と判断し、アライブアーキテクトという会社を作りました。アライブアーキテクツはソーシャルメディアのマーケティングを支援する企業向けASP『モニプラ』を2008年から提供しております。さらに、『Facebookマーケティングの教科書』という本を出版。さまざまなソーシャルメディアの戦略支援をおこなっています。
 本日はエージェンシーサイドとして、電通の廣田さん、トレンダーズの経沢さんにご登壇いただきます。クライアントサイドからは、ドクターシーラボの西井さんと日本マイクロソフトの上代さんにご登壇いただき、このメンバーの頭の中に何があるのかを引き出していこうと思います。

(株)電通 プラットフォームビジネス局 開発部 廣田周作氏

廣田周作氏(以下、敬称略) 
 電通の廣田と申します。みなさんこんにちは。私の仕事を一言でいいますと、コミュニティデザインの仕事をやっています。ソーシャルメディアを使い、PRやマスと連携させて、アテンションのみならずエンゲージをどう作っていくかということをやっています。また、ビッグデータの解析を行うことで、いかにインサイトに導いていくかということも実施中です。
 キャンペーンもやります。ソーシャルメディアの世界では中長期的にプランニングしていけます。その特性をいかし、ウォーターフォール型の開発ではなくて、アジャイル型の開発を目指し、ソーシャルメディア上でコミュニティを作ることをめざし、仕事をしています。難しい話をしましたが、今日は具体的に現場でどんなことをプランニングをしているかを紹介していけたらと思います。

トレンダ―ズ ㈱ 代表取締役 経沢香保子氏

経沢香保子氏(以下、敬称略) 
 こんにちは。トレンダーズの代表をしております、経沢香保子と申します。私はソーシャルメディアマーケティングと女性マーケティングをテーマに会社を経営しています。今はその事業が中心ですが、当初より実現したい世界観は「女性のパワーをどう引き出し、それを社会とつなげていくか」ということです。最初に普通のマーケティングの手法と異なった効率的なマーケティングをすることで、時代を変えるような流れを作りたいと思いました。そこで、モデルさんとか編集者さんとか、美容ライターさんなどのオピニオンリーダーの女性達を集めることが重要だと思いました。そういったオピニオンを持っている人たちをネットワークし、マーケティングを始めたのが13年前です。
 そこからしばらくは地道に商品開発やリサーチをしてました。転機はブログのマーケットがすごく伸びた時です。オピニオンリーダーの人たちがブログを書くようになりました。そこから私たちのやっていたことがリサーチのみならずそこからプロモーションの域まで広がり、それで会社の業績がすごく伸びて、上場しました。今はブログというものだけではなく、ツイッター、Facebook、動画も含めて、個人が発信する場所が増えています。それをひとつの身近な広告やプロモーションという形で、記事を書いてもらう。そういったことをソーシャルメディアマーケティングという形で提供させていただいています。
 今日は私どもがソーシャルメディアをどのように活用しているのか、そしてこれからどんな風になっていくのかについて具体的に話していければなと思います。よろしくお願いいたします。

(株)ドクターシーラボ マーケテイング部 eコマースグループ グループ長 西井 敏恭氏

ドクターシーラボ西井敏恭氏(以下、敬称略) 
 こんにちは。ドクターシーラボの西井と申します。私個人は7年前にドクターシーラボに来てました。当時のシーラボには、お客様とのコミュニケーションを活性化しようという目標がありました。その目標の実現を目指し、ここ5~6年お仕事してきました。結果としてリピーターのお客様が増えて、売上がすごく増えました。本日は、ソーシャルメディアというところを飛び越えて、コミュニケーション全体のお話をしていきたいと思います。12年前に出した本が全然売れなかったんですけど、個人的にFacebookやTwitterを使って告知してみたらAmazonの旅行記ランキング1位になりました。このように、個人的にもソーシャルメディアを結構使っているので、そういう立ち位置でお話したいと思います。よろしくお願いいたします。

