「プラチナ・トレイン」筆者の車庫の状態ご覧のとおり、現在選択中のデッキに組み込まれている運転カードの列車編成が並んで表示されている

鉄道ファンも充分楽しめる! ボードゲームアプリ『プラチナ・トレイン 日本縦断てつどうの旅』後編

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by [2016年6月03日]

前編ではIMAGECIRCUSさんの「新感覚!運転士成長型RPGスゴロクゲーム!」と謳う『プラチナ・トレイン 日本縦断てつどうの旅』(プラトレ)について、基本的なゲームのルールやそこに登場する車両について見てきました。後編では車両の続きから始めるとしましょう。

登場する列車(後編)

キハ120形気動車輸送量の少ないローカル線に投入された、小型気動車。新潟鐵工所(現・新潟トランシス)が開発したNDCと呼ばれる汎用気動車シリーズをカスタマイズした設計の車両である。このカードはデッキに組み込めず、車両図鑑で眺めるためのものとなっている

キハ120形気動車
輸送量の少ないローカル線に投入された、小型気動車。新潟鐵工所(現・新潟トランシス)が開発したNDCと呼ばれる汎用気動車シリーズをカスタマイズした設計の車両である。このカードはデッキに組み込めず、車両図鑑で眺めるためのものとなっている

このプラトレでは基本的に運転カード化されるのはその路線で速達列車と位置づけられる列車に使用される車両のみで、各停専用あるいはローカル線用扱いの車両は無料運転カード発券機でカードを入手出来るものの、これをデッキに組み込むことも「電車の改良」を行うこともできなくなっています。

このため、この条件を満たす103系電車や113系電車などの国鉄時代に設計製作された通勤形・近郊形車両は一切運転カード化されていませんし、JRになってからでもキハ120形のようなローカル線向け気動車は優等列車運用がないために運転カード化されていません(※注10)。

 ※注10:無料運転カード発券機で発行されるカードには収録されていますが、これらのカードでは運転区間表記がなく、通常の運転区間カードとは扱いが異なります。これらの車両のカードはただ「鉄道図鑑」に収録しその解説を読んだり車両を回転させて様々な角度から鑑賞する以外には何の役にも立ちません。

321系通勤形電車現行最新鋭の20m級4扉ロングシート車。「0.5Mシステム」と呼ばれるシステムを採用し、各車両を4軸ずつある車軸の内2軸だけを駆動する0.5両分の電動車(0.5M)とすることで、連結両数が変わっても編成としての1両あたりの出力が極力変動しないように工夫されている

321系通勤形電車
現行最新鋭の20m級4扉ロングシート車。「0.5Mシステム」と呼ばれるシステムを採用し、各車両を4軸ずつある車軸の内2軸だけを駆動する0.5両分の電動車(0.5M)とすることで、連結両数が変わっても編成としての1両あたりの出力が極力変動しないように工夫されている

これは逆に言えば、アーバンネットワーク圏内で快速以上の列車種別での運転実績があれば4扉の通勤電車でも運転カード化される可能性が高いということで、筆者が入手したカードでも学研都市線・東西線・宝塚線を直通して運転されている快速に充当されていることからJR西日本最新の通勤形電車である321系が運転カード化されています。

また、記事執筆時点では確認出来ていませんが、321系が快速扱いで運転カード化されているということは、この系列と共通運用されている1世代古い207系でも同様に運転カード化されていることが期待出来ます(※注11)。

 ※注11:ただ、207系はあの尼崎での列車脱線事故の舞台となった系列であるため、この系列についてはJR西日本は鉄道模型の製品化許諾でも非常に神経質な扱いを行っているのが見て取れます。実際、事故を想起させるのを防止するためという理由で、事故時のこの系列に施されていたカラーリングでの製品化は、以後御法度となっていて、現行カラーでの製品化についてもかなり数が絞られている印象があります。そのため、ことによるとこのゲームでも207系については特別な扱い・対応がなされている可能性があります

JR西日本の奈良・和歌山県エリアのローカル線で使用されている105系電車元々ローカル線での運用を前提として設計されたため当然にローカル列車扱いであり、運転カードとはなっていない

JR西日本の奈良・和歌山県エリアのローカル線で使用されている105系電車
元々ローカル線での運用を前提として設計されたため当然にローカル列車扱いであり、運転カードとはなっていない

ただし、こうした運転カード化の対象から外れた車両がこのゲームに登場しないかと言えば、そんなことはありません。

これらの車両は運転カード化されていないだけでゲームのあちこちに登場します。というのも、ゲーム中のコマ間の通常移動に用いられるのは、こうした運転カード化されない一般車群なのです。

