「コドなび!」公式サイト製品の性質もあろうが、モニター募集が告知されている。

バンダイの本気タブレット!アンパンマンを採用した『コドなび!』 で新しい幼児学習を

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

by [2014年9月30日]

「コドなび!」公式サイト。製品の性質もあろうが、発売を目前に控えモニター募集が告知されている。コドなび!は10月25日発売予定で、価格は本体28,000円(税別)となっている

一般的に、子供の頃に最初に使った/買ってもらった○○、というのはその○○の分野が何であれその子供の将来に少なくない影響を残す傾向があります。

筆者の個人的経験から言っても、中学生の時に両親に最初に買ってもらったパソコンが市販ゲームソフト皆無で、搭載CPUであるi8088のアセンブリ言語開発環境位しか付属ソフトがなく参考になるような書籍もまともに発売されておらず、遊ぶにはまずx86系CPUのセグメントの概念の理解やハードウェア仕様の解析から始める必要があったという、1桁の足し算ができるようになったばかりの子供がいきなり微積の問題集を解けと命ぜられるのも同然の苛烈な体験をしていなかったら、今こうしてライターをやってることはなかったのではあるまいか、と過去を振り返ってみて思うわけであります。

それ故、筆者としては小さなお子様のいる親御さんにはその子供が将来どうなるかを十分洞察してその最初の○○を与えてあげて欲しい、中でもコンピュータ機器については特に一般的でまともな物を与えてあげて欲しい、とかなり切に願ってしまうのですが、同じことをメーカーも考えたのかどうか、このほど玩具メーカー大手のバンダイが、教育のプロである東京学芸大学との共同研究の一環として、同学の研究機関である東京学芸大こども未来研究所の協力を得てアンパンマンのキャラクターコンテンツを利用した幼児向けAndroid搭載タブレット「コドなび!」を発表しました。

今回は、この「コドなび!」に迫ってみたいと思います。

主な仕様

現時点で公表されている「コドなび!」の主な仕様は以下のとおりです。

  • OS:Android 4.4.2
  • チップセット:不明(ARM Cortex-A7 1.5GHzデュアルコア)
  • サイズ:195×125×22mm
  • 重量:478g
  • メインスクリーン
    • 画面サイズ:7インチ(対角線長)
    • タッチパネル:静電容量方式(5点感知)
  • 内蔵メモリ
    • RAM:512MB
    • フラッシュメモリ:8GB
    • 拡張スロット:microSD(最大容量:32GB)
  • カメラ
    • メインカメラ解像度:2メガピクセル
    • フロントカメラ解像度:0.3メガピクセル
  • Wi-Fi:
    • 対応規格:IEEE 802.11 b/g/n
  • 電池容量:3,500mAh

決して高くはないプロセッサ性能

子ども向けでそれは特に重要ではないということなのでしょうが、液晶ディスプレイのサイズは公表されても解像度は公表されていないことと、CPU・メインメモリ周りがかなり貧弱なのが目を引きます。

搭載されている統合プロセッサの型番は公表されていませんが、ARMのCortex-A7をデュアルコアで搭載し1.5GHz駆動していることから、中華タブレット・スマートフォンでおなじみのMediaTek製MTK6572、つまり以前ご紹介したメガハウスの女子向けスマホ「Fairisia」と同系でより高速なプロセッサを搭載している可能性が高いと考えられます。

もっとも、高速と言ってもCortex-A7 デュアルで1.5GHzですからせいぜい2011年~2012年頃のミドルレンジスマートフォン並みで、恐らく画面解像度も800×600 ピクセル程度にとどまっている可能性が高いでしょう。それでも、「Fairisia」に搭載のMTK6572の1.5倍のプロセッサパワーですから、実用上致命的に性能が足りない、という状態に陥ることは恐らく少ないでしょう。

最低限のメインメモリ

メモリは512MBですから搭載OSであるAndroid 4.4.2の動作する最低限の容量にとどめられていることになります。

ただし、おそらく画面解像度が低いことや、そもそもスマートフォンではないため通話系のサービスが常駐する必要が無いことなどを考慮すると、同じくメインメモリ512MB搭載であった「Fairisia」と比較すれば相応に余裕があることになると考えられます。

