PeterVogelCMIPro

【DTMアプリ】フェアライトを堪能できるレトロなサンプラー『Peter Vogel CMI Pro』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

by [2013年7月28日]

 Peter Vogel CMI Proは、1980年に登場した世界初のサンプラーシステム『Fairlight CMI』を、開発したPeter Vogel氏が自ら再現したアプリです。このPRO版では、FairlightⅡxのサウンドライブラリ564音色に加え、Fairlight Ⅲの100音色が追加されているほか、内蔵シーケンサー『Page R』や、MIDI、オーディオファイルのインポートといった機能が利用できます。

有名な音色ライブラリが楽しめる!

 フェアライトと言えば、様々な楽器や効果音などをサンプリングした音色ライブラリが有名で、1980年の発売以降、多くのアーティストが楽曲で使用していました。今回このアプリのおかげで、初めてFairlight Ⅱx/Ⅲのライブラリを聴く事ができました。
 特に有名なところでは…

  • The Art of Noiseが使用したヒューマンボイス「HUMANS1/SARARR」
  • Yes「ロンリーハート」のオーケストラヒット「BRASSⅠ/TERVHORN」、ギター「GUITARS 1/FUZZGTR4」
  • Kate Bush「ザ・ドリーミング」のオケヒット「ORCH/ORCH2」
  • 坂本龍一「音楽図鑑/TIBETAN DANCE」のクラップ「PERCUSN 1/CLAP4」、「PARADISE LOST」イントロのハープ音「EFFECTS3/HARPARP」、「未来派野郎/G.T.」のカークラッシュ音「EFFECTS 2/CARSMASH」
  • Kraftwerk「エレクトリック・カフェ/テレフォン・コール」の3種類の電話音「EFFECTS 3/DIAL1、2、4」

…など、ザッと聴いただけでもアッと思う懐かしい音色が詰まっています。

音色メニュー&波形エディット機能

 CMI Proのデータ管理メニュー「P2:Disk」は、一番左がソングファイル、中央が8トラック構成のパッチメニューとあり、一番右の「All voices」でプリセットサウンドを聴くことができます。All voices内の左メニューは楽器カテゴリー、右メニューはカテゴリー内の複数の音色が表示され、選択するとディスクを読み込む音と共にエディット画面に移動します。各音色はプレビュー再生も可能です。

エディット画面では、レトロな波形やサンプル数などが表示されているほか、ループ再生のオン/オフ、スタート/エンド設定、トリム設定(サイズ)、トランスポーズ設定などの加工が行なえます。

「Page D」は、実機ではグラフィック内をタッチペンを使って合成させる機能のようですが、CMI Proには無く、代わりに加速度センサーで波形表示を変化させて楽しむことができます。

8トラック・シーケンサー「Page R」

 フェアライトは、当時珍しかったコンピュータと専用モニター&キーボード、タッチペン、演奏用鍵盤といったDTMの先駆けのようなシステムで、サンプリングした音を8トラック仕様の「Page R」というシーケンサーでプログラムすることできました。
 このPage Rの各トラックはモニフォニック仕様で、8パート分の音色を自由にアサインでき、複数のパターンを組み合わせてソングを作るパターンシーケンサーなっています。

 日本語のペルプが無いので操作方法を簡単に説明しますと、まず「P2:Disk」内「Instrument」で新しいパッチを作成し、「P3:Instrument」で8パートの構成を作ります。

各パートの音色アサインは「Voice」の各トラック番号を押して「Select voice」で行ないます。

左上の「EDIT」をタップすると、各パートごとに、オクターブ/ピッチ/ファイン/ボリューム/パン/アタック/リリースが設定できます。


 シーケンサーへの打ち込みは、「Page R」のトラック画面内の各グリッドをタップしてトラック指定し、レコーディングボタンを「RECORDING」にします。その後音符を切り替えながら演奏すると入力が行なえます。休符は「STPDLT」、音符の削除は「DELETE」、「INSERT」はボタン入力、「CLEAR」は選択トラック又は全トラックの削除となっていて、トラックを切り替えながら入力も行なえます。