日本マイクロソフト(株) ソーシャルメディアマーケティング リード 上代 晃久氏

マイクロソフト上代晃久氏(以下、敬称略) 
 みなさんこんにちは。日本マイクロソフトでソーシャルメディアを専任で担当している上代晃久と申します。もともと銀行におりまして、その後総務庁の統計センターにいきました。それから広告代理店に行って、Vodafoneに行っきました。それ以来、コミュニティと口コミをどうやって我々のマーケティングに活かすのかを仕事でやっています。日本マイクロソフトでは、6年ほど広告戦略をやらせていただいた後、現在はソーシャルメディアマーケティングのお仕事をしています。
 私の役割は、いわゆる”中の人”もやっていますが、戦略を作ったりとかスキームを作ったりなど、具体的なコミュニケーション支援までを広告宣伝の担当やマーケティングの担当と協力してやっています。つまりは、会社全体のソーシャルメディアマーケティングを推進している立場です。よろしくお願いいたします。

本日の設定


中村 世界のマイクロソフトのソーシャルメディアにすごく興味があります。また、100億円のECを回している西井さんはどんな考え方なのかを聞いてみたかった。そして、経沢さんや廣田さんがどういった形で支援をしているのかも知りたかったので、会議という形にしました。
 フォーマットはこうしました。熱きマーケターが二人居る。彼らは、なんとかソーシャルメディアで売上を上げたい。そこで上司に頼むわけです。「ソーシャルをやらせてくれ」と。で、経沢さんと廣田さんがエージェンシーとして会議に同席している。そして、上司として武富さんがいます。嫌な上司が言いそうな10問の質問をソーシャルやヒアリングで集めました。

そもそもソーシャルで売れてるとこ見せてくれないか?


中村 そもそもソーシャルで売れているところって見てみたいとおっしゃっています。西井さん。

西井 私はドクターシーラボという会社にいます。創業者の社長が、週に3日は医者をして、週に3日経営者としてドクターシーラボの経営をしているというユニークな会社です。1999年に出来た会社で、社長が商品の開発をしています。

西井 私が7年前にはいった時に、一時期売上が低迷した時があって、その時そもそもドクターシーラボはどういう会社なのというところを見直そうということで、こういうことを言いました。「皮膚科医として患者さんと今でも向き合っています」と。例えば、それまではコールセンターで注文を受ける際、通話時間を短くすることをKPI(評価指標)にしていました。それを変えようということになった。そこで、お客様から感謝の言葉をいただくことをKPIにしました。ウェブも同じように考えています。いろんなチャネルをつなげて、お客様をファン化していくことが重要だと思っています。チャネルとしてウェブを位置づけているわけです。

西井 ウェブはただのカタログサイトではありません。当時やったのは自社のコミュニティですね。お悩みQ&Aをやりました。結果的にソーシャルに強くなりました。実際に売上につながったのかというはなしでしが、先日こういうことがありました。

西井 ツイッターで、とあるビジュアル系バンドの方が「今からツアーで気合入れるためにドクターシーラボの化粧水使うぜ」と言ったので、ありがとうとツイートしたんですね。そうすると「感激」と言っていただきまして、「これからも愛用させていただきます」と。その方のツイートがあった後に、ドクターシーラボのアカウントのフォロワーがわーっと増えました。

西井 そのあとこの方はシーラボのツイートを連投してくれているんですね。このあとファンの方から「大好きな彼の美肌を支えてくれてありがとうです。私も使います。」とリプライがありました。ここで実際に売れたということがあります。


上代 売れているのかという質問に対する答えですが、明確に売れています。売るために何が必要かと言いますと、「お客様からの好意的な口コミを顕在化して最大化する」ことです。これが日本マイクロソフトのソーシャルメディアのミッションだと思っています。

上代 「Windows8ってつかいやすいよね!」など高評価の口コミをもっと広めたいです。よくあるのはSNSの公式アカウントによるコミュニケーションですが、一方的につぶやくだけでは売上には貢献しないです。そうではなくて、「純粋な口コミへのコミュニケーション」が大事だと思っています。

