WaveMapper

【DTMアプリ】ウェーブテーブル合成の元祖によるシンセ『PPG Wave Mapper』

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by [2013年7月24日]

 ウェーブテーブルシンセ※の元祖『PPG WAVE2.2/2.3』は、Wolfgang Palm氏が開発した80年代のデジタルシンセで、当時のタンジェリン・ドリームやトーマス・ドルビー、デペッシュ・モードといったアーティストが使用していましたが、今年アプリとしてリリースされた『PPG Wave Mapper』ではPPG WAVEの機能を進化させ、より実験的なサウンドを作れる内容となっています。
※サンプリングされた音を元にして、音色を合成するシンセサイザー。ハード、ソフトを問わず、多くのシンセサイザーに採用されている。

複数の音色パッチや内部パラメータを
自由にミックスできるWaveMapping


 WaveMappingでは、32個の各マップに好きな音色パッチを読み込ませ、8個のパラメータアイコンをスワイプ操作でマップに配置していくだけで様々なサウンドが作れる仕組みです。演奏中にこれらのアイコンを移動させることで、モーフィング効果も作ることができます。


 マップ内に用意できる音色パッチは、シンセ/インストゥルメンツ/モジュレートといった基本的なものや、10個の楽器カテゴリーのパッチを使用でき、パラメータアイコンには3基のオシレーターやLFO、フィルター、モジュレーション、ゲインなどのパラメータがあります。
 各マップ上の音色パッチのパラメータを制御しているのが、8個のアイコンで、例えば、ギター/フルート/シンセといった3種類の波形を使用したい場合は、オシレーターアイコンを各音色マップへ振り分けると、3波形の音がミックスして鳴ります。この他のパラメータでは、フィルターはパッド音色内の設定、LFOはパーカッション音色内の設定といった感じで、色々なパッチ音色内の設定を自由に組み合わせて1つの音色を作ることができ、さらにここから細かい設定を行なう場合はパラメータメニューで音を作り込んでいけます。
 PPG WAVEは、音色作りがとても難しいのですが、この機能は簡単にPPGらしいサウンドが作れるので、実験的なサウンドが欲しい場合はとても便利です。

幅広いサンプル波形が扱える新合成機能「TCS」

 Wave Mapperでは、これまでのWave Table機能(以下WT)に加えて、TCS(Time Corrected Sample)という新しい合成機能を搭載しています。このTCS機能ではWT機能では扱えなかった波形をフォローする機能で、サンプラーのように幅広く波形を扱うことができます。この機能があるということは、ユーザー波形の取り込みも可能で、ANALYSE画面から内部シーケンサーで録音した素材や、別のアプリでAudioCopyした素材をAudioPaste機能を使って取り込むことができます。


 この両者の使い分けですが、WT(左)の場合は処理上で扱える波形に制限があり、例えばシンプルなシンセやオルガン波形、ピアノ、マリンバといった高調波が強い波形に適しており、サンプル時間は最大256(0.256秒)と短いです。ちなみに適用できない波形は全てボコーダーのようになりますが、これはこれで使用するとおもしろいです。一方TCS(右)ではサンプラーと同様に波形の制限は無く、サンプル時間も最大2,496(2.496秒)と長めです。プリセット波形のように3オシレーターSAW波形やハモンド、生楽器などをリアルに再現してくれます。2.5秒までならドラムやシンセ、ボイスなどのループ素材も扱えるのでこちらもおもしろい使い方ができます。

内部パラメータ


 内部パラメータは、オシレーター/フィルター/アンプ&ディレイ/パフォーマンスの4セクションで構成されています。
 中央のディスプレイは波形表示とエンベロープ機能の切り替えとなっている他、WAVEセクションでは波形のスタートポイントやモジュレーションへのアマウント、PITCHセクションでは2つのモジュレーション、グライドなどの設定が行なえます。


 オシレーター部では3つのオシレーターが扱え、内部プリセットの120種類のWT&TCS波形を使用できます。

 フィルター部では3つのオシレーターとノイズ(3種類をMIX可)のミキサー、フィルターエンベローブ、カットオフ&レゾナンス、モジュレーション、ドライブ、リングモジュレーターといった構成です。

 アンプ&ディレイ部はボリューム・エンベローブ画面と2つのオーディオソースとパンニング&ゲートモジュレーション用ミキサー、ディレイエフェクトなどがあります。ミキサー部の2つのオーディオではオシレーター&ノイズのダイレクトMIX、フィルター経由といった信号設定ができます。

 最後のパフォーマンス部はピッチエンベロープや3基のLFO、アルペジエーター、キーボード設定などがあり、音色を保存する際のカテゴリーアイコンもここで設定します。アルペジエーター機能は通常のコード演奏タイプでは無く、単音で3音までを登録したものを4種類の再生タイプとレンジ(16)、スピードを使って作成する少々変わったタイプとなっています。

仕組みを理解して、よりカッコいい音を

 スピーカーで聴くと出音がとても太くて素晴らしいので、PCでの制作と連動して使えます。Wave Mapperは誰でも簡単に前衛的なサウンドが作れるツールですが、仕組みをある程度理解した方が、よりカッコイイ音が作れます。特にエクスペリメンタル系テクノ&ロックやサウンドトラック制作には重宝するでしょう。

WaveMapper

アプリ基本情報

WaveMapper

WaveMapper

配信元:Wolfgang Palm

iOS価格:1,700円

  • バージョン iOS:1.0.3

  • 備考

    条件:iPad互換iOS 5.1以降が必要

※記事内の情報はすべてレビュー時(2013年07月24日)の情報です。

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