500-IPLM017Aと純正Lightning-ヘッドフォンジャックアダプタ500-IPLM017Aの方が多機能だが、純正アダプタは音質・音量の点でこれを上回る

iPhone 7最大の難点を解決~MFi認証済み充電ポート内蔵ライトニングオーディオ変換アダプタ~前編

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by [2017年2月02日]

サンワダイレクトが販売する「500-IPLM017A」の製品パッケージ簡素な袋に小さなユーザーガイド同梱で納められた状態で筆者の手元に届けられた

サンワダイレクトが販売する「500-IPLM017A」の製品パッケージ
簡素な袋に小さなユーザーガイド同梱で納められた状態で筆者の手元に届けられた

2016年秋のiPhone 7/7 Plus発表の際に、iPhoneユーザーを最も困惑させたのは、恐らく本体内蔵ヘッドフォン端子の廃止と、Lightning-ヘッドフォンジャックアダプタの同梱でしょう。

ヘッドフォン端子の廃止自体は事前のリーク情報などで盛んに報じられていたため、筆者個人としてはそれほどの衝撃は無かったのですが、問題はそれに続いて発表された、本体同梱※注1のアダプタの姿でした。

 ※注1:「Lightning-ヘッドフォンジャックアダプタ MMX62J/A」という製品名・型番で別途単独製品としても販売されています。

Apple Lightning-ヘッドフォンジャックアダプタ(MMX62J/A)

Apple Lightning-ヘッドフォンジャックアダプタ(MMX62J/A)

一端にLightning端子を備え、反対側に直径3.5mmのステレオミニジャックを備えただけの、本当に最小限の機能だけを提供するこのアダプタが同梱されるということは、iPhone本体にこのアダプタを介して手持ちのヘッドフォンを接続した場合、このアダプタが本体のLightning端子を塞いでしまうため、またアダプタ本体に端子がなくLightningケーブルを別途接続することができないため、音楽や動画の再生、あるいはゲームのプレイ中に外部バッテリーからiPhoneへの給電/充電ができない※注2ということを意味しています。

 ※注2:本体同梱のLightning接続ワイヤードヘッドセットである「EarPods with Lightning Connector」についても同様の構成となっているため、やはり接続時に充電・給電ができない問題を抱えています。

当初次世代iPhoneでのヘッドフォン端子廃止の情報がリークされた際には、アダプタ側にLightning端子を用意して、そこに別途Lightningケーブルをつなげるような構造にすることでiPhone 6s/6s Plus以前と同様の使い勝手を維持するのではないかという見方があったのですが、この発表の際に会場の大画面一杯に映し出されたこの小さなアダプタを見た瞬間、そうした希望的観測は完全に打ち砕かれてしまいました。

Apple iPhone 7 Plus(上)・iPhone 6 Plus(下)ほぼ同じ構造・形状の両機種だが、下のiPhone 6 Plusの左下隅にあった3.5mm径ステレオミニジャックが上のiPhone 7 Plusでは廃止され、空いたスペースに通気口が新設されている

Apple iPhone 7 Plus(上)・iPhone 6 Plus(下)
ほぼ同じ構造・形状の両機種だが、下のiPhone 6 Plusの左下隅にあった3.5mm径ステレオミニジャックが上のiPhone 7 Plusでは廃止され、空いたスペースに通気口が新設されている

Appleにすれば、わずらわしくも前時代的なヘッドフォンケーブルなどとっとと無くしてBluetoothなどによる無線接続とすべきで、そうすれば本体にヘッドフォン端子がなくとも特に困らない、余計なコネクタを廃止することで本体の防水対応や薄型化が容易になる、あるいはそもそも本体の消費電力低減が進んでいるのだからわざわざ外部バッテリーを接続する必要は薄いはずだといったことを主張したいところなのでしょうが、この仕様変更は恐らく世界中の誰からも歓迎されない類のものだったのではないでしょうか。

