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視聴者置き去り。製作現場の迷走に鋭く切り込む「テレビのウェブ化」─アドテック九州2013

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by [2013年6月14日]


 2013年6月5日、6日に開催されたデジタルマーケティングカンファレンス「アドテック九州」にてパネルディスカッション「テレビのウェブ化」が行われました。
 アドテック九州のトピックの1つとなったホリエモンこと堀江貴文氏も登壇した注目の内容をお届けします。

登壇者

堀江貴文氏
SNS(株)
ファウンダー

有吉昌康氏
(株)PTP
代表取締役社長

司会 石黒不二代氏
ネットイヤーグループ(株)
代表取締役社長兼CEO

 テレビとウェブの関係は、一般的にウェブの勢いにテレビが押され続けているという印象ですが、視聴者はスマホやタブレットでSNSを使いながらテレビを楽しんでいたりします。
 登壇したみなさんは、製作現場が視聴者を置き去りにして、テレビに無理やりウェブを取り込もうとしていることで、おかしなことになっている点に鋭く切り込んでいます。こういった問題を解決する1つの方法として「SPIDER」を絡めた今後のテレビの楽しみ方、さらにはテレビやネット動画のマネタイズについてもヒントが詰め込まれた内容になっています。
(以下敬称略)

SPIDERとは?

 指定したトピックについて1週間分のすべての番組を検索して録画することができるPTP製のビデオレコーダー。

法人用「SPIDER PRO」。家庭用「SPIDER」は発売準備中。

有吉 田原総一郎さんにもお使い頂いたのですけども、ただ全番組を一週間録画するだけなら興味を持てなかった。だがしかし驚いたことに、キャスター、コメンテーターの田原総一郎について語られている場面を全て見られることができて仰天したと。これはすごく的を射ているなと。

SPIDER

SPIDERで実現しつつある「テレビのウェブ化」

有吉 テレビのウェブ化というのはですね、いつでも全コンテンツにアクセスできるようにして、検索できるようにする。まさにウェブですよ。膨大なコンテンツがどれだけ見られたか、そこからどうアクセスするかという情報も集めて、ターゲティング広告も可能にできる。ウェブでは当たり前じゃないですか。これがテレビでもできるようになるんですが、こういうことをやっているデータベースが無いのでバラバラなんです。例えば、笑っていいともって福岡でも12時からやっていると思うんですけども、八戸だと、夕方の4時45分くらいから始まっているんですね。八戸の人は、お昼休みは♪っていうと、さあ夕方の買い物にいくべかってな感じになっちゃうんです。CMしかり、資生堂のマキアージュの15秒のCMが何度世の中で流れていたかも、誰も掴んでないです。でも、僕がデータベースを作って、掴むようにしたんです。
 今日のテーマに近いことを言えば、ウェブと同じことをやっているんです。アフィリエイト広告だったり、連動型広告だったり、効果測定ができるようになりますと。僕らが目指しているのはテレビ番組、信用あるテレビのコンテンツを視聴者とうまくマッチングさせてあげること。それから、このコンテンツおいしそうだから買います、というように繋げてあげれば、また広がりますしね。それでこれらを全部繋げて検証可能にするということです。こういう新しい世界、イノヴェーションがすぐそこまで来ているということで、今日は参加させてもらっています。

