アイキャッチ画像

無料でこのクオリティ!? ヤマハのコード進行解析ツール『Chord Tracker』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

by [2015年5月25日]

 YAMAHAからiPhoneやiPad内に取り込まれている曲のコード進行を自動解析し、表示する機能を持った楽器練習のサポートアプリ『Chord Tracker』がリリースされました。本記事では、機能や実際の使用法などを紹介してみたいと思います。なお、今回の試奏は、iPhone 6を使用して行っています。文:内藤 朗(有限会社FOMIS)

楽器練習の強い味方

Chord Trackerのメイン画面

Chord Trackerのメイン画面

 『Chord Tracker』は、iPhoneやiPod Touch、iPadなどに取り込んだ音楽のコード進行を自動的に解析、表示するアプリです。得られたコード表示を元にして、楽器を演奏したり、練習のサポートを行います。
 既に世に出ている支援アプリは、その機能を利用するために、煩雑な手順を覚えたり、操作することが必要で、すぐに演奏や練習までたどりつけないことが多々あります。しかしこの『Chord Tracker』は覚えなくてはならないことがほとんどないと言えるほどシンプルで、演奏や練習を行うための機能も充実しているのが大きな特徴です。
 コード進行の表示結果は様々な用途で使用することができます。例えば曲を再生し、コード進行に合わせて右手をメロディ、左手をコード演奏のように使用したり、あるいは曲を再生しながら両手でコードバッキングの演奏を行ったりなど、自分の演奏や練習したい目的に合わせた使い方が可能です。
 メロディの練習をしたい場合におすすめなのが「メロディキャンセル」です。これはボーカルなどのメロディの音量を小さくする機能で、メロディライン以外の音は元の大きさなので臨場感を保ったまま練習できます。
 また、『Chord Tracker』上で曲のテンポやキーの変更、自動解析したコード進行を自分で後から編集することも可能ですので、曲の練習を行う上でも大変重宝します。

実際にデバイスに入っている曲でコードを自動解析してみた

 それでは、実際にChord Trackerを使用しつつ、各画面や機能などを紹介していきましょう。
 まず、Chord Trackerを起動するとホーム画面が表示されます。ホーム画面で表示される一番上の項目の「ミュージック」をタップすると、そのデバイス内にある曲のリストが表示されますので、その中からコード解析したい曲をタップして選びます。曲を選ぶと同時にコードの自動解析が行われ、数秒~10秒程度で曲のコード進行が表示されます。

Chord Trackerを最初に起動した時に表示されるホーム画面

Chord Trackerを最初に起動した時に表示されるホーム画面

曲を選んで、コードを自動解析中の状態。黄色で囲んだ赤いバーが解析の進捗状況を示している。

曲を選んで、コードを自動解析中の状態。黄色で囲んだ赤いバーが解析の進捗状況を示している。

 どのようにコード解析が行われたかのチェックも兼ねて一度再生してみました。曲のテンポに合わせて再生中の小節位置がスクロールして表示され、現在、何小節目のコードが表示されているのかが把握しやすいように感じられました。
 しかしながら、自動解析によるコード付けは100%正解というワケにはなかなかならないようです。同社の公式サイトにも記載されている通り「原曲のイメージに近いコードが表示されますが、原曲のコードとは異なる場合があります」ということを前提に使用するのをオススメします。また、デジタル著作権管理(DRM)で保護されている曲には使用できない点も注意したいところです。

コード編集や各種表示機能を装備し、コードの勉強にも最適

 自動解析後に、コードの付け方が違うところがあった場合は、自分で変更することができます。

例えば2小節目のコードC#m7をC#mに変更する場合には、まず、変更したいコードの部分をダブルタップする

例えば2小節目のコードC#m7をC#mに変更する場合には、まず、変更したいコードの部分をダブルタップする

すると変更するコードに対してオススメコードとその他が選択できるので、いずれかを選ぶ

すると変更するコードに対してオススメコードとその他が選択できるので、いずれかを選ぶ

 コードを変更する際には、オススメコードの中から選ぶだけでなく、自分でコードのルート、タイプ、オンベースを選択可能です。コードタイプを選ぶ際にはそのコードの響きも再生されます。和音の響き方を確認しながら変更することが可能ですので、鳴っているコードの響きはわかるけどコード名がわからない、という場合も安心です。