これらの車両はさりげなく、しかし改造・更新修繕・塗色変更などによる線区ごとの膨大なバリエーションが再現されており、なかなか良い感じです。

1つ言い忘れていました。実はこのゲームでは列車の乗り換えの際に電力量の消費があり、そのため運転カード使用時にもカードごとに定められた電力量の消費が必要です。車両の種類によってその消費量には差があり、また改良によって消費量を減らすこともでき、さらにイベントで電力が戻ってきたりもするのですが、手持ちの電力が無くなると運転カードは利用出来なくなります。

ロード中に表示の「ゲームのヒント」気動車が電力無しに使える超便利な運転カードであることが示されている

ロード中に表示の「ゲームのヒント」
ここでは気動車が電力無しに使える超便利な運転カードであることが示されている。

また、これと関連した話として、軽油を燃料とする気動車だと電力消費がないため、JR西日本管内で運行されている気動車特急のカードを手に入れると、区間は限定されますが1回のプレイ中に制限なく運転カードを使える(※注12)ことになります。

 ※注12:気動車好きの筆者からすると「電力消費はなくても燃料消費はあるだろうが!」と突っ込みたいところですが、何故かそれは綺麗に無視されています。恐らくこれはルールの煩雑化を避けたものと思われます。

JR西日本の場合、今はもう山陰本線系統と智頭急行線直通の「スーパーはくと」「スーパーいなば」位しか気動車特急が残っていないためこの恩恵を受けられるのは概ね日本海沿いの路線を走る各特急か瀬戸内から日本海側へ向かう特急に限られますが、ガチャでこれらの列車の運転カードを引いた場合には処分してしまわないよう注意が必要です。

路線

このゲームをプレイする上で重要な要素の1つに、路線網の把握・記憶があります。

目的地を目指すすごろく形のゲームを基本とするためもあるのですが、このゲームでは路線網を構成する各線がどこをどう経由しているのかをある程度以上把握していないと、いささか厳しい戦いを強いられることになります。

具体的に言うと、始発駅と目的地駅の2つの駅名が表示された段階でその両駅間の経路になる路線名が思い浮かぶ程度の知識がないと、効率的な運転ができないのです。

321系 快速の経路図JR西日本の「アーバンネットワーク」中で最も複雑な変遷を辿った路線群を横断する経路で、分岐・接続する各線との関係も一筋縄ではゆかない

321系 快速の経路図
JR西日本の「アーバンネットワーク」中で最も複雑な変遷を辿った路線群を横断する経路で、分岐・接続する各線との関係も一筋縄ではゆかない

JR西日本の路線網は、様々な歴史的経緯から「何でこんな所で分岐しているんだ」と言いたくなるような変な場所で分岐する支線があちこちにあったり、あるいは思いもかけない所にバイパス線となる路線が存在していたり、と路線の消長についての充分な理解がなければ到底覚えきれないような複雑な構成となっています。このため、このあたりで挫折する人もでてきそうです。

また、そうした複雑な歴史的経緯で路線網が形成されたために、路線の起点と終点が思いもかけない駅になっていることも多々あって、一般的な列車の運転区間と実際の起終点の不一致を知らないといつまで経っても路線踏破が達成出来ないということになってしまいます(※注13)。

 ※注13:例えば大和路線の場合、起点がJR難波(昔の湊町)であるため、ここで一旦停車しないと今宮から加茂までの他の区間を全て踏破していてもこの路線を踏破したことになりません。現在のJRではこの路線の看板列車である大和路快速がJR難波を無視して大阪まで環状線を直通するため見落としがちなのですが、明治時代の関西鉄道時代に遡る歴史的経緯から、このJR難波が大和路線(関西本線)の起点駅となっています。そのため、このゲームをプレイしていて路線踏破したはずなのにどうしても路線踏破と判定されない、という方は改めてその路線の起点と終点を確認することをお勧めします。

しかし、こうした複雑な路線網のどこがどう他の路線とつながっているのかについて基本的なことが頭に入ってさえいれば、このすごろくでクリア条件を満たすのはそれほど難しくありません(※注14)。

 ※注14:実際、筆者がチャレンジミッションをプレイした範囲では全てクリア条件を達成出来ていますから、それほど難度は高くないと思います。

割と理不尽なイベント

「電力 30回復」イベント電力が回復するのは大変ありがたいのだが、「車両基地の近くを通過した」くらいで電力が回復するわけ無かろうがぁ!と怒鳴ったのは多分きっと筆者だけでは無いと思いたい

「電力 30回復」イベント
電力が回復するのは大変ありがたいのだが、「車両基地の近くを通過した」くらいで電力が回復するわけ無かろうがぁ!と怒鳴ったのは多分きっと筆者だけでは無いと思いたい