上代 例えば現在Surfaceというタブレットの販売に力を入れています。ある量販店に買いに行ったお客様が、「Surfaceはホームグループ経由でプリントアウトできない」と言われてしまった。彼は「Surfaceが欲しかったけど、プリントアウトするソフトがないんだって」とつぶやいた。これを放置されてしまうと、この人およいこの人の周りから「Surfaceはホームグループ経由でプリントアウトできないタブレット」と思われてしまいます。我々は実際にホームグループ経由でSurfaceでプリントアウトを利用したユーザーのブログを探してきて、それをもとに相談にのりました。うちの公式サイトでなくて、他のお客様のブログを紹介することで、信頼度の高い情報を提供できます。その結果、「ありがとうございます。明日買いに行きます。」とコメントを頂きました。これはあくまで一例です。しかし、こういうやり方を継続することで、ソーシャルの効果を売上で実証出来ると思っています。

局地的な話ではなくて、会社全体にどう影響があるのか説明してくれよな?


中村 ありがとうございます。確かによくこのシーンをネット上でみることがあるんですけれども、こんなんじゃ経営は甘くないぞということで「会社全体にどんな影響があるの?」という質問です…(笑)。

廣田 ソーシャルメディアをうまく使えば宣伝のみならず広報もお客様センターも兼ねられます。さらに、場合によっては学生がその企業のページを見てくれて、行動を起こすということもあり得る。要するに、ソーシャルメディアはお客様の声が一番集まるところなのです。それをリスニングすることにより、会社全体にお客様の声を届けることができる。結果として、中長期的には社員のモチベーション向上や、社内の横連携につながる可能性もあります。

経沢 広告全般は仕事としてやったという感じがわかりやすいとは思います。しかし、私の中では「行きずり」のようなイメージです。一方のソーシャルメディアマーケティングは「社会に参加する」イメージ。ユーザーも参加でき、距離も近い。口コミでつながったときには、大きな基板になります。これだけ商品サービスが世の中にあって、ソーシャルを活用ないでヒットした商品は1個もないと断言できます。たとえ発注してやったとしても、人の口に残らないものは商品として成功しないです。

中村 ありがとうございます。上司としては数値的なところも欲しいでしょうね。

上代 アウェアネスからロイヤリティに至る、既存のマーケティングフレームワークというのがありますよね。Twitterのフォロワーのサイズが上昇することで、自社アカウントのメディア部署の規模感がでてくるということです。間接的にはこれもアウェアネスにかかわってきます。ソーシャルメディアでとれるすべての指標でなくてもよいのです。しかし、この5つのステップのどこに効くんだということは、きっちり取ったほうがいい。そう考えたので、これをランキングしました。例えば誤解や疑問のあるツイートをそのままにしないで、購買意欲を上げて上げる。

上代 困っているお客さんがいたんです。サーフェスを使っていて、部屋のWi-Fiに繋がらんと。無線のメーカーさんやプロバイダーさんに問い合わせたらしいのですが「Surfaceが悪いんです」と。そこで、私たちが手を差し伸べたわけです。その結果、解決ができた。そうなると、この方の中ではブランドロイヤルティがあがっている状態になります。
 たまたまユーザーさんがSurfaceの絵文字をつぶやいてくださっていて、非常にリツイートされています。この方に承諾を得て、ツイッターのアドに活用しました。その結果、またこの方と周辺に広まっていった。実は、この方はモバイルやタブレットに関連するブログを書いているアルファブロガーの方で、フォロワーさんも結構いるんですね。こういったところで自分たちの活動の結果が実感できますね。

エージェンシーさんはどういう風にソーシャルで役にたってくれるんだ?


