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iPadとDAWアプリ『Cubasis』で音楽制作を始めよう 第1回「あると便利なDTMツール」

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by [2015年6月03日]

 近頃ではタブレット端末やスマートフォンで使用できる音楽アプリが充実してきましたが、その中でDAWやソフト音源などの充実度には目覚ましいものがあります。本連載はiPadで動作する音楽アプリを使ってDTMを行うための様々なノウハウを紹介していこう、という内容です。
 イマドキの音楽制作スタイルでどんなことができるのかを紹介すると共に、DTMの基本を解説していきましょう。文:内藤 朗(有限会社FOMIS)

▼連載メニュー
第1回 あると便利なDTMツール
第2回 曲作りの準備をしよう
第3回 ドラムトラックの作成方法
第4回 MIDIデータを打ち込もう

本連載はどんなことをやるのか?

 端的に言うと「iPadとiOS音楽アプリをどのように使って曲を作るか」を紐解いていくことを目的としています。とは言え何事も準備が大事ですので、今回は「曲作りのための準備」について紹介しましょう。

iPad以外に必要なもの

 まず、iPad以外でDTMを行うために必要なものを揃えましょう。最もシンプルなセットだとすると、DAWアプリがあればそれでOKとなってしまうのですが、より快適に曲作りを行うためにはDAWアプリを含め、以下のような機材を揃えると良いでしょう。

  1. DAWアプリ
  2. ヘッドフォン
  3. オーディオインターフェイス
  4. MIDIキーボード
  5. モニタースピーカー

 まずは何がなくともDAWアプリが必要です。DAWとは「Digital Audio Workstation(デジタル・オーディオ・ワークステーション)」のことを言います。ディーエーダブリュー。中にはダウと呼ぶ人も。
 このDAWを使用すると、演奏の録音、MIDIデータによる演奏の打ち込み、ミキシングなど曲作りの全ての工程を行うことができます。
本コーナーでは話を進める上でSteinbergの「Cubasis」をメインのDAWアプリとして使用し、曲を作っていく過程での各所で知っておきたい知識やテクを紹介していく予定です。

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Cubasisのメイン画面。曲作りに必要な機能が充実した本格的DAWアプリだ

 続いてDAW以外に必要なアイテムを優先度の高い順番で紹介しましょう。

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ヘッドフォンの接続ジャック部分。写真のように先端が変換プラグになっていて標準フォーンとステレオミニが変更できるものも多い

 最初にヘッドフォンは揃えておくと便利なアイテムです。iPad本体のスピーカーから再生した音を鳴らすのでももちろん良いのですが、細かい音質や音量のバランス調整などを行ったり、外に音を出せない場合なども考えるとあった方が良いでしょう。スマホや携帯音楽プレーヤーなどに最初から付属しているものでも良いのですが、何といっても音の出口には気を遣いたいので、できる限り良い音質でモニターできるヘッドフォンが理想的です。もちろんヘッドフォンの価格帯はリーズナブルなものから数万円といった高価な製品まで多岐にわたりますが、自分の予算の範囲で可能な限り再生周波数帯域の広く、自然な音質バランスで再生されるものがオススメです。
 とは言いながらも、実は一番重要なのは装着した際のフィット感だと言っても良いかもしれません。曲作りが進んでくるとついつい時間を忘れて長い時間作業を続けてしまうこともあります。装着する時間が長くなるほど、耳への圧迫感や疲労感が強くなるので、そういった負担がかかりにくいものを選ぶのも重要です。ちなみに最近のヘッドフォンの接続ジャック部分は、標準ステレオフォーンプラグとミニステレオプラグが取り外して変更できるものも多いのですが、どちらかのみとなっている場合もあります。その場合には変換ジャックも揃えておくと良いでしょう。

