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UVIクオリティをiPadで!ポータブルミュージックプロダクションスタジオ『BeatHawk』

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by [2015年2月20日]

 UVI SOUNDS & SOFTWAREはレアな楽器やビンテージシンセサイザーをシミュレートしたライブラリ音源で有名なメーカーです。そのUVI社がiOS向けにリリースした本格音楽制作アプリ『BeatHawk』を紹介しましょう。文:内藤 朗(有限会社FOMIS)

このアプリだけで音楽制作ができる

 BeatHawkは、メーカーサイトでは「ポータブルミュージックプロダクションスタジオ」と謳われているように、これだけで曲を作ることができるアプリです。GUIのデザインからもわかるように、洗練されたグルーヴマシン的なインターフェイスとリアルタイムプレビューが大きな特徴です。

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BeatHawkのメイン画像

 BeatHawkは、パターンを作成してトラックに順番に並べていくタイプのシーケンサーで、1パートにつき16パターンを保存できる16トラックで構成されます。演奏に使用するサウンドやインストゥルメントは、最初からEDM FactoryとURBAN Factoryという2つのライブラリが同梱されています。これらは総計サンプル数2,000以上、プリセット数290種類のコンテンツ構成でトータル780MBのボリュームとなっていますから、これだけでも十分な曲作りが行なえます。同梱サウンドだけで物足りなくなったら、Electro Pop、Funk、Guitar Loopsなどオプションの拡張ライブラリが用意されていますので、これらをアプリ内課金で購入することができます。

高機能イージーオペレーションのサンプリング機能と柔軟な拡張性

 さらに、BeatHawkでは、パッドモード、キーボードモード、あるいは外部MIDIキーボード等を使用して演奏が行なえるだけではなく、iPadの内蔵マイク、ライン入力、外部デバイスを使用してのサンプリングも魅力の一つです。サンプリングされたオーディオデータは高品位ピッチシフトとタイムストレッチなどによるエディットが可能ですが、操作性は大変シンプルで、効率良くサンプル素材を作成できます。本体に読み込めるオーディオファイルも、FLAC、WAV、MP3、MP4、AIFFの各フォーマットに対応していますので、様々なサンプリングコンテンツをBeatHawkで活用することができます。

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iPadのマイク入力を使用してサンプリング録音を行なっている状態。サンプリングを開始するトリガーレベルが調整できるので、録音開始時の音欠けを容易に防ぐことができる

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録音したサンプルをエディットしている状態。使用範囲の設定やストレッチなども簡単に行なえる。

 実際に曲を作る際には、MIDIキーボード等のデバイスを使用したい場合も多いと思います。BeatHawkではCoreMIDIに対応した外部キーボードやデバイスの接続が可能で、MIDI-over-LANにも対応しています。また、Inter-App Audio、Audiobus、AudioCopy、WISTといったiOSベースでの音楽制作に欠かせない各種規格にも対応していますので、iPad内で他のアプリとの連携によるオーディオ信号やMIDI信号の引き回しなどにも柔軟に対応できている点も評価したいところです。なお、今回は試せませんでしたが、Bluetoothを使用して複数のiPadをWISTシンク可能ということなので、例えばiPadを2台使った32トラックの壮大なアンサンブルをテンポ同期できるようです。
 ちなみに本体で作成した曲は、ステレオミックス、ステム、MIDIファイルのエクスポートなどがワンタッチで行なえ、iTunesを経由してのファイル転送も容易です。また、オーディオのエクスポートは44.1kHz/24bitのWAVファイルで行なえるため、音質クオリティも十分でしょう。

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ソングモードにすると中央下部にExportボタンが表示され…

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…それを押すと図のようにどのデータを書き出すのかを選択できる

