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減衰音系ならおまかせ! メロディックパーカッションシンセアプリ『Mersenne』

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by [2016年6月09日]

 今回はCASSINIやXENONなど、ユニークなシンセアプリを開発しているiceGear Instrumentsから先日リリースされたFM音源をベースにしたシンセアプリ『Mersenne』を紹介しましょう。文:内藤 朗(有限会社FOMIS)

Mersenneとは

 Mersenneは直感的レイアウトによるGUIと、FMシンセシスを採用したサウンドキャラクターに個性的な特徴を持ったシンセアプリです(図1参照)。

Mersenne_1

Mersenneのメイン画面

 App Storeの製品ページによると、Mersenneは“メロディックパーカッションシンセサイザー”と謳われているように、減衰音系の音色に特化したシンセです。いわゆるパッドやストリングスといった持続音系のサウンドは得意ではないのですが、減衰音系のサウンドに関しては多彩なバリエーションを持っています。これはアタック感を持ったパーカッシブで金属的な響きなどを表現しやすい、というFMシンセシスならではの特徴的な部分をある意味デフォルメしたシンセと言っても良いでしょう。
 音源部は、3オペレータ仕様のFM音源による2つのトーン(=トーンA・B)と、ノイズジェネレータによるノイズ、レゾネーターやエフェクト(コーラス、ディレイなど)などで構成されていますが、階層構造はシンプルでGUI上で容易にサウンドエディットを行うことが可能です。また、プログラマブル・アルペジエータを内蔵しており、独特なシーケンスサウンドを作成できます。

Mersenne_2

本体の設定を行うSettings画面。MERSENNEのオーディオ、MIDI関連の設定はここで行う(なお、実際には下部はスクロールして表示させるが、説明の都合上1画面にまとめている)

 この他、Inter-App Audio、Audiobusに対応している他、MIDI入力においてCoreMIDIデバイスとバーチャルMIDIに対応しています。
 また、MIDIラーン機能によるMIDIコントローラマッピングや外部MIDIシンクも可能など拡張性に関しても十分な仕様となっています(図2参照)。

Mersenneの操作性とインプレッション

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画面右上部のプリセット名表示部分をタップするとプリセット音色のリストが表示される。エディットした音色の保存や、パラメータのイニシャライズもここで行う

 続いて試奏の印象ですが、FMシンセシスというと難しいというイメージを持たれがちですが、Mersenneの場合は前述のとおりGUI上のノブを調整することで音色がエディット可能です。別画面で調整するのはアルペジエータ機能やエフェクト設定ぐらいですから、比較的容易に使用することができます。
 各ノブのパラメータ名がわからなくても、数値を変えるだけでサウンドの変化がわかるため、プリセット音色をエディットするだけでなく、イニシャルの状態から作っていくのもオススメです(図3参照)。

 参考までに、Mersenneの各パラメータに関する説明は(英語での説明ですが)公式のマニュアルページに掲載されていますので、より深く各部の機能を知りたい人はチェックしてみると良いでしょう。
 実際に音色をエディットしてみると、確かにFM特有のアタック感を持った音程感ある打楽器音色を作りやすいことを実感すると共に、ヌケの良いクリアなサウンドが印象に残りました(図4参照)。

Mersenne_4

音色作りのポイントは、TONE A、TONE B、NOISEの各セクションでそれぞれの音色設定を行い、中央のミキサーセクション(黄色の枠線で囲んだ部分)でそれらのミックスバランスを調整し、その右側にあるRESONATORセクションで一つの音色としての鳴り方を設定する、というイメージで行うと良い

 音色のイメージとしてはエスニック系のパーカッションに多く見受けられる音程感がありながらも複雑な倍音の響きを持った打楽器風の質感が容易に得られるという印象です。
 なお、本体に内蔵しているエフェクトはコーラス、ディレイ、リバーブ、フィルターの4種類ですが、特にコーラスとディレイをかけると非常に心地よいサウンドが得られます(図5参照)。

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エフェクト設定の画面を表示した状態。画面右側の中央付近にあるEffectsボタンをタップすると表示され、コーラス、ディレイ、リバーブ、フィルターそれぞれのパラメータ調整とオンオフが行える

 また、基本的に減衰音系の音色ですのでアルペジエータとも相性が良く、アルペジエータを使用したパフォーマンスもオススメです(図6参照)。

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アルペジエータ機能の画面を表示した状態。フレーズを自分で作成できる場合多くのアルペジエータ機能では、具体的に固定した音名で設定することが多いため、調性によっては使いづらい場合もあるが、本アプリの場合は、押さえたキーの再生順番においてどのように演奏するのかだけを設定するため、調性を考慮しなくても使用でき、非常に使い勝手が良い機能となっている

 ちなみにMersenne内蔵のアルペジエータは、押さえているキーの中で、どのキーを、どのタイミング、強さ、長さで発音させるかが設定可能ですので、オーソドックスなアップダウンフレーズだけでなく、オリジナルのアルペジオのフレーズパターンも作ることができます。
 FMシンセシスに興味がある人やエスニック系サウンドを求めている人であれば、本アプリを試してみることをオススメします。

▼参考リンク
Mersenneマニュアルページ

アプリ基本情報

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Mersenne - Melodic Percussion Synthesizer

配信元:iceWorks, Inc.

iOS価格:720円

  • バージョン iOS:1.0.2

※記事内の情報はすべてレビュー時(2016年06月09日)の情報です。

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