HUAWEI P8maxこのクラスの機種としてはかなり薄く造られているが、SIMカードスロットはご覧のとおり側面に収まっている。

より高性能に、より実用的に~ファーウェイ、HUAWEI P8シリーズを発表~後編

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by [2015年4月28日]

中国のファーウェイ(HUAWEI:華為技術有限公司)が発表したHUAWEI P8シリーズについて、前編では2モデルの違いを見てきました。後編では、個々の機能をチェックし、実用面での総括をしてみたいと思います。

RGBWの4つの色要素を記録するようになったカメラ

P8のメインカメラ周辺この機種最大の特徴の一つが、RGBではなくRGBWを記録するようになったカメラの撮像素子構成である。

P8のメインカメラ周辺
この機種最大の特徴の一つが、RGBではなくRGBWを記録するようになったカメラの撮像素子構成である。

「P8」で特に注目される要素の一つが、1画素あたりRGB、つまり赤・緑・青の光の三原色で記録されるのが一般的なカメラのセンサー部分を1画素あたりRGBWとして白の色情報を追加記録するようにした13メガピクセル級光学手ぶれ補正機能付きカメラモジュールを搭載したことです。

大昔の映画撮影・上映で用いられていた「テクニカラー」という撮影方式では、分光プリズムを用いてRGBに加えて墨版、つまりモノクロ相当の4つの色情報ごとに別々に白黒フィルムに記録することで、通常のネガあるいはポジフィルムでは得られないような独特の深みのある色が出ていたのですが、今回のRGBW記録でも、方式は異なりますがこれに近い色再現が期待出来るわけです。

ちなみにこのRGBWによる色表現は最近では液晶ディスプレイに導入するケースも増えてきており、画素密度的には1画素あたりの色情報を扱う副画素の数が約33%増となるため製造のハードルがそれなりに高く、また当然ながら「現像」の際にも処理の負担が最低でも33%増えるため、イメージ処理を行う回路の性能向上が必要にもなります。

また、加えて言えばこれだけ色情報が増えてくるとレンズの光学設計やコーティング技術に要求されるレベルも格段に高くなります。さらにこの「P8」では仕様でレンズについて開放絞り値F2.0を謳っています。

そもそも普通の13メガピクセル級スマートフォン向けカメラモジュールですら作れるメーカーが限られていたことや、またファーウェイが前作である「Ascend Mate 7」でソニー製で開放絞り値F2.0のレンズを搭載する13メガピクセル級スマートフォン向けカメラモジュールを搭載していたことから、今回の「P8」でもソニー製のモジュールを搭載している可能性が高いと言えるでしょう。ちなみにソニーは2年前の「Xperia Z」でRGBW構成のセンサーを搭載する13メガピクセル級カメラモジュールを既に採用していました。

なお、筐体サイズの大きな「P8max」にも13メガピクセル級の光学手ぶれ補正機能付きカメラモジュールがメインカメラとして搭載されていますが、こちらは特にRGBWセンサー搭載を謳っていません。

まぁ、さすがに6.8インチサイズのファブレットというかほとんどタブレット同然の機種をカメラ代わりに使おうという人はそれほど多くないという判断なのでしょう。

一方、サブカメラ(フロントカメラ)の画素数は「P8」が8メガピクセル、「P8max」は5メガピクセルで、「P8」では少し前の機種のメインカメラ並み、「P8max」は前作「Ascend Mate 7」と同じ画素数となっています。

「P8」では昨今の自画撮り大流行を受けて画素数を増やし画質を向上させているということで、時宜を得た機能強化です。

ちなみにこれら2機種のカメラ機能には、「Light Painting」と称する光の軌跡を記録する画像処理機能が搭載されていて、派手なエフェクト処理ができてしまったりします。

Bluetooth 4.1はサポートしないがIEEE 802.11 acはサポートするP8max

「Ascend Mate 7」の記事で、同機種が最新ハイエンド機なのにIEEE 802.11 acをサポートしないことをご紹介しましたが、やはりというか、今回の「P8」でも最新のIEEE 802.11acはサポートされず、そればかりかIEEE 802.11 a/n、つまり5GHz系のWi-Fi接続そのものがサポートされていません。

一方「P8max」については大画面のファブレット機ということもあってか5GHz系のWi-Fi接続がサポートされており、こちらはIEEE 802.11 acでの接続も利用可能です。

屋内利用の多そうな大画面のファブレット機には5GHz系Wi-Fi接続をサポートする一方でBluetoothについては4.0対応に留め、屋外利用の多そうな小画面(ただし、これも十分大型ですが)のスマートフォンでは5GHz系Wi-Fi接続を非サポートとする代わりにBluetooth 4.1+BLE対応とするあたり、ファーウェイがどのようなニーズや利用方法を期待しているのかが透けて見えて興味深い(少なくともスマートフォンは5GHz系のWi-Fi接続が利用しにくい屋外での利用が多いと想定しているものと考えられます)のですが、個人的にはどちらも「全部入り」にして欲しかった気がします。

このあたりはいわゆるベースバンドプロセッサ次第で、ファーウェイ/Hisiliconが一体どのような形でベースバンドプロセッサを提供・搭載しているのか明らかでないため断言出来ないのですが「Ascend Mate 7」に搭載のKirin 925との仕様差を考え合わせると、これらの機種に搭載される統合プロセッサの世代差が反映されている可能性もあります。