中村 ありがとうございます。絶対的な波及が見えてきたところで、次の質問にいきます。

経沢 ソーシャルをやるエージェンシーとして大事なことは、セクシーでタッチーなことだと思います。ディテールにこだわることも必要だと思います。魅惑的な内容にしたりとか、細かくやったりとかするということです。電通さんて広告バーンと公開というイメージだったので、「電通もソーシャルをやるのか!」と意外でした。

廣田 9割のエージェンシーに求められている使う筋肉が違ってきていると感じます。従来は短距離走で走り切る筋肉が必要でした。しかし、今はまさにエージェンシー側も長距離走です。一緒にクライアントさんと走っていくという感じですね。従来とは違う筋肉が求められているのではないか。
 長期戦になってきているので、クライアントさん側にとっても辛いところではあります。そういった現状を考えたときに、リスニングツールを何にするのかなど、テクノロジー面での支援はできます。後は体制構築ですね。運用の体制を作る時に、内部だけでやろうとしてもなかなか決められないことがあります。外部だからできることというのがあります。
 運用のサポートなどはソーシャルだけですべて解決できるわけではないです。PRとかマスとの連携のプランニングが必要になります。ただそれを遠いところから言うだけではだめです。エージェンシー側もクライアントさんに常駐して、一緒に動いていくというようなことが必要と思います。結論として、プランニング力よりはファシリテーションが出来るプランナーが増えていかなければいけないと思います。

中村 実際キャンペーンとか広告戦略って、話題になっていないものって全然つぶやかれてないなと思うことがあるんですけど、そういうことに対してのソリューションはお持ちなんですか?

廣田 最近高速PDCAという、リアルタイムでTwitterをトラッキングするシステムがあります。これを使用し、前日のTwitterの状況がわかるレポートを朝九時までに届けています。前日のデータを分析をし、どういったウェブ媒体に載ったのかを調べ、さらにその反応をみる。売上のデータも共有していただければ、相関をみることも化のです。

経沢 多くの広告代理店さんがCMなどの大きな施策をすると、ソーシャルに書かれたのかはプラスアルファとして求められているみたいです。予算に対して行っていないときには、うちの会社に急に電話が来たりします。「手伝ってくださいー」みたいな。そういう大人の事情があります(笑)。

廣田 やはりエージェンシー側の課題として、ソーシャル×PRの領域が非常に重要になってきている。ちゃんと話題が広がっているのか。どこに、誰から、どのように広がっていったか。メディアだけじゃなくてインフルエンサーをちゃんと見ることです。そこからどう広がっていったかを可視化することはプランニングを精緻にしていくということで非常に重要です。

経沢 テレビを見ている人、ソーシャルを見ている人、雑誌を見ている人の層はそれぞれ結構違っていると思います。テレビCMをやって、それがソーシャルに書かれるかどうかは重なることだと思います。合わせてやったほうがいいといつも思います。

廣田 CMだから広がるとか、CMだけど広がらないというよりは、熱量かなと思います。そこはクリエイティブの世界でも重要だと思います。想いは広がっていく。広がったものを可視化し、もう一度そこでプランニングしていく。そしてメンテナンスを怠らなければ、話題は拡散していくと思います。

経沢 感度の高い人が翻訳して広まっていく場合もあります。すごいCMをみていても、よくわからないひともいる。しかし、それを感度の良い人が説明するとブワーと広がる。「ソーシャル上のオピニオンリーダーとのリレーションを初期から気づいていること」が会社にとって重要だと思います。

上代 さっきの常駐の話があったとおもいます。前前日の購買意欲がどうだったかをエクセルでトラッキングし、データをとっているわけです。昨日CM打ってあの番組をやった結果、どこで話題になっているということがもうわかっている。つまり「さてどうしよう」と、ここですでに考えている状態でうす。ですから「今日の夕方に代理店が来たところで遅いよ!」というはなしになる(笑)。すぐその場で話ができる状況が必要ですね。

経沢 「遅い」のは不便ですよね。レポートじゃなくてもいいと思います。

効果測定はどうするんだ?