特にゲームプレイ中の場合、プロセッサによる電力消費が急増するため、またバッテリー残量などまともに見ない/見えない状態でのプレイとなるため保険をかける意味で外部バッテリーの接続は事実上必須で、ゲームタイトルによっては音声が聞き取れないと困ったことになるため、例えば外出し長時間電車に乗るような状況でゲームを遊びたい場合には、外部給電とヘッドフォン利用のどちらか一方を諦めねばならなくするヘッドフォン端子の廃止は本当に困ったこと※注3であると言えます。

 ※注3:実際、筆者がiPhone 7 Plusへ機種変更した直後の2016年12月末から2017年1月初頭にかけての帰省の際には、超満員の東海道・山陽新幹線車内で(周囲に配慮して)外部電源入力の利用を諦め、Lightning―ヘッドフォンジャックアダプタを介してヘッドフォンを着けた状態でゲームプレイに興じたところ、途中の割と肝心なところでバッテリー切れを起こして困ったことになりました。

この純正Lightning-ヘッドフォンジャックアダプタについては、単体での価格が900円(税別)と低価格に設定されていて、さらに付属のEarPodsについても「EarPods with Lightning Connector」の価格が3,200円(税別)で従来のミニプラグ接続のものと同額に設定されていたことから、こんな値段でまともな音質のDACやヘッドフォンアンプが搭載されている筈がない、と発表の時点で早くも本体内蔵端子経由で接続する場合よりも音質が低下する可能性を危惧する声があちこちで出ていました※注4

 ※注4:製品発売後に筆者が試した範囲では、それなりに高価な、高音質で定評のあるヘッドフォンを接続した場合、再生する音楽のジャンルに関わりなく聴感の劣化・音質の低下が確認できる状況でした。

こうした事情から、Lightning―ヘッドフォンジャックアダプタで、なおかつ外部電源からの給電が可能な(そしてできれば純正よりも高音質な)製品を、と求める声が上がったのはある意味当然でしょう。

こうした市場の要望にまず応えたのは、MFi認証を取得していない、いわば非公認の製品群でした。

Amazon.co.jpで「Lightning イヤホン 充電」で検索した例

Amazon.co.jpで「Lightning イヤホン 充電」で検索した例

筆者が昨年秋頃からAmazonや秋葉原の実店舗などで確認しただけでも、この用途・機能を備えた製品が結構な種類発売されていた※注5のですが、残念ながらそこにはMFi認証を取得した製品は一つもありませんでした。

 ※注5:このジャンルの製品に商機を見出して多数の中小メーカーが製品を出してきたという事実そのものが、Appleの採ったヘッドフォン端子廃止・代用として単純なLightning―ヘッドフォンジャックアダプタを同梱するという策に対する市場の評価を示していると言ってよろしいでしょう。

MFi認証、つまりMade for iPod/iPhone/iPad ライセンスプログラムでAppleの認証を得ないLightningコネクタ搭載製品は、発売時点のiOSでは正常動作しても、その後のOSバージョンアップで動作しなくなる可能性があるというリスクを抱えています。

ことに、Appleの場合は新製品発表後の時期、製品発売で発見された不具合解決のために比較的高頻度でOSのバージョンアップを行うのが常ですから、その際に事のついでのようにMFi非認証製品がブロックされてしまうことは充分あり得ます。

サンワダイレクト 500-IPLM017A製品紹介ページ製品の特徴アッピールの中で小さめに書かれた「Apple社認証品」の文字がひときわ目立つ

サンワダイレクト 500-IPLM017A製品紹介ページ
製品の特徴アッピールの中で小さめに書かれた「Apple社認証品」の文字がひときわ目立つ

そうした事情もあって、iPhone 6 PlusからiPhone 7 Plusへ機種変更して以来、ヘッドフォンとバッテリーの同時接続ができないことに大変困っていた筆者は、にもかかわらず突然使用不能となるリスクがあることからこの種の製品に(欲しいのに)手を出せないでいたのですが、このほど岡山に本社を置く周辺機器メーカーであるサンワサプライが開設しているネットショップ、サンワダイレクトからLightningコネクタによる充電ポートを内蔵し、かつMFi認証を取得した「ライトニングオーディオ変換アダプタ 500-IPLM017A」が発売されました。

