実録!スマホマネタイズ 1年半に及ぶ試行錯誤【第1回】

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by [2012年7月19日]

APPREVIEWの運営会社である寺島情報企画では、2010年12月にスマートフォンアプリ開発に力を入れるプロジェクトが立ち上がって以来、数多くのアプリをリリースしてきました。特に、iPhoneとアンドロイドという2大市場のあるなかでも、アンドロイドのアプリに注力して開発しています。
Terajima Joho Kikaku 作成のアプリ – Google Play
※2013年5月13日時点 アンドロイドアプリ:約76、iPhoneアプリ:6

おそらくアプリデベロッパーにとって、マネタイズは最大にして最後の課題かもしれません。
今回からの連載記事として、1年半に渡り試行錯誤のうえ蓄積したスマートフォンアプリにおけるマネタイズについて、開発担当者の視点で知りえたノウハウと本音を公開していきます。ご期待ください!

スマートフォンにおけるマネタイズ手法とは

さて、突然ですがスマートフォンでアプリを開発してお金を稼ぐにはどうすればいいのでしょうか?

フィーチャーフォン時代であれば、キャリア公式サイトでの月額課金の仕組みで安定的な収益が見込めました。
スマートフォンでお金を稼ぐ方法としては有料アプリ販売、広告収益、アプリ内課金などの選択肢があり、どれが正解なのか成功事例が少ない状況で、試行錯誤の連続となりました。

広告収益モデル選択

寺島情報企画の子会社であるテクノードが当時、iPhoneを中心にヒットアプリを連発していて、広告での収益化に成功していたノウハウを参考に、広告での収益化も検討してみようということになります。

広告収益を得るためにはアドネットワーク(アプリに広告を配信してくれる広告代理店)と契約して、提供される広告SDK(広告を表示するためのプログラム)をアプリに実装する必要があります。

広告切替えツールadwhirlとは?

しかし、アドネットワークごとに広告SDKが提供されているので、各社の広告効果を比較するということが難しい状況でしたが、アメリカではすでに複数のアドネットワークのSDKを一つのアプリにまとめて実装して、広告を切り替える仕組みadwhirl(アドワール)が登場していました。

テクノードで導入済みということもあったので、さっそくこれを試してみることになります。

まずは、adwhirlが提供しているASP版(無料)を調査した所、どうやらアメリカにサーバーがあり、アプリ内で広告を表示しようとすると、広告表示するまでに時間がかかってしまう問題点があること。
さらに、年末商戦で広告収益が最も見込める時期に、adwhirlのサーバーがダウンしてしまい、かなりの広告収益の損失となってしまったというテクノードの経験から、広告切替えの仕組みを自ら開発する検討に入りました。

adwhirlのカスタマイズに挑戦


adwhirlはオープンソース(Apache License2.0)なので、自前で環境を用意してインストールして試してみようと調べを進めていくと、Amazon Web Services(※以下AWSと略す)に依存したシステム(EC2、S3、simpleDB)ということがわかりました。

実験的にAWSで動かすのはいいのですが、従量課金という特性上、アプリがヒットしてトラフィックが増大すると、それだけAWSに支払う金額も増えてしまいます。広告で稼ぐお金でAWSの運用費を賄い、さらに利益がだせるとは思えませんでした。

アプリ内で広告の切替えが発生する度にサーバーにログとして記録しに来るので、ヒットしたアプリであればあるほど、サーバーにものすごいアクセスと負荷が発生します。

自前のクラウド環境

寺島情報企画では、データセンターにR&D(Research and Development=研究開発)として、ラック3台を使ってプライベート・クラウド環境を構築していました。adwhirlをこのプライベートクラウドで動作するようにカスタマイズすることになります。

広告インプレッションなど、ログ系の大量データのやりとりが必要となるので、simpleDBから他のデータベースを検討する際に、ソーシャルアプリ開発で導入実績のあったmongoDBを選択しました。

simpleDBの部分を全てmongoDBに書き換えて、
・ロードバランサ 1台
・ウェブサーバ 4台
・DB 6台
の構成にて開発すること2.5ヶ月。自前の環境で動かせることに成功。
さらに日本のアドネットワーク設定がデフォルトで使えるよう、カスタマイズも行いました。

※adwhirlは主に英語圏のサービスなので、デフォルト設定では日本のアドネットワーク広告を表示することができません。Custom Eventという機能が用意されているので、追加でアドネットワークごとに設定する必要がありました。adwhirlのソースコードに機能追加していく過程で、せっかくなのでデフォルトで日本のアドネットワークを設定できるようにカスタマイズしました。

これでいよいよ、広告収益の最大化を試す第一歩が踏み出せたと思われたのですが、しかし世の中そう上手くはいかず、様々な困難が押し寄せます。

次回に続く

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