テレビおよび業界の現状

石黒 テレビのウェブ化をいろんな角度から見る。テレビ番組とウェブの融合。コンテンツやプログラム面。Twitter、スカイプによる同時中継。
堀江 テレビコンテンツの制作側。プロデューサーをはじめとした専門職。自分はよくニコニコ生放送などやる。ブロマガチャンネル。東浩紀さんの「ゲンロンカフェ」。2時間ずっと電子書籍についてしゃべりっぱなし。CMすらないっていう。テレビだと1時間番組でもトークは30分とか。ネットだとずっとしゃべりっぱなし。そういう意味において、トークの本質的なコンテンツについていえば、CS朝日で同じような番組でやった時には、トークの尺が短い。その代わり映像にはすごくこだわっている。しかしそのこだわりがコンテンツに結びついてないのかなと。それが不安かなと。
 ネットだとコメントやアンケートがインスタント、逆にテレビで視聴率取れる番組は内容が薄い。企業タイアップやバラエティは、作り込まれたものではないんだけど、視聴率がとれるみたいな。中途半端に作り込まれたりしていると、逆にとれなかったり。NHK以外は中途半端。
石黒 テレビは決められたプログラム、社風の制約がある。ネットは尺を気にしたりせず自由にできる。
堀江 ただそれも、リアルタイムで反論を書いてくるとか炎上とか。無理やりアテンションを喚起するというような方向に走っちゃって、コンテンツを作りこまなくなっている。インターネットもテレビも。
 (放送法による受信料で)潤沢な予算と、たくさんの優秀なスタッフを持つNHKの一人勝ちになっている。最近話題になったものでいえば、10年かけて撮影したダイオウイカとか。SPIDERで見てみましょうか。こういうときSPIDERが役立つ。
有吉 ウェブだと、時間の制約や編集がないから全部見られる。放送の場合は、ある種の意思がある。この時間の中で、こう売っていこうという強い意志。
堀江 ネットの生放送でも意志はあると思います。単純にネットでやればいいじゃんと。そういうアテンションをひきつけ、話題を作って来場者数稼いで。ニコニコ動画でやっているブロマガチャンネルでいえば、中継するごとに毎回100人ずつくらい有料会員が増えている。ああいうモデルって月額課金だと、課金されていることを忘れてしまう。一定数は惰性である程度継続してしまう。それで定期的にコンテンツ供給を継続していくと、少しずつ会員が増えていく。それで、マネタイズできて、メディアとして成立していけるというかたちが、たぶんこれから先いくつかのネット番組でできていく。
 僕の結論をいえば、テレビはこれからNHK化というか、自分からお金を払ってもらうというか、テレビ局のフォロワーを増やすという。テレビ局がフォロワーを増やす努力をしなかったのが、今のテレビ業界の凋落の原因かなと。放送コンテンツで挙げられる収益はどんどん減っていって、週刊ダイヤモンドなんかの「テレビ、ラジオの内実」なんていう特集で必ず言われるのが、テレビが今一番力を入れているのは不動産だということ。フジテレビのお台場合衆国、TBSの赤坂サカスでの賃貸事業とかいろんなことをやって稼いでる。コンテンツではない。それは本当に自分を見失ってるというか。

