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【ad:tech tokyo 2013】フライドチキンや掃除機も!?「コンテンツ is キング!売上を上げるコンテンツとは?」

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by [2013年9月20日]

9月18日、19日に国際フォーラムで行われたアドテック東京2013。世界トップクラスのマーケターが集結した本イベントで、「コンテンツ is キング!売上を上げるコンテンツとは?」をテーマとしたセッションを聞いてまいりました。
大手企業が自社商品をコンテンツとして捉えてマーケティングを行なっていることに今さらながら気付かされ、普段何気なく接している商品の舞台裏を見る貴重な機会になりました。

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登壇者(左から、以降は敬称略)
今田 素子氏/(株)メディアジーン 最高経営責任者
渡辺 洋之氏/(株)日本経済新聞社 デジタル編成局長
干場 香名女氏/日本ケンタッキー・フライド・チキン(株)KFCマーケティンググループ DIGITAL・CRM推進室 室長
神山 典子氏/ダイソン(株)コミュニケーションズ 統括マネージャー
グリセルフーバーレイ氏/Ginzamarkets(株)代表取締役社長

売上を上げるコンテンツとは?

今田 まずは概要から。コンテンツマーケティングは、アメリカでもまだ定義が決まっておらず、それを見た人たちがファンになるというのがコンテンツマーケティングだと思われがちなんですが、自社の商品をコンテンツにしてユーザーに届けていくということで行なっています。


ブランドストーリーをユーザー目線で共感を得るような形でコンテンツを作っていくことで、ユーザーの購買行動に繋がったり、あるいは共感したものを共有してもらうことがマーケティングです。
ブランドにとって、データはコンテンツと同様に重要です。コンテンツによって集められたオーディエンスデータをどう活かしていくか、売上にどう繋がったか、PDCAを回していくことが重要だと考えています。


コンテンツのデリバリーは、変わってきています。キュレーションメディア、いろんな記事をアフィリエイトして届けていくメディアを通じて情報が拡散していく、SNSを通じて人から人へつながっていくということで、情報が循環しています。こうした中で、コンテンツマーケティングを展開してくか、を考えていきたいと思っています。

日経新聞が考えるコンテンツマーケティングとメディアの立ち位置

渡辺 コンテンツマーケティングということで、日経の電子版の立ち位置を紹介します。アトリビューションのところをマネジメントしたいと思ってもなかなかできない、アトリビューションをマーケティングしていきたいです。


記事になることは、企業、市場の理解が進むことで、次なる展開や企業が望むマーケティングに結びついていくのではないかと思います。ここがないと、継続性のあるマーケティングはできないかと思います。

そういう視点で見ていくと、日本経済新聞電子版の4,000円は高いと言われましたが購読者は30万人を超えており、世界でも有数の新聞電子版になっています。お金を払っているので、月間アクティブ率が97%近くで毎日読んでいるメディアということになっています。我々はある種会員制なので、行動履歴というものをかなりとっています。デバイスが色々あるので、時間で見ていくと朝はスマホ、昼は会社のPC、夜はタブレットと使い方もちゃんとわかっているので、マーケティングに役に立つ土台は揃ってきています。電子版の事業と言うと、我々もデジタルマーケテイングのお客様を集めているので、結果として自分たちのノウハウは普通の通販業と同じくらいお客様を分析している会社になっています。フラットのメディアなんですが、進化していると同時に、ノウハウをきちんと積んでいます。

ケンタッキー・フライド・チキンの“コンテンツ”とは?


干場 ケンタッキーのコンテンツは何かと考えた時に、カーネルの立像かと思いました。カーネルの実像を置いているのは日本だけです。赤と白のマークの建物だったので、床屋さんと間違えるお客様が多くこの実像を店頭に置くことで、ケンタッキーを表現したことがスタートになっています。立像ということとケンタッキーフライドチキンを作ったということで、ケンタッキーの強いコンテンツだと考えています。季節に応じて服装を変えているのも、お客様にとっては楽しいコンテンツになっているのかなと思います。


バーレルというのもコンテンツになっていると思っています。元々これは、アメリカのフランチャイズビジネスを展開しようとした時に間違いがきっかけで生まれたものなんですが、日本やアメリカで有名になりました。海外の事例では、お客様の顔写真を集めたバーレルや優勝したサッカーチームのバーレルなどを作っています。日本では、写真を集めてホットバーレルを発売します。今後もっと、バーレルを写真やソーシャルメディアを使ってより強いコンテンツにしていきたいと思っています。


