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怖すぎるゲーム『マヂヤミ彼女』の開発者 beArkにインタビューしてきた

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by [2013年9月19日]

以前、APPREVIEWでもお伝えした屈折愛情超束縛系彼女ゲーム『謎解き・脱出ゲーム:マヂヤミ彼女 ~リアルホラー系ゲーム~』(以下、『マヂヤミ彼女』)。「LINE」を思わせるSNSメッセンジャーを用いたリアル過ぎるゲーム設定と、(男性であれば?)背筋が凍る束縛系彼女のセリフが話題を振りまいた当ゲームアプリ。

その世界観はキレキレに尖っていながらも、荒さを一切、感じさせない繊細な作り込みに、「一体、どんな人がこのゲームを作ったんだろう?」と興味を持たれた方も多いのでは?当編集部も同様です。

今回、アプリ開発を担当したbeArk岩崎さんにインタビューする機会を頂きました!

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『マヂヤミ彼女』の作者、謎に包まれたbeArkとは?


—-まずはbeArk設立の経緯を教えて頂けますか。
元々、適当なんですよね(笑)。2012年に大学を卒業して、色々とやりたいなと思ってタイに行って、その流れでアプリ作るようになって。

—-タイで法人を作られたそうですが、なぜタイを選ばれたのでしょうか。
なんですかね(笑)。まぁ、のんびりしているからですかね。学生の頃から何度かタイに行っていて。元々場所はあまり関係ないと思っていました。パソコンがあれば何処でもできるというか。

—-スタート時の業種はどのようなものでしたか?
アプリとウェブ制作です。ウェブ制作といっても、実績が無いと仕事が取りにくいかったです。アプリの方が楽だったってというのがありますね。

—-会社を立ち上げる前、ウェブ制作やアプリ開発などのご経験は。
特にやってなくて、その時点から勉強し始めました。

—-勉強を始めてから最初のタイトルをリリースするまではどれくらいでしたか?
まともなものが作れるようになったのは2012年に立ち上げてから翌年の2013年からですね。

—-iOSのプログラミング言語はObjective-Cですが、その前に他の言語などは扱っていたのですか?
いえ、Objective-Cが最初ですね。なので、未だにノウハウが無いです(笑)

—-そして最初にリリースされたのが『BeCalendar』とのことですが、最初からあのクオリティで出せたのは凄いですね。
クオリティが低いアプリを調べていくと、全くダウンロードされていない現状があったので、「クオリティが低くても、とりあえず出す」というのは意味が無いと判断しました。

—-beArkさんのチーム構成を教えてください
3人です。建築&デザイン担当、動画担当、あとはアプリ開発&デザイン担当の僕です。少人数なので担当というほど割り振りがしっかり決まっているわけではありませんが。アプリはメディアという位置づけで、アプリを含むメディアをうまく活用して、色々なコンセプトを発表していくつもりです。

-—法人を日本にも置く意義を教えて頂けますか。
今年度中にも置く予定です。自分たちは国の境目というものをあまり考えていないのですが、現状、取引先が日本に多い、という理由です。また日本のコンテンツなどを世界に発信したほうが面白いと思いまして。

ゲームアプリ『マヂヤミ彼女』ついて

—-アプリに話を移していきたいんですが、『マヂヤミ彼女』の登場人物名ともなっているヤマザキ・ミオさんとの協業はどういったところから産まれたのでしょうか。
そもそも「ヤマザキミオ」というバンドがいまして、兄が経営している音楽事務所の所属アーティストです。兄が「面白いアーティストが居るんだけど、ウェブで上手くプロモーション出来ないか?」という、かなりフワッとしたところから話がスタートしました(笑)。

—アプリを用いてアーティストのプロモーションを行うというコンセプトは?
いわゆるアーティストの紹介ページってファンしか見ないじゃないですか。それだけだと広がりにかけるな…と。ゲームなどの仮面を被って音楽を添えれば、全く知らない人にアプローチできる。特定の楽曲ありきで製作したゲームなので、ゲーム中に歌詞を沢山入れています。世界観を投影したゲームをプレイした後に、「ミオヤマザキ」の音楽を聴いてもらえれば、ゲーム中に登場した歌詞に触れることができ、より多くの人にバンド「ミオヤマザキ」に親しんでもらえる、と考えました。

