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デジタルコンテンツの分析ツールでヒットアプリの法則に迫る【前編】

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by [2013年7月31日]

クエリーアイ株式会社 代表取締役 水野政司さん

 スマートフォン・アプリのマーケティングASPサービス『QuerySeeker』をご存知でしょうか?
 QuerySeekerは、App StoreやGoogle Playのランキングだけでは見えにくい、アプリヒットの兆しや、ダウンロード数増加の要因を見つけることができる分析ツールです。
 スマホアプリが溢れる現代において、デベロッパーや、私たちAPPREVIEWのようなメディアには欠かせないものとなりつつあります。
 また、スマートフォンのユーザーにとっても、いち早くヒットアプリに触れたいという欲求を満たしてくれるツールになることでしょう。
 ここでは、そんなQuerySeekerを開発したクエリーアイ株式会社の水野政司さんにお話を伺うことができましたので、その模様をお届けします。

前編:アプリに特化したクローラー『QuerySeeker』
後編:QuerySeekerでアプリヒットの法則に迫る

アプリに特化したクローラー『QuerySeeker』

──クエリーアイ(QueryEye)、QuerySeekerの由来についてお聞かせください
 Queryというのは、検索エンジンを使う時に入力する単語のことです。インターネットの世界では、単語を入れて検索するのが普通ですが、その単語を入れなくても「我々が、みなさんが見つけたいものを見つけ出します」、そして目(eye)に相当するところを提供しようという意味を込めて会社を作りました。
 現在、『QuerySeeker』というサービスを展開しておりますが、まだお客様の要望全てに応えられるところまでは至っていないんです。そこでまずは疑問に相当するところをとにかく探し続けましょうと、「Seek」にはそういった気持ちが込められています。
 機能は基本的にクローラーです。しかもアプリに関しての特化型。インターネットの中で完結するビジネスをやっている人向けに、そのコンテンツが売れたということ、なぜ売れたという情報から、取れるものは取りましょう、というものです。そのための大量のデータがありますし、それを引っ張ってくるための仕組み、仕掛けというものを作りこんでいく、これが日々増えていくということです。

──どんなデータを見ることができますか?

「iTunes>Japan>AppStore Top Paid」のコンテンツ・ランキングを表示したところ

 1つめはランキングです。これは売上、ダウンロード数を見て、どれだけ流行っているかの浮き沈みを見るための指標です。これは絶対的なもので、売れた本数はわからないのですが、流行っているのか、流行らなくなったのかが相対的に分かってきます。
 2つめは、ランキングの上がり下がりを基準として、その前後に一体何が起きたのかということを追うものです。QuerySeekerでは、口コミに相当するTwitterのツイート数のランキングを確認することができます。
 3つめは、インターネットのサイトです。ブログやメディア、2ちゃんねる等で何か書かれているかもしれないし、コピーサイトに載っているかもしれない、それをとにかく探っていき、全部集めて、あるアプリや電子書籍などの商材に対して、それぞれの情報の結びつけをします。
 我々は、インターネット上で公開されている情報を使って、それを商材に括り付けておくことをデータ処理としてやっています。よく、値下がり情報だけを出すサービスがありますが、弊社は値上がり情報も出しています。価格に変動があれば時間軸に沿ってどんどん出しているので、いわゆるキュレーションに相当することは、みなさんがいろいろお考えになって、自由にやってくださいというスタンスです。

──ストアからはどんな情報を取得できますか?
 公開情報として、ランキングの上位に出ているものは、iTunesだったら300位まで、Google Playはよく変更があるのですが、800位までとか400位までというように、その時の最大値までが見られるようになっています。それ以下のものは取得することはできません。 ちなみに、様々な事情により、ストアから無くなってしまうアプリがありますが、そういったアプリは無くなる前までの情報を確認できます。

──QuerySeekerの使い方についてお聞かせください
 アプリを開発する前であれば、他がどうであったかというようなケーススタディの役割です。
 アプリのリリース後は、狙った通りに動いているかどうかを監視する、という使い方です。ターゲットの客層があって、ターゲットとしたメディアが反応してくれているかどうか、またTwitterアカウントのリストを用意しておき、そこの1つでも反応してくれれば、そこから後の展開は予測がつくようになります。
 このリリース後というのが結構重要で、運用しながら、作り変え、お客さんを巻き込んでいく、これが今のソーシャルメディア時代に、モノの売れ行きに直結します。特にアプリはワンクリックで買えるので、その影響が強いです。モノを買いにいくという時間と空間のクッションがない分、良いも悪いもすぐに拡散されます。そこにうまく対処できる力が必要です。

