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EDMトラックメイクも可能! YAMAHA Synth Bookに追加されたMusic Remixerが強力過ぎる

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by [2015年8月11日]

 ウェブコンテンツやアナログモデリング音源シンセによるパフォーマンスが楽しめる無料アプリ『YAMAHA Synth Book』が2.0へ先頃バージョンアップしました。
 更に機能が充実し、本格度を増していますが、新機能を中心に紹介したいと思います。文:内藤 朗(有限会社FOMIS)

これで無料!? YAHAMA Synth Book

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YAMAHA Synth Book メイン画面

 最初に本アプリについて簡単に説明しましょう。
 YAHAMA Synth Bookとはヤマハシンセ40周年を記念して製作されたiPhone/iPad用の無料アプリで、ヤマハシンセ40年史が楽しめるコンテンツを始め、バーチャルアナログシンセサイザー『AN2015』など様々なコンテンツが統合されたヤマハシンセポータルアプリとしてリリースされました。バージョン1.5へのアップデートでは、AN2015の新規64音色追加、Inter-App AudioとAudiobusへの対応、News機能の追加などが行われていました。
 そして今回のバージョン2.0では「Music Remixer」の追加に至っています。Music Remixerとは、パッドにアサインしたオーディオフレーズをリアルタイムで組合せて再生が行える機能です。様々なエフェクトやミキサー機能を装備し、DJライクなパフォーマンスを行うことが可能です。続いてMusic Remixer機能について紹介しましょう。

今回追加されたMusic Remixerも超強力!

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黄色の枠線で囲んだ部分が、本文中のメニューボタンのある場所を示す

 Music Remixer機能は、PAD、EFX、TEMPO、MIXERという4つの操作画面(モード)で構成されています。画面レイアウトでは一番上の段には左からEXIT、パッド編集、再生、保存、設定の各ボタンが並んだメニューがあり、その下に4モードを選ぶボタンが並び、その下部より演奏のためのエリアという構成になっています。
 基本的にMusic Remixerでは、パッド編集を行う以外の操作は表示されている画面内だけで全ての操作を行うことができるため、非常にシンプルでわかりやすい操作性になっています。

 では主な操作画面について解説しましょう。

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黄色の枠線で囲んだ部分がPAD画面中にある40個のパッド部分となる。縦の列がトラック、横の列がセクションとなる

 最初にPAD画面は、Drums、Bass、Synth×2、FXの5トラックがそれぞれA~Hの8セクションを持ち、全部で40個のパッドで構成されています。

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パッド編集モード状態で、一番上のカテゴリー名の部分をタップすると、グループ分けを設定する他にカテゴリー名の変更も可能

 この5トラックは赤、青、緑のカラーリングによるグループ1~3に自由に振り分けることができますが、これは実際のパフォーマンスを行う際の設定に関わってきます。後述のEFX画面での設定において、特定のトラックにだけエフェクトコントロールを設定したい場合にもグループ設定で仕分けることで容易に設定できます。

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画面右上と画面下部で黄色の枠線で囲んだ部分がそれぞれランダムボタン(右上)、クロスフェーダー(下部)となる

 各パッドをタップすると割り当てられたフレーズが再生され、それぞれを自由なタイミングで再生可能な他、セクションの一括再生、ストップも可能です。
 画面下部のクロスフェーダーを左右にドラッグすると、トラックのグループごとの音量バランスの変更が行える他、画面上部のパッドセット名表示の右にあるサイコロボタンをタップすると、パッドのランダム再生が行えますので、この画面のパッドを切り替えて演奏させるだけでも十分リミックス演奏を楽しむことができます。

 特筆すべきは各パッドに割り当てられたフレーズの編集機能でしょう。ドライバーのアイコンのボタンをタップするとPAD編集画面に切り替わり、パッドを選んでタップすると、エディタ画面が表示され、オーディオデータや内蔵ウェーブフォームの選択だけでなく、ループ範囲の設定やピッチ、タイムストレッチなどの編集を行うことができます。

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パッドをタップして表示される編集画面。ボリューム、パン、ピッチの他、タイムストレッチやループの設定も行える本格的な編集機能を備えている点がスゴイ!

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更に6a中で黄色の枠線で囲んだ「EDIT」ボタンをタップすると、波形中でフレーズとして使用する範囲の設定なども行えるのだ!

