P1050602

怖すぎるヒットアプリ『アルパカにいさん』はこう生まれた!株式会社ココソラ開発者インタビュー

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

by [2013年3月25日]


変なウニョウニョを引っこ抜いたり切断したりするゲーム『なんか変なの生えてきた』や、
羊の毛をドゥルンと剥く(それ以上説明のしようがない)ゲーム『ひつじの毛をドゥルン』
アルパカが恐ろしい超進化を続けるゲーム『アルパカにいさん』など、数々のシュールなヒットアプリを生み出す株式会社ココソラのお二人にインタビューさせて頂きました。

会社員時代から独立・法人化まで

───会社員をされていたんですよね。
システム開発でした。

───お二人はその会社で出会ったんですか?
はい。お昼休み中に、今の職場環境について話したりするうちに、自分たちでやるかという話になって。

───会社員をしながらでは、個人で開発を行う時間が取りにくかったのでは。
10時~11時頃に帰宅してから、深夜まで作業していました。

───最初に出したアプリは『なんか変なの生えてきた』ですか?
その前から、green 4th wood(前田氏)、green 5th wood(野沢氏)という名前で可愛い系のツールアプリを出していました。2010年12月が初リリースです。
その後、ツールアプリの数が増えたので、埋もれてしまわないように別名義(BELTHEVA・現ココソラ)でゲームアプリのリリースを始めました。

───Androidを優先して開発されているんですか?
会社で多少Androidアプリ開発をしていたのと、Macを買わなくて済む、その敷居の低さからAndroidが先になりました。
iOSは去年の8月から着手しました。

───独立を考え始めたのはいつごろから?
最初から考えていました。自由にやりたかったので。

───社名「ココソラ」の由来はありますか?
とくに意味はないです。日本語っぽい響きで…適当に…。
スペルもGoogleとか、Oが多いロゴが見た目的に可愛いなと思って…。

───会社のロゴモチーフに雲が使われているので、空とか自由とかの意味がこめられているのかなと思っていましたが…。
後付けですね…(笑)

法人化のメリットとデメリット

───法人化して開発以外の雑務が増えるようなことはありましたか?
ありました。『ひつじ』や『なんか変なの』がヒットして天狗になっていたんですが(笑)、会社の設立準備、税金の勉強、iPhone版の準備などをしているうちに知らない開発者たちが出て来ていて、気付いたらマーケットの様相が変わっていました。

───雑務を別の人にお願いすることは考えましたか。
もう税理士さんにお願いするしかないかな、と考えたりもしています。

───独立したことで働く環境はどのように変わりましたか?
働いている時間は変わっていません。今日も朝6時まで徹夜で仕事していました。でも仕事の内容に自由があることで、精神的な余裕はあります。
以前は通信系のベンダーだったので、休日に呼び出されたり徹夜したりと障害の処理が大変でした。
今では子供の具合が悪いときに、休みを取って病院に連れて行けるようになりました。

ココソラのアプリはどう生まれているのか

───それぞれ開発されているとのことですが、作業場も別ですか?
場所は一緒です。企画の話し合いなどは一緒にして、開発に入るとそれぞれ作業します。
自宅でも出来るんですが、子供が居るのと、どうしてもサボっちゃうので(笑)作業場は必要です。

───勤務時間は完全に自由ですか?
一応、9時とか10時くらいには出社しています。帰るのは作業が終わり次第。

───開発やグラフィックなど担当を決めてはいないんですか?
それぞれ一つのアプリを通しで開発しています。
ただ、『ドキ! 水着ねこ』は企画時点では大ヒット間違いなしだと思っていたので、力を入れて作ろうと思い、共作しました。結果、全然ダウンロードされなかったんですが(笑)。

───ヒットアプリ『アルパカにいさん』はどのように生まれたのでしょうか。
最初は、同じアルパカのキャラクターを使った別のゲームでした。しかし出来たものをやってみると面白くなかったので、リリース直前で白紙にして、続けてやりたいゲーム、先が見たくなるゲームになるよう作り直しました。
『パズドラ』をやっていて、モンスターを進化させるのが面白かったので、進化の要素を取り入れました。強くなるとか、大きくなるとか、そういう要素は皆好きなのかと思って。ただパズドラの進化は「レベルが足りません」など色々条件があって…。そういう面倒くさい要素は削って、純粋に進化を楽しめるものにと考えて今の形にしました。
あとは『ぐんまのやぼう』もやってみたんですが、なぜこんなに達成感が得られるんだろうと考え、長時間待たずに得られる小さな達成感と、日本制圧のような大きな達成感を得られる放置ゲーの要素を取り入れました。

───アルパカの進化形態は最初から凄いですが、先々のイメージまで決まっているんですか?
変化のふり幅が小さいと飽きられちゃうかなと思って、常にそのとき考えた一番気持ち悪いものを出しています。
ネタ切れになっちゃうので大変です。

───新作のアイデアはどのように生み出していますか?
二人で案出しの散歩に行きます。
まずネタになりそうなタイトルを決めて、そこにゲーム性を後付けしていく形です。
『ひつじの毛をドゥルン』もタイトルがまず決まって、バタバタしている羊の毛がドゥルンと脱げるイメージ面白いよねとなって、ゲームにしていきました。

───個人的にゲームなどはされますか?
子供の頃遊んでいましたが、最近はあまり。子供に付き合うくらいです。

広報・メディア戦略には消極的?

