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【SSPで収益UP】グーグル社員が教える、AdMobメディエーションもいいけどDFPスタンダードの話(1/4)

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by [2013年7月25日]

会場の様子

2013年7月23日、六本木ヒルズGoogle東京オフィスにて、アド(広告)部 (日本Androidの会 秋葉原支部)主催のセミナーイベント 第13回アド部 in 東京 – SSPとかのお話  が開催されました。
今回のセミナーは、グーグルが提供しているSSPサービス AdWhirl が9月末で停止してしまうことと、AdMobメディエーションで日本のデベロッパーがよく使うパーセンテージ(%)を使っての配信比率設定が突然使えなくなってしまったことを受けて企画されました。
困惑するスマホアプリ開発者に役に立つ情報を!というテーマのもと、お酒を交えたカジュアルな雰囲気で、当日はゲリラ豪雨に見舞われたにも関わらず100人近くの参加者が駆けつけ、会場は大賑わいでした。

本記事では、トップバッターで登壇したグーグル株式会社の坂本氏によるセッションをレポート致します。

▼SSPで収益UP連載企画(全4回)
第1回:グーグル社員が教える、AdWhirl終了後はAdMobメディエーションもいいけどDFPスタンダードの話←イマココ
第2回:『Adstir』担当者が教えるアプリの広告マネタイズで重要なポイント
第3回:サイバーウィングのスマホ向けSSP「wing it」を使うメリットはこれ!
第4回:広告事業者でなくメディア視点で作ったSSP「アドフリくん」

▼関連記事
【AdWhirl難民向け】Google提供の無料アドサーバ「DFPスタンダード」の使い方


セッションタイトル:
アプリ広告枠を高度に運用するモバイルアプリ向けDFP
スピーカー:
グーグル株式会社 坂本達夫氏
目次:
▼概要
・広告マネタイズの基本
・メディエーション/SSP/アドサーバーとは
・AdMobとは?
・AdMobメディエーションとは?
・DFPスタンダードとは?
▼DFPの機能紹介
・広告のトラフィック管理
・高度なターゲティング設定
▼設定・手順
・DFPからアプリに広告配信を行なう手順

はじめに


今回お話するのはモバイルアプリ向けのDFPについてです。ウェブの媒体に携わっている方は結構ご存知かもしれませんが、DFPはウェブサイトなどに設置して、その中で純広告を配信することができるアドサーバーの一つです。グーグルが無料で提供しています。
このツールはウェブだけでなくアプリでも利用できるのですが、アプリの広告マネタイズはAdMobメディエーションのツールを使う方が非常に多かったので、グーグルとしてもそこまでプッシュしていませんでしたし、あまり存在を知る方も少ないと思います。
ですが、先日のAdMobメディエーションでパーセンテージでの配信比率設定が急にできなくなったことをうけまして、それに替わるツールとしてDFPをご紹介させていだだきます。
DFPを使えば、実はAdMobメディエーションでできなかった細かい広告の配信条件を設定できるようになります。

広告マネタイズの基本

まずは、スマートフォンアプリの広告マネタイズの基本的な考え方である、複数アドネットワークの運用と、そのために必要なツールから確認していきます。

今回お集まりいただいた開発者のみなさまの大体が既にご存知かと思うんですが、広告の単価や効果が時期によって大きく変動するという広告ネットワークの特性から、一つのアプリに一つだけの広告ネットワークを配信するのは結構リスキーです。調子がいい時もあれば、収益性がぐんと下がる場合もあって、非常に不安定です。

なので、複数のアドネットワークを同時に運用して、その時々で一番収益性の高い案件を持っている広告ネットワークを流せるようにしておくことがポイントになってきます。
こうしたサーバーサイドで広告を出し分けたマネタイズをおこななううえで、重要になってくるキーワードがメディエーション/SSP/アドサーバーです。

メディエーション/SSP/アドサーバーとは

グーグルには、AdMobAdMobメディエーションDFPスタンダードという3つのアプリ広告用のサービスラインがありますが、どれだけ高度な広告の配信設定ができるのかを縦軸に、管理の複雑さを横軸に取ると、だいたいこのような位置づけになっています。

AdMobとは?

AdMobは、アプリに設置することで、自動的にAdWordsなどから出稿された広告が配信されて、収益が得られる、という一般的な広告ネットワークの一つです。
一度設置しておけば、その後は基本的には手を加える必要がないので、どなたでもお使いいただけます。AdMobでは通常のCPC広告以外に自社広告も配信できて、例えば、自分のもっている別のアプリの広告を出すなどができますし、100%自社広告で運用することもできます。

AdMobメディエーションとは?

