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デジタルコンテンツの分析ツールでヒットアプリの法則に迫る【後編】

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by [2013年8月05日]

クエリーアイ株式会社 代表取締役 水野政司さん

 スマートフォン・アプリのマーケティングASPサービス『QuerySeeker』をご存知でしょうか?
 QuerySeekerは、App StoreやGoogle Playのランキングだけでは見えにくい、アプリヒットの兆しや、ダウンロード数増加の要因を見つけることができる分析ツールです。
 スマホアプリが溢れる現代において、デベロッパーや、私たちAPPREVIEWのようなメディアには欠かせないものとなりつつあります。
 また、スマートフォンのユーザーにとっても、いち早くヒットアプリに触れたいという欲求を満たしてくれるツールになることでしょう。
 ここでは、そんなQuerySeekerを開発したクエリーアイ株式会社の水野政司さんにお話を伺うことができましたので、その模様をお届けします。

前編:アプリに特化したクローラー『QuerySeeker』
後編:QuerySeekerでアプリヒットの法則に迫る

アプリが“跳ねる”タイミングを見逃すな

──ヒットアプリのプロセスをどうお考えですか?
 大前提はまず良いものを作ることです。その上でターゲットとした人たちに対して、うまく訴求ポイントを作ることが大切です。どのコンテンツにも「ここがいい」というポイントがあるはずです。そのポイントを評価してくれそうな人たちにうまくぶつける。広告にせよ、バイラルでの仕掛けにせよ、当たり前なのになかなかできないですよね。アプリの世界は、日々新しいコンテンツが生まれてきますので、埋もれないようにしなくてはいけません。
 例えば、お金を掛けている間は良いのですが、お金が切れた途端にストンと落ちるアプリがあります。これは、QuerySeekerを見ているとよくわかります。WEBやTwitterなどで何の反応なく、ユーザーのレビューも少ないのに、ランキングだけは上位にいるんです。こういったアプリは本数だけはダウンロードされていますが実際には全然使われていません。
 魅力があるアプリであれば、広告費を使って一度ランキングをあげれば、予算が切れても、一定のダウンロード数はあるので、落ち方はゆるやかになるものです。ユーザーの母数に売上が左右されるアイテム課金でもこの点は重要です。
 また、ヒットアプリには、“跳ねる”タイミングというのがあります。過去の反応、ターゲット層、ネタ、アプリの内容を参考にできるQuerySeekerは、そのタイミングを見つけることを前提に設計されています。

「iTunes>Japan>AppStore Top Paid」のTwitterランキングを表示したところ

 そういったタイミングで何をするかというと、ランディングページまでのURLをいかにたくさん拡散させる、しかもそれを短時間に行なうのです。そうすれば確実にランキングはあがる。「バイラルを拡散」と観念的に言いますが、要するに、アプリのダウンロードや課金してもらうための導線をいかに多くするか、ということです。広告をたくさん貼ってURLを拡散させるブースト広告も同じ原理です。単位時間当たりのものすごい分量を用意して、その中の一定の割合の人たちがダウンロードしてくれる。広告の場合はその分量に対してお金を払うのです。
 そしてもう一つ大事なのは安定化。急速にランキングを上げたら、今度は落ちないような工夫が必要になります。アクティブになったユーザーに固定客としてプレイし続けてもらえるような試みです。また、プレイ中にゲーム結果や招待コードをツイートするなどの仕組みをアプリに入れておくことで、アプリ外にURLを出すと、そこから自然に集客できるようになります。ガンホーのパズドラ(パズル&ドラゴンズ)はお手本というか結果的にそうなっています。自社でそういったノウハウを持っているところがヒットアプリを作っていますね。

ガンホーはパズドラだけではない

──どんなアプリが印象に残っていますか?
 これまたガンホーのアプリですがケリ姫です。パズドラの影に隠れて話題にならないのですが、集客プロセス等はすごいと思います。
 この手のゲームは、イベントで盛り上げたり、招待コードを発行したり、特に最近の流行りモノだと、ユーザーレビュー欄が招待コード掲示板になっていますよね。「お友達になってください」「一緒に戦いましょう」とか。それがケリ姫には無いんです。にも関わらずランキングの上のほうにいるのです。
 売り上げはパスドラのほうが絶対上ですが、ガンホーはそういったことをやらなくても、ケリ姫のようにコンテンツの面白さだけでハメることもできるようです。
 アソビズムのドラゴンリーグもうまいです。こちらは招待コードもやっていますが、地道にお客さんの満足度をあげて、ランキングを上げてきたという印象です。この点はパズドラ同様の強さと言えそうです。
 LINEは、気が付いたらものすごいことになっていましたよね。スタートは静かなものでしたが、段々上にあがってきて、いつの間にか全部持っていったみたいな。運営しているNHNは今でこそLINEで有名ですが、それまでにたくさんのタイトルを出していて、膨大な失敗経験があります。それがうまく活かされているのではないでしょうか。

