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フレーズアルペジエーターが楽しいグルーヴマシンアプリ『Synth Arp & Drum Pad』

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by [2013年3月31日]

 楽器メーカーのヤマハからリリースされている『Synth Arp & Drum Pad』は、ロック/ジャズ/ファンク/クラブ全般などのパートフレーズを収めたアルペジエーター機能を使ってトラックメイクできるミュージックマシンアプリです。
 一見、よくある自動演奏マシン系? と思われるかもしれないですが、これらのフレーズは、そのままはもちろん、パフォーマンスプレイをしながら自分のサウンドに作り変えていくユニークな機能を持っています。16トラックのパターンシーケンサーがメインということで、“進化したグルーヴマシン”といった感じです。

アルペジエーター:アルペジオ(=分散和音の一種)を自動で演奏する機能。演奏方法を設定できるものが多い。鍵盤を押さえるだけでそれらしいサウンドになるので、初心者も気軽に演奏を楽しめる。

EDIT可能なシンセサイザー音源を搭載

 シンセサイザー音源は、13ドラムキット&パート音色100種類を搭載しています。EDITメニューには「カットオフ/レゾナンス/エンベロープ/ポルタメント」などのパラメータの他、モノ/ポリモード、エフェクトセンドなど十分な仕様となっています(図1)。

パラメータの様子。

 エフェクトは「バリエーションエフェクト(リバーブ、ディレイ、ディストーション、オートワウなど25種)/コーラス(4種)/リバーブ(9種)」があり、パート別にセンドレベルを記憶できます。

エフェクト設定画面。

 内蔵音色は「シンセ/ピアノ/クロマティックパーカッション/オルガン/ギター/ベース/ストリングス/ブラス/リード/ドラム」とカテゴライズされています。特徴としてシンセやドラムにクラブ系音色が多く、他は一般的なGS系音色となっています。

アレンジ機能搭載の「フレーズアルペジエーター」

 “アルペジエーター機能”は、シンセサイザー画面にある右タブの「ARP」メニューを表示させて使用します。メニュー内は13種類のフレーズカテゴリーがあり、現在選択している音色に合ったフレーズなどを選択します。演奏時は、メニュー左の「APP」モードをONにして鍵盤を押すとフレーズが自動演奏されます。
 また、メニュー内の「VoiceLink」モードをONにするとフレーズリストを選択しただけで、そのフレーズに合った音色に切り替わってくれます。通常はこの機能で十分楽しめます。

まずは音色を切り替えて音を出してみよう。

 “アレンジ機能”は、シンセメインパネルにあります。ここではアルペジエーターの演奏方向を指定できる「VARIATION」や、フレーズの長さを変更できる「BEAT STRETCH」、スウィングでノリを変更できる「SWING VALUE」などを使ってフレーズのアレンジが行なえます。
 右タブにある“スケール機能”は、アルペジエーターのスケールを変更できる機能で、選択したスケール内容に並び替えられた専用キーボード画面を使用できます。

パフォーマンスプレイ専用の2つのリボンコントローラーも備える。横向きのものでは演奏中のゲートタイムとスウィングを変更可能。左にある縦向きのものにはベロシティ/ピッチ/2つのアサインとあり、アサイン部分には好きなシンセパラメータを選べる。

スケールは14種類あり、ジャンルにあったスケールを選ぶことで誰でも簡単に演奏ができる。

 メニュー左にあるスケールモードのみ有効なコントローラー機能は、鍵盤を上下左右にスワイプさせることでシンセ内のパラメータを変化させることができます。これは画期的な機能ですね。

フレーズ機能を搭載したドラムパッド

 ドラムパッド機能は、通常のドラムパッドとして使える他、各パッドには16ステップのパターンシーケンサーを内蔵しているので、ループフレーズを作ることが可能です。

プリセットに慣れたら、ループフレーズを作ってみよう。

 ステップシーケンサー内は、6つの音符サイズが選べ、ベロシティを兼ねたステップ入力となっています。

基本は、1小節分のパターンのみが作成可能だが、本体の基本パターン設定を4小節にしてある場合は、2小節目だけを再生といったことも可能。

 このモードで作ったパートを組み合わせてプレイすることで、1つのドラムパートを作ったり、フィルやパターン変更といった事が可能になります。
 この他“パッドアサイン機能”では、1つのパッド内に同時に5つまでのドラムキット音をMIXできます。

パッドを左/右に分割した音色アサインもできるので、最大で32パッドの演奏が可能。

 パッドモードでは、通常のパート音源もアサイン可能なのでドラムループ、ワンショット、シンセベースアルペジオとMIXした設定も行なえます。プログラム可能なロール機能もドラムのみならず通常パートに使用できておもしろいと思います。

トラックメイクの流れ

 基本は、16トラック/16パートのパターンシーケンサーを使って、各トラックにリアルタイムで録音していくスタイルとなっています。

各トラックへ自由にレコーディング。

 各トラック制作の流れを説明しますと、デフォルトでは、4小節パターン(1~32小節までの設定が可能)が基本となっているので、使用したいパートと音源を選択し、録音ボタンを押してリアルタイムで演奏入力していきます。録音ボタンを押すとガイドのカウントが入り、指定した小節の録音が終わると、自動で録音モードを解除して再生を続けます。後は他のパートを追加していくだけです。
 リアルタイム録音中に、各音源のコントローラーや、パラメータなどを変化させるとそれも記録されます。ちなみにアルペジエーター機能を使わない場合は、通常演奏が可能なので使い分けると良いでしょう。
 ソングの概念ですが、このアプリは各トラックに1パターンしか持っていないので、曲を展開させるには録音のアンドゥ/リドゥを使って再録音したり、ドラムパッドにフレーズを組み立てておいて切り替えたりといったアイデアが必要です。詳しくはサイトのPVを見ると分かりやすいです。

総評

 パターンをその場で作り、変化させていくサウンド・オン・サウンド的なスタイルでとても楽しめます。曲らしく展開させるにはアイデア&テクニックがいりますが、自分のやり方を発見して楽しめそうな要素がたくさん詰まっています。
 5つまでのソングセーブ、ミックスダウン機能、AudioCopy機能、SoundCloudへのアップ、外部コントローラー機能など、作ったあとの活用方法も充実しています。
 初心者&上級者共に楽しめるアプリなのでぜひ体験してみてください!

Synth Arp & Drum Pad公式サイト

アプリ基本情報

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Synth Arp & Drum Pad

配信元:Yamaha Corporation

iOS価格:800円

  • バージョン iOS:1.1.0

  • 備考

    条件: iPad 互換 iOS 5.0 以降が必要

※記事内の情報はすべてレビュー時(2013年03月31日)の情報です。

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