BeatHawkを試奏してみた

 BeatHawkの動作要件は、iPad 2以降(iPad 4以降推奨)、OSはiOS 7以上となっています。そこでどの程度の差異があるのか比較してみました。iPad 2とiPad Air 2のそれぞれにアプリをインストールして動作を試してみた所、iPad 2では本製品に用意されているデモソングを再生すると動作が非常に重く、再生もぎこちないものでしたが、iPad Air 2では動作もストレスなく、自然な再生が行なえました。快適に本製品を使用したい場合には、できる限り世代の新しいモデルの方が良いようです。
 さて、音質やサウンド面の印象ですが、核となるドラムサウンドは全体的に低域の音圧感を十分持ち合わせつつ、高域のアタック感も気持ち良く調整された質感があります。最初から同梱されているコンテンツでは、シンセ系の音色は今風のEDM系サウンドが的確に網羅されているので、EDM系のベーシックなトラック作りに役立つでしょう。
 続いて本体のみでパターンやソングを作ってみました。パッドモードやキーボードモードでの演奏レスポンスは、概ね自然ですが、キーボードが弾ける人は外部キーボードをつないで演奏する方が効率良く制作を進められるでしょう。パターンを作成しながら感じたのは、メイン画面の左に並んでいるPAD、VOLUME、PITCH、MUTEを切り替えることでパッドの役割がどのように変わっているのかを最初に把握するのが使いこなしのポイントだということです。

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左のボタンでPADを選択すると、各パッドに割り当てられたサウンドを演奏することができる

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PITCHを選ぶと2段に並んだ鍵盤配列のキーボードモードとしてPAD時に選んだ音色をスケール的に演奏することができる。ベースやシンセヒットなど音程感あるフレーズを作成する時に便利

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実際にパターンを録音している状態。画面左下部にあるGRID部分でQUANTIZEボタンを押しておくと、録音したフレーズを設定した音符の符割で一番近いタイミングに合わせてくれる。また、微妙なハネ具合は右隣にあるGROOVEで調整するのが良いだろう

 もう一つ入力について知っておきたいのは、フレーズを打ち込む方法がリアルタイム録音のみとなっている点です。ジャストタイミングのタイトな打ち込みにしたい場合には、QUANTIZEボタンをオンにしておくことをオススメします。

魅力的なオプションライブラリも充実

 前述のアプリ内課金による追加ライブラリは様々なジャンルやサウンドのものが用意されています。これらは同社のUVI Workstationで動作するサウンドライブラリと同じクオリティを持ったもので、インストゥルメント、ドラムキット、フレーズなどがタイトルに準じてコンテンツ化されています。現在リリースされているオプションライブラリは以下のタイトルです。

  1. Acoustic Grand グランドピアノサウンドセレクション
  2. Atlanta Urban オルタナ系サウンドセレクション
  3. Brass Riffs ブラスセクションのリフを中心としたサウンドセレクション
  4. Choirs クワイア系サウンドセレクション
  5. Disco ディスコサウンドセレクション
  6. Electric Piano エレクトリックピアノサウンドセレクション
  7. Electro Pop エレクトロ系サウンドセレクション
  8. Funk ファンク系サウンドセレクション
  9. Guitar Loops ギターリフやストローク等のサウンドセレクション
  10. Latin Percussion ラテンパーカッションサウンドセレクション
  11. Scratch スクラッチ系サウンドセレクション
  12. Talk Vox ボーカル、ボイスサウンドセレクション
  13. Trip Hop トリップ・ホップサウンドセレクション
  14. West Coast Urban 西海岸のコンテンポラリー系サウンドセレクション
  15. World Percussion エスニック系打楽器のサウンドセレクション
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BROWSERボタンを押してオプションライブラリのタイトルを選んで押すと、図のようなオプション購入の画面が表示され、デモサウンドを聴くことができる

 どんなサウンドが収録されているのかは、TRACKモードで音色を設定する画面中、一番左のライブラリ項目を選ぶとデモサウンドを聴くことができます。そこでおおよその質感はチェックできるでしょう。

プロジェクトはこまめに保存しよう

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BeatHawkをホームボタンを押して閉じた状態。画面上部には赤いバーラインが表示されBeatHawkがまだ動作中であることを示している

 BeatHawkに限った事でもないのですが、せっかく作った曲をうっかり消してしまうこともよくあります。プロジェクトを保存せずにアプリを終了させてしまうと、作成したソングデータは消失しますので、こまめに保存するのをオススメします。
 また、BeatHawkはホームボタンを押してもバックグラウンドで動作を続け、記録中状態※が続いていますので、完全にアプリを終了したい場合にはホームボタンを2度押しし、アプリを表示させたらスワイプして終了させるのもお忘れなく。※この”記録中状態”というのは、iOSの仕様で、記録をしているわけではなく、iPadのマイクがアプリに掴まれていることをリマインドするものです。

アプリ基本情報

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BeatHawk

配信元:UVItouch

iOS価格:500円(イントロ価格)

  • バージョン iOS:1.0.1

※記事内の情報はすべてレビュー時(2015年02月20日)の情報です。

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