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日本語対応した『SwiftKey Keyboard + Emoji』ベータ版を試す

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by [2014年8月26日]

Google Playで公開されているSwiftKey Keyboard + Emojiのページ日本語端末ではこのように日本語表示されるが、ここで提供されている正式公開版は未だ日本語に対応していない。

Windowsを長年使ってきたユーザーがAndroidを使用していて違和感を覚えることの一つに、「Androidではキーボード配列とIMEに相当するプログラムが一体となってキーボードアプリとして提供されている」ことがあります。

Androidのインストールされているハードウェアが、物理的なキーボードを搭載しないタブレットやスマートフォン主体であることを考えるとそれはそれで合理的なやり方なのですが、ともあれAndroidマシンではWindowsのように「標準的なキー配列」と呼べるものが存在せず、キーボードアプリそれぞれが独自に開発者たちの使いやすいと考えるキー配列の仮想キーボードを搭載して提供されています。

賢さをとるか、打ちやすさをとるか。それが問題だ

ここで問題となるのは、「使いやすいキー配列」を備えたキーボードアプリのIME相当部分、つまり入力文字変換を行う部分の出来が必ずしも良いとは限らないことです。

Windowsであれば、デバイスドライバの階層に位置するキー配列とIMEが分離されているため、どちらかが気に入らなければ交換することで解決を図れるのですが、キー配列とIMEがセットで事実上不可分のAndroid向けキーボードアプリの場合「変換が賢いが入力しにくい」、あるいは「入力が楽だが変換がお馬鹿」のどちらかを選ばねばならないことがあります。

もちろん「変換が賢く入力が楽」なキーボードアプリがあればよいのですが、なかなかそううまくはゆきません。

賢く打ちやすい?

しかしこのほど、キー入力にこだわりのある編集部内の同志F氏より、「SwiftKey Keyboard + Emoji」がよい、との情報が寄せられました。

このアプリ、イギリスの新興ソフトハウスであるSwiftKeyが開発したもので、現時点での正規版で世界58カ国の言語に対応し、ユーザーのキー入力履歴を分析して行う予測変換や自動訂正機能で定評があります。

もっとも、日本語への対応は、このアプリの最初のベータ版が2010年にAndroid Marketで公開が始まった直後くらいから切望されてきたものの、そもそも日本のFEP/IMEメーカーがここ30年ほどの間、膨大なマンパワーを投じて辞書や構文解析アルゴリズムなどの強化改良を続けてきてもなお完成形に至っていないことが示すように、日本語変換は非常にハードルが高くなかなか実現しなかったため、遺憾ながら筆者もその存在をすっかり失念してしまっていました。

しかし、今年5月にようやくベータ版ながら日本語対応版が公開されたとのことで、F氏曰く、その日本語対応ベータ版の「SwiftKey Keyboard + Emoji」に搭載された予測変換が結構すごい、というのです。

そこで今回は、この「SwiftKey Keyboard + Emoji」(日本語ベータ版)に迫ってみたいと思います。

Google Playでは手に入らないベータ版

SwiftKey 公式サイトの日本語トップ画面
ベータ版利用のために必要なVIPコミュニティアカウント取得方法の案内ページへのリンクや、最新ベータ版のダウンロードボタンなどが置かれている。

(日本語非対応の)正式版「SwiftKey Keyboard + Emoji」はGoogle Playで入手可能ですが、日本語対応のベータ版の入手には少々手間がかかります。

というのも、Swiftkey公式サイトにある「VIPコミュニティ」に登録・参加しなければベータ版の.apk(アプリケーションパッケージ)ファイルをダウンロードできないためです。

もっとも、実は公式サイトにはすでに日本語のトップページが用意されていて、ここにリンクされている登録ガイドを読んでその手順通りにVIPコミュニティのアカウントを作成し、トップページにある「2.ベータ版ダウンロード」をクリックすればそれでベータ版の.apkファイル(記事執筆時点でのバージョンは2014年8月11日付アップデートのバージョン0.5.2.177)がダウンロードできるようになっていますから、大げさに構える必要はありません。