デュアルSIMでデュアルLTE

P8maxこのクラスの機種としてはかなり薄く造られているが、SIMカードスロットはご覧のとおり側面に収まっている。

P8max
このクラスの機種としてはかなり薄く造られているが、2基のSIMカードスロットはご覧のとおり側面に収まっている。

「P8」と「P8max」のもう一つの大きな特徴、それはデュアルnanoSIMスロットを備え、しかも両方でLTE対応のSIMカードが利用できる構成となっていることです。

ちなみに公式サイトでは「P8max」にはmicroSDメモリカードを搭載可能であることが示されているのですが「P8」についてはmicroSDメモリカードの搭載可否について一切掲載がありません。

にもかかわらず、公開されている同機種のクイックスタートガイドでは一方のSIMカードスロットにmicroSDメモリカードを挿すイメージ図が掲載されており、単に記載を忘れたのか、それともバリエーションモデルが用意されていてモデルによって異なるので書けないのか、正直一体どうなっているのかよくわかりません。

一方、現時点で「P8max」のクイックスタートガイドは公開されていませんが、少なくとも公開されている写真で確認出来る範囲では2つのSIMカードスロット以外にカードスロットらしき形跡が見あたらないことから、「P8」のクイックスタートガイドの図にあるように一方のSIMカードスロットにSDメモリカードを挿して利用する構造であると考えて良さそうです。

言い換えれば、同じカードスロットを利用するのであれば「P8」も同様の構造となっていてmicroSDメモリカードを利用出来る可能性があるということです。

さすがに、JVM(Javaバーチャルマシン)がこれまでの逐次処理を行うDalvikから、動作時にネイティブコードを生成、保存することで2回目の動作から省電力・高速処理を実現するARTに切り替わったAndroid 5.0でストレージ容量16GBというのは(生成されるネイティブコードを保存せねば十分なパフォーマンスが得られないことも考えると)最下限に近い容量です。そのため、ストレージ容量が16GBのモデルで別途メモリカードを利用できないというのはかなり厳しい状況だと言えます。

どこかで見たような…

P8の背面確かに細部を見ると似て非なるデザインではあるのだが、意匠全体としてはやはりiPhone 6の影響が色濃く残る。

P8の背面
確かに細部を見ると似て非なるデザインではあるのだが、意匠全体としてはやはりiPhone 6の影響が色濃く残る。

今回の「P8」「P8max」では共にアルミ合金を主体とし一部にマグネシウム合金を使用する、金属製で角に丸みを帯びた、どこかで見たような意匠の筐体が採用されています。

身も蓋もないことを言ってしまえば、「iPhone 6フォロワー」という事になってしまうのですが「P8」で6.4mm、「P8max」でも6.8mmとかなりがんばって薄型化していて、さらに「P8」では5.2インチディスプレイ(ジャパン・ディスプレイ製のIPS-NEO液晶パネル)搭載ながら4.7インチディスプレイ搭載のiPhone 6よりも約5mm広く約7mm背が高いだけの筐体に収めています。

また、他にも細部の処理で色々工夫が凝らされており、独自色を出すためにかなり苦労しているのが見て取れます。

独自色を出すのに苦労する、というのはつまるところ未だファーウェイのデザイン力が業界をリードするほどの水準に達していないことを物語るものではあるのですが、前作「Ascend Mate 7」のデザインと比較すると進歩が認められ、確実にデザイン力が向上してきています。

ところで、iPhone 6/6 Plusは同様に金属製かつ薄型化した結果「簡単に折れ曲がる」と話題になってしまった訳ですが、こちらの機種にはそういった危惧はないのでしょうか?

絶対的な性能は十分ではないが実用性は高い

以上「P8」と「P8max」を見てきました。

以前ご紹介した「Ascend Mate 7」と比較しても、各所の造りが良くなってきており、他でまだ採用例のない新型カメラモジュールが搭載されるなど、独自色も打ち出されるようになってきています。

強いて言えば、GPUが現行よりも一世代古い機種であることが気になりますが、これだけ薄型で熱的にシビアであることを考慮すると、これ以上のプロセッサ性能を求めるのは酷かもしれません。

ただ、ミドルレンジの上の方、としてみると特に「P8max」は総じてバランスが良く、バッテリーも大容量で2日は普通に使えそうなレベルであるため扱いやすいのではないかと思います。

もっとも、同機の平面サイズは約18×9cmですから、さすがにこれが収まる胸ポケットは少数派ということになりそうです。

現状で日本発売は明言されていませんが、前世代の「Ascend P7」は日本で発売されているため、これら2機種も日本発売される可能性が十分あります。

果たして、そうなったとしてデュアルSIMカードスロットで2枚のLTE対応SIMカード2枚挿しができるのかどうかはわかりませんが、昨今のMVNO事業者の隆盛ぶりをみると、その可能性はありそうです。

そうなったとき、特に「P8max」の購入をご検討の方には、特にそのサイズに注意していただきたく思います。

▼参考リンク
Huawei Launches the P8; A Revolutionary Light Painting Smartphone that Breaks New Ground in Fashionology by Combining the Best of Fashion and Technology – Huawei Official Site
Huawei Maxes Creativity with the Global Launch of the Huawei P8max Smartphone – Huawei Official Site
Huawei P8
Huawei P8max

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