これは企業よりのコンテンツになるんですが、東京ドームシティにあるオリジナルチキンを作っている姿を外から見られる店舗です。作っている過程というのも1つコンテンツになるのかなと思っています。月に1回程度、小学生のお子さんを招いて実際に作っていただくという体験もやっております。こうした体験も1つのコンテンツかなと思っています。


最後に、食べ放題です。KFCのチキンと食べ放題に参加するというユーザー側のワクワク感が相まって、強いコンテンツになっているのかなと思っています。

ダイソンの顧客吸引力


神山 ダイソン社は、吸引力が落ちないように最高の技術を開発して搭載した掃除機を作っています。設立当初はクリーナーの会社として始まったんですが、羽のない扇風機の開発などテクノロジーカンパニーとして変わろうとしています。ダイソンチャレンジといって、デザインエンジニア達が技術に触れ合うことで次の新しい技術革新に導くようなものを行っています。我々コミュニケーション部というのは、こういう映像を通して会社の雰囲気や考え方を海外メディアに搭載してコミュニケーションしてきました。


しかし、Facebookで1年半コミュニケーションしてきたんですが、今年の年始には2,000Likeしかありませんでした。先ほど見ていただいたコンテンツは、非常に魅力的ではあるんですが、英語圏では同じものを搭載すると5万Likeは簡単にヒットする一方で、日本ではそれが通用しませんでした。そこで、私達は最初に毎年行っているパートレーションズリサーチというものから、ダイソンの商品に興味はあるが、その商品の価値はそれだけの金額に見合っているのかというところからヒントを得ました。


そのものをどのように見せるのかということで、Dayson Relayというものを入れました。リレーということで、1台の製品を友達5人をFacebookで結んでいただいて、実際に使った感想や写真を書いてもらって、シェアして頂きました。一気にLike数が増え、たくさんのアクセス数がありました。


先月末に発表した、新しい商品を見てください。Dyson Duoというキャンペーンがスタートしています。体験型がうまくいくというのを受けて、コードレスクリーナーの良さをどうしたら表現できるかを、ここにあります5つのポイントに焦点を当てました。


どうしてこのコードレスクリーナーに興味を持ったのか、誰に贈りたいかという理由を挙げていただきました。例えば、高齢になり、コード付き掃除機の重さに苦労している母親に贈りたいなどの理由をたくさん書いて頂きます。こうすることで、コードレスクリーナーの良さとどういう人が必要なのかを伝えられますし、まだまだコードレスクリーナーの市場は小さいんですが、例えばコードがあることによる不満、稼働時間の短さや吸引力の低さなどを払拭したこの製品の良さを出すにあたって、テレビCMでただ単に家電の理想を煽るだけですと、なかなか購買につながらないんですね。購買につなげるために、デジタルメディアを使って納得感のあるコミュニケーションをしていくことに焦点を当てたキャンペーンです。
このことで、その方の生活や趣味などを通してなぜコードレスクリーナーが必要なのかを表現して頂きます。例えば、興味がある方ですと、その方の生活と自分の生活を照らしあわせて新たな共感や気付きがあったり、場合によっては感動があったり、生の声を通して伝わるということで、これまでの一方的なコミュニケーションよりも、説得力のあるコミュニケーションで消費者を魅了するキャンペーンを行っています。

BtoCにおけるコンテンツマーケティングのゴール


レイ アメリカのアナリストの会社が出したレポートで非常に面白いものがあるんですけれども、上記はBtoCにおけるコンテンツマーケティングのゴールについて調べたものです。1位は既存顧客のリテンション&ロイヤルティ、2位は新しいユーザーの獲得、3位はブランドの認知度です。


うちはSNS解析の会社なんですが、コンテンツマーケティングの効果について上がってくることが多く、それらは上記のように大きく3つのパターンに分けられます。


なぜこれが難しいのかというと、シンプルに言うと見なければいけないデータの種類が多すぎてバラバラになっていること。プライバシーの問題もありますが、個人のデータをコンテンツマーケティングのキャンペーンの運営にうまく取り入れないと、達成できているかが理解しづらいのです。その問題を放置しておくとコンテンツマーケティングのROI自体も理解しづらいのですが、アメリカの会社ではいくつかの解答が出てきています。