そこで今回は、筆者が辛抱たまらず発売開始後すぐに自腹で買ってしまったこのアダプタについて、色々見てゆきたいと思います。 

500-IPLM017Aの主な仕様

製品添付のユーザーガイドに記された、500-IPLM017Aの主な仕様は以下の通りです。

  • サイズ:約21×55×17mm(本体のみ 突起部は除く)
  • ケーブル長:約120mm±10mm(直径約2.8mm)
  • 重量:13.8g(本体のみ)
  • 接続インターフェイス:
    • デジタル入力:Lightningコネクタ
    • アナログ出力:3.5mm径ステレオミニジャック
    • 電源入力:Lightning端子(メス)
  • サンプリングレート(PCM):最大48KHz
  • 量子化ビット数(PCM):最大24bit
  • マイク:
    • マイク方式:エレクトレット・コンデンサー方式
    • 指向性:無指向性
  • 充電時電力:最大12W
  • 操作キー:
    • +:音量アップ
    • -:音量ダウン
    • ○:再生・停止
  • 対応OS:iOS 10以降
500-IPLM017A アダプタ本体細長いリモコンボタン付きの本体から直に短いLightningコネクタ付きケーブルが伸びる

500-IPLM017A アダプタ本体
細長いリモコンボタン付きの本体から直に短いLightningコネクタ付きケーブルが伸びる

ご覧のとおり、ハードウェア的には充電端子が追加されてリモコン機能に対応している点を別にすれば目立った形での独自の機能拡張などはなく、これはこれで素直な設計と言えそうです。

なお、形状的にはデジタル入力用Lightningケーブルが直づけで、その反対側の端面に2段で電源入力用Lightningコネクタとアナログ出力用ミニジャックが用意されており、後者寄りの部分は2段重ねの端子構造による制約か、この周辺だけ本体のリモコンボタン面よりも下に若干張り出しています。

実際に使ってみる

さて、それでは筆者宅に届いた500-IPLM017Aを実際に使ってみることにしましょう。

500-IPLM017AをiPhone/iPadのLightningコネクタに接続すると、iOSが起動中ならこのようなダイアログが表示され、専用アプリである「SS AUDIO」のインストールのためのAppストアページへのリンクが示される

500-IPLM017AをiPhone/iPadのLightningコネクタに接続すると、iOSが起動中ならこのようなダイアログが表示され、専用アプリである「SS AUDIO」のインストールのためのAppストアページへのリンクが示される

500ーIPLM017AをiPhoneやiPadの本体Lightningコネクタに接続すると、まず「Appがインストールされていません」というダイアログが表示され、Appストアの該当アプリページへのリンクが示されます。

そこでApp Storeのページへ移動すると、そこは「SS AUDIO」というアプリのページでした。

作者の名がサンワサプライの社名やソフトハウス名ではなく、「Xiuyin Zhang」という段階で何というか若干の不安感がある※注6のですが、ユーザーガイドを改めて確認すると音質調整のイコライザー機能はこのアプリで実行するとのことで、またこのアプリ名の記載もちゃんとありましたから、ここは一つユーザーガイドの記述を信じて、とりあえずこの「SS AUDIO」をインストールしてみます。

 ※注6:この段階で、この製品がサンワサプライによる独自開発品ではなく、中国などのメーカーの開発した製品のOEM品でMFi認証を受けたものであることがわかります。

SS AUDIO 起動画面ご覧のとおり筆者が確認した時点でのバージョンでは非常に素っ気ないデザインであった

SS AUDIO 起動画面
ご覧のとおり筆者が確認した時点でのバージョンでは非常に素っ気ないデザインであった

インストール完了後、「SS AUDIO」を機動すると、ブラックアウトした画面中央に銀色の円盤状の画像が現れました。横一列に並んだ文字を読むと「EQ」と「VOL」とあり、「EQ」=Equalizerで音質を調整するイコライザー機能、「VOL」はVolumeで音量調節機能となります。

