「プラチナ・トレイン」 運転士(プレイヤー)教育係でボケ役の関空 遙 嬢(左)と運転教官でツッコミ役の望 七百 嬢年長で落ち着いた方が京言葉、というのも含めて色々お約束満載のコンビである

楽しいツッコミどころ満載!? ボードゲームアプリ『プラチナ・トレイン 日本縦断てつどうの旅』前編

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by [2016年5月31日]


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西日本旅客鉄道株式会社、通称JR西日本は、日本の本州の西側、中国・近畿・北陸の各地方とそれに隣接する長野県の一部を営業エリアとする、旅客鉄道輸送を主たる業務とする企業です。

1987年4月1日の国鉄分割民営化にともなう営業エリア分割で誕生し、以来現在に至るまでその名のとおり本州の西側で旧国鉄から引き継いだ路線群で旅客鉄道輸送事業を続けてきたこの会社は、首都圏、それに東海道新幹線というあまりに巨額の現金収入をもたらす金城湯池的な路線を持つ本州の他のJR二社、つまり東日本旅客鉄道(JR東日本)と東海旅客鉄道(JR東海)と比較すると、収入源が弱い割に長大な赤字路線を多数抱えています。

具体的に言えば、山陽新幹線と並ぶ主たる収入源の一方であり現在は「アーバンネットワーク」と呼ばれる近畿圏の都市圏通勤電車事業において、主要路線のほとんどが近鉄・京阪・阪急・阪神・南海といった大手私鉄と路線が並行・競争関係にあるため十分な収益を得るためには巨額の設備投資が必要で、しかももう一方の山陽新幹線も東海道新幹線と比較すれば輸送密度が低く、また距離的な問題から航空機との競争において東海道新幹線ほどの優位性が得られないという問題を抱えています。

もっとも、そんな厳しい競争を強いられる状況であることから、JR西日本は通勤電車や近郊電車といった「アーバンネットワーク」圏内で運用される、特別料金を徴収しないタイプの列車に使用される電車について、他のJR各社よりも1段も2段もグレードが上の車両(※注1)を設計製作せざるを得ない状況にあり続けてきています。

 ※注1:JR西日本では特急料金やグリーン車料金を徴収しない列車でも、一部の混雑線区向け通勤形電車を別にすると大半の車両で座席が進行方向、あるいはその反対向きに方向転換できるタイプの座席(クロスシート)を設置するのが基本となっており、その方針は先日新造投入が開始されたばかりの広島地区向け227系近郊電車「Red Wing」や北陸本線・小浜線向け521系近郊電車など特定地域向けの新造車両でも踏襲されています。また、通勤形電車でも他のJR各社に先駆けて大型1枚窓を扉間の側窓に採用、裾絞りの大型断面車体として1両あたりの定員を増やしたことと合わせて開放感を演出するなど、快適性向上のための努力が続けられています。

201系通勤形電車国鉄時代末期に開発された「省エネ電車」で、首都圏ではこの色で中央線特別快速に長らく使用されていたためご存じの方も多いことだろう。首都圏では既に過去帳入りしたこの系列が、JR西日本では徹底的な更新工事を実施の上で今なお通勤輸送の重責を担っている

201系通勤形電車
国鉄時代末期に開発された「省エネ電車」で、首都圏ではこの色で中央線特別快速に長らく使用されていたためご存じの方も多いことだろう。首都圏では既に過去帳入りしたこの系列が、JR西日本では徹底的な更新工事を実施の上で今なお通勤輸送の重責を担っている

また、財源が弱いことからどうしても新型車両の投入にも限度があって、古い車両を修理・更新しつつ長期間使用し続ける傾向も強くなっています。このため、この会社では他の本州JR二社で既に引退した車両が車齢40年を迎えるころまで長期に渡って現役を続行することが珍しくなく(※注2)、そのためそれら二社よりも車両ラインナップが多彩になる傾向があります。

 ※注2:例えば大阪環状線を中心に使用されている103系通勤形電車に対して施工された「体質改善40N」と呼ばれる更新工事メニューは40、つまり車齢40年まで問題なく利用出来るレベルまで接客設備をグレードアップすることを視野に入れてのものでした。

それはつまり、鉄道マニア的には色々な種類の車両を見たり乗ったりできる大変に楽しい鉄道ということです。

また、「アーバンネットワーク」の圏内を中心に座席などの接客設備面について、長距離乗車に適した快適な車両が多く用いられていることから、通勤通学客を中心に大阪を中心とする100km圏の外縁部でさえ京阪神の各主要都市との間での定期乗車券が当たり前に利用されるという、他社では考えられないほどの長距離利用が定着してきています。