まずはリスニングするデータの解析に投資することを決断する必要があります。
そして市場や競合がどのようになっているのかを見ないといけないのですが、個人の解析システムを導入した上で、実際に1つ1つのコンテンツマーケティングに対するビジネスの目標と、毎日見ているマーケテイングを比較する必要があります。
ただし最初から全部やろうとすると、問題が出てくることがあるので、まずは社内でスモールな事例でスタートして、うまくいったらサクセスストーリーとして社内で拡大していくことが必要だと思います。

コンテンツマーケティングに対する社内の評価と、売上につながったかどうか

干場 2012、2013年にフライドチキンの食べ放題を行ないまして、2012年は大混乱でしたが、2013年は予約席として整然とした形になりました。2012年では、我々がコンテンツを仕掛けたというよりは、SNSやまとめサイトで取り上げられて、お客様の力でコンテンツにして届けてくださったんです。結果的に、私達のほうが追いつかず、オペレーションなど混乱してしまいました。売上はもちろん上がったんですが、社内では「ちゃんとできなかった感」が残ったんです。
ということで、2013年はちゃんとお客様をお迎えしようと。ケンタッキーの考え方にはホスピタリティやカスタマーマニアというのがありまして、それに従ってきちんとお客様をお迎えするために、予約をして頂こう、時間管理をしようと、お迎えする準備を整えたんです。すると今度はちっとも行列ができなかったんです。お店側はきちっとできて良かったねということになったのですが、世の中的には大して盛り上がらなかったね、という風になってしまったんですね。最終、2012年はまずいんだけど2013年もどうだったんだろうという風になってしまいました。

今田 大成功だったように思ったんですが、意外でした。

干場 企業側からの視点と、お客様やメディアからみた視点というのは少し違うなと感じました。

神山 ダイソンでは、キャンペーンをFacebookなどを通して行なうことは日本が初めてだったんです。社内の状況としては、製品を使った感想を書き放題にするということに対して大丈夫なのかという声が多くありました。国民性もあるんですが、英語圏は好き放題書く、日本もそうなんですが、カルチャーの問題がありました。その点に関しては、かなり深いディスカッションがありました。ダイソンリレーに関しては初めての試みで、コンテンツ作りはすごく大変なことで、作ることに焦点を当てたんですが、それがニュースとして取り上げられたので、アクセス数は増えました。ただ、売上に対してどのくらい貢献したかについては正直数字が出ていないです。ただ、お客様の生の声を聞いてきたというレポートが少なからず何件か上がってきているので、影響はあったのかなと思っています。

今田 お二人はマーケティングをされる前にKPI(目標、ゴール)はどのような設定をされているんですか?

干場 クーポンのダウンロードです。

今田 KPIを設定して、データをとって結果を見ることは難しいと思うんですが。

レイ BtoCはその点が難しいかなと思います。最近の傾向として、BtoBではフィードのような感覚があるので設定しやすいんですが、BtoCはその点ギャップがあることが多いです。キャンペーンを行なった時に、サイトの訪問数だとしてもフィードの感覚とすることでギャップが埋まっていくかと思います。

今田 バナーだと、クリック数などでわかりやすい指標で比較できるんですが、コンテンツマーケティングだと実際にサイトに来たかという以外の価値もあると思うんですが、メディア側としてはどうですか?

渡辺 すごく面白いと思います。企業活動としては、非常に興味深いのではないでしょうかね。コンテンツマーケティングの活動の成功と失敗を記事に…(笑)

干場 わかります。この時もまとめサイトでは、これだけ並んだとかが多くて、そういうところが面白いんですよね。

渡辺 表も裏もっていうことですね。

渡辺 リアリティこそが求められているんですよね。

今田 コンテンツマーケティングを仕掛けるときはどのように企画立案するんですか? コンテンツの仕組み作りなどで苦労したりしますか?

干場 ケンタッキーですと、いくつか鉄板ネタがあるんですね。正直そこに甘えている部分もあって、フライドチキンを出すという部分で、真のコンテンツマーケティングではないかもしれないんですが、コンテンツマーケティング風な雰囲気はあります。食べるというのを軸に会話はしています。食べてもらおっか、たくさん心ゆくまでというのが中心になっていて、そこからtwitterを使おうとかって考えていくことが多いです。

神山 私達ダイソンであればテクノロジーをどう伝えるかというのが重要で、メディアを借りてよりリアルに伝えていくというのが今回のチャレンジだったんですね。そこに関してはこういうことがしたいということは明確になっているんですが、それをコンテンツにしてより多くの人にアクセスしてもらい、ましてや上手に見せていく仕掛けを作るには、やはりオンラインメディアのエキスパートのパートナーを探しました。彼らとコラボレーションすることによって、より良い物を作っていくことが大切だと思います。自分たちだけだと限界がありますし、せっかく作ったコンテンツへのアクセス数を増やすことには、エキスパートの方は絶対に必要だと思います。

今田 バナー広告とコンテンツとの実感値としての違いは?