無論、メモリは基本的に積めるものなら可能な限りたくさん積んだ方が使い勝手が良くなるものなのですが、CPU性能やGPU性能、それに消費電力とのバランスを考えると、この程度が妥当という判断なのでしょう。

SDカードスロットの恩恵

一方、内蔵ストレージとしてのFLASHメモリは容量8GBとなっており、こちらも最下限ではないものの決して多いとは言えない容量となっています。

これについても、この「コドなび!」がGoogle Play非対応で、日本企業の運営するAppmartをアプリマーケットとして採用していて、基本的にはプリインストールされた専用アプリの動作に主眼を置いていることを考慮すれば、多くはないが致命的に不足するわけではない、というレベルに収まりそうです。

とはいえこの「コドなび!」、仕様でも示したとおり最大容量32GBのmicro SDカード(※この上限値からFAT32フォーマットのmicro SDHCまでの対応となる可能性が高いと考えられます)をSDカードスロットに挿入して使用できる設計となっているため、本体内蔵ストレージはOSやプリインストールアプリ、それにメールボックスなどのための容量があればそれで事足りるとも言えます。

最大容量のmicro SDカード搭載時で合計40GBですから、それでも内蔵ストレージ容量16GBでSDカードスロットを持たない機種などと比較すればずいぶんな大容量ストレージが利用できる設計です。

基本的なものに限られる通信機能

一方、この機種に搭載の通信機能は本当に基本的なものに限られており、携帯電話の機能も非搭載であるため、通信の最高速度もそれほど高くありません。

この辺の機能は、どちらかというと統合プロセッサの仕様に依存する部分で、言い換えれば統合プロセッサの性能が貧弱なこの機種では、これ以上高速・高機能なWi-Fi接続機能を搭載しても仕方ないのだと言えます。

餅屋は餅屋

さて、冒頭でも記しましたが、この「コドなび!」の開発では標準搭載されている学習プログラムの開発で東京学芸大学および同学こども未来研究所が協力・監修しています。

単純にタブレットを操作するだけで完結するのではなく、また答えが一つに定まるのでもないなど、この種のデバイスを利用した教育プログラムが陥りがちな現実との乖離を避け、身体を動かす、画面の動きを真似るなど極力実体験と結びつくように学習プログラムが構成されているとされています。

また、そうした子どもによる学習プログラムの利用状況を記録し、その実績を分析し今後の指導に役立てる、という教育者の協力を得たからこそ発想されたとおぼしき親権者向けの機能も充実しており、いかにもアカデミックなこの機種の来歴を物語っています。

ちなみにこの機種、「こどもメール」と称する、両親が指定した最大4名までの相手にメールを作成・送信する機能が搭載されていますが、外部との接続に利用するWi-Fi接続機能はペアレンタルロック機能による両親のための管理画面の中でしか設定できないようになっており、本格的なメール機能も、やはりこうした両親のための動作モードでしか利用できない構造とされています。

なお、Appmartで提供されている一般のAndroidアプリをこの「コドなび!」にインストールして利用することも可能なのですが、この種の強力なペアレンタルロック機能を搭載した他の端末と同様、やはり子どもの利用画面ではそうしたアプリが一切見えないように制限できるようになっており、親が許可すれば子どもが利用することも可能ですが、基本的には子どもには標準搭載の学習プログラムを利用させ、ロック機能を管理する両親のみがこの端末の全機能を利用できるような設計となっています。

このあたりは子ども向け端末として先行した「Fairisia」やポラロイドの「ポラスマ」などでも採用されていたもので、当然と言えば当然の仕様なのですが見るからに隙の無い構成となっており、専門家である東京学芸大学の教授陣などによる十分な検討が行われたであろうことが見て取れます。

