TAG HEUER Connected専用の充電クレードル(および付属USBケーブル)を裏蓋部分に装着した状態。この状態を通常使用状態だと誤解してしまった筆者はどうかしていたとしか言えない。

TAG Heuer Connectedが我が家にやって来た!(借り物だけど) ~接触編~

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by [2015年12月01日]

唐突ですが、筆者は腕時計については針式で機械式自動巻派です。

筆者の机の引き出しに入っていた手持ち腕時計の数々これでも一部で既に故障して動作しないものもあったりするが、全て針式でデジタルでモダンな腕時計は1つとして存在しない

筆者の机の引き出しに入っていた手持ち腕時計の数々
これでも一部で既に故障して動作しないものもあったりするが、全て針式でデジタルでモダンな腕時計は1つとして存在しない

そもそも、中学入学時に親に買って貰ったセイコーの腕時計はクオーツの三針式で至ってシンプルな機種だったのですが、大学入学時に親から大叔父の遺品であるオメガのConstellation(自動巻で日付・曜日表示あり)を貰って以来、親戚中の同世代で男子が少なかったためもあってか、特に望まないのにあちこちからお古のオメガだのロレックスだのの機械式自動巻腕時計が集まって、漫然とそれらを使う生活をしてきたのです。

まぁ、電池式の腕時計とは違って、腕につけて一日動き回っていさえすれば自然と巻き上げられて止まるということが無いという、筆者のようなずぼらな人間には大変にありがたい仕組みこそが、自動巻の腕時計を愛用してきた理由の1つであったのです。

ともあれ筆者にとって「腕時計」は基本的に時針と分針それに秒針の3つの針の角度で時間を示す、腕を振れば勝手にゼンマイが巻き上げられて動き続ける機械というのが基本で、液晶パネルにデジタル表示されるようなモダンな機械は、この30年ほどさっぱりご縁が無いままに過ごしてきました。

そんな前世紀の遺物みたいな筆者のところに、ある日APPREVIEW編集部からメールが届きました。

曰く、実機を貸し出すので、先日紹介記事を掲載したTAG Heuer Connectedの使用体験記を書いてみないか、と。

話を聞いてみると、当初は女性ライターの方に依頼することを検討していたのだが、届いた実機のあまりの巨大さに、これは男性ライターの方が適任なのではないかということになって、筆者に白羽の矢が立ったとのことでした。

基本的に筆者は依頼された仕事は(よほどのことが無い限りは)受けて立つ主義です。

かくして、承諾の意を伝えてから3日ほどして、筆者の部屋にTAG Heuer Connectedが届けられました。

今回は、そんなバリバリの最新スマートウォッチであるTAG Heuer Connectedと、パソコンやオーディオ機器、それにカメラをこよなく愛する割に腕時計だけはどうしようもなくアナクロな機械式愛用者である筆者の第一種接近遭遇についてお話ししたいと思います。

でかい。でもスイスメーカー製だ

TAG Heuer Connected専用の充電クレードル(および付属USBケーブル)を裏蓋部分に装着した状態。この状態を通常使用状態だと誤解してしまった筆者は頭がどうかしていたとしか言えない。

TAG Heuer Connected
専用の充電クレードル(および付属USBケーブル)を裏蓋部分に装着した状態。この状態を通常使用状態だと誤解してしまった筆者は頭がどうかしていたとしか言えない。

届いた荷物の梱包を解いてまず思ったこと、それは「えらいでかいというか、恐ろしく分厚い時計だな」ということでした。

実は、届いた時点ではTAG Heuer Connected本体に充電用のクレードルが磁力によって貼り付いたままになっていて、その分だけ分厚く見えていたのですが、あいにくとその辺の周辺アクセサリについての事前情報を持っていなかった筆者は、「そういうものなのか」と思い込んでしまったのでありました。

後で冷静に考えてみれば、そのままでは腕に装着する時に邪魔になる位置(裏蓋)にクレードルが貼り付いていたのですから、「そういうもの」であるはずがないのですが、機械式腕時計では総じて裏蓋部分が突き出すような形状をしているものが多かったため、またこの種のハードウェアの内部的な仕組みそのものはある程度の知識があってバッテリーなどが容積を喰うことを知っていたため、「そういうもの」と思い込んでしまったのでありました。