 なお、パッドに割当てるオーディオデータは本体のMusic Libraryにあるファイルの他、Dropboxに保存しているデータなどから割当てることが可能です。

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外部からオーディオ素材を読み込む場合は「Audio Load」で読み込み

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アプリ内にあるフレーズデータは「Waveform Load」で読み込む

 続いてEFX画面では各トラックのフレーズに様々なエフェクトをリアルタイムでかけてパフォーマンスを行うことができる画面です。Music Remixer機能におけるエフェクトは全トラックに対して、共通のMASTERで2種類(EFX1とEFX2)を設定し、どちらかを選んで使用する他、グループ1~3にそれぞれ使用できるエフェクト1種類を設定可能です。

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9aはMASTERのEFX設定

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9bはグループのEFX設定となる

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TEMPO画面は主に曲のテンポチェンジに関するパフォーマンスを行う場合に使用すると効果的。また、中央のTAPボタンの部分をタップするとその速さでテンポ指定も行える

 このEFX画面でパフォーマンスを行う際にポイントとなるのがグループ設定です。前述の通り、各トラックは自由にグループを振り分けることができますので、MASTERでは全体を変化させたい時に使用するエフェクトを選び、各トラックにかけたいエフェクトについては、使用エフェクト別に各グループへ振り分けておくことでパフォーマンスがしやすい設定を作っておくことができます。
 TEMPO画面では、演奏テンポをリアルタイムで40から300まで自由に変化させることができます。また、EFX画面でも表示されていた、BREAKボタンをタップするとターンテーブルでレコードを急にストップさせるような停止効果を得ることができます。

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MIXER画面は至ってシンプルな設計になっており、各トラックのボリュームとミュートのオンオフのみが設定できる仕様だ

 そしてMIXER画面は、各トラックのボリュームバランスを調整できる他、各トラックのミュートのオン/オフを行うこともできます。画面下部にはPAD画面でも表示されていたクロスフェーダーがあります。

実際にMusic Remixerでパフォーマンスしてみた

 Music Remixerでパフォーマンスを行う際には、あらかじめパッドセットがプリセットされていますので、まずはそれを使って試してみると良いでしょう。この場合、プリセットのパッドセットを選んで、あとは前述のパッド画面でパターンを切り替えつつ、EFX画面でエフェクトをかけ、MIXER画面でトラックバランスやパートのオン/オフを行う、という感じで気ままにやってみただけでも数分の演奏を飽きることなく行うことができました。

Yamaha_Synth_Book_12 プリセットのパッドセットでの演奏に慣れたら、白紙の状態からオリジナルのパッドセットを作ってみましょう。プロジェクト名が表示されている部分をタップして、Init Projectを選んだら各パッドへフレーズを割当てていきます。

Yamaha_Synth_Book_13 手順はパッド編集画面でフレーズを割当てたいパッドをタップします。

 続いて「Waveform Load」をタップし、フレーズ(Waveform)を選び、必要に応じてボリューム、ピッチなどを設定し、「Done」をタップすれば完了です。

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画面上部の黄色で囲んだ部部bが保存ボタン。ここをタップすると保存を促す画面が表示されるので、ファイル名をつけてSaveをタップする

 同様に同じセクション内のパッドへもフレーズを割当てていくとまとまったセクションの演奏を作ることができますので、必要なセクションの数だけ作成すればオリジナルのパッドセットの完成です。
 作成したパッドセットを保存する場合は、保存ボタンをタップし、ファイル名をつけ「Save」をタップすれば保存が行われ、そのセットをいつでも呼び出して演奏することができます。

 実際に演奏してみると、満足のいくパフォーマンスができた場合は、録音して演奏をとっておきたいと思うこともしばしばあります。その場合には、Audiobusを使用してCubasisなどのDAWアプリに録音しておくと良いでしょう。
 手順はシンプルで、まず、YAMAHA Synth BookとCubasisをAudiobusで接続します。

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Audiobusを介してYAMAHA Synth BookとCubasisを接続した状態

 続いてMusic Remixerに表示されるAudiobusのメニュー上でCubasisのRecボタンをタップし、あとはパフォーマンスを行い、終わったら録音を停止させればオーケーです。
 CubasisとMusic Remixerでのテンポが一致していれば、小節線も揃って録音されるため、あとからCubasis上で手弾きのシンセパートを加えたり、ギターやボーカルを録音したりと更に曲として作り込むこともできるワケです。

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Music Remixer上のAudiobusメニューで録音を開始し、一通り演奏した後に録音をストップすると……

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……Cubasis上に演奏がオーディオ録音される

 一通り本アプリを試してみて、Music Remixer機能だけでも十分本格的なアプリとして成立するクオリティを持っていることを十分に感じました。DJライクのリミックスパフォーマンスにはもちろん、EDM系のトラックメイクにも十分オススメできるアプリです。

アプリ基本情報

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Yamaha Synth Book

iOS価格:無料

  • バージョン iOS:2.1.0

※記事内の情報はすべてレビュー時(2015年08月11日)の情報です。

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