2011年10月~2012年2月
Keating氏の収益(税引前)

音楽聴き放題サービス、アーティストが得られる利益は0.4円

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

by [2013年2月28日]

2012年末にかけて、日本でも数多くの音楽聴き放題サービスが参入しています。

  • KDDI:うたパス、およびLISMO Unlimited
  • レコチョク:レコチョクBEST
  • ソニー:Unlimited

海外では米マイクロソフトによるXbox Music、NokiaによるNokia Music +など巨人によるサービス展開も。

ユーザーにとっては、よりどりみどりの状況。月額1,000円前後で数千万単位の楽曲が聴けるとあっては利用しない手はない!といった方も多いことでしょう。

2013年は音楽好きなユーザーにとって大満足な年になりそうですが、では、それら音楽聴き放題サービスにコンテンツを提供している側であるアーティストの取り分はいかほどでしょうか?その疑問へ答えるとすれば、非常に参考になる報告があります。モダンチェロ奏者でインディーズであるZoe Keating氏が、音楽ストリーミングサービスでいくら稼げたかをGoogle documentで公開してくれました。

▼関連記事
音楽業界、1999年以来初の売上回復はデジタルのおかげ
広がれソーシャル・レコーディングの輪!melocy開発者インタビュー
Samsung、「Music Hub」を他社端末へ展開へ!音楽サービス戦国時代きたか…
音楽定額サービス「Nokia Music +」Lumiaユーザー大勝利!

6ヶ月間でいくら稼いだ?

2011年10月から2012年3月にかけて、Keating氏が発表したアルバム『one cello x 16』で稼いだ収入は以下のように公開してくれました。

2011年10月~2012年3月
Keating氏の収益(税引前)Atlantic

海外で人気のある音楽ストリーミングサービスSpotifyでは7万2,800回再生されてわずか281.87ドル(約2万5,880円)の収入が入ったようです。音楽を1回再生すると、約0.41セント(約0.4円)得られることになります!

ストリーミングサービス以外の収益(純利益)は、iTunes、Bandcamp、Amazonやコンサートなどで直接CDの販売やデジタル音楽により生計が立てられるようです。

  • iTunes:46,477.77ドル
  • Bandcamp:25,000ドル
  • Amazon:8,352.45ドル
  • Amazon MP3:2,821ドル

また、Keating氏がインターネットラジオのロイヤリティを計算した場合、2011年12月1日~2012年5月31日までの6ヶ月間に「Pandora」で、150万回再生されて1,653ドル(約15万5,400円)得たようです。1,500,000再生でこの収益に過ぎません。
YouTubeではヒット動画が100万回再生が一つのボーダーラインになりますが、得られた収益は1ヶ月で2万5,000円の計算になります。これでは別のアルバイトをしたほうが効率的です。

よって、CD、デジタル・ダウンロード、及びストリーミングによるロイヤリティ収入はかなり違うものです。芸能マーケティングを専門とするFirst Class Allianceが発表したデータの場合、iTunesなどからアーティスト音楽を1曲0.99ドル(91円)で購入したときは9セント(8~9円)のロイヤリティが支払われるそうです。悲しいことに、1曲のストリーミングで1円も満たないということは、ストリーミングから得られる収入は1/10セントということなのです。即ち、CD(ドル)→ダウンロード(セント)→ストリーミング(1/10セント)と販売方法の進化に伴って、アーティストの収入はすさまじい勢いで減っているのです。

このように、音楽聴き放題サービスで、相当の回数を再生されても得られる収入がごく僅かであることが分かります。2013年、おそらく日本でも音楽聴き放題サービスが浸透するのは間違いありません。ただしアーティストへも正当な利益が配分される仕組みが構築できなければ、今後、アーティストの活動が萎縮し、ひいては私たちが良質な音楽に出会う機会も減ってしまうことでしょう。

▼参考リンク
How You Turn Music Into Money in 2012(Atlantic)

コメントは受け付けていません。

PageTopへ