上代 上の人とか横の人ってデータで示せって言われるんですよね。


上代 この表は、製品名を含んだツイート、製品名とポジティブなキーワードを含んだもの、ネガティブなものをそれぞれエクセルでまとめたものです。

上代 発売までに、ネクサスがポジティブに受け取れられているのか、それともネガティブに受け取られているのか。サーフェスというとよく対iPadと言われます。iPadがどういったかたちで話題になっているのかということや、競合他社がCM打った時の波及効果もはかれる。つまり比較対象のための分析材料になる。

廣田 これは結果を報告するものだと思います。もう一つ重要なのは、インサイトをいかにするかということです。このデータをみて、次にうつ手を考えるのが難しい。そこからプランナーが読み込まなくては行けないと思います。
 今のインサイトがどうなっているというのを導くような、データのアウトプットの仕方が必要だと思います。最初にビッグデータよりビッグディスカバリーが大事という話をしたのは、ビッグデータのためのビッグデータ分析をやってもあまり意味がないと思うからです。結果として拡散したことも重要ですが、そこからさきの次にどういう手をうつかという部分に関しては、僕らがお手伝いできるところです。「ここにこういうチャンスがありますよ」と示唆することが可能です。

上代 今見ているエクセルはサーフェスがどういうカテゴリーで語られているのかというものです。サーフェスはOfficeと言う言葉で語られれているのか、それともPenなのか。結果をみると、Penで語られている方が大きい。ですが、ただ数字だけを見ていてもどうにもならない。データを見て、次の一手を考える。この行為はまさにコミュニケーションですから、クライアントさんと代理店さんがリアルタイムで考えていかなくてはいけない。

廣田 いかにデータを一緒に読む体験を共にするか。データ自体を大事にするよりは、データを一緒に読むプロセスが大事です。

経沢 今のお話って大きな波を一緒に作り、それをソーシャルで広めていくという話だと思います。ですが、小さな波をつくることもボディーブローのように聞いてきます。しかし、小さな波に多数の人員を割くわけにもいきません。みなさんは日々どんな風にやっているのですか?

西井 最初の質問で局地的じゃないかという話がありました。その話と通じるのと思うのですが、ドクターシーラボはグループでやるプロモーションには必ずソーシャルをプラスでつけています。
 テレビCMの場合、ソーシャルでも広がるということも頭の中で狙いながらCMをつくると思います。それと同じように、意識的にやったのではないのですが、例えばシーラボの商品の配送箱のプチプチがハートマークなんです。たまにお客様が写真を撮って、シーラボのプチプチかわいいとアップされるんですね。どうやってソーシャルメディア上にものが出てくるかを考えると、商品のパッケージ、使い心地はもちろん、ウェブ上のプロモーションなど様々なことを意識しなくてはいけない。
 今世の中で言われるソーシャル・マーケティングは自社アカウントの運用みたいなところでしか語られていない。僕とか上代さんとかやっていることは「ソーシャルに落ちている自社の話題をどう扱うか、それを自社にどういう風にフィードバックしていくか」ということですが。私のやり方は、拾ってきたコメントを毎日全社に流すということです。フィードバックがあれば、担当者は嬉しいじゃないですか。それでまた工夫していく。そういうフィードバックの小さな積み重ねをやることで、ソーシャル・マーケティングは出来ると思う。

上代 会社の上司や部下、同僚にエクセルをみせてもピンと来ない。

西井 うちは担当者をピックアップして、命令で流します。「今日こういうツイートがありました」と、ネガティブなものも、ポジティブなものも流します。そこで何か感じる物があると思うんですね。

中村 さきほどのコカ・コーラさんの話しだと、Facebookでいいね押してくれている人のほうが購入頻度の上昇がみられます。かなりチャネルとしての説得力を持ってきたと思いますが、そういう指標についてはどう思いますか?