テレビの楽しみ方は人それぞれ

石黒 テレビをウェブ化するというより、何を指してテレビと言っているかも曖昧かもしれない。テレビのスクリーンを指していないのかもしれない。堀江さんが言っているのは、それって案外変わらないモノなんだよっていう話ですか。
堀江 いやいや、Twitterとかで話題になると、視聴率がバーンっとあがるんですよ。たとえば、家政婦のミタとか、ちょっと古い話ですが。
石黒 Twitterとマスメディアは融合しやすいと。
堀江 Twitterでも2ちゃんねるでも、そういうふうに連携していくことで視聴率をあげる。
有吉 でも、話題になるから次に見ようっていうか。無理やり、Twitterをテレビに融合させようというのは愚の骨頂。2005年にやった実験、TBSルーキーズと実況スレを両方見る。すると、感動的なラストで「おれ眼から水が出てきた」「おれも」「おれも」という感じで盛り上がる。しかし、スケートの試合なんかは「真央ちゃんきた!」だけ。言葉を持たない。それよりは、実況者が解説をしたほうがよっぽどおもしろい。コンテンツによる。
堀江 でもニコニコのサッカーでいえば、実況生番組は副音声的に聞くと結構いい。例えば、日本で配信していない試合とかも、英語のサイトで中継見ながら、ニコニコの裏実況を見るみたいな見方だってできる。それはそれでいいんじゃないか。
有吉 堀江さんの場合は見たいから自分で見にいっている。そうではなくて、無理やりね、Twitterと番組の融合というか。
堀江 そういうことじゃないんですよ。僕が言っているのは。番組側が無理やりウェブに引き寄せるみたいな。コンテンツを捻出する装置として、ウェブを使ったらどうですかということ。
石黒 でも、有吉さんの言う、Twitterで流れている意見がある意味つまらないという話。その一方でテレビに出る人、専門番組に出る人はものすごく専門的ですが、それ以外のコメンテーターみたいな人って時事のネタに関する知識をわりと持っていて、何でもとりあえずアドリブで答えるみたいな人も結構多くて。ネットの特徴っていうのは、ネットだと、ものすごい専門家が出てくることもある。そういう意見って割と大事なのでは。
有吉 それはそれで必要だと思うが、それをテレビの中に組み込んだりするのはどうかという。全部流すわけじゃないのに入れるというような。
堀江 そうは思わないんですけどね。昔の討論番組にドワンゴの川上会長と佐々木俊尚さんという、ネット界隈でそこそこ有名な人が出た。そういう人がNHKで討論番組をやるって結構画期的なことだから、ニコニコ生放送で裏座談会をやった。僕とかブロガーの小飼弾さんとかで。まあ、山本一郎さんを入れたのは失敗だったと思うけど。ネットの人たちにしてみれば裏座談会の方が圧倒的に面白い。それをフレキシブに導線が引ければよかったのかのと。NHKと連動してもいいし。
石黒 そこがまさに議論したいところで。とりあえず今ある連動型、セカンドスクリーンを主なものにしても、あまり楽しいという気はしなくてですね。
 堀江さんみたいな人はダブルスクリーンを出してチャカチャカっとやっちゃうんですけども、オーディエンス側からするとテレビってもともと受け身じゃないですか。それと(能動的な性質をもつ)ウェブとの融合っていうのはどう考えているのか。

