アイキャッチ画像

作曲もパフォーマンスもこれ1つ!ループ・シーケンスに特化した『Groove Machine Mobile』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

by [2015年3月11日]

Groove Machine Mobile_11 EDM系クリエイターご用達のPC向けDAWソフト『FL Studio』で有名なImage Line社から、iOS、Android対応の音楽制作アプリ『Groove Machine Mobile』がリリースされました。
 ループ・シーケンスをベースに即興パフォーマンスなどへ特化した本アプリを、iOS版を使ってじっくりと紹介したいと思います。

ループ単位の作曲、パフォーマンス

 Groove Machine Mobileは即興的なライブ・パフォーマンスや作曲に特化したiPad用のグルーヴ・マシン・アプリです。パフォーマンスの単位となるループは、10個のドラムパッドへ自由に打楽器が割り当て可能なDrum/Percussionパートと、5つのシンセパートで構成されており、全部で8個装備しています。このループ1個が1パターンと考えられますので、8パターンをリアルタイムに切り替えながらパフォーマンスが行えると捉えればわかりやすいでしょう。主な操作画面はキーボードやドラムパッドで演奏を行える「タッチキーボード画面」、打ち込み編集を行う「ピアノロールエディタ」、ループの切替やエフェクトの設定を行う「ミキサー画面」、曲中のオートメーションを編集する「オートメーションエディタ」の4画面で構成されています。
 本アプリで制作した曲はオーディオファイルにエクスポート可能で、非圧縮オーディオ形式はWAV、圧縮オーディオ形式はAACでそれぞれ書き出すことができ、iTunes経由で外部デバイスに送ることができます。
 ちなみにImage Line社のサイトを見ると本アプリはiOS版以外にAndroid OS版もあるのがわかりますが、両方ともタッチパネル対応のWindows8版のFL Studio Grooveをタブレット版アプリとして移植した製品のようですので、FL Studio Grooveを使ったことがある人なら、ほとんど同様の操作性で使えるでしょう。

各画面の操作法をチェック

まずはキーボード画面から解説しましょう。
 アプリを起動するとドラムパッドの画面が表示されます。10個のパッドにはそれぞれドラムの各打楽器やSFX音色等のサンプルが自由にアサイン可能で、1個のパッドには2個のサンプルをレイヤー配置することができます。現状ではオリジナルのカスタムサンプルは読み込みできないのですが、将来的にはフリーアップデートで可能となるようですので、期待したい所です。

Groove Machine Mobile_01

各チャンネルにサンプルがアサインされたドラムパッドを表示した状態。右上の黄色で囲まれた部分をタップして音色を選ぶ

 サンプルのアサイン方法は非常にシンプルで、割り当てたいパッドを選択し画面右上をタップするとプリセットされた音色リストが表示されるので、その中から選ぶだけです。 音色を変更したい場合にはもう一度同じ手順を行えば切り替えられますが、独自のサウンドにしたい場合には「SAMPLE」ボタンを押して、レイヤーされているサンプルを変更すると良いでしょう。

Groove Machine Mobile_02

SAMPLE 1のサンプルを変更している状態

続いてシンセパートの場合です。
 シンセパートは2オクターブ幅の鍵盤が縦に2段並んで表示され、モジュレーションやピッチベンドのコントローラが左部に配置されたレイアウトです。音色の選び方はドラムの時と同様の手順で行え、レイヤー設定も可能ですが、シンセパートの場合はサンプルではなく「WAVE」でレイヤー設定を行います。

Groove Machine Mobile_03

鍵盤表示状態。左側の黄色で囲まれた部分の上はモジュレーションコントローラ、下はピッチコントローラとなる

Groove Machine Mobile_04

黄色で囲まれた部分をタップするとシンセ波形が選択できる

Groove Machine Mobile_05

WAVE Aの波形を変更している状態。用意されている波形はアナログシンセ波形からデジタル波形まで多岐に渡っている

 イメージとしては一般的なシンセサイザーのオシレータで波形を選ぶのと同じようなもので、シンセ波形を2種類組合せて音色の基となる部分を作る、と考えて良いでしょう。

Groove Machine Mobile_06 また、音色エディットやエフェクトの設定等はドラムパッド、鍵盤表示いずれの場合も右側に縦に並んでいるボタンを選ぶことで変更したいパラメータを表示させることができます。
 ちなみに個々に並んでいるボタンの列はミキサー表示部分と同じ部分となっていますので、ミキサー表示は各パートの設定をまとめて表示していると捉えると各画面の関連性が把握できるでしょう。

