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SampleTankとピアノ音源×2の超お買い得なアプリバンドル『Total Keys Bundle for iPad』

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by [2015年4月09日]

 プレイバックサンプラー音源のパイオニア的製品『SampleTank』のメーカーであるIK Multimediaは、モバイル環境での音楽アプリや周辺機器の開発に積極的に取り組み、様々な製品をリリースしています。
 そのSampleTankシリーズのiOS版製品をバンドルした『Total Keys Bundle for iPad』を紹介しましょう。文:内藤 朗(有限会社FOMIS)

3 in 1で抜群のコストパフォーマンス

 Total Keys Bundle for iPadは、IK Multimediaのリリースするマルチ音源『SampleTank for iPad』、アコースティックピアノ音源『iGrand Piano for iPad』、エレクトリックピアノ音源『iLectric Piano for iPad』の3アプリを1パッケージにした製品です。これらは、元々単体のアプリとして販売されていますが、それぞれを個々に購入するよりもかなり安くなっているので、お買い得なパッケージと言えます。

SampleTank_01

SampleTank for iPad


SampleTank_02

iGrand Piano for iPad

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iLectric Piano for iPad

 これらの製品の元となっているPC用ソフト音源『SampleTank』について簡単に紹介しましょう。SampleTankは、本格的なプレイバック専用のサンプルマルチ音源として、長きに渡って愛用しているユーザーも多い定番音源です。このSampleTankシリーズには、オーケストラ楽器に特化した『Miroslav Philharmonik』、様々なシンセサイザーのサウンドが収録された『Sonik Synth 2』など個性的な製品も多岐に渡ってリリースされているので、サンプル音源のメーカーとしてご存知の方も多いと思います。
 さて、Total Keys Bundle for iPadに含まれる個々の製品についてですが、まず、SampleTank for iPadは、前述のSampleTankをベースにiOSに最適化されたマルチ音源です。基本的に4パートのマルチティンバー音源なのですが、メーカーサイトの説明にpro-quality sound & groove workstationとあるように、プリセットの演奏パターンやMIDIレコーダーを内蔵しているので、音源的な使い方だけではなく、パフォーマンスも行えるワークステーション的な機能を持っているのが特徴です。主な操作画面はSOUNDS、KEYS、PADSで構成され、SOUNDSは主に音色、パターンの選択、音色のエディットを行うモード、KEYSはキーボード演奏のモード、PADSはパッドコントローラで演奏を行うモードとなっています。

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SOUNDSモード

SampleTank_05

KEYSモード

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PADSモード

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音色リストでグレーアウトしている部分がオプションで追加できる音色を示す。これらの音色は鍵盤で演奏することはできないが、パターンを鳴らすことは可能なので、購入前の参考にもなる

 プリセット音色数は、17カテゴリーに分類された140種類が用意されていますが、アプリ内課金で後から拡張ライブラリを購入することで音色を増やすことも可能です。

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PARTSボタンをタップすると4パートに割当てた音色が表示され、MIDIチャンネルの変更もここで行うことができる

 演奏に使用する4パートはそれぞれMIDIチャンネルが指定できるため、4パートの音源として独立して違う音色を演奏させるだけでなく、同じチャンネルに設定することで最大4種類の音色をレイヤーしたサウンドを作ることも可能です。
 また、1,000種類以上のリフ、フレーズ、グルーヴパターンがプリセットされているので、3パートでパターンを演奏させて残りの1パートを自分で演奏する、といった使い方もできます。

 次にアコースティックピアノ音源のiGrand Piano for iPadは、GUIを見れば一目瞭然ですが、生ピアノ音源のアプリです。
 購入時には、グランドピアノ音色4種類、アップライトピアノ音色4種類の合計8種類が収録されており、SampleTank for iPad同様にアプリ内課金で追加音色を増やすことが可能です。

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iGrand Piano for iPadのメイン画面でピアノの種類を選択している状態。オプション追加の音色はグレーアウトしている

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MIDIレコーダーの操作画面。EXPORTボタンをタップするとオーディオ書き出しが行える

 操作性は大変シンプルで、操作画面も音質やMIDIの設定を行う設定画面、ソロ演奏時に重宝するメトロノームの設定画面、MIDIレコーダーという構成ですので、一通り画面を見ておけば操作はほとんど把握できると思います。
 このMIDIレコーダーは、オーバーダビング(重ね録り)やパンチインなどの編集が行え、出来上がった曲はオーディオ書き出しも可能です。