次にご紹介するのがAdMobメディエーションです。開発者さんの間で最も使われているサービスがこちらだと思うのですが、このツールは、複数の広告ネットワークをアプリの中でメディエーション、つまり出し分けができるというものです。
現在、世界中の約20の広告ネットワークと正式対応していて、日本のi-mobileとnendも含まれています。ただ、正式対応していない広告ネットワークであっても、カスタムイベントを使って対応させることは出来ます
ただ、以前はこのツールで各広告ネットワークの配信比率の割り当てがパーセンテージで設定できていたのですが、現在はそれができなくなっており、現在は、eCPMが高いネットワークから優先的に配信するメディエーション方法しかできなくなっています。

実はこのAdMobメディエーションの原型となったAdWhirlというオープンソースで出していたサービスもありまして、こちらならパーセンテージでの配信比率設定ができるのですが、先日発表させていただいた通り、今年の9月末でサービスを終了する予定です。

DFPスタンダードとは?

最後にご紹介するのが、DFPです。正式にはDoubleClick for Publishers(DFP)スタンダードといいます。もともとは広告ネットワークを配信管理するツールというよりは広告サーバーとして作られたものなので、広告ネットワークも配信できますが、純広告などを配信するのにも非常に向いているプロダクトです。
純広告、AdMobの広告、AdMob以外の広告ネットワークのメディエーション、自社広告など、いろんな種類の広告の配信ができます。
また、使い込むことで、カスタマイズによって細かいターゲティングが可能です。さらに、AdMobでできなくなってしまったパーセンテージでの配信比率設定も含め、配信ロジックの管理や、配信レポートの設定項目も充実しています。

広告のトラフィック管理

DFPではかなり細かい広告管理ができるのですが、まずはトラフィックの管理についてご紹介します。
●配信スケジュールの設定
多くのメディエーションツールでは、その時々でリアルタイムに配信比率の設定を変更することしかできないかと思いますが、例えば純広告を配信する時は、配信開始~終了までの期間が決まっていることが多いですよね?DFPなら事前に配信期間の設定しておくことができます。
なので、例えば、週末だけInMobiさんを配信するように設定するなどができます。
●広告配信予測に基づいた広告配信目標の設定
それから、何度も強調している通り、すべてのトラフィックに対する広告ネットワークの配信割合をパーセンテージで設定ができますし、目標インプレッション数やクリック数を設定して広告を切り替えることもできます。なので、広告の営業の方が、例えば何インプレッションまでだったらeCPMはいくらで、とか、何クリックまでだったらクリック単価いくらで、などの交渉をすること、理論上はこのやり方を使えば可能になってきます。
●広告優先順位の階層化
広告優先順位の階層化というのは、配信する広告の優先度をレイヤー構造で管理できるということです。例えば、まず最初に純広告にリクエストを送って、マッチする条件の広告がなかったら、ネットワーク広告にリクエストを送る、それでもなかったら、その更に下の階層の自社広告を出す、というような設定です。
●フリクエンシーキャップの設定
最後のフリクエンシーキャップというのは、例えば、同じユーザーに対して同じ広告ばかりを出しているとパフォーマンスが落ちてしまうので、1ユーザーに対して1日に5回までや、一週間に10回などの広告の表示設定ができるんです。
この設定はウェブだけでなくアプリでも可能です。

高度なターゲティング設定

ターゲティングの設定もいろいろできるようになっていて、地域・時間・端末・OSによる広告の出し分けや、アプリ側から取得したデータを利用したカスタム条件による出し分けも可能です。
具体的なイメージをいくつかご紹介します。

●地域によるターゲティング

通信データによる位置情報から特定の地域にいる人にだけ純広告を出して、そうでない人にはネットワーク広告を出す、ということができます。
(※編集部調べ:市区町村レベルでの位置情報で設定が可能です)

●デバイス・通信会社・OSによるターゲティング

また、デバイスや通信会社、OSなどでターゲティングすることができます。

●クリエイティブの複数設定

高度なターゲティング設定機能の中でおもしろいのが、クリエイティブの複数設定です。
1つの広告を複数のクリエイティブで設定して、配信しながらCTRに応じて自動的に効果のいいクリエイティブを優先して表示させることもできます。