干場 ケンタッキーとしては、いわゆるバナー広告はほとんどやっていないので、経験値があまりないです。テレビか、店舗が1つのメディアだと思っているので、最近だとSNSになるので、社内では比較ということはあまりないですね。

今田 マスとの比較になると、その単位とかは違ったりするんでしょうか?

干場 違います。かけているお金も違いますし、1発でとれるアウェアランスも違いますし、最近やっているのは一緒にやろうというのが今後強いメッセージかなと思います。

神山 バナーを作るというのも大事なことだと思います。私達がやらなければならないことを理解していただいて、私達のメーカーだからこそできるキャンペーンやCMなどのクリエイティビティなアイデアをいつもリクエストしているんですね。シンプルなバナーになってしまうと、クリックした先がタイアップページであった場合は、見る方はがっかりしてしまうだろうと。何をクリックしたら見に来るのかというのが大事な時代になってきているのではないかなと思います。それは、個人的にシェアしたいと思うというところにつながっていくのであって、両方の組み合わせが大切なのかなと思います。

今田 ネイティブアドなどがあるが、日経はどうですか?

渡辺 ちょうど来週から調べに行きます(笑)。流行っているということもあって、研究しなくてはいけないかなと。本当に記事と同じクオリティなのかどうか、メディアとしても怖い部分がありますし、もう1つは逆に、クライアントのみなさんも本当にそれでいいのかということを考えると、本当にコンテンツのクオリティを考えなくてはならないと。一歩間違えればステマと言われる可能性もあるので、日本はまだまだ時間がかかるかなと思います。我々もある種相当お金を払ってメディアを読んで頂いているという状況と、すごい安くて広告だけで稼いでいるというタイプのメディアの成立の過程において、メディアの信頼感などは、日本とアメリカでは考えがちょっと違うかなと思うので、もうちょっと考えてやりたいと思います。否定はしないけれども、今焦ってやることもないのかなと思います。

今田 うちは、ネイティブアドをやっていて、実際効果が出ています。

渡辺 いいんじゃないですか? 雑誌の広告はほとんどカスタマイズなので、雑誌の客は編集部の我々がよく知っているから監修するとかっていうのは常にやっていることなんで、その延長線上にはあるんだと思います。逆に自分の読者を理解するということと、ちゃんと記事と同じように読むんだということは、記事が元々強いメディアでなければならないと機能しないんだということですね。強いメディアこそが必要条件ですね。

今田 キャンペーンを行なった後にとったオーディエンスデータその後に活かしているんですか?

干場 ポイントカードを出してくださった方ですね。なので一部です。ビックデータの活用というのはこれからだと思うんですけども、今までに比べるとこんな人っていうのは見えてきているように思います。今の段階で、活用できてますというのは、言えるレベルではないんですが、活用はしようとしています。

神山 ユーザーのデータを中心に取っていますが、活用するというのは進行中ですね。新しいこととカスタマーを育てていくという2つのチャレンジが常にあるんですけれども、その中でもブリリアントなカスタマーは弊社にとって非常に重要なので、次にどう活かしていけるのかというのはまだまだやることがあるのかなと思っています。

レイ 商品よりも会社のストーリーが伝わるか、個人のデータでそのストーリーがどれくらい響いているかという細かい部分にビックデータは活用できるかと思います。技術的な問題は今後少なくなってくると思うので。

質疑応答

—コンテンツ製作に外部ライターは使っているのか?
神山 弊社は自分たちでやっています。どういう風に伝えるかというのには、まず1つは英語があるのでそれをどうやって日本語化するのかというのは、基本的に社内でやっています。オフィシャルエージェンシーの方もいますが、コピーライターさんにお願いすることはないです。

いかがでしたでしょうか? 筆者はこれまでフライドチキンや掃除機をコンテンツとして意識したことはありませんでした。みなさんも、本稿にならって今後ちまたに溢れる商品をいつもとは違った視点でご覧になってみてはいかがでしょうか?

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