.apkファイルダウンロード時に表示されるメッセージ

なお、ファイルのダウンロード時に「この種類のファイルはお使いの端末に悪影響を与える可能性があります。SK_Japanese_Beta-0.5.2.177.apkを保存しますか?」(※「SK_Japanese_Beta-0.5.2.177.apk」の数字の部分はダウンロード時のバージョンナンバーとなるため、バージョンによって異なります)という警告が出ますが、今回の場合は特に致命的な問題があるわけでもないので、これはOKを押して大丈夫です。

また、ブラウザがChromeなどの場合、ダウンロードされた.apkファイルはお使いの端末のストレージ内にある「Download」フォルダ内(筆者の端末の場合は「storage/sdcard0/Download」でした)に保存されますが、セキュリティ対策上の理由からその場で直接実行はできません。

そのため、実際にこのアプリを使用できるようにするにはGoogle Playで配布されているアプリとは異なり、アストロファイルマネージャのようなファイルブラウザを使用してこのフォルダを開き、そこに保存されている.apkファイルをクリックしてインストールを行わねばなりません。

その点は特にご注意ください。

実際に使ってみる

それでは、実際にこのアプリを使ってみるとしましょう。

キーボードアプリの常としてインストール完了後、「設定」項目に含まれる「言語とキーボード」で「キーボードと入力方法」に表示される各キーボードアプリあるいはIMEの項目の中から、「SwiftKey Japanese Beta」(正規版の場合は「SwiftKey」)を選択し、右端にあるボタンを「off」から「on」に切り替え、同じ項目に含まれる他のアプリの「on/off」ボタンをすべて「off」に設定すれば、以後はこの「SwiftKey Japanese Beta」がIMEとして各アプリの入力に自動的に使用できるようになります。

正統派で、それでいて工夫の凝らされたキーレイアウト

正規版の英語入力でもそうでしたが、この「SwiftKey」はいわゆるQWERTY配列の仮想キーボードを基本としているものの、「SwiftKey Japanese Beta」では記号についてはJIS配列ともASCII配列とも異なる独自のレイアウトを採用していて、26のアルファベットキーすべてに記号を割り当てて実用性を高めています。

また、数字入力の画面では、かな/アルファベット入力と数字や記号などの入力を集約してパソコン用キーボードのテンキーに近いレイアウトで表示する、という構成を採っています。

他のキーボードアプリの場合、記号類の扱いはなぜかなおざりになっていることが多く、使用頻度が高いのに入力しにくいというパターン(たとえば“_”(アンダースコア)や“@”など)が結構あったり、またパソコン用キーボードだとEnterキーと並んで大きな面積を占めるのが通常のスペースキーの扱いが悪いことも多かったりしたのですが、「Swiftkey」ではこのあたりが良くできていて、予測変換の機能を抜きにしても普段使いで使おうか、という気にさせてくれます。

スマートフォンやタブレットの仮想キーボードの場合、どうしてもスマートフォンで片手でメールが打てればそれでOK、というレベルでキー配列を決定されてしまうことが多いのですが、この、「SwiftKey」の場合、片手打ちの利便性を捨ててでも両手使用によるフルキーボードとしての使い勝手を優先して設計されているようです。

まぁ、このあたりは用途によって善し悪し、ということになるのですが、スマホでも文章を大量に打ちたい、という欲求のある筆者としては、こういうコンセプトのキー配列は大歓迎です。

かな入力(上)とアルファベット入力(下)の仮想キーボード
最上段に予測変換の候補が表示される。

数字(上)と記号(下)の仮想キーボード
用途ごとに使用頻度などを考慮してキーが配されており、使いやすい。

学習次第で大きく化ける変換エンジン

「SwiftKey Japanese Beta」で注目される機能の一つに、これまでローカルで蓄積してきた変換履歴を元にした、予測変換の機能があります。

何文字か打つとその先に打たれると推測される文字を補完し、その文字列で最も選択される確率が高いものから順番に候補を表示する、という機能ですが、ベータ版の現段階でさえ、入力文字数が多くなればなるほど、よく使うフレーズや熟語の候補出現頻度が高くなって打ちやすくなっており、予測変換の実用性はかなり高いと言って良さそうです。