●カスタムターゲティング

カスタムターゲティングでは、アプリ側からKey-Valueというものを取得して、広告のリクエストと同時にDFPのサーバーへ送ることでそのデータを利用した広告の出し分けができます。
例えばアプリ側で男性/女性という性別を取得しているとして、広告のリクエストを送るときにsex=mという情報を送るとsex=mの人に対してだけAdMobを出して、sex=fの人に対しては女性向けに売っている自社の純広告を出すということもできるようになります。
実際の事例としては、女性の体調を管理するようなアプリで、男性か女性かの性別による広告の出し分けだけでなく、このカスタムターゲティングをつかって、生理中かそうでないのか、とか妊娠を希望しているかどうかなどのユーザー状況に合わせた広告の出し分けをしているクライアントさんがいらっしゃいますね。

ただ、注意していただきたいのは、これはアプリ側からご自身で取得した情報がDFPのサーバーに送られているわけなので、グーグル側で持っている情報をみなさんがターゲティングに使えるということではありません。

●アプリイベント

これはちょっとおもしろい機能なんですが、広告がクリックされた時、単純にランディングページに遷移するのでなく、クリックという行動をトリガーにしてアプリ側でイベントを設定することもできます。
例えば、広告がクリックされた時に、同じアプリ内の別のビューに飛ばすなどができるんです。
具体的なイメージだと、課金を1回でもしたことがある人に課金済みのキーをもたせておいて、そういう人には広告枠に広告を表示せずに、アプリ内のメニューのようなクリエイティブの自社広告を表示させて、クリックされると課金ユーザーにしか見えないページに遷移させる。課金をしたことがない、ユーザーにはネットワーク広告を出し続けておくとかアイデア次第ではそういうことができます。

DFPからアプリに広告配信を行なう手順

DFPからアプリに広告配信するための設定は、結構難しいです。簡単に説明すると、普通のネットワーク広告を配信するときはどの枠に広告を出すかという枠側だけの設定で済むことが多いと思うんですが、DFPはそれに加えて、なんの広告を出すか、という広告出稿主側の設定が必要になります。

STEP1:DFPでアプリ用広告ユニットを作成する
最初にどこに広告を出すか、という枠側の設定をします。アプリ用の広告ユニットを作成して、そこで発行されたキーをアプリ側に挿入して実装します。

STEP2:DFPでアプリ用広告オーダーを作成する

次になんの広告を出すかという広告オーダーの設定をしますが広告オーダーは、その下に広告申込情報があって、その下にクリエイティブを紐づけるという構図になっています。

例えばネットワーク広告という広告オーダーを設定する場合、広告申込情報の項目を、例えばAdMob、iAd、 i-Mobile、nendというふうに設定して、それぞれにパーセンテージで配信比率を設定するという感じです。

STEP3:アプリからDFPに広告リクエストを行う

最後にユニットと広告のオーダーを紐付けて、アプリからDFPのサーバーに広告リクエストを行う設定をします。

おわりに

以上、AdMobメディエーションよりも一歩進んだDFPについてご紹介させてもらいました。
ただ、最後に簡単に説明した導入の手順や設定の仕方が、AdMobメディエーションよりもちょっと複雑なので、慣れるまでは実際に管理画面を見ながらじゃないとご理解いただくのが難しいと思うんですよね(笑)

なので、導入を検討している方や、使っていてわからないことがありましたら、僕にご連絡いただくか、AdMob Japan (公式) というGoogle+の公式コミュニティがあるので、そちらにお気軽に質問など投げていただければ僕がものすごい速さで返信させていただきます!
僕からの発表は以上です。ありがとうございました。


★編集部補足★
まだアプリ開発者たちの中で広くは使われていないDFPですが、驚くほど高機能なツールですね。
ただ、担当者ご本人がおっしゃる通り、高機能すぎる反面、導入や設定に慣れるまでがなかなか難しいのが難点!
そこで、当社の現役バリバリなアプリ開発者が執筆したDFPスタンダードを設定する手順をわかりやすく解説する記事を公開いたしました。こちらも是非ご覧ください!

次回はユナイテッド株式会社 森嶋大樹氏によるセッションのレポートです。
『Adstir』担当者が教えるSSPを活用したアプリの広告マネタイズで重要なポイント

▼SSPで収益UP連載企画(全4回)
第1回:グーグル社員が教える、AdWhirl終了後はAdMobメディエーションもいいけどDFPスタンダードの話←イマココ
第2回:『Adstir』担当者が教えるアプリの広告マネタイズで重要なポイント
第3回:サイバーウィングのスマホ向けSSP「wing it」を使うメリットはこれ!
第4回:広告事業者でなくメディア視点で作ったSSP「アドフリくん」

関連サイト:
DoubleClick for Publishers(DFP)スタンダード
AdMob公式サイト
AdWhirl公式サイト
Google+公式コミュニティ AdMob Japan(公式)

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