廣田 指標問題はいろんなところでクライアントさんから言われます。「指標は生き物」だと思っています。コミュニテイには成長フェーズというものがあります。逆にいえば、立ち上げてすぐに売上に結びつけることは難しい。最初の立ち上げ期において重要な指標、成長期において重要な指標というものがそれぞれある。ある程度成長してきたら、売上や購買移行などが指標になりえます。つまり、成長フェーズによって見るべき指標変わるわけです。「半年とか一年後に一番重要な指標は何か」と考え、PDCAを回していくような取り組みが重要かなと思います。

西井 ドクターシーラボのFacebookページは今でこそは40万人ですが、立ち上げ当初は5万人から6万人。最初はファンだけ追いかけていて、リーチ出来るファン層の数を取っていかないと難しい。いくらエンゲージメント率が高いからといっても、100人に対しても、10人に対してコミュニケーション取れていても低い。最初は数。次はエンゲージ。エンゲージが高まってきたところでサイトに対する流入や、売上への関わりかたを見る。そういうやり方をうちはやっていますね。

経沢 あとは意思ですよね。何を変えたいか。例えばポイントの回転率の上昇を狙うことや、今この商品を押しているとか、経営サイドの戦略とうまくリンクするとやりやすいと思います。

上代 なかなかリンクしないんですけどね。なので、説得力を増すために、こういうエクセルだけではだめです。西井さんがおっしゃっていたように、やりとりを生で見せたほうがはやい。ちゃんと裏付けをとっておこうというわけです。

経沢 効果測定は大事だと思うんですけれども、それが全てだと思うとダメかなと思います。

西井 担当者が数字を追っかけて遊ぶんで、危険かなと思います。

経沢 指標の取り方によって、何人書いたか、どれだけ売れたかが全然違ってきます。適切な指標をその都度作ることが重要です。

上代 乱暴に言うと、1000人しかフォロワーしかいないのに、毎月50万もかけて検証やる意味があるのかということです。他にやることがあるだろと思います。

社内の組織体制はどうするんだ?


中村 組織体制について、なにか法則はありますか?

西井 昔はウェブの担当、電話の担当、店舗の担当というふうにわかれていました。しかし、今はすべてに関わってきます。そのなかでどうコミュニケーションをとるか。車内でソーシャルメディアを使用した活動をしたいと思う人がいれば、まず私に話がきます。そして、担当者とディスカッションをしていく。一部署という考え方ではなく、横串をさして行かないとうまくいかない。ソーシャルメディアの担当者だけがソーシャルメディアをやっていけばいいという考え方ではダメです。意思を持ってああいう情報を出したりしている。

経沢 例えば会社の中で会社に対してポジティブな意見とネガティブな意見があって、それを知らない社長は滅びていくと思う。自分の会社がソーシャル上でいいこと言われたり、悪いことを言われたりするのは当たり前です。悪いことを言われたときに、ソーシャルをやっている担当者をせめる社長はすごく多いと思います。信頼関係が大事です。最初にポジティブもネガティブも出てくるんだということを知って、その上で経営戦略に落としていくのかを考えていかないと。

廣田 いかに上と現場と横の組織を繋ぐかです。西井さんが社内で横連携することが重要とあったんですが、お手伝いしているクライアントさんもそこが一番壁だと話していました。まずは、小さく始めてみるということが大事かなと思います。小さな成功体験を積んでいく。そうすれば、横や経営者が気にしてくるかなと思います。

西井 うちはトップがソーシャルをやっています。そんな感じで、社内的にもフラットです。

経沢 ライフネット生命の社長さんは、1日5回Twitterしろと言われてるらしい(笑)。そういうかたちで、体感値としてネイティブ化していくやり方もありますね。

上代 ぶっちゃけ社内の組織体制どうするかはお前が考えろっていう(笑)。横の人たちと上の人たちと、ソーシャルマーケティングをきちんと育てていこうという体制を組む事が必要です。ちゃんとプロフェッショナルを入れることが大事かと思います。

廣田 ソーシャルって会社のビジョンと連携している面があります。エージェンシーとしてお手伝いするときにも、ビジョンを持っている経営者のコミットが究極的にはオウンドメディアです。クライアントさんのビジョンがあって、それを形にすることが目的なので、ビジョンなきソーシャルメディア運用では、手段の目的化になってしまいます。

経沢 会社やっている時点でソーシャルなんだよって笑

知名度の低いブランドでも行けるのか?eコマースでも効果があるのか?


