無題

拝啓、親愛なるパクリデベロッパー様へ~オリジナルアプリ開発者より愛をこめて

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by [2013年8月30日]

パクリアプリが横行しています。8月21日から3日間に渡り、横浜で開催されたCEDEC(日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス)でも、「スマホ/ソーシャル・アプリ開発における知的財産権管理」と題されたセッションも行われていました。APPREVIEWでは、パクリ疑惑アプリについて何度かお伝えしています。

Touch the Numbers:プチプチ感覚で1から25までのパネルをつぶし、そのタイムを競う周辺視野トレーニングアプリ。

今回は、シンプルなルールながらその面白さゆえに、パクリアプリの多い『Touch the Numbers』開発者で、株式会社テクノードの代表取締役、鎌田氏に、パクられたデベロッパー側の心情や、パクリアプリを取り巻くストアやメディアの状況、さらには節操なくパクリを辞さないパクリデベロッパーへのスタンスを伺いました。

ひと声かけてほしかった

――パクられた時、まずどう思いました?
ひと声かけてほしかったなと思います。アプリのデザインも名前も一緒というのはやはり著作権上問題になります。ゲームのルールが一緒でも、名前とデザインが別で、オリジナル要素を追加したアプリはいいんですけどね。

――そもそも、著作権で保護されるべき範囲ですが、ゲームのルールは対象となるのでしょうか?
名前とデザインは保護されるのですが、ルール自体は保護されません。例えばマリオの敵を踏みつけて倒すというルールは保護されていません。だから誰でもあのルールのゲームを作っていいことにはなっています。

――パクったと思われるデベロッパーを訴える意志はありますか?
手間がかかるので…。そもそもパクリをする会社があまり儲かっていないと、賠償金の支払い能力がありませんし。中には某上場企業が一声かけずに、さらっとパクっていたりもしてますけどね…本当に一声かけて欲しいものです。
オリジナルよりもパクリアプリにお客さんが集中してしまうことが懸念ですが、Touch the Numbersの場合はそんなこともないんですよ。パクリゲームを実際にプレイしてみると、なんかこう…惜しいんですよね、緊張感のバランスがとれていない。

――緊張感のバランスとは?
人間は、ずっと緊張している状態では楽しめないんですよ。ジェットコースターでも同じで、ずっと急降下し続けるだけじゃなく、まっすぐに平坦な部分も走ることによって楽しさが成り立っている。緩急が重要なんです。弊社のアプリではそれを味わえるようにしているんですが、どうも他のパクリアプリにはそれが感じられない。

――そのバランスがお客さんの流出を防いでいるんですね。
そうかもしれません。パクリアプリをプレイしてみるとわかりますが、極端に難しすぎたり、バランスがあまり取れていないものが多いのです。多分、オリジナルを見てその表面だけなぞってしまったんでしょうね…。意外かもしれないですが、パクられるのもデメリットだけではなくメリットもあるので、ひと声かけてもらえれば常識の範囲内で類似アプリをつくってもらうのは構わないんですよね。

パクられることはデメリットだけではない

――意外なのですが、パクられてメリットがあるんですか?!
パクリアプリが盛り上がれば、本家アプリも一緒に盛り上がれます。パクリアプリがたくさんできれば、もうそのゲーム自体がジャンルになる。例えば農園ゲーム。あれも最初に本家アプリがあって、さらにそれ以降にどんどん似たようなアプリが出現しました。ジャンルとして認識されるようになると続編もヒットしやすいし、本家のプレイヤーも増えます。

――盗作というか二次創作というか。
盗作というかフォロワーですよね。フォロワーがたくさんいれば、それはそのゲームが受け入れられる土壌があるということを示していると思うんです。

――自分のアプリがオリジナルであることを証明するものはありますか?
アプリのストアでは公開日がはっきりと記録されるので、それが証拠になりますね。当たり前ですがオリジナルの公開日が一番古くなります。いざ訴えようと思えば、それを証拠にして訴えることもできると思います。

Google Play上にあるパクリアプリを検索する鎌田氏

――お話を聞く限り、やはりGoogle Playの方がパクリアプリが多い?
やはりGoogle Playは審査自体がないので無法地帯と化していると思います。App Storeは以前よりも審査が厳しくなっているようですね。もし類似アプリが発見された場合は申請者にライセンスをとったかどうかを確認するようにしているみたいです。ただ審査する人自体がオリジナルのアプリを知らなかった場合、もちろんパクリアプリを見抜くことはできないわけですから、穴はありますよね。

――何かストア側への要望はありますか?
申請されたアプリを見るときに、ライセンスがとれているかどうかの確認はしてほしいですね…。ただやっぱりアプリに対する知識は運営側も一人ひとり統一されているわけではないので、パクリアプリだと気づけない人もいる。何十万ものアプリがあるので、もう仕方がないことだと思っています。こちらがパクリアプリを発見して申告すれば運営側は削除してくれるので、これ以上は求めていないです。

『Touch The Numbers』とGoogle Play上で検索すると類似アプリがずらり。『マッチ the Numbers』のような正式なコラボアプリはごくわずか。

パクリアプリでは儲からない

――メディアに望むことはありますか?
まず、パクリアプリのレビューは控えた方がいいと思います。パクリアプリじゃなくても、日ごろからパクリアプリを出しているデベロッパーのアプリはパクられたデベロッパーから反感を買うことになると思うのでレビューしない方がいいです。何個かアカウントを持っていて、アプリごとに会社名を変えてくるデベロッパーもいるので、見極めは難しいですけどね。
また、ごくまれにですがパクリアプリの方がオリジナルよりもランキング上位にいるという状況を見かけます。そのような状況が改善されない場合は迅速に動かないストア側を批判するのがメディアの役目だと思います。

――最後にパクリデベロッパーの方にメッセージをお願いします。
パクリをやったところでどうせ儲かりません。訴えられたら終わりです。それに丸パクリでそんなに儲かるケースはほとんど聞いたことがありません。
ゲームのルールが一緒でも、名前とデザインがかぶっていなくて、オリジナル性が付け加えられたアプリなら大歓迎です。その際に一声かけていただければ了承しますよ。
昔から面白いゲームが出たらみんな同じようなゲームを作ってきたのでパクリが出てくるのは当然のことだと思います。重要なのは、モラルを守ってアプリを作ることですよ。

――ありがとうございました。

次週は、具体的なパクリの方法、さらにはその対策についてお届けする予定です。お楽しみに!

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Touch the Numbers(株式会社テクノード)

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