アンパンマンのキャラクターを採用

さて、この「コドなび!」の学習プログラムなどでは、そのガイド役などとして「アンパンマン」に登場するキャラクターが起用されています。

バンダイの制作するタブレットなのですから、ある意味キャラクター起用には(ライセンス料を別にすれば)こと国内作品に限ればほとんど制約はないも同然と思われる中「アンパンマン」が選ばれています。

このあたりはいろいろややこしい問題もありそうなのですが、この機種の購入にお金を出す両親などの立場からすれば、「アンパンマン」は原作・アニメーション作品を含めて多くの人々に知られていて、そのいずれにおいても暴力的描写が皆無に近いため警戒すべき要素が少なく、教育上よろしくない影響が少ないと考えられるため受け入れやすい、という判断が働きやすいことは間違いないでしょう。

あるいは今後、別の作品のキャラクターを起用した派生製品が登場する可能性も皆無ではないでしょうが、仮にそうなったとしても、いわば子ども向けコンテンツの「定番中の定番」を起用したこの製品ほどの安心感を得られるキャラクターを別途探すのはかなり大変でしょうか。

個人的には、例えば「クレヨンしんちゃん」のキャラクターを起用したこの手の教育用タブレットがあったら(あの強烈な作品を教育の専門家がどのように「教育的」に利用するのか、という意味で)いろいろ面白いのではないかと思うのですが、そうしたキャラクターでは子ども達の支持は得られても親御さんの理解や支持を得るのが難しいわけで、奇をてらわず王道を選んだ今回の「コドなび!」は、特に「東京学芸大学と共同開発」という教育熱心な親御さんにとっては殺し文句となる宣伝文句もあるため、一定以上の成功や支持が期待できるものと思います。

これを最初に与えられるということ

以上、バンダイ初の子ども向けタブレット「コドなび!」を見てきました。

正直、色物になるのではないかと最初は思ったのですが、調べてゆく過程で典型的な中華タブレットベースの簡素なハードウェアでよくぞここまで「知育玩具」としての性格を押し出したものだと感心することしきりでありました。

ことに教育の専門家である東京学芸大の協力を取り付けて、教育プログラムとしての性質に対する疑念を抱かせず安心感を付与するというコンセプトあるいは戦略は見事というほかなく、実際に搭載されているプログラムや機能を見ても、その効果は大きなものであったと言えそうです。

この辺は、「アンパンマン」をキャラクターとして起用したことと合わせ、玩具業界でも最大手のバンダイならではの手際と言え、子どもがラフに扱ってもディスプレイ面を直接何かにぶつけでもしない限りはなるべく壊れないように工夫された、パンをモチーフにしたとされるシンプルな筐体デザインを含め、老舗メーカーによる商品開発ノウハウ蓄積の凄みを感じさせてくれる部分です。

これは独り者の筆者などにはおよそ無縁の機種なのですが、これを最初に買い与えられ「Android搭載タブレット」を当たり前のコンピュータとして認識した子ども達が今後どのようにしてコンピュータなどのIT機器と接してゆくことになるのか、どのようなカルチャーを構築してゆくことになるのかは個人的にかなり気になります。

そこまで大げさに構えることはないにせよ、彼らのコンピュータに対する理解や認識が良きにつけ悪しきにつけ、筆者らの世代とは全く違った物になるのは明白で、そこにはきっと新しい可能性があるのではないでしょうか。

▼関連記事
玩具メーカーの作った女子向けスマホ「Fairisia」はどこに勝機を見いだしたのか?
SIMフリー端末が欲しい人は要チェック!ポラロイドの子供スマホ「PolaSma」

▼参考リンク
~こどもの「できた!」を家族みんなで応援!~バンダイ×東京学芸大学によるアンパンマンの本格タブレット端末『コドなび!』 2014 年10 月25 日(土)発売 “タブレット学習”と“実体験”をつなぐ新発想の学習プログラムでより深い学びへ 日々の学習記録からお子さまの「こども力」を診断する“まなびナビ”搭載(バンダイ発表のプレスリリースPDFファイル)
コドなび! -codonabi-(製品公式ページ)
トップ of codomomiraikenkyujo

コメントは受け付けていません。

PageTopへ