プラチナ・トレインの鉄道図鑑からJR西日本の在来線で特急を差し置いて看板列車の地位にある「新快速」用223系2000番台車現在は後継モデルにあたる225系の投入が始まっているが、新快速用223系は先行グループである1000番台と合わせて672両も在籍しているため、今後も当面はこれが「新快速」の顔であり続けることになる

プラチナ・トレインの鉄道図鑑からJR西日本の在来線で特急を差し置いて看板列車の地位にある「新快速」用223系2000番台車
現在は後継モデルにあたる225系の投入が始まっているが、新快速用223系は先行グループである1000番台と合わせて672両も在籍しているため、今後も当面はこれが「新快速」の顔であり続けることになる

そんなJR西日本の旅客サービスを象徴するのが、「アーバンネットワーク」の看板とも言える「新快速」という列車種別です。

首都圏で言えば中央線の特別快速に相当する(※注3)この列車、両端の一部区間では各駅停車となるとは言え、日本海側の敦賀から「忠臣蔵」で有名な赤穂藩のあった瀬戸内の播州赤穂まで約276kmの長大な運転区間で、主要区間では15分間隔、末端区間でも30分間隔での高頻度運転を行い、さらに線路条件の良い米原~姫路間198.4kmでは運転速度が最高130km/h、表定速度(平均速度)も約83km/hに達するという「日本最速の通勤電車」(※注4)の1つです。

 ※注3:JR西日本における「新快速」の現在の英語表記は「Special Rapid Service」で中央線と同様に「特別快速」という意味になります。なお、「特別」快速ではなく「新」快速としたのはこの種別の運転開始当時(1970年)の国鉄大阪鉄道管理局幹部の判断によるもので清新さを重視した命名とされ、「新」幹線とのイメージ的な連関性が持たされていました。ちなみに同じく「新快速」という列車種別を持つJR東海では現在も「New Rapid Service」といういささか意味不明な英語表記となっています。
 ※注4:どのくらい速いかというと、同一区間を走る(乗車に特急料金の必要な)特急列車より速い列車が今も当たり前に存在し、かつては途中の複々線区間で走りながら先行する特急を追い越すダイヤ設定が存在したほどでした。ちなみに2016年3月現在のJR東日本の特急でこれを超える表定速度をマークする列車は「ひたち」「ときわ」「あずさ」の限られた号数だけで、新快速側の条件を緩めて長浜~姫路間(表定速度約78km/h)で比較するとしてもせいぜい「さざなみ」の最速達列車が増える程度です。こんな高速の列車が1時間に4本ないしは2本の運転間隔で一日中走っているのですから、併走する私鉄各線はたまったものではありません。

こんな列車が走っていることもあって、別に鉄道マニアというわけでもない人でも妙に車両に詳しかったり、列車に乗ると(JR東日本の電車などよりもずっと大きな)運転台後部の窓越しに乗務員の運転操作をのぞき込む人が多々いたりと、特に近畿圏の「アーバンネットワーク」圏内では隠れ鉄道ファンと言えそうな鉄道に関心を持っている人が意外と多い状況だったりします。

そんなJR西日本の各線区を舞台として、このほど大阪は茨木に本社を置くIMAGECIRCUSさんから「新感覚!運転士成長型RPGスゴロクゲーム!」と銘打って、「プラチナ・トレイン 日本縦断てつどうの旅」(プラトレ)がリリースされました。

そこで今回は「日本縦断てつどうの旅」と謳っている割にJR西日本の各線しか出てこない(※注5)などあちこち突っ込みどころ満載のこのゲームを、鉄道趣味歴40年以上の筆者が解説してみたいと思います。

 ※注5:一応日本海側の敦賀(福井県)から太平洋側の新宮(和歌山県)まで「縦断」してはいるので嘘では無いのですし、よくよく下を見ると「JR西日本エリア版」と小さく書いてあったりもするのですがGoogle Playではこの部分の表記が省略されている点にご注意ください。

まずは基本的な部分から

「プラチナ・トレイン」の基本的なゲームプレイ中画面ルーレットを回して出た目の数だけ自分の運転する列車(この場合はオレンジバーミリオンに塗られた大阪環状線用103系体質改善40N工事施工車)をいずれかの矢印の方向に移動させて目的地となる駅へ向かう