 次に右下のSCOREボタンを押すとDAWではお馴染みのMIDI編集画面であるピアノロールエディタが表示されます。
 Groove Machine Mobileでの打ち込みは、表示されたグリッドに沿って入力したいタイミングの位置をタップしてノートを入力する方法と、リアルタイム録音で入力する方法があります。
 画面表示のズームイン&アウトは音域の場合、鍵盤表示部分を垂直方向に、演奏範囲の場合は画面下部の小節線表示部分を水平方向にピンチイン&アウトすることで作業しやすい表示に調節することができます。

Groove Machine Mobile_07

Groove Machine Mobileにおけるピアノロール表示状態

 続いて右下のCONTROLSボタンをタップするとミキシングコンソール画面が表示されます。
 前述のとおり、各パートの縦に並んだパラメータボタンを全パート同時に表示した状態を基本として、Glitch Effectボタン、ループ選択ボタンで構成された主にパフォーマンスを行うための画面です。
 Glitch Effectとは、ループを再生中にタップすると、スライスしたサンプルを連続再生して「ドドドド…」という感じに聴こえる効果を加えるもので、DJプレイやリミックスを行う時には重宝する機能です。

Groove Machine Mobile_08

ミキシングコンソール画面を表示した状態

Groove Machine Mobile_09

ミキシングコンソールを使用したパフォーマンスを録音している状態

 また、画面下部のコントロールバーの録音ボタンを押して、演奏を行うと、演奏順序を記録できます。

Groove Machine Mobile_10

リアルタイムX/Yモジュレーションによるパフォーマンスを行っている状態。ここではシンセパートの3と5のディレイを同時に変化させている

 その際にオススメなのが任意のパラメータで行える「リアルタイムX/Yモジュレーション機能」です。
 任意のエフェクトやEQのボタンをタップしたまま垂直・水平方向に指をドラッグすると、それらのパラメータをリアルタイムで変化させることができ、パフォーマンス時には大いに役立ちますし、もちろん動かした状態もオートメーションとして記録されます。

Groove Machine Mobile_11

オートメーションエディタを表示した状態

 最後に右下角にあるAUTOMATIONボタンをタップするとオートメーションエディタが表示されます。

Groove Machine Mobile_12

オートメーションを編集している状態。編集したい部分をドラッグ選択すると左側に編集メニューが表示される

 各パートのリアルタイムで変化させたパラメータがそれぞれトラック表示され、どのような動きをしているのかを確認できると共に、記録したオートメーションの編集を行うことが可能です。

Groove Machine Mobile_13

マスターエフェクトのリミッターと8バンドEQを表示した状態

 これらの画面の下部で常に表示されるコントロールバー部分にはマスターエフェクトとしてリミッターと8バンドのEQが装備され、曲全体の音圧感や音質を調整できます。

 外部MIDIキーボードなどを使用する場合の設定は「MIDI」ボタンをタップすると設定画面が表示されます。

Groove Machine Mobile_14

コントロールバー上のMIDI端子アイコンをタップするとMIDIの設定が行える

曲作りの手順

新規ソングを準備する

 コントロールバーの一番左にあるGroove Machine Mobileアイコン部分をタップして「NEW GROOVE」をタップします。

Groove Machine Mobile_15

黄色で囲んだ部分をタップすると新規ソングが立ち上がる

音色の割り当て

 新規ソングが準備できたら、作りたいパートの音色を割り当てていきましょう。パートを選ぶ際には、画面上部のパートボタンをタップして選択します。
 音色を選ぶ手順は画面説明で行った通り、右上の<empty>となっている部分をタップして音色を選びましょう。ここで心得ておきたいのは、使用するドラム音色やシンセ音色は各ループ共通となっていることです。例えばループ1でドラムパートの1チャンネルの音色にキック1を割当てたとすると、ループ2にした際に音色をキック2に変更するとループ1に戻してもキック2のままとなってしまいます。ここは注意したいポイントです。

Groove Machine Mobile_16

黄色で囲んだ部分をタップすると音色リストが表示される

Groove Machine Mobile_17

表示された音色リストから使いたい音色を選ぶ

フレーズの入力
Groove Machine Mobile_18

録音ボタンの右側にあるメトロノームアイコンのボタンでクリックのオンオフを行う

 音色の準備ができたら、フレーズを入力します。リアルタイム録音で入力する場合にはコントロールバーの録音ボタンをタップすると録音待機状態になります。最初はガイドとなるクリックがあるとリズムが取りやすいのでメトロノームボタンをタップしてオンにしておくと良いでしょう。

Groove Machine Mobile_19

BPM部分をタップするとテンポ設定が行える

 また、テンポを設定したい場合にはBPMの部分をタップすると設定できます。ちなみにパターンの長さは、アプリ側で演奏した長さから自動的に設定されるので、予めの設定は不要なところも本アプリの便利なポイントでしょう。あとはキーボード部分で演奏を始めるか、あるいは再生ボタンをタップすると録音が開始されます。終了したら再生ボタンをもう一度タップすると録音終了となります。

