Inter-App_Audio図2

iOS 7の新機能「Inter-App Audio」にみるDTMの新たな可能性

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by [2013年9月25日]

 iOS 7に実装された「Inter-App Audio」は、複数の音楽アプリのMIDIとオーディオ信号を一括管理できる新機能です。早速色々と検証してみました。これまでのAudiobusとの違いや機能など現在分かる範囲でご紹介していきます。

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Inter-App Audioについて(Apple Developerサイトより)

複数のアプリを駆使してすばらしい音楽を作曲できるようになりました。Inter-App Audioを使うと、アプリケーションが音声ストリームを登録し、他のアプリケーションと共有できるようになります。たとえば、複数のアプリからインストゥルメントトラックの音声ストリームを出力させ、それを別のアプリケーションで組み合わせて作曲する、などが可能になります。Inter-App Audioにはまた、オーディオ処理のMIDIコントロール、登録したInter-App Audioアプリケーションのリモート起動などの機能も用意されています。

DTMにかなり近づいたシステム

 これまでMIDIとオーディオを音楽アプリ間で同期させてきたAudiobusでは、アプリ数の制限やセッティングの保存ができないなど色々とやり繰りが必要でした。
 Inter-App Audioでは、ホストとなるシーケンサーアプリが16トラックであれば、その分の対応したアプリを制御することが可能で、セッティングもアプリのプロジェクト保存で一括管理できるようになっています。また、制作した曲データはホストアプリ内のトラックダウン機能でそのままオーディオ化できるなど、PCでのDTM環境にかなり近い音楽制作ができるようになっています。

Audiobus

Inter-App Audio対応ホストアプリ

 まだiOS 7がリリースされたばかりですが、いくつかのアプリが早速この機能に対応しています。まずホストでは、ヤマハの8トラック仕様のシーケンサーアプリ『Mobile Music Sequencer』と、16トラック仕様のTENORI-ONのアプリ版『TNR-i』、16トラックオーディオレコーダー『Looptical』など、次にクライアントでは、ヤマハの16トラック仕様のグルーヴシーケンサー『Synth Arp&Drum Pad』、2基のアナログシンセを搭載したYonac『Magellan』、Camel audioの4パート仕様の無料シンセアプリ『Alchemy Mobile』、Waldorfのウェーブテーブルシンセ『NAVE』、IK Multimediaのマルチエフェクト『AmpliTube』などがあります。

Mobile Music Sequencerで外部アプリをセッティング

 それでは、上記のアプリをいくつか使用して、セットアップ方法やMIDI機能などを検証してみましょう。
 ホストアプリに8トラック仕様のMobile Music Sequencerを使用します。まず、外部アプリを各トラックにアサインする際は、パートアサインメニュー「VOICE SELECT」内の「INST APP」より行ないます。ここでは従来のDAWのプラグインリストのように端末にインストールされている対応アプリが一覧できるようになっていて、他のホスト系アプリ(TNR-i、Looptical)も同様です。各トラックにアサインしたアプリを開く場合はトラックアイコン内のメニュー「Switch to Inst App」をタップすると起動できます。後は各トラックと外部アプリのMIDIチャンネルと合わせていきます。下図はInter-App Audio対応アプリのアサインメニュー。

Mobile Music Sequencerの場合

TNR-iの場合


 制御されている外部アプリには、Audiobusと似た専用コントロールパネルが表示され、ここからホストアプリの再生や巻き戻し、録音、ホスト画面への移動が行なえるようになっています。

iOS 7で新しくなったバックグラウンド表示

 Alchemy Mobileのようにパネル表示が無い場合は、バックグラウンド表示から選択してホストに戻ります。

MIDIトラックの構成例&Audiobusとの連携

 Mobile Music Sequencerは全部で8トラックあるので、最大8つまでの外部アプリを同時に使用できます。ほかにも、16パートの内蔵音源を搭載したSynth Arp&Drum Padを利用する場合は、各トラックにアプリを1つずつアサインして、MIDIチャンネルを設定するとマルチパートでの打ち込みが可能となります。応用としては、2パート機能のMagellanや4パートのAlchemy Mobileと組み合わせたり、Mobile Music Sequencerの内蔵音源との併用も可能なのでこれだけの音源でも十分なパート作りが行なえます。

各トラックに外部アプリをアサイン

 iOSならではの機能ですが、例えば、Mobile Music SequencerのトラックにあるSynth Arp&Drum Padの内部アルペジエーター機能を使って、別トラックのアプリをコントロールする(MIDIクロック同期可)といった、通常のDAWではできない特殊なセッティングをInter-App Audioで管理できるのは便利です。これは各アプリに別のアプリをMIDIコントロールできる機能があるためで、応用すると色々とおもしろいことができそうです。

Synth Arp&Drum PadとMagellanから別アプリをコントロール

MIDI設定

Inter-App Audio対応アプリ⇔エフェクトの使用も可⇔DAWアプリ

 また、Audiobusを使えば、Inter-App Audio対応アプリと非対応アプリを同時に使用することができます。Mobile Music Sequencerはオーディオトラックを搭載していないので、ボーカルトラックを入れたい場合は、AudiobusのアウトプットにCubasisやFL StudioといったDAWアプリをアサインしてレコーディングするスタイルとなります。この際はレコーディング用アプリには歌だけ入れてMIDIクロックで同期させることも可能です。

 Mobile Music Sequencerは、管理しているアプリを含めたオーディオのミックスダウンが行なえるので、このデータをレコーディングアプリにインポートしても良いでしょう。

端末の進化を暗示するかのような新機能

 CubasisのようなDAWアプリが、この機能に対応するといよいよすごいことになりますが、たくさんのアプリを起動させてMIDI機能をフルに使うには、やはりパワーのある端末が必須となります。まだまだ色々な可能性を秘めているシステムなので進展がありましたらまた紹介するつもりでおります。

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