しかし、注目すべきはそこではない、と筆者は考えます。

元々ローカルで持っている、つまりアプリのインストール時にインストールされる変換辞書の語彙が十分に多くかつ練られていて、また構文解析エンジンの完成度が高くなければ、この予測変換はうまく機能しないと考えるからです。

クラウドで変換を行うShimejiのようなキーボードアプリであれば、外部のサーバで持っているデータを参照し引っ張ってくればそれで済みますが、ローカルの辞書を使用して予測変換を行うのが基本となるアプリの場合、ユーザーによって打たれたデータの統計的な分析だけでは事足りず、その分析の基礎となる辞書そのものの完成度も問われることになります。

Googleのユーザーアカウントでサインインし、SwiftKey Cloudを利用するかどうかを確認する画面

その点、この「SwiftKey Japanese Beta」の辞書は、少なくとも筆者が試した範囲では相当よく練られており、構文解析でも特に違和感なく文節を区切っていることから、「賢い」部類に入ると考えて良いように筆者は考えます。

ちなみに、この「SwiftKey」はローカル辞書による予測変換だけでなく、「SwiftKey Cloud」と称するクラウド接続による予測変換もオプションとしてサポートしており、その場合Googleのユーザーアカウントを登録することで、Gmailで自分が過去に送信したメールの内容の解析結果を予測変換に反映することも可能になっています。

総じて良くこなれたアプリだが、仮想キーボードが大きすぎる

以上、「SwiftKey Japanese Beta」を見てきましたが、キーボードアプリとして重要なキー配列の割り当てと変換エンジンの賢さは、ベータ版の現状でさえ十分及第点を与えられる水準にあると筆者は考えます。

ただ、筆者が確認した範囲ではiWnnがインストールされた状態でこのアプリをインストールすると、うまくIMEが切り替わらない/切り替わっていたものが勝手にiWnnに戻されてしまうことがあり、その場合、アプリ上で明示的に使用IMEを切り替え指示しないとiWnnが出たまま、ということになってしまいます。

SwiftKey Japanese Beta使用状態で横画面にした状態
テキストエディタ本体の表示は全体の1/3以下となってしまう。

また、スマートフォンでの利用を考えた場合、デフォルトのテーマ(「Cobalt」)は画面を縦にした場合は問題ないのですが、横にした場合に全画面の6割ほどをこの仮想キーボードが占有してしまい、たとえば筆者が愛用しているJota+というテキストエディタでは実際にテキスト編集で表示できる行数がわずか2行となって、まるで黎明期の日本語ワープロや編集機能付き電子タイプライターのごとく、はなはだ使いにくいことになってしまいます。

このあたりは仮想キーボードの画面デザインの工夫でもう少し何とかしてほしい、というのが筆者の正直な感想です。

SwiftKey 日本語入力(ベータ版はこちら)

アプリ基本情報

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SwiftKey Keyboard + Emoji

Android価格:無料

  • バージョン Android:2.2

  • 備考

    正式公開版は日本語未対応

Androidアプリのアクセス内容

アプリ内購入
このアプリ内からの購入をユーザーに許可します
ID
次のものを使用します:端末上のアカウント、プロフィールデータ
SMS
次のものを使用します: SMS、MMS(通信料は料金プランに準じます)
画像/メディア/ファイル
次のものを使用します:端末上の画像、動画、音声などのファイル、端末の外部ストレージ
Wi-Fi接続情報
Wi-FiがONになっているかどうか、接続されているWi-Fi端末の名前など、Wi-Fiネットワークに関する情報を表示することをアプリに許可します
端末IDと通話情報
電話番号、端末ID、通話中かどうか、通話相手の電話番号を特定することをアプリに許可します。

※記事内の情報はすべてレビュー時(2014年08月26日)の情報です。

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