「プラチナ・トレイン」の基本的なゲームプレイ中画面
ルーレットを回して出た目の数だけ自分の運転する列車(この場合はオレンジバーミリオンに塗られた大阪環状線用103系体質改善40N工事施工車)をいずれかの矢印の方向に移動させて目的地となる駅へ向かう

このゲームの基本は、複数のプレイヤーが運転士としてサイコロを振ってJR線上で列車を走らせ、指定された目的地への到達順序に応じてポイントやアイテムなどを付与される、つまり人生ゲームや桃太郎電鉄のようなタイプのすごろくゲームです。

ちなみに1ターン目の時点では最終目的地は伏せられており、所定のターン数経過後に明かされる仕組みになっていて、それまで示されていた目的地駅へ向かうことに注力しすぎると全ターン数内に最終目的地へたどり着けない、といった悲惨なことになる可能性があります。

このあたりについては後述するように戦況をひっくり返す切り札となるイベントや、最終目的地への到達を可能とするようなアイテムもあるため、そこまで悲観することも無いのですが、1位での到達で通常よりもずっと大きなポイントが獲得出来る最終目的地が後から示される=この最終目的地への到達順位によってはそれまでのポイント数による順位が完全にひっくり返されてしまう可能性があることは常に念頭に置いておく必要があります。

筆者の「車両編成」デッキこのように1つのデッキに5本の列車を選択・組み入れが可能で、これらの始点駅とその運行区間を上手く活用すれば他のプレイヤーに大差をつけての勝利も夢ではない

筆者の「車両編成」デッキ
このように1つのデッキに5本の列車を選択・組み入れが可能で、これらの始点駅とその運行区間を上手く活用すれば他のプレイヤーに大差をつけての勝利も夢ではない

また、プレイヤーの演じる運転士が運転する列車が、いわゆるカードバトルタイプのゲームと同様に「デッキ」の概念で管理されていて、ゲームに勝利することや課金によって得られるICと呼ばれるポイントを用いて新しい列車を(ガチャで)手に入れたり、その列車を改造したり廃車したりできるようになっていることも、この種のゲームとしては新機軸と言えそうです。

つまり、言わば人生ゲームのコマが「Fate/Grand Order」のサーヴァントになっていて宝具攻撃よろしく一定の「ずる」ができるようになっているようなゲームであると考えればわかりやすいでしょうか。

この辺は今風というかなんというか、昔だと考えもしなかったようなルールですが、こうすることで大変失礼ながらさして魅力的というわけでもないような小駅でも割と簡単にイベントを起こせるわけで、上手く考えられたやり方です。

「プラチナ・トレイン」 運転士(プレイヤー)教育係でボケ役の関空 遙 嬢(左)と運転教官でツッコミ役の望 七百 嬢(右)年長で落ち着いた方が京言葉、というのも含めて色々お約束満載のコンビである

「プラチナ・トレイン」 運転士(プレイヤー)教育係でボケ役の関空 遙 嬢(左)と運転教官でツッコミ役の望 七百 嬢(右)
年長で落ち着いた方が京言葉、というのも含めて色々お約束満載のコンビである

今風と言えば、チュートリアルに「新米運転士さんの教育係」として関空 遙(せきぞら はるか)、「運転教官」として望 七百(のぞみ ななお)(※注6)と「鉄道むすめ」風の萌え系女性キャラクターが登場するのも最近の流行に乗った部分と言えるのですが、ここでちゃんと「ボケ」と「ツッコミ」のペアになっていて会話にオチがつくのはいかにも関西風です。

 ※注6:判る方にはすぐ判る、殆どひねりのないネーミングですが、前者は関西国際空港と新大阪・京都を結ぶ空港連絡特急「はるか」、後者は東海道・山陽新幹線で「のぞみ」に使用されていた700系電車に由来しています。

登場する列車(前編)

「プラチナ・トレイン」筆者の車庫の状態ご覧のとおり、現在選択中のデッキに組み込まれている運転カードの列車編成が並んで表示されている

「プラチナ・トレイン」筆者の車庫の状態
ご覧のとおり、現在選択中のデッキに組み込まれている運転カードの列車編成が並んで表示されている

さて、このゲームではJR西日本に在籍する鉄道車両が、運行列車とその運転区間に紐付けられた形でカード化されています。

筆者がプレイの割と初期の段階(※注7)で確認しただけでも、「新快速」の主力である223系2000・3000番台やその後継車種である225系、「紀州路快速」・「関空快速」の主力である223系0番台、東海道・山陽緩行の321系、紀勢線・阪和線や福知山・山陰本線などで使用されている特急車の287系、それに山陽新幹線の0系といった車両がカードとして登場しています。