中村 「知名度の低いブランドでも行けるのか?」という質問です。

中村 あともう1つ「eコマースでも効果があるのか?」という話もしたいと思います。

経沢 知名度の低いブランドだからこそ、やらなくてはいけないと思います。実はうちの会社は広告費をほとんど使ったことがありません。新卒採用でも20000人以上応募がありましたが、広告費には100万単位でお金をかけているわけではありません。女性起業塾をやっていても広告費を使ったことがない。参加した人がブログを書き続けていたりしたことが広告の代わりになりました。そこから収益が上がれば次のステップに行った時に広告が打てると。

西井 それはソーシャルメディアで拡散力があるひとを集めたり、コンテンツを社内で運用してる?

経沢 拡散力がある人が書いてくれたほうがスピードはあります。しかし、最初に予算がない場合、拡散力が無くても熱心に書いてくれる人がいい。ソーシャル上で書いてくれたことって永遠に残るので資産なんです。拡散力が無いものでもいい。

中村 eコマースの話に関連したことなんですが、実は、「米肌」という通販ブランドの方々と実験をしました。購入完了ページに「Facebookにいいねをしませんか」とやったんですね。「当たった人には毎週5名さまにマイルプレゼント」ということで。

中村 その後5ヶ月間で、「いいね」した人と、しなかった人のデータをとってみました。その結果、「いいね」してくれた人のデータを見ると、リピートした人は17.8%。一方、何もしなかった初回購入者は11%。その差1.6倍の効果があったわけです。購入の金額も1.27倍でした。
 Facebookから刈り取って売ろうということは結構考えがちですが、自社の顧客を流して、それが結果的に戻ってくるのが数字に出ている。こういうところからeコマースの方々は測ってみると良いのではないのでしょうか。

西井 ソーシャルメディアを使って売れる、売れないの話ではないですよね。メルマガでも、プッシュ型の広告でもつくることのできない、「つながり」が重要なのです。

海外のトレンドはどうなっているのか?


中村 海外のトレンドはどうなっているという話を聞いてみたいと思います。

上代 ソーシャル関連では、BtoBの話が良く出てきます。左側はWindows8の本社のやっているコミュニケーションなんです。SQLサーバーという完全にBtoB向けの製品なんですけど、左下に私はWindows8大っ嫌いだと書いてあります。それに対し「その意見を変えるためにはどうしたらいのか?」と直接聞いています(笑)。本来触れちゃいけないと思うツイートに対して本社はこれだけ突っ込んでいる。
 こちらはサーバーのコミュニケーション。BtoBの商品であっても中にいるのは「人」です。なので、どうコミュニケーションするかはあまり変わらないと思う。たまたまマイクロソフトを紹介したんですが、USとかUKはバンバンこういうコミュニケーションをしている。そこにすごくこれからの日本、我々のソーシャルメディアでのコミュニケーションのヒントがあるのかと思います。

経沢 話が違っちゃうんですけど、うちの会社でも動画のサービスを初めました。引き合いも多いでが、文字とか写真だけじゃ伝わらないものってすごく多い。アプリでも、個人が簡単に動画を編集して、音楽まで付けてアップロード出来るものがたくさんある。これからはブログ、Faceboo、kTwitter、そして「動画」がくるのかなと思います。

長期的に考えると、ソーシャルマーケティングが与えるインパクトはどの程度か?


西井 長期的な話で言うと、5年前にシーラボがコミュニケーションを主軸に置いた戦略を取り始めました。その結果、当時一年間で20億だったECの売り上げが、今は100億くらいです。新規の売上はあまり変わっていません。数十億というところです。ただ既存のお客様の売り上げのみで、だいたい5倍くらいになりました。これが「答え」なのかな、と思います。

中村 ソーシャルのシフトはいま始まってきたばかりです。スマホとソーシャルがクロスしている年、それが2013年だと思います。長い歴史でも見ても、これだけの大変革の年ってないと思っています。やはり同じ情報を持っている中で、先にやりだした人がインターネットでチャンスを掴んでいる。武富社長にはいいね!と言っていただければなと思います。ご静聴ありがとうございました。

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