このゲームでは駅へ停車した際に発生するイベントも、ゲームプレイ上で無視することも欠かすこともできない重要な要素の1つです。

もっともこのイベントはゲームならでは、というべきかかなり理不尽なものや、鉄道ファンなら速攻で「いやそのかんがえはおかしい」と言いそうなツッコミどころ満載のものが多数含まれています。目的地へワープとか、ランダムワープとか。

が、それはすごろく形のゲームとしてのゲーム性を考えたらどうしても外せないイベントばかりで、バランス調整に腐心した跡が見受けられたりしますから、ここは「何で車庫の近くだったら電力量が20kWh回復するんだよ!」などとツッコミつつ笑っておくべき類いのものなのでしょう。

ただ、こうしたイベントと、イベントの起きる色つき表示のコマの駅に停車する際には自身に大きなリスクが伴う可能性があることは覚悟しておく必要があります。

イベント「ランダムにワープさせる」その名のとおり、自身を除く他のユーザーがワープで移動してしまう。これを自分が発動させるのならば良いが、他のプレイヤーが発動させると色々大変である

イベント「ランダムにワープさせる」
その名のとおり、自身を除く他のユーザーがワープで移動してしまう。これを自分が発動させるのならば良いが、他のプレイヤーが発動させると色々大変である

というのは、自分に有利な結果となるイベントならば良いのですが、下手をすると自分がワープで大阪近郊から島根の方まで飛ばされてしまう、といったことがあるためです。

そうなると元いた駅に近いところを起点とする運転カードを持っていないと、その回は勝利条件を満たすのが事実上不可能に近い状況となってしまいます。

また、他の人が引いたイベントでその人以外のプレイヤー全員が問答無用でランダムワープさせられることもあります。この場合も同様に適切な起点駅の運転カードを持っていないとほぼ敗北確定ですから、そのミッションで目的地となる駅に近い駅を起点とする運転カードをデッキに組み込んでおかねばなりません。

一見典型的すごろくゲームだが新要素の導入で面白くなっている

「運転カード発券機」で紹介されている500系「こだま」ここにこうしてわざわざ紹介されているからには、この運転カードを入手するのは相当難しい、つまりいわゆるスーパーレアカード以上のレアリティでの扱いであることが予測できる

「運転カード発券機」で紹介されている500系「こだま」
ここにこうしてわざわざ紹介されているからには、この運転カードを入手するのは相当難しい、つまりいわゆるスーパーレアカード以上のレアリティでの扱いであることが予測できる

以上、プラチナ・トレインを見てきました。JR西日本のエリア内限定ということで色々苦労の跡が見受けられるのですが、鉄道ファン的には充分楽しめる出来のゲームであると判断して良さそうです。

例によってガチャによる課金要素もあって、「出そうで出ない」レアな運転カードも少なからず存在するようなのですが、普通にプレイする分には初期段階で手に入る快速電車系のカードがあれば、それだけでかなり有利にプレイを進めてゆけるようにはなっています。

このあたり、事実上特定の艦種・艦娘がいないとイベントクリアが不可能となっている某ゲームにかなり白け気味で放置プレイ中の筆者などからすると、今後とも、高難度のミッションでも上手くバランスを取ってこの方針を維持して欲しいなぁ、と思ったことでありました。やはり、カジュアルにプレイしてサクサク進められなさ過ぎるのは、この種のゲームではまずいと思います。

ただ、概ね良くまとまったこのゲームですが、1つ問題があります。

GPUに高負荷がかかるのか、動作中端末のプロセッサが搭載されているとおぼしき部分が異様に過熱するのです。

このあたりはプロセッサ性能の向上による発熱量低減を待つしか無いという話もあるのですが、少なくとも筆者がテストプレイに利用したSnapdragon S4 Pro搭載のGoogle Nexus 7(2013)の場合、耐えられないほど熱くはなっていないもののそれでも発熱部を持ち続ける/触れ続けると低温やけどになりそうなレベルの高発熱となっています。

このため、この機種と同世代あるいはそれより少し前くらいの機種、例えばサムスンのGalaxy S IIIあたりだと長時間プレイは色々厳しそうな印象です。

もっとも、このクラスの描画を行うゲームだともう少し描画負荷を軽減することでむやみな発熱を抑えられそうな気がします。今後のバージョンアップでは、可能ならばユーザー設定で描画負荷を軽減(=発熱量を削減)できるようにして欲しいところです。

アプリ基本情報

「プラチナ・トレイン」筆者の車庫の状態ご覧のとおり、現在選択中のデッキに組み込まれている運転カードの列車編成が並んで表示されている

プラチナ・トレイン 日本縦断てつどうの旅

配信元:IMAGECIRCUS Co.,Ltd

Android価格:無料 / iOS価格:無料

  • バージョン Android:1.0.2 / iOS:1.0.2

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※記事内の情報はすべてレビュー時(2016年06月03日)の情報です。

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