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AudioKitのサンプルとして公開されている無料のシンセサイザーアプリ『Analog Synth X』

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by [2016年2月29日]

 今回はちょっと嗜好を変えたレビューをお送りしましょう。紹介するのは無料のシンセアプリ『Analog Synth X』です。これは、AudioKitという開発ツールを使用して作成されたシンセサイザーです。
 AudioKitのソースコードは公開されていますので、誰でもプログラムの書き方を理解するとオリジナルのシンセサイザーを作ることもできます。文:内藤 朗(有限会社FOMIS)

AudioKitのサンプルとして公開されているAnalog Synth X

 Analog Synth Xは、AudioKitのサンプルとして無料で公開されているシンセサイザーアプリです。音源方式は最大同時発音数5音のアナログモデリング音源を採用し、以下のような仕様を持っています。

Analog_Synth_X_1

サンプルで無料アプリのAnalog Synth XのGUI

シンセ音源部の主な機能

  1. デュアルモーファブル VCO
  2. 専用のサブオシレータ
  3. 変調可能なFMオシレータ
  4. ノイズジェネレータ
  5. 4極タイプのビンテージモデリングフィルター
  6. ADSR方式のエンベロープジェネレータ
  7. 4種類の波形を持つフリーLFO

内蔵エフェクト

  1. シーン コステロ リバーブ
  2. マルチタップディレイ
  3. 8ビットクラッシャー

その他

  1. ノート受信のためのMIDI機能
  2. 半音、Hz単位で調整可能なデチューン機能
  3. ホールド&モノモード

※上記仕様はAppStoreのアプリページ掲載スペックより抜粋したもの。

 アプリのGUIデザインは比較的シンプルながらも、基本的なシンセサイザーを構成する要素を備えており、波形表示機能もあるなど無料アプリながらよく考えられたものになっています。
 実際に演奏してみると、素の波形のサウンドの質が良く、内蔵エフェクトと相まって気持ち良いサウンドを出すことができ、内蔵のディレイを深くかけたサウンドがなかなかイイ感じです。一通り試奏すると、やはり、このようなシンセサイザーアプリがどんな仕組みでできているのかが気になってきますので、開発の元となっているソースコードAudioKitについても少し調べてみました。

AudioKitってナンだ?

 シンセ開発用のソースコードであるAudioKitは、AudioKitのサイトで情報が公開され、ここで開発に必要な各種データがダウンロードできます。

Analog_Synth_X_2

AudioKitを構成するファイル群。フリー公開されているAnalog Synth Xもサンプルとしてプログラムの中を見ることができる

 AudioKitを使用するには、Mac OS Xの環境が必要で、Xcodeというデベロッパーツールがコンピュータにインストールされている必要があります。それらの準備が整っていれば、AudioKit source projectを開くとAudioKitによるプログラミングを行うことができます。

Analog_Synth_X_3

AudioKitのサンプルを開いた状態

 GUI左部に表示されているのが、各種ソースコードのリストで、シンセサイザーを構成する各モジュールのソースはもちろん、エフェクトやMIDI、オーディオ処理のためのソースのサンプルが豊富に用意されています。これらのソースを一通りチェックして応用して一つのシンセサイザーを作り出すまでには、それなりの時間と研究は必要ですが、試しに数値を変えたり、ソースを組合せてみるだけでもシンセサイザーの仕組みをより深く理解することができるでしょう。

Analog_Synth_X_4

図中の赤枠で囲んだ部分の最後の数値を変更するだけでも、そのプログラムの動作が変わる。パラメータの設定を理解する上で試してみると思わぬ発見もあるだろう

 また、実際に操作するためのGUIもそれぞれのパーツがどのように作られ、一つにまとめ上げられているのかもAnalog Synth Xのサンプルを開いてみると確認することができます。

Analog_Synth_X_5a

Analog Synth Xのサンプルを開いた状態


Analog_Synth_X_5b

別窓で実際のデバイス上での動作をシミュレーションもできる

演奏とは異なったシンセサイザーの楽しみ方

 シンセサイザーを演奏したり、音色をエディットしたりというように実際の音楽演奏や楽曲制作で使用することはあっても、一からシンセサイザーを作る、ということは私自身も未経験でしたので、普段とはちょっと違う体験が新鮮に感じられました。
 そんな中でも、シンセサイザーの仕様を決めたり、構成をまとめ上げていったりというプロセスはまた違った楽しみ方もできると同時に、オリジナルのシンセサイザーを作って、それで演奏したり、楽曲制作するというのも、イイですね。
 これからも時間のある時には少しソースコードを研究してみようと思います。もちろんシンセサイザーアプリを開発したい人にはオススメのツールとなると思いますので、興味のある人はぜひ試してみてください。

▼参考リンク
AudioKit

アプリ基本情報

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Analog Synth X

配信元:Aurelius Prochazka

iOS価格:無料

  • バージョン iOS:1.0

※記事内の情報はすべてレビュー時(2016年02月29日)の情報です。

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