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ヤマハのFM音源を楽しめる無料iOSアプリ『FM Essential』

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by [2016年8月31日]

FM Essentialは「FM音源を搭載し、直感的な操作で音色編集や演奏が可能」というiPhone/iPad用アプリ。ざっくり言うと「アプリでイイ感じにシンセがいじれる」というものです。

そもそもFM音源とはなんぞやというお話ですが、その前にもう触ってしまいましょう! アプリってそういうのがすぐできるのが素敵じゃないですか。

触ればなんとかなる!

アプリを起動するとこの画面。

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「さわるところいっぱいあるー!」な印象。イイ予感。鍵盤の表示範囲を左右スワイプでヌルヌル動かせる!

まずは音をざっくり聞きたいと思ったので鍵盤をパシパシとタップしていたのですが、この左右のヌルヌルで高い音から低い音まですぐに聞けて素敵。画面上で表示しきれない範囲の鍵盤は『オクターブ上下ボタン』のようなもので切り替えて使う方法に慣れていたのですが触ってみるとこのヌルヌル便利。「鍵盤表示がヌルヌル左右スワイプでできたらいいのに」と思ったことはないのですが、一度この発明に触れてみると音楽制作アプリに欲しいですね。

プリセットの音色が10種類。発音中は中央の球体が近未来的挙動でグイグイ動いて、音の波形が揺らぐ様がみてわかります。グラフィカル! エディットボタンを押して該当のツマミをいじって遊べということですね!

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エフェクトやEQ調整の画面に同色のボタンで遷移。

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そして画面上部のタブを『DRUM』に切り替えるとビートが鳴り出すパッドが。

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16種類のビートが流れ出すパッドが3画面。48種のビート! ビートを鳴らしたまま画面上部のFMタブを押して起動直後の画面に戻り鍵盤を叩けばズンズンいうビートの上でニョワニョワとご機嫌に遊べます。作った音色の記録もできるようですがこの機能はどうやらアプリ単体では制限されているようです。

アプリ単体だとタッチ操作でシンセをいじって音を出す、という遊びで完結しますが、ミュージックシンセサイザーMX BK(黒い方)/BU(青い方)シリーズに接続することで以下の全機能が解放されるようです。

  1. つくった音色の保存
  2. MXの操作により音色チェンジ
  3. 使える音色がとても増える(FM Essentialオリジナルプリセット 64音色+DX100 64音色+TX81Z 64音色+V50 64音色+MXコンビネーションボイス15音色)

MX61 BKMX49 BU

入間川的シンセ解釈

では冒頭で後回しにしたFM音源のお話ですが、まず原理を調べてみるといきなり数式が。そっとブラウザバック。

多くのソフトシンセは減算合成という、音の鉄塊みたいなものを削ぎ落としていってイイ感じに音をつくる方式を使います。ギザギザした鉄塊なのかツヤツヤした鉄塊なのか重めなのか軽めなのか、というのを決めてツマミをいじって調整。それをハンマーで叩くとかノミみたいので削っていくとか、あとはどれくらい削るのかとかそういうのもツマミをいじって調整。

「音の鉄塊みたいなものを削ってイイ感じにする」という減算合成の職工的イメージに対して「流動する金属をまとめてその手に乗せる」みたいな錬金術イメージを持つ特殊技術がFM音源方式と呼ばれています。僕はそういう理解です。

「鉄塊みたいなもの」だったのが、別の煌びやかな金属が生成されるかのような特色があります。内訳は「正弦波をさまざまなアルゴリズムで組み合わせ複雑なサウンド生成を可能にする」というなんかカッコイイ事が行なわれているそうなのですがよくわからないので僕は生成された「謎の金属塊みたいなもの」をどうやって綺麗に整えて楽曲に散らしたり塗したり嵌めたりするのか考えています。

FM音源方式はYAMAHA DX7という製品によって実用化されたもので、シンセサイザーの本にはだいたい書いてあります。僕がむかし買った入門書にも書いてありました。

DAWソフトにはだいたいこのFM音源方式を持つソフトシンセが付属していて、原理を前に尻尾を巻いて逃げ出す僕も気軽に使っています。ほぼカンとフィーリングで電子音を扱えているわけです。ありがとうYAMAHA。

このアプリはiPhoneやiPadでのタッチ操作を前提に設計されていて、それがまた使いやすい。これがそのまま楽曲制作に使えたら嬉しいのですが、アプリ単体では「タッチ操作で使いやすいソフトシンセだ」という快感を味わい完結します。
シンセサイザーとしてというよりは、すごく使いやすくつくられたアプリだ、という驚きが強い一作です。さすがYAMAHA。

▼参考リンク
MX シリーズ – シンセサイザー

アプリ基本情報

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FM Essential

配信元:Yamaha Corporation

iOS価格:無料

  • バージョン iOS:1.0.0

※記事内の情報はすべてレビュー時(2016年08月31日)の情報です。

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