テレビ、動画のマネタイズ

堀江 そこもちょっと変わってきたと思う。自分が2年間社会にいなかった間に、スマートフォンで動画がそこそこきれいに見られるようになったということがある。3G回線ではきついなあと思っていたが、LTE回線だとかなり高画質なものも見られる。あとはユーチューブで検索してくださいという連動でいいのではないか。
有吉 それはそうで、既存のやつは既存のやつで使用すればよい。
堀江 そこでマネタイズをすればいいと思ったんですよ。最近のCMは「続きはウェブで」となりますが、例えば今、僕のタイムラインで話題になっているのは、ジャッキー・チェンとしょこたんの共演とか。ああいうのがまさにそう。CMのありかたも変わってきている。目先の利く企業さんはもうテレビにCM出さなくなってきている。Twitterで話題になるように。
 もう一個。二年前の九州新幹線のCMは大感動、親近感、涙。今でもネットでものすごい再生されている。あれはJR九州のブランドイメージを上げるのに役立っている。だが一方で、あれをネットだけの配信でできたかというとそうではない。あれはテレビCMで流すから、あれだけの予算かけてやれたのだろう。
石黒 そしてあれだけ話題になったからネットでも見られて拡散した。
堀江 そうなんですよ。なぜ先ほどCMの話をしたかというと、CMだけがものすごい予算かけてやっている。僕も九州のたこ焼き八ちゃん堂のCMに出たことがあるんです。今は冷凍食品の会社になっちゃったんですけど。2年前位にはお蔵入りになっちゃったCMが2本くらいあって、1つは僕がニコニコミュージカルというのをやるということで撮ったドワンゴさんの作品。これはネットのみの配信予定でした。もう1つソフトバンクさんのCMを撮ったんですよ。撮影に行くと、花が飾ってあって、撮影時間短いんですけど、アメニティとかがすごくて、今のバラエティと比べたらすごい豪華さ。CMはすごい予算。
有吉 全体量はわからないが、CMにおけるクリエイティヴの種類は絞られている。全体量が多ければ広告予算はわからないが。例えば、花王さんがやっているようなCMでいえば、1週間で70~80種類だったのが今では30種類とか。
堀江 全体量を減らして、1つ当たりの予算を増やすみたいな。さっきのジャッキー・チェンとしょこたんのやつも素人が見てもわかるくらいすごい予算をかけている。ああいう傾向は強まっているのではないのか。
 最初にテレビで流して、というかテレビで見る人はあまりいなくて、ウェブでHDのYouTubeで見るみたいな人が増えるのでは。
有吉 テレビで見る人が少ないっていうのは、出会う人が少ないという?
堀江 そうです。出会わないだけですよ。SPIDERがあれば出会えますけど。
有吉 任天堂のCMで、嵐が出ているちょっとずつバージョンの違うのが50本くらいある。そうすると、嵐のファンなんかは、ずっとみる。ファンの間で何時何分に流れるというとテレビの前で待つ。SPIDERを使えばすぐに見られるのに。ジャニーズファンは超へビーユーザー。
堀江 ジャニーズ事務所のこだわり方はすごい。

