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iPadとDAWアプリ『Cubasis』で音楽制作を始めよう 第5回「トラックの設定」

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by [2015年10月06日]

 近頃ではタブレット端末やスマートフォンで使用できる音楽アプリが充実してきましたが、その中でDAWやソフト音源などの充実度には目覚ましいものがあります。本連載はタブレット端末で動作する音楽アプリを使ってDTMを行うための様々なノウハウを紹介していこう、というコーナーです。今回はトラックの設定などを中心に解説しましょう。文:内藤 朗(有限会社FOMIS)

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Cubasisで音楽制作を始めよう

Cubasisにおけるトラックの役割

 Cubasisでは、パソコン版のDAW同様にオーディオトラックとMIDIトラックがありますが、基本的な考え方や使い方は同じです。
第3回の記事でオーディオとMIDIの違いを説明しましたが、トラックの場合はそれらの違いによる情報を記録する場所となるため、オーディオトラックは自分で歌ったり、演奏した音そのものを録音、編集するために使用し、MIDIトラックは内蔵ソフト音源などを演奏させるためのデータを記録、編集を行うために使用することになります。
実際にCubasisをベースに曲作りを行う場合には、モバイル環境が多いと思いますので、ハードウェアのシンセ音源などを使う状況は少ないと考えられるため、細かい部分は割愛しますが、MIDIトラックの設定でポイントとなる部分を続いて紹介しましょう。

CubasisのMIDIトラック

 CubasisのMIDIトラックは、作成時にソフト音源が割り当てられる仕様になっており、特に何某かのソフト音源を追加していなければデフォルトで内蔵しているインストゥルメント「MICRO SONIC」の音色が割り当てることができます。使いたい音色をインストゥルメント本体ないしはメディアブラウザで選ぶだけで、打ち込んだMIDIデータを演奏させることができますが、Inter-App-Audioに対応したソフト音源を割り当てることもできます。

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起動したMICRO SONICのGUI。PC版のCubaseに付属のHALion SONIC SE2をコンパクトにしたイメージの汎用性高いマルチ音源だ

 ちなみに、Inter-App-AudioとAudiobusは、どちらの方法もDAW上でソフト音源を使用する方法なのですが、できることは両者で異なっている点に注意しましょう。
 Inter-App-AudioでCubasisにソフト音源を立ち上げて使用する場合は、MIDIで打ち込んだデータを演奏させるためのMIDIトラックベースでの作業となり、インストゥルメント(ソフト音源)を選んで割り当てているため、後から音色を変更したり、差し替えたりすることができます。
 それに対して、Audiobusで内蔵インストゥルメント以外のソフト音源をCubasis上で使用した場合は、ソフト音源の演奏した音を録音するため、Audioトラックベースでの作業となり、行っていること自体はギターやマイクで演奏を録音することと同じですので、後から演奏や音色の変更を行えない、という違いを理解しておくと良いでしょう。
 やや話が逸れましたが、MIDIトラックの設定は、プロジェクト画面左に表示されるインスペクタを表示させて行います。

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矢印で示した部分をタップするとインスペクタの全体が画面左部分に表示される

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黄色の枠線で囲んだ部分がインスペクタ表示部分。各項目をタップすると詳細が表示される

 インスペクタの最上段にはCPUの使用状況が表示されます。インストゥルメントやエフェクトの数が増えるにつれて負荷が大きくなってきますが、どのぐらいの状況なのかはここで確認しましょう(左)。
 一番上の項目はトラック名です(右)。この部分をタップすることで、自由に名称を変更することができ、打ち込んだMIDIデータが何のパートなのか、あるいはどんなフレーズなのかを識別しやすくすることができます。

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図中の黄色の枠線で囲んだ部分がCPUの使用率表示部分。演奏の音飛びや音割れなどを生じsる場合にはここもチェックしよう

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トラック名が表示されている部分。タップすると入力用キーボードウインドウと共にトラック名の設定ウインドウが表示されるので、そこで設定する

 2番目の項目は、Routingの設定です(左)。ここではMIDIの入出力ポートの設定やオーディオ出力の設定を行います。Cubasis本体だけで作業している場合だとあまり気にしなくても良いのですが、オーディオインターフェイスやMIDIキーボードなど外部機器を使用する際にここを設定する場合があります。基本的には設定項目をタップするとそれぞれの項目で各ポート名がリスト表示されますので、その中から該当するポートを選ぶだけなのですが、製品によっては製品本体で何某かの設定が必要となる場合も考えられます。
 3番目の項目はInstrumentの設定です(右)。これは内蔵のMICRO SONICとMicrologueを使用する際に有効な項目で、ここでそのトラックの音色を変更したり、音の立ち上がりの速さや余韻の長さの調整が行えます。

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黄色の枠線で囲んだ部分がRouting設定部分。MIDIのIN、OUTと共にオーディオアウトの出力先も設定可能

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Instrument設定部分。Inter-App-Audioで読み込んでいるソフト音源には対応していないので注意しよう


 その3つ下の項目にはInsert Effectsの設定があります。ここでは特定のトラックのみに使用したいエフェクトを割り当てることができるので、例えば、シーケンスフレーズを打ち込んで、そのトラックだけにディレイをかけたい、というような場合には、ここで設定しましょう。なおここには、各パートの音質を調整するイコライザーも用意されています。

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Insert Effects設定部分にディレイをインサートした状態

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Studio EQをオンにして「e」ボタンをタップするとEQ設定画面が表示される

 その下にはSend Effectsの設定があり、最初からリバーブが用意されているように、プロジェクトで使用するトラック全体に共通の設定で使うためのエフェクトを割り当てて使用します。

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Send Effects設定部分。エフェクト名表示の下部のバー表示部分がそのトラックへのセンド量を示している

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Automation設定部分。「e」ボタンをタップするとオートメーションエディタが表示される

 続いてその下にはAutomationの設定があります。これは一般的にトラックオートメーションと呼ばれているもので、ボリュームやパンなど特定のパラメータが曲中の時間軸に沿ってどのように変化するのかを設定するものです。ここで「Open editor」をタップするとオートメーションの設定を編集するエディタ画面が開きますので、Drawツールなどを使用して編集を行います。

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変化させたいパラメータを黄色の枠線で囲んだ部分で選び、ドローツールなどで編集を行う

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Channel設定部分。ラフなミキシング調整はここで十分行うことができる

 次にChannelの部分をタップすると、各トラックの調整を行うミキサーのチャンネルモジュールが表示され、フェーダーでボリュームバランスを調整したり、ミュートやソロなどモニタリングを変更するスイッチなどが用意されています。Cubasisにはミキシング作業を行うためのミキサー画面も用意されていますが、曲作りの途中経過でのラフな調整は、ここで行うのが便利です。

 一番下に配置されている項目はColorです。この項目では選択しているトラックを識別するための色が任意の色に変更することができます。

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Colorの設定部分では、トラックを識別する際に役立つ色分けが行える。こちらは変更前

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こちらは変更後

 次回はオーディオトラックに着目し、エフェクトの基本的な知識などを紹介したいと思います。

アプリ基本情報

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Cubasis

配信元:Steinberg Media Technologies GmbH

iOS価格:6000円

  • バージョン iOS:1.9.5

※記事内の情報はすべてレビュー時(2015年10月06日)の情報です。

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