 最後にエレクトリックピアノ音源のiLectric Piano for iPadは、iGrand Piano for iPadのエレクトリックキーボード版で、主な操作性はほとんど同じです。
 購入時にはビンテージエレピ、FMエレピ、エレクトリックグランド、クラビネットその他を合わせて19種類が収録されており、この製品でもアプリ内課金で追加音色を増やすことが可能です。

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iLectric Piano for iPadのメイン画面でエレピの種類を選択している状態。iGrand Piano同様にオプション追加の音色はグレーアウトしている

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エフェクトの設定画面。表示させるにはパラメータノブが配置されている部分をスワイプするとページが切り替わり表示される

 iGrand Pianoとは同じ属性の音源ですが、iLectric Pianoにはコーラス、フェイザー、トレモロ、オートパン、フランジャーといったエレピやクラビの音色作りに欠かせないエフェクトを装備している点が異なります。

 また、どちらの製品でもそれぞれの音色ごとに自分でエディットした音色設定を4種類メモリしておくことができますが、特にiLectric Pianoの場合は、同じエレピでも異なるエフェクト設定で使いたいことも多いので、この機能は重宝するでしょう。

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VARIATIONSと書かれている部分のA~Dボタンに自分でエディットした設定をメモリしておくことができる。図中の白抜き文字の○印が選択されている状態(A)、黒文字の白○印がメモリされている状態(B)、白抜き文字グレーアウト○印がメモリされていないことを示す(C、D)

Total Keys Bundle for iPadをDAWアプリと連携させる

 Total Keys Bundle for iPadの3製品はいずれもVirtual MIDI、Audiobus、Inter-App Audioに対応しているので、他のアプリとの連携も容易なので、様々な用途で活用することができます。実際にどのように他のアプリと連携させて使用するのかを紹介しましょう。
 まずはGarageBand上で使用する方法です。GarageBandではAudiobus経由でもInter-App Audioでも使用することができますが、Inter-App Audioで使用してみましょう。
 ソング画面上でトラックを追加する際の音源選択で、Inter-App Audio Appを選択すると、音源にSampleTankやiLectric Pianoを直接選ぶことができます。

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Inter-App Audio Appを選ぶと使用する音源が一覧で表示される

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SampleTankを表示させると画面左部に連携されていることを示すメニューバーが表示されるので、ここのRecボタンをタップすると録音が開始される

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GarageBand上に録音された状態

 後は、RECボタンを押して演奏を録音するとGarageBandにオーディオトラックとして録音されます。

 次にBeatMaker 2の場合を紹介しましょう。BeatMaker 2もGarageBandと同様に、Audiobus経由でもInter-App Audioのどちらでも使用することができますが、こちらはAudiobusで接続した例です。

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Audiobusの設定状態

 まず、Audiobusを起動し、INPUTにSampleTankやiLectric Piano、OUTPUTにBeatMaker 2を設定したら、両者を起動します。

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iGrand Pianoを表示させると右側にショートカットアイコンが並ぶメニューバーが表示されるので、ここのRecボタンをタップすると録音が開始される

 起動後は画面右側に各アプリへのショートカットアイコンが並んだメニューバーが表示されますので、適宜切り替えつつ、それぞれのアプリを使用します。

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BeatMaker 2のトラックに録音された状態

 録音する場合にはSampleTankやiLectric Pianoを表示させ、右側の表示の中にあるRECボタンをタップして録音を開始し、演奏が終了したら再度タップすれば録音完了です。

各アプリのインプレッション

 SampleTank for iPadは、プリセット音色数自体はそれほど多くないのですが、モバイル環境で使う上で必要な音色が厳選されているように感じました。収録されている音色はいずれもクリアでポップなサウンドに仕立てられていると同時に、PC版のSampleTankと聴き比べてみても同等の質感を持っているようです。PC版は演奏で使用するというよりは音楽制作向きという印象ですが、iOS版はモバイル環境での音楽制作向きであると同時に、リアルタイム演奏でのパフォーマンスを行うのにも適しています。
 iGrand Piano for iPadとiLectric Piano for iPadについては、音色の質感はSampleTankのサウンドと同様の印象です。ピアノ系音源の場合は、MIDIキーボードでの演奏レスポンスが気になる所ですが、どちらの製品も演奏にスムースに追従してくるので、音源の動作に気を取られることなく、演奏に集中できる点が好印象でした。これならちょっとしたライブのピアノ音源として使ってみるのもアリでしょう。

アプリ基本情報

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Total Keys Bundle for iPad

配信元:IK Multimedia

iOS価格:4200円

※記事内の情報はすべてレビュー時(2015年04月09日)の情報です。

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