──デベロッパーに目を向けるといかがでしょうか?
 黎明期からずっと続けているところは、ほとんど無くなってしまいました。吸収合併されていたり、(タブレットを発売した)ユビキタスエンターテインメントのように違う領域へ行っていたり。
 最近は、デベロッパーが大きくなってきたということを感じます。その中でも、光るのは先ほどのガンホーやアソビズムです。インデックス倒産に代表されるようにガラケー時代のメインプレイヤーが力を落とす中で、こういった新しい企業が躍進を遂げる可能性もあります。
 大きくなったデベロッパーのアプリは、ハリウッドの映画型になっていくでしょう。結局いいものを作ればお金がかかりますし、販売単価も高くなります。そうするといいものを作れるところも限られてきます。ただ最近は有料アプリの市場も広がってきています。それは母数が増えた、つまり市場が大きくなったということです。
 セガ、スクウェア・エニックス、カプコン、バンダイナムコゲームスなど老舗のゲーム会社は、最初のころは苦労していたようですが、結局うまく立ち回っていますよね。プラットフォームが変わる→それに何とか合わせる、というのがファミコン以降のゲーム業界の歴史です。時代にあわせるまでに時間がかかったというだけですね。
 ガラケー組ではサイバードの復活に注目しています。スマートフォンになったばかりのころは全然目立たなかったのですが、ここ一年くらいの間にヒットが出るようになってきたんです。auのスマートパスでは常連。うまく事業の転換が図れたと言えそうです。
 一方、無料のモデルでいえば、個人でも活躍できる余地があります。キラリと光るものは上にいけるでしょう。ですが、とにかく移り変わりが激し過ぎます。その状況で切磋琢磨して強くなったところが生き残っていくのでしょう。

───Firefox OSやTizen等のモバイル向けの新プラットフォームをどうご覧になっていますか?
 がんばってくださいとしか言いようがないです(笑)。アップルのAppStoreが画期的だったのは、グローバル配信ができること、手数料はプラットフォーマーに払うこと、パッケージがいらないことです。その他の電子ストアはそのコピーですよね。
 AppStoreとGoogle Playでどちらの市場が大きいか、ということはあるにせよ、この仕組みが、まったく違う何かにならない限り、このままいくでしょう。
 劇的な変化が起きるのは、それこそドコモのCM※が現実になった時、つまりスマホの代わりにロボットが歩いてくるような未来がやってきたときかもしれません。
※本田圭佑さんの隣を、擬人化されたスマホを演じる渡辺謙さんが付いてくる。

───今後の展開についてお聞かせください。
 ちょうど先日、電子書籍に対応しましたが、アプリ以外にも市場を広げていきます。電子商材であれば何でもいけるはずなので、音楽も映画も。

───読者にメッセージをお願いします。
 まずいいモノ、最高のモノを作りましょう。プロモや広告で何とかできると言う人もいるが、小手先でいろいろやっても無理なものは無理です。
 次に、最高のモノを作ったとしても売れるとは限らない、ということ。コンテンツのアイデアはすごくても、プロモーションに関してはノーアイデア、または考えが及ばないという人が本当に多い。リリース後もずっと面倒をみる必要があるのです。
 あとは、勝つまで辞めないことです。問題はその勝ち方ですよ。ダメなのをずっと続けていてもダメ。ダメなりに理由があるので、いかにそこを改善していくか、事業の場合だと資金が切れることもあります。そのバランスをどうとってやっていくか、ということが大切です。市場・業界としては固まってきていますが、やりようによってはまだ伸びしろがあると思いますよ。

 最高のコンテンツに、リリース後の丁寧なメンテナンス、ユーザーサポートが組み合わさることで、ヒットアプリが生まれているということが、QuerySeekerによって裏付けられています。この例は、パズドラやケリ姫の他にも、Angry Birdsや、なめこ栽培キットなどにも当てはまります。
 いいものができたのにダウンロード数がイマイチ、とお悩みの方、まずはQuerySeekerの無料版を使用してみてはいかがでしょうか?

QuerySeeker
1カ国、1プラットフォームあたり月額15万5,400円
初期費用15万5,400円
価格表
※このほか、株式会社アイフリークモバイルでは、QuerySeekerを組み合わせたコンサルティングサービスを行なっており、こちらは10万円~で別途応相談となる。

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