再度画面をタップすると変更が完了となる

再度画面をタップすると変更が完了となる

その他を選んだ場合は、図のようにコードのルート、タイプ、オンベースを自分で自由に指定可能

その他を選んだ場合は、図のようにコードのルート、タイプ、オンベースを自分で自由に指定可能

 また、画面下部の五線譜ボタンをタップすると、五線譜に構成音が基本形で表示されます。同様に鍵盤ボタンをタップするとそのコードの構成音を基本形のボイシングで押さえる鍵盤の位置が表示されますので、コードの構成音を確認したい場合だけでなく、コードをこれから覚える、という人も重宝すると思います。

五線譜ボタンをタップして演奏中のコードが五線譜に表示された状態

五線譜ボタンをタップして演奏中のコードが五線譜に表示された状態

鍵盤ボタンをタップして演奏中のコードの押さえる鍵盤の位置が表示された状態

鍵盤ボタンをタップして演奏中のコードの押さえる鍵盤の位置が表示された状態

テンポ変更、移調なども行え、幅広い演奏や練習に活用可能

画面下部の再生設定ボタンをタップして表示された設定画面。メロディキャンセル機能のオンオフもここで行う

画面下部の再生設定ボタンをタップして表示された設定画面。メロディキャンセル機能のオンオフもここで行う

 実際に楽曲をバンド演奏する際には、ボーカリストのキーに合わせて曲のキーを移調する必要があります。また練習時には、特定部分のテンポを落としてじっくり歌いこむこともあるでしょう。『Chord Tracker』ではこういったニーズにも応えてくれます。
 画面下部の再生設定ボタンをタップすると曲のテンポやキーの設定画面が表示されます。ここで指定したとおりのテンポで再生され、コード進行も転調したものが表示されます。これは有料アプリに引けをとらない、嬉しい機能です。

試奏で使用した楽曲は元キーがEメジャーだが、曲のキーをGメジャーに変更したい場合はトランスポーズを+3に設定する

試奏で使用した楽曲は元キーがEメジャーだが、曲のキーをGメジャーに変更したい場合はトランスポーズを+3に設定する

元の画面に戻るとトランスポーズが反映されたキーのコード表示に瞬時に変更されているのが確認できる。ちなみにトランスポーズの設定方法は、±1するごとに半音単位で移調される。今回は3半音上のキーということになるため、+3に設定した。

元の画面に戻るとトランスポーズが反映されたキーのコード表示に瞬時に変更されているのが確認できる。ちなみにトランスポーズの設定方法は、±1するごとに半音単位で移調される。今回は3半音上のキーということになるため、+3に設定した

 更に特定の部分を繰り返す、「ABリピート」機能も装備していますので、Aメロ部分だけ、サビ部分だけといったリピート練習も行えます。

ABリピートを設定する手順は、まず黄色で囲んだ部分のボタンをタップしてオンにする

ABリピートを設定する手順は、まず黄色で囲んだ部分のボタンをタップしてオンにする

再生ボタンをタップして曲を再生する

再生ボタンをタップして曲を再生する

終点となるタイミングの拍の位置でもう一度先程タップしたボタンをタップするとリピートする範囲が設定できる。リピートの範囲はコード進行が表示されている部分の下部に赤いラインで示される。

終点となるタイミングの拍の位置でもう一度先程タップしたボタンをタップするとリピートする範囲が設定できる。リピートの範囲はコード進行が表示されている部分の下部に赤いラインで示される

 このABリピート機能と前述のテンポ調整を併用することで、より効果的な練習を行うことが可能になります。

補助ツールとしてはかなりの精度

 実際にいくつかの曲でコード自動解析を行ってみましたが、シンプルな3コード的な曲はほぼ完璧に近い解析が得られ、コード進行が複雑になる程、原曲のコードとは異なる結果になりやすいように感じました。しかしながら、コードタイプは異なるものの、ルート(あるいはベース音)の進行は、かなり高い精度の解析が行われており、ある程度コード理論を理解している人であれば、ルートから拾わなくて良い分、推測しなくてはならない部分があったとしても、一から拾うより早く作業が進められると思います。
 また、今回は実際に試すことはできませんでしたが、『Chord Tracker』は、同社から6月に発売予定の新製品「PSR-S670」などの対応楽器とiPhoneやiPadなどを無線接続することで、楽器のスピーカーからの音出しや、コード情報の楽器側への送信、AACやWAVフォーマットでの演奏の録音などを行うことが可能です。対応楽器ユーザーであれば、より効果的に本アプリを活用することができるでしょう。

▼関連リンク
Chord Tracker公式サイト

アプリ基本情報

アイキャッチ画像

Chord Tracker

配信元:Yamaha Corporation

  • バージョン iOS:1.0.0

※記事内の情報はすべてレビュー時(2015年05月25日)の情報です。

タグ:
PageTopへ