フレーズのエディット

 入力したフレーズを編集するにはピアノロールエディタを表示させます。ベロシティの調整はそのノートをタップしたまま、垂直方向にドラッグして変更し、打ち込んだノート長を変えたい場合は、そのノートをタップしたまま水平方向にドラッグすると変更できます。
 その際にノートの表示が小さいと煩雑な操作でうまくいかないこともありますが、そんな時にはベロシティ、ノートの長さ共、適度に拡大表示した状態で行うと変化具合がわかりやすいと思います。また、片方の手でタップ&ホールドしながら、もう一方の手でドラッグ操作を行うと非常にスムースな調整ができるように感じました。

Groove Machine Mobile_21

黄色で囲んだ部分がノートの長さを調整している部分。できる限り表示を大きくして両手で行うのがベターだ

必要なパートを作りループを完成させる

 ここまでの手順を繰り返して他のパートも作成して、演奏の基本単位となるループを完成させます。あとは曲の構成に必要なパターンを違うループで作成しましょう。

違うループを作成する

 曲構成で必要なパターンを作成する場合、同じような展開で演奏パートが違うとか、一部のリズムパターンが違うなどのセクションが多い場合は、作ったループをコピーして部分的にエディットするのが効率良いでしょう。 コピー元となるループをタップしたままコピー先のループにドラッグして重ねるとどのようにコピーするのかを尋ねられるので、必要なコピー内容を選べばオーケーです。あとはコピー先のループをエディットして必要な展開を作りましょう。

エフェクトなどのディテールを調整する

 一通り曲を構成するループができたら、音色エディット、エフェクト調整、ボリュームバランスなどの調整を行ってディテールを整えます。これらの調整を行う時には、ミキシングコンソール画面で行うと効率良いでしょう。

パフォーマンスを記録して1曲に仕上げる
ループ1をループ2へコピーするために、タップ&ドラッグでループ2へ重ねている状態。 指を放すとどのようにコピーするのかを尋ねられる。丸ごとコピーしたい場合にはReplace All、元のデータを残したままコピーしたい場合にはCombineを選択すると良い。

 最後に録音を開始し、ループを曲構成に従って切り替えたり、音色やエフェクトをリアルタイム変化させつつ、それらをオートメーションとして記録します。録音を終了したら、一度曲頭からプレイバックしてどのような演奏が記録されたかをチェックし、オーケーなら曲の完成となります。

作った曲をオーディオファイルとして書き出す

 作った曲をコンピュータで再生したり、編集したい場合等はオーディオファイルとしてエクスポートを行います。コントロールバーの一番左にあるGroove Machine Mobileアイコン部分をタップして「RENDER TO AUDIO」を選びます。

Groove Machine Mobile_24

黄色で囲んだ部分をタップするとオーディオの書き出し作業に移行する

 WAVファイルで書き出したい場合にはLOSSLESS、AACで書き出したい場合にはCOMPRESSEDをタップするとエクスポートが開始し、ファイル名を付けたらSaveをタップすれば書き出しが完了します。

Groove Machine Mobile_25

ファイルフォーマットを選択する画面。いずれかをタップすると書き出しを開始する

Groove Machine Mobile_26

ファイル名を付けてSaveすればオーディオ化の完了となる

Groove Machine Mobile_27

iTunesを使用してコンピュータに送り出せばOK

 iTunesでコンピュータと同期させ、Groove Machine Mobileの書類を表示させたら、書き出したファイルをコンピュータのデスクトップへドラッグすればコンピュータにファイルがコピーされる。

EDMなど、エレクトロ系にハマる!

 現状、Groove Machine Mobileは、Audiobus、Inter-App Audioといった他のアプリ等と連携するための規格には未対応ということで、拡張性的には今一つ感がありますが、じっくり使い込むと十分本体だけでも曲作りは行えますし、パフォーマンスを行う場合でも、演奏に集中しやすいように感じました。
 8個のループをしっかり作っておけば、パフォーマンス自体をそのまま記録しておくことができるので、ミックスや構成違いといったリミックスバージョンが作りやすいのも魅力です。まだまだアプリ自体は進化の余地が十分感じられますので、今後のバージョンアップに期待が持てるアプリの一つと言えるでしょう。

アプリ基本情報

アイキャッチ画像

Groove Machine Mobile

配信元:Image Line Software

Android価格:1219円 / iOS価格:1000円

  • バージョン Android:1.3.4.6 / iOS:1.3.6

Androidアプリのアクセス内容

画像/メディア/ファイル
USB ストレージのコンテンツの変更または削除
USB ストレージのコンテンツの読み取り
その他
ネットワークへのフルアクセス
Google Play ライセンスの確認

※記事内の情報はすべてレビュー時(2015年03月11日)の情報です。

PageTopへ