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iPadとDAWアプリ『Cubasis』で音楽制作を始めよう 第6回「オーディオトラック」

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by [2015年11月12日]

 近頃ではタブレット端末やスマートフォンで使用できる音楽アプリが充実してきましたが、その中でDAWやソフト音源などの充実度には目覚ましいものがあります。本連載はタブレット端末で動作する音楽アプリを使ってDTMを行うための様々なノウハウを紹介していこう、というコーナーです。
 今回もトラックの設定の続き「オーディオトラック」についてを中心に解説を進めていきましょう。文:内藤 朗(有限会社FOMIS)

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Cubasisで音楽制作を始めよう

オーディオトラックの使用法

 最初にDAWにおけるオーディオトラックの役割について確認しておきましょう。オーディオトラックは、ギターの演奏や、ボーカルの録音などを行う場合など、実際に演奏した音をDAWで扱えるようにするため、また、リズムのオーディオループ素材などを楽曲内で使用する場合に使用します。
 オーディオトラックの設定もMIDIトラックと同様に、プロジェクト画面左に表示されるインスペクタを表示させて行います。

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黄色の枠線で囲んだ部分がインスペクタ部分

 その下はトラック名です。この部分をタップするとトラック名を自由に変更することができ、何のパートを録音したのかを識別しやすくすることができます。
 2番目の項目はRoutingの設定です。オーディオトラックの場合はオーディオ信号の入出力の設定を行います。ここで覚えておきたいのは入力時におけるMono、Stereoの選択を行う際の目安です。Monoを選ぶときは、例えばエレキギターをシールドで直接オーディオインターフェイスに接続して録音するような場合や、ボーカルを収録するときのようにマイク1本で録音する場合などはMonoを選び、エレキギターからハードのマルチエフェクターなどを接続し、その出力をLRで録音したい場合や、ハードシンセのオーディオ出力をステレオで録音したい場合などにはStereoを選ぶと良いでしょう。
 大まかにいうと、ケーブルやマイク1本の音を録音したい時はMono、ケーブルやマイクを2本使う場合にはStereoと覚えておくと良いでしょう。

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黄色の枠線で囲んだ部分の上の方がCPUの使用状況を表し、下の方がトラック名となる。トラック名の設定方法は前回のコーナーを参考のこと

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Routing設定部分。上がインプットの設定、下がアウトプットの設定となる。尚、接続するオーディオインターフェイスなどによって表示は異なる場合がある

 3番目の項目はInsert Effectsの設定です。録音したオーディオの音質を調整するイコライザーに加え、録音した音のみに使用したい任意のエフェクトを割り当てることができます。

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Insert Effectsの設定を行っている状態。インサートしたスロットの右側にある「e」ボタンをタップすると選択したエフェクトのGUIが表示される

 その下はSend Effectsの設定です。MIDIトラックの時と同様に最初からリバーブが用意されている他、プロジェクトで使用する各トラック共通の設定で使うためのエフェクトを割り当てることができます。

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Send Effectsのの設定を行っている状態。Insert Effectsと同様にインサートしたスロットの右側の「e」ボタンをタップすると選択したエフェクトのGUIが表示される

 この他、Automation、Channel、Colorと項目が続きますが、いずれも基本的な使用方法はMIDIトラックの場合と同様の用途で使用できます。

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インスペクタ上のAutomation

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Channelを表示させた状態

オーディオトラック編集のポイント(波形編集基本編)

 さて、オーディオトラックに録音した演奏や、貼り付けたループ素材を編集する上での基本操作を説明しましょう。
 オーディオトラックに入力された音は一つのプロックとなっています。タップして選択すると図のように5か所に四角いマークが表示され、これらをドラッグして動かすとフェードイン、アウトや音量の調整が行えます。

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左の■を右へドラッグするとフェードイン、右の■を左へドラッグするとフェードアウト、中央の■を下にドラッグすると音量を下げることができる。また、それぞれを変更前の値方向に戻すことで値の加減が調整可能

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フェードイン

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フェードアウト

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音量を下げる

 また、ダブルタップすると、画面下部にエディタが表示され、様々なオーディオ編集ができます。ここで行えるオーディオ編集は、基本的な編集テクとして、様々なDAWなどでも応用できますので是非覚えておくと良いでしょう。
 ここで行える編集メニューの主な機能はそれぞれ以下のようなことが行えます。

・Trim(トリム):選択部分を抽出する(=選択部分以外をカットする)

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元の波形で選択した部分以外をカットし……

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……必要な部分だけを残した状態

・Erase(イレース):選択部分を削除する

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選択した部分を削除することで……

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……最後の部分のみが残った状態

・Reverse(リバース):選択部分を逆再生する

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リバースする範囲を選択した後、Reverseをタップすると……

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……波形が反転する

・Normalize(ノーマライズ):オーディオファイル中の最大音量レベルの解析結果を元に音量を最大化する

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ノーマライズしたい部分を選択すると……

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……選択範囲の音量が大きくなり、波形振幅も大きくなっている

・Fade In(フェードイン):徐々に音量を大きくする

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フェードインしたい部分を選択すると……

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……フェードイン効果が設定できる

・Fade Out(フェードアウト):徐々に音量を小さくする

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フェードアウトしたい部分を選択すると……

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……フェードアウト効果が設定できる

オーディオトラック編集のポイント(エフェクト設定編:その1)

 前述のように波形編集を行うことは、例えて言うなら料理における下ごしらえのようなもので、用意したオーディオ素材の中で必要な部分を美味しく調理できるようにするものだと言えるでしょう。
 このようにして揃えたオーディオ素材を曲のイメージに沿って調理することがミキシングであり、その中で行う作業の一つとしてエフェクト設定などがあるワケです。
 とはいえ、エフェクトと一言に言っても、様々な種類がありますが、今日の音楽制作においてマストアイテムとなるものがいくつかありますので、まずはそこからマスターすると良いでしょう。具体的にはコンプレッサー、リバーブ、イコライザーの3つですが、それらを中心に次回解説したいと思います。

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コンプレッサー

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リバーブ

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イコライザー

アプリ基本情報

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Cubasis

配信元:Steinberg Media Technologies GmbH

iOS価格:6000円

  • バージョン iOS:1.9.5

※記事内の情報はすべてレビュー時(2015年11月12日)の情報です。

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