───アルパカがヒットしたのはメディアで取り上げられたことが大きかったですか?
初動はそうでした。tabloidさんで取り上げられたのが大きかったです。
今はTwitterの口コミからの流入が多いですね。そうなってからはあまりランキングも変化せずに10位前後をふらふらしています。

───プレスリリースなど、対メディア戦略は意識されているんですか?
プレスリリースは一回も打ったことないです。やった方がいいよと言われるまでプレスリリースの存在も知らなくて…。知ったあとも、面倒くさくてやってないですね(笑)。
企業向けのものはお金がかかりそうで面倒ですし、レビューサイトさんなんかに送るのはおこがましい気がして…。

───おこがましいとは…。
わざわざ自分たちのつくったものを送るのは申し訳ないというか、なんか、鼻で笑われそうで…。「何言ってんの」とか言われそうで(笑)。

───メディアからすると意外です。では、プロモーションについて何もしなくてもこれだけ広がったということでしょうか。
Twitterの個人アカウントでそれぞれ好き勝手につぶやいているのと、Facebookページですね。Facebookページは手が空いた方が更新しています。

───Facebookページ、効果はありますか?
最近、効果を実感しています。
アルパカグッズの試作品の写真を掲載した記事は4,000人に閲覧されていました。

収益性向上や事業拡大にも消極的?

───最も当たったアプリといえば?
勢いで言うとアルパカですね。iOSで70万くらい。

───Androidで開発して、人気を見てiOSに展開する方針ですか?
そうですね。アルパカを出す前の4作くらいは、AndroidとiOSを同時にリリースしていたんですが、全然パッとしなかったので作戦を変えました。

───収益アップのための施策などはされていますか?
広告を細かく切り替えたりしてみたこともあったんですが、手間がかかりすぎる上に増える収益も微々たるものだったので、あまりしていないです。
バナーの位置については、アルパカで変えました。画面の上部に置いていたときは他のゲームと比べてクリック率が低く、全く見られていないなと。
それで画面の下部に移動させたら、今度は誤クリックが増えました。下部のまま誤クリックが起こらないよう調整したのが、今の状態です。

───マーケットのレビューはご覧になりますか?
メンタルが弱いのであまり見ないようにしています。
死ねとかクソとか書かれると立ち直れない(笑)。

───海外展開は考えていらっしゃいますか?
『なんか変なの』を英語化して出したときは、台湾や香港の方は評価してくださったんですが、欧米の方には「気が狂ってる!」とか「気持ち悪い!」と低評価をつけられました。欧米では受け入れられないものなのかなと。
日本語のままでもアジアの方には遊んでいただけるので、今のところ積極的な海外展開は考えていないです。

グッズ化の話

───アルパカのグッズ化の話が進んでいるようですね。
iOS版を出して2週間くらいで2社からお話が来ました。

───キャラクタービジネスに力を入れることは考えていらっしゃいますか?
売れるに越したことはないんですけど…。販売会社さんにお任せしています。

───「なめこ」とかは受け入れられていますよね。
なめこは、いいですよね。新キャラクターの横展開もしやすいですよね。
アルパカはどの進化形態まで作るのかとか、悩ましいところが多いです。
そもそもあれのぬいぐるみ欲しいですか?子供とか、泣くんじゃないですか?

───ノーマルアルパカのぬいぐるみはきっと可愛いですし、進化アルパカもストラップとかなら個性的でいいと思いますよ。
そうなんですか。いけるんですかねえ(笑)。

───ありがとうございました。

BELTHEVA名義の頃から追い続けていた開発者の方に、やっと会うことができました。
特筆するべきは「二人の個人」という珍しい働き方だと思います。分業するわけでも上下を決めるわけでもなく一緒に働いている、というありかたが印象的でした。
お二人が話す様子も和気藹々としていて、笑いながら「案出しの散歩」をしている様子が目に浮かぶようでした。ビジネス上の関係というより”仲間”のような雰囲気です。

このありかたは、一般的な組織の向かう方向とは対照的に、非常に属人的であるように思います。単純に一定のスキルを持っていれば一緒に働けるということはなく、どう働くかのスタンスを共有出来ていることと、それぞれが自分の担当した製品を作りきることが出来る自立、そして二人の性格的な相性の良さを同時に充たしていなければ成り立たないものなのではないでしょうか。

“仲間”に恵まれながら、それぞれが家庭も持っているお二人。アルパカのヒットで注目が集まっていますが、無理に事業を大きくする気は無いのだそうです。「人見知りで…」「おこがましいと思って…」「天狗になっていました…」など謙虚な発言が非常に多いながらも、望む仕事と働き方を実現している、芯のある方たちだと感じました。

関連記事:
『アルパカにいさん』の気持ち悪さが海外でもじわじわ来てる件wwww
【恐怖】ゲームアプリ『アルパカにいさん』は衝撃の気持ち悪さだった

コメントは受け付けていません。

PageTopへ