SS AUDIO イコライザー画面

SS AUDIO イコライザー画面

もっとも、記事執筆時点ではイコライザー機能は3つのプリセット(「FLAT」「BASS」「POP」の中から選択するだけで、「FLAT」はイコライザー無効と同義ですから、実質2種類の音質設定が選択できるだけとなっています※注7

 ※注7:今後のバージョンアップでより細かなパラメータ設定ができるような新機能が提供される可能性はありますが、既存のプレイヤーアプリ、例えばオンキヨーが提供している「HF PLAYER」などでは非常に自由度の高いイコライザーが利用できますから、この「SS AUDIO」のイコライザー機能が有益なのは、恐らくゲームアプリなどのサウンド出力は利用するもののそれ自体ではイコライザー機能を提供していないアプリを起動している場合に限られるでしょう。

さすがに、幾ら何でも重低音増強の「BASS」と、ありがちな特性曲線に設定してあると思しき「POP」だけというのはあんまりなので、この機能については今後の積極的なバージョンアップによる強化を、本格的なパラメトリックイコライザーの搭載が無理としてもせめて「JAZZ」とか「ROCK」とかプリセットの数をもう少し増やして実用性を高めることだけは要望したいところです。

一方、音量調節機能については本当に音を上げ下げするだけのもので、特筆すべき要素はありません。この機能に斬新な要素を盛り込まれても困るので、これはシンプルな現状で必要充分でしょう。

SS AUDIO 「ABOUT」画面ソフトウェアのバージョンを含む各種情報が示され、アップデート可能なファームウェアについて「Update」ボタンが赤くなってアップデートを促す

SS AUDIO 「ABOUT」画面
ソフトウェアのバージョンを含む各種情報が示され、アップデート可能なファームウェアについて「Update」ボタンが赤くなってアップデートを促す

さて、この「SS AUDIO」の起動画面では銀の円盤の左右に「EQ」「VOL」がありますが、よくよく見るとその間、円盤の中心部分に小さな歯車状のアイコンが描かれています。

試しにこのアイコンの部分をタップすると、「ABOUT」としてこのアダプタのモデル名、シリアルナンバー、ハードウェア版数、製造元といったアダプタそのものについての情報が示され、更にその下にはアダプタに書き込まれたファームウェアのバージョンナンバーと、Webで提供されている最新版のバージョンナンバー、それに現在のバージョンが最新バージョンよりも古かった場合に使用するアップデートボタン、そして「SS AUDIO」のアプリ自体のバージョンと、このアダプタに関わるソフトウェア情報が表示されています。

iOSアプリとしての「SS AUDIO」のアップデートはOS側での管理となるためここでアップデートを行えませんが、いずれにせよここを確認すればアダプタのハードとソフトの状態を知ることができるわけです。

ちなみに筆者が入手した時点での現在のファームウェアバージョンは1.2.3で、既にバージョン1.2.4がリリースされていたためUpdateボタンをタップして更新しました。

更新自体は特に問題なく数分で終了しましたが、当然ながらこれはアダプタのメイン基板に用意されたフラッシュメモリを書き換えることになるため、バッテリーが切れかけの状況でアップデートしてはなりません。アップデート作業はACアダプタが接続されて充電動作しているときに行うのが無難です。

後編へ続きます。

▼参考リンク
ライトニングオーディオ変換アダプタ(Lightning変換アダプタ・3.5mmオーディオ端子・充電ポート内蔵・MFi認証品) 500-IPLM017Aの販売商品 | 通販ならサンワダイレクト
Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ – Apple(日本)
EarPods with Lightning Connector – Apple(日本)

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