 お気付きのように、トラック画面はリズムのみが表示されていますが、左のトラックリスト部分をタップして、トラック内の各音符を選択すると、音階/ベロシティ/ゲートタイムを確認&変更することができます。入力方法はリアルタイムレコーディングにも対応しています。


 パターン&ソング作成は、「Step 1 Ptn 1」部分を押してメニューに入ります。左画面「+」はパターンの追加、中央画面「Step ptn reps」はソングを組み立てる部分で、「+」ボタンでステップという構成を追加し、各ステップにパターン番号や繰り返し小節などが設定できます。制作時はパターンのループ、送り/戻し機能もあるので、一般的なパターンシーケンサーのように扱えます。

サンプリング&素材インポート機能

サンプリング画面

 サンプリング機能は、トップ画面の「Page S:Sampler」メニューに入り、「Sample」ボタンで内蔵マイクやAudiobus経由でのサンプリングが行なえます。

外部素材のインポート画面

 外部素材のインポートは、「P2 Disk」に入り、「All voices」を選択し「Import audio file」内で行ないます。ルートキーなどの設定後にインポートを実行すると波形EDITメニューにいくので、ループ/トリム設定を行ない、ネームを付けて保存するとプリセットサウンドとして使えるようになります。
 ちなみに実機のⅡxように12bit/16kHzといった制限は無いのですが、あえてシミュレートする機能があっても良かったのではないでしょうか。

Audiobusではポリフォニックでの打ち込みが可能

 8トラックパートは、デフォルトでMIDI1~8chとなっており、Audiobus内部からDAW系アプリでコントロールすることで、各パートをポリフォニックで打ち込めるようになります。CMI Proの発音数は最大64音なので、音色ライブラリを効果的に使用できます。ちなみに各トラックのMIDI設定は「P3:Instrument」内「EDIT」のMIDI設定で変更が可能です。

Audiobus使用例

バックグラウンド機能、MIDI、ポリ数設定など

“レトロ”にグッとくるアナタへ

 坂本龍一氏が、80年代のラジオ番組で「フェアライトのPage Rが…」という話をしていて、ずっと気になっていましたが、このアプリでやっと仕組みが分かり満足です。
 レトロなサンプラーなので機能的には物足りないのですが、有名なライブラリが使えるのは魅力的です。

Peter Vogel CMI(850円)とPRO(4,300円)の比較

 ここまで、Peter Vogel CMI PROについてご紹介してきましたが、本アプリには通常版ともいえる『Peter Vogel CMI』がラインナップされています。最後に両者の違いについてご説明しておきます。
 通常版では、Fairlight CMIⅢの100音色が非搭載、シーケンサー「PageR」ではデモ曲再生のみ、レコーディングとこれに関する機能(8パート構成のインストゥルメントパッチの作成など)が使えません。サンプリング機能、オーディオファイルのインポート機能などもありません。
 ただし、通常版はPROへのアップグレードが可能となっています。両者の値段が大きく異なるので、ひとまず、通常版で有名なFairlightⅡxの全サウンドライブラリ564音色をシングルパートのサンプルプレイヤーとして楽しんでから、アップグレードを検討するのもオススメです。

【価格】

  • Peter Vogel CMI:850円
  • Peter Vogel CMI PRO:4.300円
  • ★PRO版へのアップグレード:3,450円
  • 【通常版に搭載されていない機能】

  • Fairlight CMIⅢの100音色
  • PageRでのソング作成、データ保存
  • インストゥルメント・キットの作成/保存
  • ソング、ボイスデータのメール転送
  • サンプリング機能(マイク&ライン)
  • インポート&エクスポート機能(AudioPaste/VC/VCXファイル)
  • Peter Vogel CMI

    アプリ基本情報

    PeterVogelCMIPro

    Peter Vogel CMI Pro

    配信元:Peter Vogel Instruments Pty Ltd

    iOS価格:4,300円

    • バージョン iOS:1.5.3

    • 備考

      条件:iPhone、iPod touchおよびiPad互換iOS 5.0以降が必要iPhone 5用に最適化済み

    ※記事内の情報はすべてレビュー時(2013年07月28日)の情報です。

    コメントは受け付けていません。

    PageTopへ