株式会社ワタナベエンターテインメント会長の吉田正樹氏が登場)

吉田 堀江さんのアイデア素晴らしいんですよ。テレビがマネタイズするというだけじゃなくて、ウェブを利用してマネタイズするというのは皆今一生懸命やっているところだと思うんですよ。だけど、堀江さんに言われてやってると思われるといやだから、それをなかなか認めたくない。
堀江 それを言っちゃダメでしょう。吉田さんがお台場にいらっしゃったときに、ぼくはずっと言ってたんですよ。
吉田 今伺っていて思ったのは、テレビのいろんな面があるじゃないですか。ジャーナリズムをきちんとやらなければならないところ。報道や情報を伝えるところ。それともう1つ作品作って届けるところ。それぞれあるんですけど。非常に今、狭いところで議論されている。たとえば二コ動とか。こういったものは受け入れられる幅が非常に少ないから。それに対してテレビはもっと幅広い層を取り込める力があるんじゃないか。
堀江 それはつまり、例えば僕の顔が世の中で良く知られてるってのは、テレビで繰り返し繰り返し流されて、全国津々浦々どんな地方に行っても「あ、ホリエモンだ」と言われるのはテレビの力だと思うんですよ。でも…
吉田 (堀江さんの言うことは)すごくもっともなことだと思うんですよ。テレビの収益の構造が変わっているから、広告主の人たちは、どこにどういう効果を求めてやっているのかは、すごく考えるんですよね。だからテレビで知ってウェブで深めるという分業でいいんじゃないかと。
 ところが、今のテレビ制作者が、テレビの中にウェブを持ってこようとする。テレビの中にTwitterをいきなり取り込もうとする。Facebookで呼び掛ける。だけどそれは活用でも何でもなくて、スキルに過ぎないのではないかと感じる。
石黒 しかし、想像力として、それ以上ものがあるのか? 無いと思う。
吉田 でも大震災があって、テレビって何のためにあるのかっていうことに戻ったんですね。だから報道をちゃんとやらなきゃいけないって思うわけ。そのために視聴率で見るんじゃなくて配信で見るだとか。
堀江 すごいそこ聞きたいんだ。実際のところ視聴率って、生で見られているものをそう呼んでいる。この間新聞で報道されていたと思うんですけど、あの録画視聴率みたいなの。あれについては、スポンサーやテレビ局はどう思っているのか。
吉田 テレビ局の人間ではないんでよくはわからないが、非常に苦慮していると思う。広告主のほうでいえば、その指標をどうやって見るのかということに繋がってくる。
堀江 録画視聴率の場合、結構な確率でみんなスキップしている。
吉田 飛ばす人もいるでしょうけど僕は見ますよ。SPIDERなんかはいい面悪い面あって、一週間分しか保存しないってのが肝なんですね。二週間、三週間前のものは出てこない。一週間以内に話題になったものは見えるんですけど。
堀江 技術の問題。ハードディスクの容量が増大し、より安価になれば解決する。みんなが見たい、Twitterで話題になっているものなんかを残して、いらないものを消していくみたいなのは全然技術的に可能なんで、それはテレビ局が懸念していることは全て実現される。CMだって飛ばせるし。
 今の番組表だったら、ロビ社が特許でガチガチにもっているわけだけど、だったら番組表なんか無くてもいいというようになるかもしれないし、そういう風にさせるような革命的な機材が数年以内に出てくると思いますけど。そうなってきた場合に、録画視聴率における広告媒体の効果はあまりなくなるのでは。
吉田 そこを乗り越えていくためのアイデアが何か必要ということ。テレビで知ってウェブで深める。やはりテレビは幅広い。
堀江 そこでNHKになるしかないと思った。会員から得られる収益で、映像を作っていくという。
吉田 ブランディングしてこの局ならずっと見たいなとか、付随したサービスをつけていくとか。
堀江 皮肉なことにWOWWOWさんはそれがされていて。結局有料放送でやっていくしかないから。
吉田 今の放送制作の最前線で、みんなちょっと勘違いしているところがあると思うんです。強いコンテンツを作らないと見ないんだから、まずそれだと。
堀江 そもそも疑問に思うのは、報道がテレビの役割なのかどうかということ。
吉田 法律で決まっていますからね。
堀江 法律を変えてもいいと思う。
吉田 それはちょっと別次元になってくる。でも、バラエティでもなんでも、ある意味ジャーナリズム。今の世の中をどう見ているか。アーカイブで満足しちゃうことが、本当に日本のテレビ放送やエンターテインメントにとっていいんですかという。新しいものを作らなくていいんですかという。
堀江 新しいものは必要。しかしジャーナリズムの部分についていえば、ウェブがそういう役割をすればいいのではないか。テレビだと機材が多すぎるから、たとえばライブビューを使ってやるとか。CNNが中継ですでにやっている。そういう中で既存のメディアが果たす役割がもっとドラスティックに変わっていかなければならないと思う。
石黒 マスメディアもビジネス。広告を利用した課金ビジネス。それが、当たり前というスタンスだから変わりにくいのではないか。
有吉 その話には違和感がある。それはテレビを会員化して有料化するという話。できるかもしれないけど、日本のテレビの多くは専門チャンネルじゃないですから難しい。もう1つは、今テレビ局は2兆円規模ですから、それを会員で賄えるのかというふうになる。それよりは、まさに今日のテーマのように、テレビのウェブ化というか、広告でできることがもっともっと変わってくると思うんですよ。広告ビジネスをもう一回考える。
 でも、今までそういった議論をするうえでのデータがなかった。だからSPIDERを作った。スキップの話題についても、全然スキップされない番組とか、スキップされない時間帯というのがある。
石黒 スキップは明らかにある。テレビ見ながらスキップボタンを常に操作する若い人も多い。だから、テレビ業界=広告ビジネスというモデルは衰退するのでは。
吉田 広告だけでやろうとしているのではない。いろんなものを総合してやろうとしている。
堀江 ネットのほうが特に最近面白いものが増えていると思う。
吉田 時間をどういう風に使うか。ただ、テレビで幅広く知って、(ネットで)深めるっていうのもあるのではないか。

