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【AdWhirl難民向け】Google提供の無料アドサーバ「DFPスタンダード」の使い方

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by [2013年8月08日]

Googleの無料アドサーバ、DFPスタンダード

アプリでアドネットワーク広告を出し分けするGoogleの定番サービスAdWhirlが9月で終了になってしまうため、無料アプリの開発者は、Googleが運営するAdMobもしくは他社サービスへの乗り換えを迫られています。
しかしGoogle推奨のAdMobだけではAdWhirlでできた%での配信比率設定ができません。
本記事では、「AdMob」のSDK とGoogleの提供する無料アドサーバ「DFPスタンダード」を組み合わせて、配信比率を%で設定する方法を紹介します。

本記事のポイントは以下の4つです。

  • DFPスタンダードとAdMobを組み合わせると配信比率を%で設定できる
  • DFPスタンダードを使うには自分のWEBサイトが必要
  • DFPスタンダードは管理画面の設定が面倒
  • アプリへの実装は簡単(ただし日本語解説は古い!)

日本だけの特殊な事情で%設定が欲しい

AdMobの広告収益最適化(メディエーション)機能には、新規登録アプリは配信比率を%で設定できないという欠点があり、日本ではAdWhrl終了をきっかけに他社サービスに移行する人が増えています。
海外ではAdMobの持つeCPM(1,000回表示あたりの収益)ベースの調整機能だけで不満がでることがないそうです。むしろCPMを基準にオンラインで取引される広告枠が多いのでCPMベースのほうが都合がよいぐらいです。また、収益性が高いアドネットワークほど広告在庫が少なく、逆に収益性が低い所は在庫切れの心配がほとんどないため、高いものから順に出すだけで収益が安定します。
日本の場合、広告案件の大部分は広告代理店経由でやりとりされます。そのせいか、クリック型(CPC型)、インストール型(CPA/CPI型)が幅をきかせており、CPM型のRTBはあまり普及していません。広告案件のバリエーションも乏しく、大部分がソーシャルゲーム、リクルート関連、通信キャリア、電子書籍です。複数のアドネットワークが同じ広告案件を在庫として抱えていることも多く、収益性が低いからといって在庫切れのリスクも少ないとは限りません。また、在庫切れの場合に極端に単価の低い自社バナーを表示することで在庫がなくなっていることをごまかそうとするアドネットワークも存在します。そのため、高いものから順に出そうとしても収益が安定しません。在庫切れのリスクを均等に分散するために%での設定をしたいという要望があるのです。

実装は簡単、使いこなしが難しい

DFPスタンダードは難しいという噂が先行していますが、実装自体は簡単です。普通にAdMob SDKを実装してAdMobのパブリッシャーID/メディエーションIDの代わりにDFPの広告ユニットIDをセットし、広告のクラス名を差し替えるだけで配信を始められます。

DFPスタンダードで複雑なのは実装より管理画面の設定です。仕組みを理解すればさほど難しくはないのですが、設定できる項目がとにかく多いので、細かく出し分けしていくとなるとげんなりするかもしれません。配信スケジュール、優先順位、一定期間内の表示回数、課金モデル、配信対象、なども設定でき、フル活用すると広告代理店が作れるレベルです。

AdSenseアカウント取得の壁

DFPスタンダードを利用するにはAdSenseのアカウントが必要です。AdSenseはアプリ用ではないため、広告掲載先のWEBサイトが別途必要になります。AdSenseアカウントを取得するためにはGoogleの審査をパスする必要があるため、アプリ開発を題材にしたブログなどをあらかじめ用意しておく必要があります。

DFPスタンダードを利用するにはAdSenseアカウントが必要

AdSenseアカウントを取得するにはWEBサイトが必要

審査を通すには

  • 独自コンテンツがある
  • 一定期間運営
  • 運営者が明確
  • 健全なサイト

である必要があるらしいです。

使えるURLがない場合は、Googleの無料ブログサービスBloggerなどでアドレスを確保し、審査を通すためにアプリ紹介や開発情報などの記事をアップしておくとよいでしょう。

Bloggerでブログを作った。

無事にAdSenseアカウントが取得できたら、DFPスタンダードの申し込み画面からアカウント登録をします。

DFPスタンダードは用語が難しい

管理画面で設定を始める前に、DFPスタンダードで使われている用語と、各項目の使い方を説明します。DFPスタンダードが使えるかどうかは用語の理解にかかっていると言ってよいでしょう。名前の付け方は今後の管理のしやすさにかかわってくる重要なポイントです。

DFPスタンダードの管理画面

DFPスタンダードの管理画面は上図のようになっており、「オーダー」「在庫」というタブで大きく括られています。これらの用語の関係性を概念図にしたものが下図です。
オーダーと在庫それぞれのタブでステータスを設定をし、それらを紐付けることで広告配信設定が可能になります。