TAG Heuer Connected(左)と筆者私物で年代物のロレックス(右:型番不詳)計ってみると本体の最大厚はほとんど差がないのだが、筐体デザインやその直径、それにベルトの寸法などが影響して、TAG Heuer Connectedは恐ろしく巨大かつ分厚く見える

TAG Heuer Connected(左)と筆者私物で年代物のロレックス(右:型番不詳)
計ってみると本体の最大厚はほとんど差がないのだが、筐体デザインやその直径、それにベルトの寸法などが影響して、TAG Heuer Connectedは恐ろしく巨大かつ分厚く見える

とはいえ、そのクレードル部分にUSBの充電用ケーブルが接続されていて、しかもケーブル接続時にちょっと引っかかったら簡単にクレードルが本体から外れてしまったため、そうした誤解はすぐに解消したのですが、そうなって改めて見直した本体は、それでもなお腕時計としてみると破格の大きさでありました。

仕様を思い返してみると、直径1.5インチ(約3.8cm)の円形ディスプレイパネル(解像度は360×360ピクセル)を搭載しているのですから、文字盤部で直径3cm程度の機種の多い一般的な腕時計よりも大きくて当然です。

しかし、クレードルなしでも厚さ12.8mmというのは、例えば筆者手持ちのロレックス(オイスターケース入り。型番不詳)と比べてもそれほど差が無いとはいうものの、ベゼルの直径が一回り以上大きく、しかも円柱を切り出しただけといった風情のシンプルな円筒形ケースとなっているため、文字盤面の風防ガラスが曲面を描き、ケース本体も裏蓋も複雑な面取りが施された件のロレックスと並べると恐ろしく巨大に見えてしまいます。

これはこのTAG Heuer Connectedが、CPUとしてIntel Atom Z34xx(1.6GHzデュアルコア:型番詳細は未公表)を、メインメモリは1GB、ストレージも4GBをそれぞれ搭載する立派なコンピュータで、先に触れたディスプレイやBluetooth 4.1、それにIEEE 802.11b/g/nによるWi-Fi通信機能を持っていて、さらにそれらを動作させるためのバッテリー(容量410mAh)まで内蔵しているのですから、ある意味当然と言えば当然の話です。

むしろ、このサイズの中にそれだけのハードウェアが収まっている事の方に驚くべきかも知れません。

ちなみに、意外だったのですがこのTAG Heuer Connectedは思ったよりも軽量(ベルト込みで約82g)で、ゼンマイや歯車が詰まっていてベルトも金属製のロレックスよりはずっと軽い印象です。

後でTAG HEUERのサイトの製品紹介ページで調べてみたところ、筐体の主要部分はチタニウム合金製で、7000番台アルミニウム合金の使用を自慢たらしく紹介していたどこぞのスマートウォッチよりもよほど高価かつ軽量、しかも強靱な材料を使用していたのでありました。

なるほど、いわれてみればこの表面の鈍い銀の輝きは、チタニウム合金の酸化被膜処理を行った場合に見られるものです。

また、ディスプレイ面のガラスはそれなり以上に高価な腕時計でおなじみのサファイアガラスで、傷がつきにくくなっています。

この機種のお値段を聞いたときには正直驚いたのですが、なるほどこのあたりの材料をここまで吟味してあれば、それも納得がゆきます。

スマートウォッチの問題点の1つに、ディスプレイとしての文字盤面はできるだけ大きい方が視認性や操作性の点で望ましいが、腕時計として腕に巻く分には、文字盤はあまり大きくない方が望ましい、という二律背反状態が生じてしまっていることがあります。

このTAG Heuer Connectedはそれに対して「できるだけ大きい」パネルの搭載に踏み切り、その一方で腕時計としての実用性を可能な限り維持するために軽く強い材料の採用に金を惜しまなかったことになります。

恐らく、今後の技術の進歩により筐体の厚さは世代を重ねるごとに少しずつ薄くなってゆくでしょうが、スマートウォッチとしての機能を保ち続けるためには文字盤面の縮小は難しく(※注1)、今回の3.8cm径でベゼル部分まで含めると直径4.6cm程度というこの機種の寸法は、1つのリファレンスとなりそうな感じです。