置き去りにされる視聴者

堀江 ネットの場合は書き起こしサイトなんかがあったりして、それで幅広く読んだり、動画見たりして情報を集めたりもできる。だから僕はもうテレビは高画質・高予算で作り込んだコンテンツ以外は厳しいのかなと。
吉田 バラエティが一番苦しい。しかし、サッカー中継などは視聴率38パーセント。
堀江 それはそれでまたいろいろあって、ゴルフ中継は絶対リアルタイムで見ないじゃないですか。全部録画で編集している。そして変な時間にやっている。それもネットで流したりすればよかったのだが、やらなかった。それが、最近はじめてネット中継をした。女子の大会。
石黒 聖域なんですね。
堀江 聖域というか公約というか。視聴者を置いていっているから、なんだよこのやろうみたいな話になっている。見たい女子ゴルフのトーナメントがあったときも、地上波で放送していない。結局フジテレビのCSなんかでやってたんだけども、自前申し込みが必要ですぐには見られない。この前初めてCSの一斉中継をネットでやってたりしたけれども。中継と言ってもそういうのがたくさんある。
吉田 それは文句をいっていればすぐ反映されるし改善できることだと思う。
石黒 ユーザーの声を集めたり、ユーザーが声を大きくしたり、何かしらの具体的施策が必要だ。
吉田 十分聞いていると思うが、誰が声を大きくして言うべきなのかとかを考えなきゃならない。
堀江 もっとユーザーフレンドリーになるべきだと思う。ユーザー第一でテレビ局も広告業界も動いていかないと、たぶん置いていかれる。
有吉 ユーザーの一番の声って何かと考えると、好きな時に好きな番組を見られるということ。自分がコントロールできるという状態。
吉田 どんなやり方でも、作り手、制作側が新しいものを作れる仕組みでないと無理。
堀江 だからこそ良質なコンテンツに黙ってお金をかけるしかないのかなと。バラエティはネットに任せろということなんですよ。
有吉 ネットとテレビの広告費の差。特にモバイルは十分の一。難しくなる。
堀江 ガリガリ君イチゴ味を食べるだけの内容でもYouTubeだと3,000ビューいく。1ヶ月間でマックス18,000ビューとか。世界で言うともっとすごいものもある。実況動画も100万再生という世界になってきている。
吉田 「やってみた」というのはYouTubeの一大ジャンルであるのは確かだが、広告の効果などはどうなのか。
堀江 この2年間でYouTubeの広告がものすごく増えたのは確か。
有吉 ただ、多くの人は4秒待ってスキップするのでは。しかし、ネットでもテレビでも心に残る広告はあるし、そういうものは残る。
堀江 その流れがネットのほうに流れているのは事実。コンテンツ的にも。
吉田 制作者が何を作るかという水準の問題がある。しかし、今はテレビの制作者も「やってみた」的なものを作ってしまう。だからダメなんだ。
堀江 テレビ局の人は、今までたまたまテレビ局にいたからコンテンツが出せて、番組作れたのかという話になってくる。ネット動画の制作者ともアイデア変わらない。

正しくウェブ化できればテレビは復活する

吉田 だから違う部分で人を惹きつけないと残っていけないという意味では、おっしゃる通りですよ。
 堀江さんも発言される機会が多くなっていくと思いますが、誤解されやすいので、テレビとウェブがどうお互いに発展していくかというような意味でよろしくお願いします。ウェブが全てで、テレビはダメというようなかたちではなく、もう少し優しくお願いします。
堀江 わかりました。ぼくも11月9日で喪が明けるので、これ結構大事な話で、仮釈放が終わる。それまではテレビ局みたいな免許制の事業者だと、なかなか昼間の生番組やドラマはダメ。深夜番組の録画とか、朝生くらいしか出られない。来年からは、テレビ番組を絡めた事業をやろうと思っているので、新しいかたちを見せられると思う。ご期待ください。
有吉 今日はテレビのコンテンツの話が結構メインになって、ぼくなんかは出る幕がなかったんですけども、ウェブ化という意味では利便性がすごく重要。テレビがもう一回支持されるためにはそれに限る。この時間にテレビの前にいなきゃいけないというのはこれからは無理。
 あと無理やりテレビのコンテンツをウェブと絡めようとするのはダメだと思う。SPIDERのサクサク感、リアルスピード。前にたかじんさんの番組に出た時に「スマートテレビはよくない」と言ってた。なぜかと問うと「スマートテレビにワイプでリンクが出てきても誰もやらない。テレビを見ながらiPadをやるほうが便利」といっていた。ワイプにして利便性が減ったら意味がない。今あるものが良ければそれでいいんですよ。僕はSPIDERでさらに利便性を高めたい。
堀江 SPIDERのリモコンがホント小さくて無くしてしまう。新しいのを頼んでいる。
吉田 人力でデータを埋め込んでいるのでミスもある。メガデータが必要。
石黒 どんどんユーザーが発信していくことが大事だと思いました。

アドテック九州

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