 ※注7:チャレンジミッションのLevel 3までクリアした時点。

「223系 新快速(琵琶湖線)」運転カードの運転区間表示琵琶湖線と表記してあるが、西の終点は上郡、つまり鳥取へ向かう陰陽短絡線である智頭急行線との接続駅で、琵琶湖湖岸を走る区間は運行経路全体の1/3にも満たない。なお、このカードの起点駅は敦賀であるため、このカードを使用すれば問答無用でプレイヤーの列車は敦賀へワープさせられる

「223系 新快速(琵琶湖線)」運転カードの運転区間表示
琵琶湖線と表記してあるが、西の終点は上郡、つまり鳥取へ向かう陰陽短絡線である智頭急行線との接続駅で、琵琶湖線の名が示すような琵琶湖湖岸を走る区間は運行経路全体の1/3にも満たない。なお、このカードの起点駅は敦賀であるため、このカードを使用すれば問答無用でプレイヤーの列車は敦賀へワープさせられる

ちなみに、このカードは同じ系列の車両でも運転区間と列車種別が異なった別の種類のものが複数存在するケースがあって、その場合は運転区間の起点表示されている駅が、そのカードを使用する際の移動先となり、停車駅もその列車種別に準じます。

つまり、例えば大阪駅を起点とする快速や新快速の運転カードを持っていれば、例え城崎(兵庫県)にいようが津和野(山口県)に飛ばされていようが、そのカードを発動するだけで起点である大阪駅に問答無用で移動となり、しかもそれに伴うルーレットの移動コマ数消費がなく、さらにそれらの列車に「乗車」し続ける限りは(途中駅を飛ばすため)少ないコマ数でより多くの距離を移動出来ます。

このため、行動範囲を拡大するためには「何だよ、また223系かよ」などと言わずにその運転区間の確認を行い、できるだけ各カードの起点駅が各地に分散するようなデッキ構成とする必要(※注8)があって、うっかり他にない運転区間表記のカードを「電車の引退」で廃車扱いにして捨ててしまったり「電車の改良」で消費してしまったりすると後々泣きをみることになります。ご注意ください。

 ※注8:もちろんこれはチャレンジミッションが前提の話で、プレイスタイルやミッションによってはデッキ構成を変えて可能な限り起点駅を偏らせた方が良い場合もあり得ます。

また、新幹線の車両カードは福山(広島県)など在来線で馬鹿正直に移動していたのではとても規定ターン数内には到達出来ない駅が起点指定されていますし、新快速電車は概ねアーバンネットワーク圏の主要部を網羅していますから、その起点駅の近隣にある駅が最終目的地になった場合には絶大な威力を発揮します。

快速「サンライナー」用117系電車現在は岡山と福山を結ぶ快速列車に使用されている3世代前の新快速電車。当時の特急電車と同等の足回りを奢られ、従来にないハイグレードな接客設備とした意欲作で、公募による「シティライナー」という愛称が与えられていた。現在は岡山地区で快速電車として運転されているのだが、このゲームでは「ローカル」つまり各駅停車用車両という扱いになっている

快速「サンライナー」用117系電車
現在は岡山と福山を結ぶ快速列車に使用されている3世代前の新快速電車。当時の特急電車と同等の足回りを奢られ、従来にないハイグレードな接客設備とした意欲作で、公募による「シティライナー」という愛称が与えられていた。現在は岡山地区で快速電車として運転されているのだが、このゲームでは「ローカル」つまり各駅停車用車両という扱いになっている

なお、そもそも列車種別が全て特急以上の扱いになる新幹線(※注9)は別にすると、各路線の最下位に位置づけられる列車種別とそこで使用される車両については通常の運転カード化がなされていません。

 ※注9:車両基地への入出場線を営業線に転用し、「在来線の特急列車」という扱いで例外的な旅客営業を行っている博多南線を含む。

以下、後編に続きます。

アプリ基本情報

「プラチナ・トレイン」 運転士(プレイヤー)教育係でボケ役の関空 遙 嬢(左)と運転教官でツッコミ役の望 七百 嬢年長で落ち着いた方が京言葉、というのも含めて色々お約束満載のコンビである

プラチナ・トレイン 日本縦断てつどうの旅

配信元:IMAGECIRCUS Co.,Ltd

Android価格:無料 / iOS価格:無料

  • バージョン Android:1.0.2 / iOS:1.0.2

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※記事内の情報はすべてレビュー時(2016年05月31日)の情報です。

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