──QuerySeekerの無料版と有料版の違いについてお聞かせください
 無料版は、どなたでもお使い頂けます。ランキングの上がり下がりと、そのサマリーを見ることができます。ただし、データ量は限定されています。価格の変動情報等も出していますがだいぶ絞っています。
 有料版は、アプリや電子書籍等、電子コンテンツでビジネスをやっていらっしゃる全ての方が対象で、基本的にはBtoBとなります。アプリの開発者、アプリの広告に関わる方のほか、アプリを活用するリアル店舗のような、いわゆるO2O(オンラインtoオフライン)のお客様もいます。
 ご覧になれるデータはすべてです。弊社がデータを収集し始めた頃まで遡ることも可能で、iTunesなら2010年から取得できるはずです。
 無料版について補足しておきますと、もちろん有料版の導入を検討しているデベロッパー向けの体験版という位置づけではありますが、日本では無名だけど海外でとてもはやっているアプリを見つけたりすることもできますので、一般の方も、どうぞ好きにお使いください、という感じです(笑)。

iPhoneとiTunesが登場して、何だかすごいことが起きると

──QuerySeekerを始めたきっかけは何でしょうか?
 アメリカで初代iPhoneが発売されて、iTunesという世界へ同時に配信ができるグローバルマーケットができて、これは何だかすごいことが起きると思ったんです。アップルコンピュータはまったくクローズの状態でしたが、その時から、これでゲームができないか、周辺機器は付けられるのか、という感じで突っつきにいっていました。
 そして、日本でAppStoreが開設されたころ、国内でおそらく数社しかなかったと思われる、ストアのローンチと同時にアプリを出品した会社でその事業に携わっていたんです。今に比べて、アプリの審査がものすごく厳しかったり、売り上げ報告が遅かったりというように、アップルも含めてみんなが手探りの状態で、iPhoneが何台売れるのか? 当時流行っていたザウルスというPDAと比べたりして、現在のiPhoneの普及度を見れば言わずもがなですが、業界の人ですら、その程度にしか考えていなかったころです。
 そんな時代から、アプリという分野で、それをどうやって売ればよいのか、ということを必死に考えていたわけですが、ある時いや待てよ、と。自分でアプリを売っていくうちに法則性のようなもの、どういう売り方をして、何をきっかけに、どういうことをすれば流行るのか、ダメなのかといったことに着目したんです。
 まずは売り上げの変動を知るためのランキングです。これはずっと見ていたわけです。ガラケーの時代にも、キャリアメニューのランキングを上げるために、広告にお金を掛けるということをみんなやっていましたよね。
 よくあったのは、自分の会社はランキングのここにいました、いきなりどこかの会社がガーンと上がりました…やられた、と。どこにバナーを貼るか、ファミ通に出稿したらこのくらい上がったとか、やっていたわけです。そういうデータがアプリの動きと連動していることは、職人技的には大体知っているんです。だけど、これは日々変動するし、そもそも、自社のことはわかっても他社のことはわかりません。
 そういったことの推測の材料になりえる「何か」が分かれば、そこに機械力を使ってサポートできる仕組みができるんじゃないかと思ったのが、QuerySeekerを作ったきっかけです。
 このビジネスにあたっては、名古屋大学と統計的な共同研究を行なっているのですが、WEBサイトへの掲載から始まって、それがバイラルで拡散して、ランキングがあがってという流れに、半分くらいは相関性を認められることがわかったんです。
 ランキングに影響を与える要素として、クチコミが50%くらいなら、広告効果が30%~40%、マスメディアその他が10%~20%だろうということもわかってきたので、広告費を使わない側の50%に向けて情報を可視化してあげれば、結構便利ですよね。お金のあるところは、お金を使ったプロモーションができますが、そうではないところもゲリラ戦を展開できますよ、という提案です。
 精度もかなり上がってきています。今年の春以降ですと、どれくらいの予算規模で、何時間でランキングが何番目に上がるか、ダウンロード数がどれくらいになるかということが、ほぼ正確に出ています。

 次回は、水野さん自身がアプリを手がけていたころの経験や、QuerySeekerを運営してきた経験から、最近のヒットアプリの法則に迫ります。どうぞお楽しみに。

QuerySeeker
1カ国、1プラットフォームあたり月額15万5,400円
初期費用15万5,400円
価格表
※このほか、株式会社アイフリークモバイルでは、QuerySeekerを組み合わせたコンサルティングサービスを行なっており、こちらは10万円~で別途応相談となる。

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