 次に揃えたいのはオーディオインターフェイスです。最近はエレキギターやボーカル録音などを行えるソフトも多いのですが、内蔵マイクで音を拾って録音するのでは、雑音も拾いやすので、録音した演奏の音質的な満足感は得られにくいでしょう。そこでオーディオインターフェイスの登場となるワケですが、この他にも使用するメリットがあります。
 オーディオインターフェイスは楽器や歌の録音のための入口という用途以外に、より良い音質で演奏の再生音を鳴らすための出口としての機能を持っています。実際にiPadで再生する演奏音はオーディオインターフェイスを変えるだけでもかなりの音質の違いがあります。こちらもヘッドフォン同様に価格帯は低価格の製品から高価格のプロクオリティ製品もありますが、オーディオインターフェイスを選ぶ場合には「どのような用途が多いか?」という点に留意して選ぶのがポイントとなります。例えば、ボーカルやギターをオケに合わせて録音できれば良い、というのであれば、入力端子の数は少なくても良いですし、リハスタでバンド演奏を一発録りで収録したいが、ギターやベース、ボーカルなどバランスやレベルを調整して録音したい、という場合なら、入力端子数が多い製品が適しています。

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本連載で使用予定のSteinberg社のオーディオインターフェイス「UR242」。フロントパネルに装備された入力端子には、キャノンケーブルも接続できるコンボタイプが採用されている

 あるいは、録音よりも音質重視ということであれば、入力端子数より実際の再生音の聴き比べで気に入った製品を選ぶ方が良いでしょう。このように最初に用途を明確にしておくと製品選びが具体的に絞り込め、より自分のニーズに適した製品を選ぶことにつながります。
 それと重要なのは、選んだオーディオインターフェイスが「iOSに対応しているかどうか」です。どんなに気に入った製品だとしても、iOSに対応していないのでは使うことができませんので、最初に対応の可否の確認をしましょう。
 また、オーディオインターフェイスにはMIDI端子を装備している製品と非装備の製品があります。後述のMIDIキーボードなども使用したい場合はMIDI端子の有無もチェックすると良いでしょう。

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リアパネルにはMIDI端子を装備。MIDIキーボードだけでなく、MIDIコントローラなどを使用したい場合にもあると便利こちらはUR242のリアパネル

 3番目はMIDIキーボードです。自分はキーボード弾きではないから不要だ、という人も多いのですが、MIDIキーボードは鍵盤演奏を行えるだけではなく、様々な付加機能を装備しているものも多いので、実はあると便利なアイテムなのです。
 例えばノブやスライダーなどで様々なパラメータやボリュームバランスなどをコントロールしたり、パッドスイッチにドラムキットの打楽器を割り当てて演奏したり…といったように曲を作る際の様々な編集を効率良く進められるメリットもあるのです。なお、MIDIキーボードを選ぶ際には鍵盤のサイズや鍵盤数などに留意すると良いでしょう。本格的に演奏もしたい、ということであればピアノタッチの88鍵タイプが良いですし、持ち運びしやすいものが良い、という場合にはミニ鍵盤タイプを選ぶ、といった選択になるでしょう。

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ミニ鍵盤タイプのMIDIキーボードの例、IK Multimedia iRig KEYS with Lightning

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モニタースピーカーの例、YAMAHA MSP3

 最後にモニタースピーカーもできれば揃えたいところです。モニタースピーカーはヘッドフォンよりも再生帯域が総じて広いため、ヘッドフォンでは再生しきれない帯域も含めたバランスや音質をチェックするのに役立ちます。特に重低音や高域の鳴り方は製品によって異なりますので、自分の良く演奏したり、聴いたりするジャンルのサウンドが心地よく再生されるものを選ぶと、制作中のモチベーションも持続しやすくなりますよね。
 それと、曲作りを進めていってミックス作業になった時には、ヘッドフォンだけでバランスを調整していると、後々モニタースピーカーで再生した時のバランスが良くないことも多いので、ある程度しっかりした音を出して作業すると良いでしょう。

 以上が快適に曲作りを行うために必要な、あるいはあった方が便利なアイテムです。ここでは優先順位を付けていますが、必ずしも順番に揃えなくても良い部分もあります。例えばMIDIキーボードやモニタースピーカーは各自の優先度合いに応じてどちらを先に選んでも良いでしょう。
 今回は機材選びのポイントを解説しましたが、次回はiPadとオーディオインターフェイスの接続方法、Cubasisの使い方について解説したいと思います。

▼参考リンク
Steinberg UR242
IK Multimedia iRig KEYS with Lightning
YAMAHA MSP3

アプリ基本情報

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Cubasis

配信元:Steinberg Media Technologies GmbH

iOS価格:6000円

  • バージョン iOS:1.9

※記事内の情報はすべてレビュー時(2015年06月03日)の情報です。

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