—-今回のアプリは大ヒットと呼べるものだと思います。今回のアプリがプロモのためとのことでしたが、アプリのヒットがアーティストに与えたプロモ効果は?
リリースしてから2週間で、「ミオヤマザキ」のTwitterフォロワー数が2,000人から8,000人に増えましたねYouTubeの総再生回数も2週間で100,000回くらい増えていますインディーズの再生数は1,000、2,000くらいがザラなので、大きく踏み出せて効果はあったかなとは思っています。

—-アプリの製作期間は?
話をもらったのは2013年の4月か5月くらいでしたが、その時はBeCalendarを作っていたので後回しにしていました(笑)。6月末くらいから本格的に動き始めたので、だいたい企画・制作にかけたのは一か月半くらいですかね。企画とリサーチで半月、製作で一か月、審査で半月です。

—モチーフに脱出ゲームを選ばれた理由は?
最後に動画を流すことは決まっていたので、音を出す環境が欲しくなる。で、ゲームで音を利用した謎解きを入れる…と決まっていきました。あとは脱出ゲームには固定のファンが居るので、そこにフォーカスを当ててダウンロード数を取りたいなとも考えました。

—-岩崎さんは普段脱出ゲームされるのでしょうか?
少しだけ。制作することが決まってからストアに並ぶ脱出ゲームは一通りプレイしてみました。

—-数ある脱出ゲームとの差別化は?
他のアプリは、グラフィックがきれいか、システムがすごいか、謎解きが面白いかが主軸なんですけど、あまりストーリーやテーマを重視したものが少ないなと思っています。なので、テーマに主軸にすることでインパクトを与えられたと思っています。

—-ゲーム中、「ヤマザキ ミオ」からのメッセンジャー通知は、OS側の通知領域を使っていませんよね?あくまでゲーム内での通知ですが、これは何故ですか?
現実のプッシュ通知を使ってしまうと、通知が多いのでウザくなってしまい、バンド「ミオヤマサキ」への悪印象を与えるのかなと。なので、現実に繋げるのは最後だけにしてあります。

—-笑ってしまったのですが、AppStoreの説明文がASO(アプリストア最適化)されたものではなく、完全に世界観押しですよね(笑)。
狙ってやりました。Twitterでも「なんか怖いのある!」って広めてくれるので、結果的にはうまくいったのかなと思います。

—-『マヂヤミ彼女』のAndroidへの対応は?
開発中ではあります。10月くらいにはリリースできるかなと。

—-シナリオ追加やシリーズ化の予定は?
そこをやると失敗するのかなと思ってます。パクリとは言いませんが、浮気調査ゲームとか似たようなアプリはこれから出ると思うので、数カ月後に似たようなものを出しても古いものになってしまう気がします。次やるとしたらまた別の形で面白いものを考えたいです。。

—-盗作アプリに困っているデベロッパーさんは多いのが現状ですが、御社は盗作に対処をするのではなく、常に先駆けていくスタンスということですか?
はい。パクリはあまり気にしてないですね。盗作対策に囚われたくないというのがあります。

—-攻略情報・ネタバレを掲載しているサイトへのスタンスは?
解けない方も居るので、攻略情報を出してくれる方がいるのはありがたいですね。自分も解けないときは攻略情報を見てきたので(笑)。ヒントを有料で提供しているデベロッパーがいれば対策も必要でしょうが、攻略情報もレビューサイトの一環で扱ってもらっている、拡めてもらっているという認識でいます。

ダイエット管理アプリ『BeCalendar』について

—-管理系アプリを作ろうと思った経緯は?
ツール的なものを1個出したいなというのがあって。今後、管理系のツールがどんどん出てくると思っています。そこでユーティリティアプリのノウハウが欲しかったんです。

あと、デザイン面で勝負したいなと思っています。ダイエットだと対象が10~30代の女性になります。そういう方にオシャレと思って欲しかった。多機能はダサいというイメージがあって、それを払拭したかった。