 ※注1:本体上の空間に3Dホログラム表示でディスプレイの表示内容を投影できるようにでもならない限り、この問題は抜本的に解決するのは難しい気がします。

ペアリング

TAG Heuer Connectedの裏蓋部ご覧の通り、中央左上のTAG HEUERのロゴと並んで、PCでおなじみの「Intel Inside」ロゴが左上に刻印されている。

TAG Heuer Connectedの裏蓋部
ご覧の通り、中央左上のTAG HEUERのロゴと並んで、PCでおなじみの「Intel Inside」ロゴが左上に刻印されている。

さて、いつまでも拝んでいても仕方ないので、とりあえずスマートフォンとの間でペアリングを行い、使用可能状態にして装着してみることにしましょう。

ここまで説明してこなかったのですが、この機種はTAG HEUERとGoogle、それにIntelの3社の共同開発製品とのことで、裏蓋にもそのことを示すようにパソコンなどでおなじみの「Intel inside」のロゴが刻印されています(※注2)。

 ※注2:残る1社、GoogleのロゴはOS起動時に表示されるためか、裏蓋には刻印されていません。

App Storeで公開されているAndroid WearAndroid Wear搭載スマートウォッチとのペアリングには、AndroidでもiOSでもこのAndroid Wearを利用することになる。

App Storeで公開されているAndroid Wear
Android Wear搭載スマートウォッチとのペアリングには、AndroidでもiOSでもこのAndroid Wearを利用することになる。

つまり、搭載OSは「Android Wear」ということで、これは現在はAndroid搭載スマートフォンだけでなく、一部機能制限がかかるもののiOS搭載のiPhoneなども「母艦」として利用できるようになっています。

幸か不幸か、筆者の手元には現在、iPhone 6 Plusしかスマートフォンはありません。そのため、これにApp Storeで「Android Wear」の最新版をインストールし、起動してこのTAG Heuer ConnectedとペアリングすればOKです。

ペアリング作業そのものについては、全く標準的な手順で済み、最後にTAG Heuer Connectedに表示されたBluetoothペアリングのためのコードをiPhone側で入力すれば、ペア設定そのものはそれで終了です。

ただし、その後もGoogleアカウントへのログイン登録(任意)や時計・位置情報、それに時計でのカレンダーへのアクセスへの許可などの作業が続きます。

ペアリングにかかる諸作業が完了した際に母艦となるスマートフォン側に表示された画面ここでウォッチフェイス(文字盤面デザイン)を選択・登録できる。

ペアリングにかかる諸作業が完了した際に母艦となるスマートフォン側に表示された画面
ここでウォッチフェイス(文字盤面デザイン)を選択・登録できる。

完了するとTAG Heuer Connectedの画像とウォッチフェイスとしてデフォルトで登録されているGMT・クロノグラフ・3針の3種の文字盤面デザインが表示され、これらのいずれかをタップすればそれに合わせてTAG Heuer Connectedの文字盤面デザインも切り替わるのが確認できます。

なお、この機体は通電せずディスプレイ面に何も表示していない状態だと腕時計とも何とも付かないよくわからないガジェットといった風情なのですが、いざ電源を入れてこれらの文字盤が表示されると、数字が刻印されたベゼルリングの存在感もあってか、不思議なほどに「時計」に見えてきます。

このあたりはもう、老舗として腕時計デザインのフォーミュラを知り尽くしたTAG HEUERのデザインセンスの妙と言うべきで、文字盤デザインの巧さや視野角の広い有機ELを採用したことが光る部分です。

正直、この手の松本零士的で複雑なクロノグラフの文字盤面が大好きな筆者としては、何というか辛抱たまらん感じなのですが、いずれの表示も結構見やすくて、この点でもTAG HEUERのデザインの巧さを思い知らされます。

ここまででTAG Heuer Connectedは独立した腕時計としてとりあえず使用可能になりました。

充電その他幾つかの問題はありますが、ここで早速腕に装着して「時計として」しばらく使ってみることにしましょう。次回に続きます。

▼参考リンク
TAG Heuer Connected

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