広告ユニット

アプリ内の枠を指定する。広告サイズごとに必要。「タグを作成」で広告ユニットIDが取得できる。ユニットの名前がそのままコードに入れるAdUnitIDになるので英語でいれるべき。
名前は「AppName_Title_Top_320x50」のような形式にするとよい。

プレースメント

複数の広告ユニットをまとめて管理できる。WEBでは同一ページに複数の広告ユニットがある場合に使う。アプリ単位で作成するとよい。プレースメントなしでも配信はできるが、複数アプリで広告の出し分けをするなら作るべき。広告ユニット1つだけのプレースメントでOK。
名前は「AppName_Title_Top」のような形式にするとよい。

オーダー

広告主単位で広告を管理するために使う。アプリで使う場合は広告主に自分の名前(タイプは自社広告主)を入れるとよい。
名前は通常使うものは「AppName」、特別なキャンペーンで使うものは「AppName_CampaignName」のような形式にするとよい。

広告申込情報

広告申込情報。配信比率を%で設定するにはタイプを自社広告にする必要がある。ターゲティングの在庫には、アプリ用に用意したプレースメントを設定する。広告申込情報の設定しだいで期間や回数を制限するなどの柔軟な広告表示ができる。

自社広告、アドネットワークなど、個別の広告クリエイティブを管理するための入れ物。アドネットワーク間の配信比率を設定するならアドネットワーク単位で作成し、クリエイティブは1つだけ登録するとよい。自社広告で使う場合などは、1つの広告申込情報の下に複数のクリエイティブをぶらさげるとよい。
タイプは配信の優先順位を決めるためのもので、スポンサーシップが最優先、自社広告は他の広告がない場合だけ表示される。%で設定する場合はネットワークでも自社広告でもどちらでもよい。ネットワークに少しでも在庫があれば、バルク、価格優先、自社広告に設定された広告は表示されない。日本のアドネットワークの中には在庫切れを検出できないものがあるので、アドネットワーク全体の優先順位を下げるためすべて自社広告として設定するのもひとつの手と思う。

ターゲティングを追加で、在庫→プレースメントから、アプリのために用意したプレースメントを選ぶと、指定したプレースメントに紐付いたオーダーだけに広告がでる。
名前は「AdMob_AppName_Title_Top_320x50」のような形式にするとよい。

クリエイティブ

自社広告、アドネットワークなど、個別の広告。広告タイプをSDKメディエーションにするとアドネットワークが選べる。一覧にないアドネットワークの場合はアドネットワークに「CustomEvent」を選び、AdMobメディエーションを実装する時と同じパラメータを設定する。
名前は、アプリごとに広告IDのあるアドネットワークは「AdMob_AppName_Title_Top_320x50」のような形式、複数アプリで使いまわす可能性のある自社広告は「HouseAd_CampaignName_001_320x50」のような形式がわかりやすい。

管理画面の設定手順

DFPスタンダード管理画面の設定手順は以下の通りです。

1) アプリ枠の『広告ユニットを作成』しタグの作成で『広告ユニットIDを取得』。
2) アプリの『プレースメントを作成』。
3) アプリ用の『オーダーを作成』。
4) アプリのプレースメント用に『広告申込情報を追加』。
5) 広告申込情報用に『クリエイティブを追加』。
  %で設定したい場合はタイプをネットワークもしくは自社広告にする。
6) 4)~5)の繰り返し。
7) アプリ用のオーダーを選択し、「広告申込情報」の「目標」で『配信比率を設定』。
8) オーダーのステータスが配信中になるまで待つ。

オーダーのステータスが配信中になるまで時間がかかることがあります。ちなみに、今回の記事で作成したオーダーが準備完了から配信中になるまで19時間かかりました。

配信比率調整の画面。表の目標の部分は直接編集できる。

日本語情報は古い!

DFPの実装方法はAdMobメディエーションとほぼ同じですが、DFPではクラス名を差し替える必要があります。AdMobサイトの日本語解説の情報は記事執筆時点(2013年8月1日)では少し古いので注意が必要です。コード部分は英語解説のほうを参考にしてください。
具体的な手順ですが、iOSの場合は「GADBannerView.h」のかわりに「DFPBannerView.h」をimportし、GADBannerViewのかわりにDFPBannerViewのインスタンスを作ります。Androidの場合は「com.google.ads.doubleclick.*」をImportし、「AdView」のかわりに「DfpAdView」のインスタンスを作ります。ほかはAdMobメディエーションと一緒です。

関連記事

「DFPスタンダードとは何か?何が出来るのか?」ということについて、2013年7月23日、Googleの坂本氏が講演を行いました。
以下の記事は講演のレポートです。ぜひ併せてご覧ください。
【SSPで収益UP】グーグル社員が教える、AdMobメディエーションもいいけどDFPスタンダードの話(1/4)

リンク

DFPスタンダード http://www.google.co.jp/intl/ja/dfp/info/sb/

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