アプリのセオリーとしてシンプルが売れるというのがあるじゃないですか。それで良い分野もあると思うのですが、最低限の機能しかないと、ユーザーにとって効果が出づらいのではないか?と思いました。多機能であっても、UIは整然とすることにチャレンジしたかった。記録するという行為はシンプルであって良いと思うのですが、機能までシンプルにしてしまうと、利便性がどんどん少なくなっていく。結果、アプリが本来目指したダイエットの効果は出づらい。今後、端末が多機能になっていくことを思えば、シンプルに落としこむのは、それに逆行していて将来性がないような気がしています。多機能でUIを整えていくということをやりたかった。

—-こうして岩崎さんとお話を伺ったり、『BeCalendar』を拝見してまず思ったのは、いわゆる表層を指す「デザイン」でなく、機能に従った「デザイン」を目指しておられるのかと。
現段階は操作性だけで勝負しています。これは第一段階です。なので、表面的な「デザイン」という要素を極力抜いています。現在、version1.2を作り終わっていて審査中なのですが、それは表面のデザインである、スキンを交換できたりします。まずは、機能性だけを突き詰めたデザインで評価して頂き、正当性を確かめたかった。結果的には良い評価をいただいているので、証明できたと思っている。今後は表面のデザインをすすめていこうかなというところです。

—-一番気になっているところなんですが、無料のこういったダイエットアプリだと、カロリーデータで課金させているところが多いと思うんですけれども、『BeCalendar』はグラフに対して課金させるというところはどういった発想からですか?
最終的には全部無料にしようかなと思っていますが、当面の資金を・・・ということで考えています。なので、課金も区切りのより30日間にしていて。今後、課金を外した時に批判が来るかもしれないので。あと、ユーテリティアプリで課金をしてもらえる率を調べたかったというのはあります。

—実際、何割くらい課金していますか?
アクティブの一桁%ですね。

—-ユーザーはどのくらい継続しているんですか?
使ってくださる方はずっと使っています。

—-今後、機能強化はどういったものを考えていますか?
カロリーのデータをウェブで管理して、クラウド化をしようかと思っています。Androidのリリースのあとになりますが。

—-現状、体重計でBluetooth機能を搭載したものが、安価に販売されています。今後、Bluetoothで測定結果をアプリに転送する機能などはお考えですか?
パナソニックさんとか、タニタさんとか、一度お話させていただきたいなと思っているんですけど、実績が少なくなかなか…。パナソニックさんとかタニタさんが仕様公開してくれれば、測定結果をBluetoothで転送する体重管理の流れになるかなと思います。

パナソニックさんやタニタさんとかも自社のアプリを出していますが、公開してしまって、ソフト面はいろんな人や会社に作ってもらえばいいのにと思います。

beArkが欲しい人材とは?

—-今後会社の規模は増やしていく予定は?もし、増やすとすればどのような人材が欲しいですか?
芸術家方面の方を増やしていきたいです。開発の方はオフショア開発に移行していこうと思っています。既に音楽や画家の方とは話をしています。

欲しい人材は、自分たちのアイデアの枠を、別な視点から取っ払ってくれる人が良いです。絵を一枚描いてくれとお願いしたときに、コンセプトを理解した上で、自分たちの想像以上のものを作ってくれると面白いですね。そういう時、芸術家のバックボーンが活きてくる。既に自分でコンセプトを持っていて、それを掛け合わせることができたらいいなと思います。

—-ありがとうございました。

★編集部コメント★
怖いアプリとは裏腹に気さくに応えてくださったbeArk岩崎さん。チーム構成のユニークさ、アプリ対策に追われるよりもコンセプトを大事にし、時代を先駆ける感性の鋭敏さが印象的でした。『マヂヤミ彼女』は、まさにアーティスト集団が生み出した新しいメディアのカタチといったところでしょうか。『マヂヤミ彼女』Android版も10月に公開予定とのことで、Androidユーザーも待ち遠しいですね!

アプリ基本情報

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謎解き・脱出ゲーム:マヂヤミ彼女 〜リアルホラー系ゲーム〜

配信元:Mio Yamazaki

iOS価格:無料

  • バージョン iOS:1.0

※記事内の情報はすべてレビュー時(2013年09月19日)の情報です。

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